群馬県高崎市

                   低周波音被害 周知のための一歩 (20130205)




 高崎市ではエコキュート訴訟が我が国で初めて行われ、現在も係争中である。当事者にとっては不幸なことであったが、この事件を契機に、高崎市は変わりつつある。そして、今後、全国に先駆けて、低周波音に配慮した町づくりが行われ、各地に広がっていくことを望んでいる。
 熱心にこの問題に取り組んでいる丸山覚市議は、市議会において次のような質問を昨年末行った。これは低周波音被害を非常にわかりやすく語ったものとして貴重であり、各地の行政に関わる方々に是非とも見てもらいたいものである。 高崎市議会録画放映(20121204) 議事録からの要約


 そして、2013年1月31日発行の高崎市「市議会だより」には、この質問が掲載された。答弁によると、高崎市は市民に低周波音被害について認識が広まるよう、HPなどでもこの被害について掲載することを検討しているとある。消費者である市民が低周波音の正しい知識を持ち、意識を高めることが、施工会社やガス会社をして近隣への配慮の必要を知らしむることになり、苦情が生じた場合にも円滑に話し合いが進むことが期待される。
 しかし、行政がこのようなことをする前に、多くの苦情が業者の元に届いているはずであるが、業者は低周波音を認めず、自主的に対応するつもりもなかった。倫理観の欠如によるものか、あるいは、対策不能から、被害を隠蔽するしかなかったか・・・。
 高崎エコキュート裁判原告は2009年2月、隣家にエコキュートが設置され、それからずっと体調不良に苦しんでいる。そして、4年が過ぎ、5年目を迎えた今もなお、状況は変わらず、闘いの最中にある。
 一部の市民の生活を破壊させ、その上に成り立つ個人の快適な生活と企業の利益。犠牲になった人々の苦しみを理解しようとせず、法廷でどこまでも争うことに被告は恥と思うことなく、法規制がないことを盾に非を認めようとしない。世間の低周波音に対する意識の高まりにより、企業イメージが損なわれることでしか、被告達に理解させることはできないのだろう。