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克服・回復して知ったこと(岡本の個人的な考えです)

発症(もちろん症状がでた時点が回復の一歩目ですね)は、本人は本人、家族は家族、それぞれが「自分」を見つめる=知る機会なのです。
矛盾を知る。
自分の感情・世の中・他者の存在 変化を知る。気温、暑い寒い・体調、寝不足しんどいだるい等々を知りました。
しんどい、辛い、苦しい、うれしい、楽しい、悲しいを知る。ロボットが人間になりました。怒りだけが感情ではないのです。

金銭感覚を見直すことが大事(現実問題、これはかなり深刻でした)
躾、礼儀を身につけることが大事

一般の方が休日にパジャマのままのんびり横になってビールを飲みながらテレビを観ている意識レベル=渦中の方の車の運転をするや何かプレゼンをするなど緊張している意識レベル。
いつもベールが被った別世界に心身ともに飛んでいました。

回復者からの本音 「焦らせないでほしい、早く治せって言われても、ドクターも親も分からないのよ、渦中の時、摂食障害を楯にして現実逃避をしている時が、どれだけ楽かを。大人の苦悩する辛い面倒くさい回復(克服)の世界に、そう簡単に進みたくない」

知るだけです。感情は入らず、認めず、分からず、ただ知るだけです。

現実は矛盾だらけだと知った
自分の体調を知った・自分の感情を知った
自分のできないことを知った
頭を下げて謝罪することを知った
反省という意味を知った
責任を負うのが嫌で逃げまくっていた子供だと知った
いつも誰かが尻拭いをしてくれると思い込んでいた
周囲のヘルプは回復の妨げになると知った(特に経済)

答えは大人になることだと知った時、摂食障害は完治していた。いつの間に治ったのかな?いや大人になったんだな。大人か。自分の本当の年齢を知ったのは、35歳を超えてからでした。同時に母の年齢も。症状を止めようとしたことは一度もなく、忘れるように、大阪から神戸に転居した日に、すっかり消えました。拒食・過食など11年抱えた症状は、瞬時に無くなりました。これは22年喫煙を手放す気もなかった岡本が「もう自分には要らないわ」と瞬時に手放した事項とまったく同じです(2010年11月)。
完治したら、摂食障害の文字すら頭から消える。5年以上忘れていました。恐らくその頃の仲間は(タレント活動をしていたころや訪問看護をしていたころ)何も知らないはず。
人が誰もが、自分の足で乗り越えていく過程、生きるという経過であり、今も自分が取り組むべきことは、目の前のそれであり、自分の最期まで葛藤し続けることなのだと、知りました。


まだまだ知らないことばかりの私でございますが、自分は知らないということを知り、生かされていることに感謝する気持ちは、日々忘れないようにしております。
30歳半ば、初めて、頭を下げることを知り、自分の足元を観ました。教えて頂けるということが、どれだけ有難いかを、お恥ずかしいのですが、初めて知りました。何事も一つずつしかできないことも、この時に知りました。
今年1月末に、肺がん末期、余命1カ月の告知を母にいたし、それぞれが、今という時間を大切に過ごせたと、私は思っております。
たくさんの方との触れあいに「母のお陰さまで、あなた様とご縁がございまして、感謝しております」自然にお辞儀をする年齢に私もなったのでしょうか? いいえ、まだまだ未熟でございます。 きっと母が「奢(おご)らず、学びを深めなさい」と、このご縁を導いてくれたのでしょう。ありがたく思います。
皆々様に心から感謝をいたし、このご縁を大切にさせていただきます。

心ざわざわ 理事長 岡本理香




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