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摂食障害 専門サポート 心ざわざわ

 摂食の障害ではなくて、心の問題、行動の病であることを。摂食障害を知ってもらうために。

 心ざわざわは、摂食障害、過食症を専門に、勉強会、セミナーを行っています。
 拒食、過食、嘔吐の克服者で、専門病棟勤務経験、ベテラン看護師でもある精神作家の岡本理香による兵庫県神戸市でのメール日記心理療法・森田療法を基本にした勉強会やセミナー。
 そして著書「摂食障害〜私の中の一部分〜」「死んだら、アカン」「これも・あれも・ぜんぶ・あたし」など13作品、サイトやメルマガをまとめた完治ヒント冊子本のご提供。
 独立行政法人福祉医療機構長寿・子育て・障害者基金助成事業にて、冊子の無料配布、セミナー、家族会、座談会、懇親会、BBQ野外活動など摂食障害のイベントも充実。

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摂食障害(Eating Disorders)
□摂食障害(Eating Disorders)
1689年 リチャード・モートン「神経性消耗病」
1874年 ウィリアム・ガル「思春期やせ症」
1973年 ヒルデ・ブルック「Eating Disorders」
日本では(厚生省特定疾患)、1960年頃から拒食症、1980年頃から、過食症。
1998年、拒食症は10,000人、過食症は5,000人と推定(5年間で拒食症3倍、過食症5倍)。潜在タイプを合わせると20,000人超えか?

T DSM-IV(アメリカの精神障害診断統計マニュアル)
○神経性食欲不振症(Anorexia Nervosa)
●制限型●無茶喰い・排出型
○神経性過食症(Bulimia Nervosa)
●排出型(Purging Type;自己誘発性嘔吐、下剤、利尿剤、浣腸あり)●非排出型(Nonpurging Type; 代償行為がないか、あっても絶食や過剰な運動など、排出以外の不適切な代償行為だけ)
○特定不能の摂食障害(Eating Disorder Not Otherwise Specified)
●拒食症とも過食症とも決め難い(若年層に多い)●定期的に月経のある拒食症、過食なしの普通食嘔吐、チューイングのみ
○無茶喰い障害(Binge Eating Disorder)
●無茶喰いエピソードを繰返すが、神経性過食症に特徴的な代償行為の定期的使用をしない

一人の患者が病期によって、それぞれの診断に移行する。
神経性食欲不振症は、期待される体重の85%以下、月経周期が連続で3回欠如(今後検討)、規則的な無茶喰い・排出行動。

U 摂食の病ではなく「行動の病気」=パーソナリティ障害=感情コントロールの障害。
○人からどう見られるかという自尊心の病理、人から見下されるか、見下すか、勝ち負けの2選択の世界、人の顔色を伺う、他人の目が自分を映す鏡。
○自己評価は体重に左右されるが、ボディイメージの歪み(認知・知覚)ではなく、感情の障害で、自己像の不満とやせ願望(自己愛の病理)がある。
●自己評価が低い(理想が高い)、理想の自分以外は自分ではない(理想=母親が認める良い子)、0か100(99も65も1もない)、完ぺき主義、ミスは許されない(自己他者ともに)、今すぐ結果を出さないといけない、徹底性、他人の評価を過剰に意識、無力感、アレキシサイミア(自分の気持ちがわからない)、強迫性(こだわり)、不安・緊張。※冊子参照
●衝動性(自分で自分をコントロールできない)、攻撃性、対人関係の脆さ。
●倒錯(受け止めずに快楽で消したい=心の中の不安、悲しみ、苦悩、葛藤を行動や行為で、発散し排出する)と嗜癖(反復強迫=慢性化)。
○乳幼児期に得ることができなかった安心感=見捨てられ抑うつが根底にある=養育早期に甘えの断念を自ら行い、子供のままで次の発達段階へ移行している。 思春期の自己のアイデンティティの確立〜母親との心的分離=反抗期がない。※冊子参照
自信がない、孤独感、無力な絶望感、体の変化(本能の欲動)と環境の変化に対応できない。
母親に執着、依存と攻撃を執着した相手に向ける。
○過食=転ばぬ先の杖(現実逃避)=口唇期(おっぱい)への退行(赤ちゃんがおっぱいを吸う行為)=無意識の世界に、どっぷり浸る。嘔吐=現実チャラ(なかったことにする)。
○無知にとどまる、知ろうとしない、真実を隠す偽りの知識でうめる。何でも人のせい、誰かが何とかしてくれるという気持ちが強い。自分を守るために嘘をつく(ドタキャンが多い)。
○健康をめざす自己と破壊的自己愛的自己が分裂している。
○過去に執着し未来を不安がる(頭の中が休まることがなく、考え続けるが、行動が伴わない)。
○食は、生命維持に不可欠、その食にコントロールされた生活。経済問題を抱える。
パーソナリティー障害
T パーソナリティは、性格と気質が統合されたもの。 パーソナリティ・スタイル=個性。 偏った考えや行動のパターンのために、家庭生活や社会生活に支障をきたした状態=幼い。
@ 両極端で単純化した認知(自己、他者、出来事を解釈)
A 自分と他者の区別があいまいで混同。
B 信頼関係を保ちにくい
C プライドと劣等感が同居
D 暴発や行動化(衝動の制御)

