低周波音測定  20111030


 

 私の不眠は、隣家エネファームが原因ではないかと思い、それを確認するために、低周波音測定を希望したいと市役所環境局に相談に行きました。しかし、環境局は普通騒音計(NA-20)の貸出はするが、低周波音測定器は所有していないので、民間の調査会社に問い合わせれば良いと言われました。また、騒音計での測定結果では、当地域の環境基準は夜間(22時から翌6時まで)45dB以下となっていますが、たとえ、測定結果が基準値を超えていたとしても、役所は民民問題には不介入であり、住民同士で解決するようにとも言われ、当然、低周波音被害についての苦情も受け付けてもらえませんでした。

その後、当市の市民相談にも、生活相談にも行きましたが、有益なアドバイスを得ることはありませんし、住居に関する相談員も低周波音に関してあまりご存じありません。また、低周波音測定器は、環境省より全国都道府県に 1台ずつ支給されているはずなので、県に問い合わせてみましたが、たらい回しのあげく、某団体を紹介されました。しかし、その団体でも、測定器は所有していないということでした。結局、県の測定器はどこにあるのか、県の窓口も所在を把握していません。自治体によっては、貸し出し、あるいは測定をしてもらえる所もあるようですが、当方の住む県では、現在の所、測定は不可能です。すなわち、行政は、低周波音の被害に対して無為かつ無策です。

 しばらくして、NA-18Aでデータをとり、周波数分析の結果、明確な12.5Hzのピークが認められ、それが我が家の低周波音被害の原因だということがわかりました。

  私は以前から、車のアイドリングで不快な気分になり、それが低周波音被害であるとは自覚しておりませんでしたが、すでに低周波音被害症候群を発症していたようです。そのため、隣家エネファームの稼働開始と同時に、被害が現れたのですが、家人は約1か月半の潜伏期間を経て発症しました。低周波音被害は、同じ状況下にある家族でも、全員が発症するわけでもなく、また、感受性の個人差により、通常、時間差で症状が出ます。娘と私では、症状もかなり異なり、娘の異変になかなか気づかず、もし私に被害がなければ、エネファーム稼働1か月半で発症した娘は、何が原因でベッドから起き上がれない状態に陥ったのか、不可解のまま時を過ごすことになったと思います。さらに、場合によっては潜伏期間が年単位ということもあるようで、実際は低周波音による被害であるにも係らず、気づくことなく、原因不明の体調不良の方も多いのではないかと思います。

  もし、不眠をはじめとする体調不良の原因が低周波音ではないかと疑いを持つことがあれば、まずは低周波音の測定が必要です。下図は当方自宅居室での計測結果ですが、このような、苦痛を感じる場所では、ある特定の周波数にピーク(卓越周波数)が現れますが、この場合では矢印の12.5Hzと50Hzに認められます(25Hzにも小さなピークあり)。この音が途切れることなく、一定の音圧で長時間継続し、特に静かな夜間では心身に苦痛を与えます。そして、被害のない場所でそれが計測されなければ、体調不良は外因性で、低周波音が原因ということになります。当方の場合、自宅居室と避難先での12.5Hzの音圧レベルの差は約29dB(2.9B)、約800倍(10の2.9乗倍)の音圧エネルギーの差になりました。避難先では、家人も私も、健康的な生活が送れており、体重も徐々に戻ってきております。娘と私は、低周波音症候群被害者であったことは明らかです。

   尚、蛇足ですが、避難先には騒々しい車道に面した部屋もありますが、私も娘も苦痛を感じませんし、不眠になることもありません。いろいろな周波数の音が混ざりあい、常に変化のある音環境で、卓越周波数の音が絶え間なく継続している訳ではないからです。白色雑音や騒々しい熱帯雨林の環境音は不眠の原因にならないそうですが、納得しました。

 我が家での低周波測定結果の一例
低周波音測定の注意点