MacOSXライクなUIとは?


UI(ユーザーインターフェース)は、マシンと人間との接点だから、ソフトウエアを設計するうえで一番重要視すべき部分だと思っている。PCからMacに乗り換えた最大の理由は、Macが直感的なUIだったからだ(18年前のことですが…)。

そのMacのUIもMacOSXになって、どんどん進化してきたように思う。

しかし、未だにOS9を使っても特に違和感なく操作できる。極端ないらだちがない。昔から、人の直感による操作をUIの基本としているという本質的なところが、いまでも大きく揺らいでいないと言える。

iPhoneのUIに関しては2歳の子どもでも写真の閲覧、拡大縮小操作を見よう見まねで習得するらしい。そういう直感的な操作ができることが根底になって、UIのデザインが決まっていくのが筋だと思う。

さきにデザインを優先して、あとからUIの思想を押し込めようとしても無理がある。

宛名職人15(無償バージョンアップ版)がようやく届いたので、さっそくインストしてみた。

MacOSXライクなUIを採用して大きく変化した(だから開発が遅れた)というから期待していたが、大いに失望した。

ただビジュアルデザインを真似ただけのようだ。

アドレスブックのUIを真似しているのかと思っていたら、そうでもなく、iTunesやiPhotoなどのiLifeやiWorkなどのUIも研究された形跡がない。フォントパネルやカラーパレットも使われていないし…

まだ十分にためてしていないが、基本的な操作体系はまったく前のバージョンと変わらず、みばえとしてデザインがかわっただけ。

全く新しくMacOSXの基準にそって全面的に作り替えたものだとばかり思っていたのに、非常に残念だ。これでは、まだ前のバージョンのほうが分かりやすい(操作に慣れているからかもしれないけど)。

設計思想が根本的に違う様な気がする。


それよりも困ったことに、前のバージョンのデータを読み込めない!

そのまま読み込めるはずなのだが、延々と時間がかかった挙げ句、落ちてしまう。

Webのサポートページをみてもトラブルシューティングは掲載されていない。FAQには前のバージョンのデータはそのまま読み込めると書いてあるだけ。

メールでのサポートは受け付けていない。いまどき、電話かファックスでしかサポートしないなんて、どういう了見だろう。

ユーザーとちゃんと向き合ってサポートしようという姿勢がないのではないか。そういう態度だから、ソフトのUIだってユーザーの立場にたって設計できないのではないか。


木 - 11 月 6, 2008   03:20 午前