寺院建築−折衷様 |
「折衷様」とは和様、大仏様、禅宗様の良いとこ取りをして渾然一体化した建築の新様
「国宝折衷様建造物」の建立時代別では鎌倉時代は「東大寺鐘楼」、「元興寺本堂」、「元 |
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「海老虹梁」ですが堂内でも向拝でも用いられ、柱の繋ぐ高低差が大きい時は便利な梁で |
「観心寺」は大阪では珍しく四季の自然が楽しめる「花の寺」として多くの人々に親しまれ |
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緑の鬱蒼とした樹林を背景に、鮮やかな朱の彩色が一際目立す「金堂」を始めて見た時は |
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如意輪観音坐像(観心寺) 画 中西 雅子 |
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宝珠付き「鬼瓦」 |
閻魔大王付き「鬼瓦」 |
宝輪付き「鬼瓦」 |
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禅宗様「笈形(おいが |
青矢印の所に色んな絵様が付けられたものが |
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大仏様双斗(青矢印) |
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![]() 右の写真の丸印部分 |
大仏様双斗、繰形付きの実肘木(青矢印)です。 |
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資料として適当かどうかは分かりませんが比較しやすいので使用いたしました。和様の |
![]() 和様の丸柱 |
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![]() 禅宗様木鼻 |
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三間向拝 |
上から面取角柱、禅宗様礎盤(青矢印)、 |
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手前が「懸魚(げぎょ)(青矢印)」、奥の方が「手挟(たばさみ)(緑矢印)」です。(向拝) |
「東寺」の正式名は「救王護国寺」です。新幹線京都駅を大阪駅へ動き始めると間もなく車 |
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「金堂」は桁行五間、梁行三間、一重入母屋造、裳階付きで言葉にならないほど威風堂々 |
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組物間に平三斗(緑矢印)を禅宗様の詰 |
大仏様挿肘木の三手先、禅宗様拳鼻(青矢印) |
和様の平三斗を禅宗様の詰組のように用いたものでありますが後述の「東福寺三門」「東大 |
「東福寺」とは「華厳宗の東大寺」と「法相宗の興福寺」の一字ずつを取って寺名といたしま |
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手前の放生池(ほうじょうち)の橋を渡ると「三門」、仏殿とが南北の一直線に並ぶ南北の基 |
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大陸では古くからすでに高層寺院 |
下層部分の高さが高くなるよう全体の高さを一段と高く設計されており見事にバランスが取 |
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大仏様挿肘木(さしひじき)(緑矢印)の三手先(みてさき)です。挿肘木の木口には胡粉塗装 |
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「東大寺」といえば「大仏さん」と言われるとおり今なお絶大な人気を誇っております。奈良 |
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「東大寺」の「金堂」というより「大仏殿」の方が通りがよいです。本尊を安置する仏堂で「金 |
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銅板葺の唐破風(からはふ)は創建当初には存在いたしません。中央の頭が高くなって少し |
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柱は創建時84本、現在60本で創建当初の姿は想像に絶するものがあります。併せ柱と |
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「木鼻」は大仏様、禅宗様の混合です。右上 |
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(青矢印)、和様の小組格天井、禅宗様木鼻と賑やかな組合せです。 |
「鐘楼」は金堂より東の高台に
建立されております。「楼」とは二階建ての建築を表します |
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「鐘楼」には天平の大仏開眼供養に衝かれたと伝えられる重量26トンの大鐘が釣られて |
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柱は大仏様で太いですが組物は禅宗様
で |
禅宗様の詰組の四手先、和様の二軒の平 |
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大仏様の繰形付きの肘木木鼻(青矢印) |
中備は組物3組の禅宗様の詰組、総 |
巻斗(緑矢印)が連なって見えますのは一木に |
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![]() 外部部分 |
丸い大虹梁が組み合わさるところで細くなる(青矢印)のは大仏様の特徴の一つです。 |
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繰形の付いた大仏様木鼻ばかりでした。 |
「元興寺」はなら町にありますので是非訪れて見てください。 |
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「元興寺極楽坊本堂」は折衷様といたしましたが今なお天平の面影を色濃く残す雰囲気で伝 |
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の「榑縁」で南北面は「切目縁」です。しかし、 |