●自己愛(自分を大切にする力)が成長していない。親が強力すぎるか、弱すぎる偏り。
● 環境要因 @ 愛着形成と母子分離 A 発達面(注意欠陥、多動性障害、アスペルガー症候群) B 社会面(核家族、過保護、経済の豊かさ代替物で欲求を満たす、メディア通信手段発達)

U 分類 A郡(非現実的)
●妄想性パーソナリティー障害:不信と疑い深い
●ジゾイドパーソナリティー障害:社会的関係からの遊離、感情表現の範囲の限定
●失調型パーソナリティー障害:認知的または知覚的歪曲、奇妙な行動 B郡(ドラマチック)
●反社会性パーソナリティー障害:他人の権利を無視して、それを侵害する
●境界性パーソナリティー障害:対人関係、自己像、感情の不安定、及び著しい衝動性
●演技性パーソナリティー障害:過度な情動性と人の注意を引こうとする
●自己愛性パーソナリティー障害:誇大性、賞賛されたいという欲求、共感の欠如 C郡(他者本意)
●回避性パーソナリティー障害:社会的制止、不全感、否定的評価に対する過敏性
●依存性パーソナリティー障害:世話をされたい過剰な欲求、従属的でしがみつく行動
●強迫性パーソナリティー障害:秩序、完全主義、統制にとらわれている
その他・特定出来ないパーソナリティー障害

V 境界性パーソナリティー障害(B.P.D.)=変動の激しいお天気屋さん
日本では、1980年頃から徐々に目立ち始め、身近な問題となっている(人口の2%)。
○1歳から3歳ごろの母親との分離に躓き、養育側の一貫性の欠如、過干渉(過保護で支配的)、放任的(不十分さ)、虐待、叱る存在が不在(父親)。
○自己や他者への感情と評価が非常に不安定(安定している時は冷静で論理的)=その変化は時間・日単位で激しく極端に対極的に変化する、自傷行為、引きこもり、家庭内暴力(行動が他者や動物に向けられる)など。
他者との関係の距離が分からなく、信頼すると執拗に依存し密着する、衝動的な破壊行動、不安定で強烈な人間関係、不適切な激しい怒り、自己同一性の問題(自己イメージの不安定さと社会的役割意識の希薄さ)、感情の不安定性、慢性的な空虚間や退屈感、見捨てられ不安。
いろいろな方法で周囲の人間を操ろうとする傾向があり、周りの人が振り回される=台風の目。自覚的には慢性的な抑うつ感、虚しさや不安、死にたい神様が来た、自殺未遂。周囲からの人物評価が一定していない。
1. 見捨てられることを極端に恐れる。
2. 他人に対する評価が、最高(全て良い)と最低(全て悪い)の間を極端に揺れ動く。
3. 理想的だと思っていた人を、最低の人間として軽蔑・攻撃するようなことが頻繁にある。
4. 自分がどういう人間であり、どのように生きていきたいかが定まらない。
5. 自殺をほのめかす。大量に薬をのんだり手首を切ったりする。これを繰り返す。
6. 衝動的・自己破壊的行為。ドラッグ、無謀な運転、金銭の浪費、過食、普通でない性行為。
7. 感情がひどく不安定。2〜3時間で激変、不安・いらいら・不快感が続く。
8. いつも虚しいと感じている、愛情飢餓。
9. 些細なことに対してひどく怒る。それを自分では抑えられない。
10 .一時的に精神病状態になることがある。妄想が出て来たり、意識がもうろうとなったりする(強いストレスを受けると解離症状を起こす、離人・健忘・同一性障害、脳の海馬の萎縮、記憶器官、妄想観念)。
○セロトニン系(神経伝達物質)の低下、痛覚閾値(いきち)の上昇、頭部外傷既往など。
○物が愛情という無意識=万引きの問題
○治療・経過
●精神療法、自我の再建、心理教育、行動集団療法、家族介入(家族指導は重要)。
●薬物療法、抗精神病薬、SSRI、気分調整薬など。
●年齢が上がると有病率が低下、経過の中で精神症状や問題行動は減少し、社会機能の改善(Sheaらの2002年の報告では、治療経過1年後、診断41%まで減少)。
克服とは?対応は?
○対応(パーソナリティ・スタイルとして大人になる・円熟) ※冊子参照(下記は重複)
@現実的な課題に目を向ける。心の中で拒否していないか?
A一貫した態度。どーんと構えて、のんびりと、愛=信。
B本人の位置に目線を合わせて人生を本人に戻す。いいんですよ。そのままで。自分の時計で。
C大人=自由=責任=選択
D一喜一憂しない。親戚の子を下宿させているつもりの冷静さと消音装置感覚。
Eはっきり、断固と叱る。体を張ってぶつかることも必要。
F行動化には、入院、入所の行動制限、行動の背景を汲み取る姿勢。

○克服とは?※冊子参照(下記は重複)
本来の自己をそのままで、コントロールとバランスを身に付ける。体調管理に気をつけること(睡眠、疲労、生理)。コツコツと、今することは、今するが、明日でいいことは、今しない。日常の生活を丁寧に=足元の豆を拾う。何事も溜めない、整理整頓は捨てることから始まる。自分が自分の傍にいないから寂しい。一人でのんびりする時間を持つ。考えずに、感じることをしながら、体を動かしていく。母は母。私は私。
○自分の一部に摂食障害がくっついている。納得するものを食する。意識生活をする。癖から良い習慣へスライドさせる。食費、片付け掃除、料理、買い物など。体重維持の健全な工夫。
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