行基葺の屋根 |
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「元興寺禅室」ははるか昔を偲ばせる素朴で地味な佇まいです。 |
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桁行四間、梁行四間の方四間の切妻造ですが桁行の柱間を角柱2本で3等分されており |
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「長保寺(ちょうほうじ)」は「多宝塔」「本堂」「大門」の3棟が国宝指定と言う由緒ある寺院 |
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「本堂」は安定感のある気品漂う仏堂で、美しい雑木林の背景に溶け込んでおり古色蒼然 |
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![]() 和様のシンプルな蟇股 |
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![]() 禅宗様拳鼻 |
![]() 禅宗様桟唐戸ですが藁座は設置さ れておりません。 |
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「鶴林寺」は2004年8月に「トリビアの泉」でウインクする十二神将像が紹介されました。 |
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「本堂」は方七間堂の大型仏堂で「折衷様」の傑作中の傑作と言われるだけに完成された様式 |
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![]() 成道の木・菩提樹 |
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「お釈迦様が入滅になる時周囲に繁っていた沙 |
になったという仏教に因縁ある木。これが当寺の名前の鶴林の語源である。・・・」と説明 |
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「朝光寺」は兵庫県のゴルフ場に囲まれた人里離れた静かな山間部にあり人影はなく私一人 |
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「本堂」は方七間の大型仏堂で、美しい大自然のふところで眠っているようにひっそりと |
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石段を上がると山門でそれをくぐると本堂が目に |
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![]() 禅宗様木鼻 |
![]() 禅宗様桟唐戸 |
![]() 中備は大仏様双斗 |
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三間向拝 |
禅宗様海老虹梁(青矢印) |
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「明王院」はJR福山駅よりそんなに遠くない芦田川の辺にあり「本堂」「五重塔」が国宝指定 |
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「本堂」は非常に均整が取れており心が和む仏堂です。入母屋造、方五間堂、一間向拝です。正面五間の総てが扉です。屋根の軒反りは大きく反り禅宗様のようです。 |
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禅宗様二重虹梁大瓶束は簡素で大変美しいものです。中央に連子窓があるのも珍し |
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![]() 出組に禅宗様拳鼻 |
![]() 禅宗様の台輪、木鼻、柱の粽 |
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「浄土寺」は建物の美しさに驚くと同時に鳩の多さにびっくりいたしました。また、悪いこ |
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「本堂」は入母屋造の方五間です。和様に大仏様の様式が取り入れられております。 |
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![]() 和様の蟇股(向拝) |
装飾彫刻がネットで囲われているのですが、他に歴史的建造物を鳩の被害から保護する |
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「向上寺」は西瀬戸自動車道で因島市を抜けた生口島(いくちじま)北ICから近距離にありま |
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石階段を登り極彩色の彩色が施された「三重塔」を最初に見た時、息が詰まる思いでした。 |
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三重塔の場合初重、二重が平行垂木で、最上層が扇垂木が通則ですが。 |
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和様の跳高欄に禅宗様の逆蓮柱、和様の連子窓、禅宗様の花頭型出入口、和様の支輪が |
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絵様隅木(青矢印)、絵様肘木(緑矢印)、禅宗様の尾垂木が2本 |
風鐸(ふうたく) |
禅宗様の台輪と木鼻 |
禅宗寺院には風鐸は付きませんが禅宗様の安楽寺三重塔にも風鐸がついております。塔に |
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絵様肘木は葉が3、4枚で装飾彫刻されております。 |
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若葉絵様の木鼻 |
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禅宗様の花頭窓、禅宗様の藁座、禅宗様の桟唐戸、禅宗様の蓑束、禅宗様の柱の粽が見 |
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禅宗様の花頭窓、禅宗様の桟唐戸、礎盤ではなく基壇上に地長押となります。基壇上に |
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