第二十六話 シマヘビの擬態
まさか??・・・?シマヘヒが擬態するなんて・・・
シマヘビの擬態
2008/09/01 愛知川上流にて
渓を釣り上がったがそろそろ時間も来たので、適当なところから林道に這い上がり駐車地まで戻るために下流方向へ歩いた。
前方にヘビらしきものが林道を横断しようとしているのが見えたが、私にとっては特に珍しい景色ではないので気にせず下りの坂道をどんどん早足で歩いた。
しかし彼奴と約5mほどに近づくとどうしたことなのであろうか、その1m超すと思われる蛇が縮みジグザク状に固まってしまった。
それはまるで道路に散乱している枯れ枝そっくりなのである。
思わず、”あっとー” 小さく叫んだ。
これはカメレオンや昆虫などが行う擬態なんだろうか???
しかしこの大きな蛇が擬態をとるなんて初めて見るのである。
このシマヘビが恐れている動物は猛禽、イタチ、人間ぐらいと思うが。
しかし目を凝らして見ると、どう見ても車にひかれて背骨が折れた蛇のように見えた。
さらに近付くと、瞬時に蛇の体はなだらかな曲線になりすごい速さで崖下に消えて行った。
目の前で起きた出来事を反芻しながら林道を歩き考えた。
あれは車にひかれて背骨が折れた蛇の擬態ではなく、枯れ枝に似せたのではないかと???
帰宅後、ネットで調べてみました。
やっと同じ事例が一件あるのが分かった。それにはまさしく同様な写真を載せられていました。
それでやはりシマヘビが反射的に枯れ枝に似せた擬態をとったと確信が持てたのである。
擬態(ぎたい)について調べてみました。
一般的には、周囲の環境や他の生物に似せること。
・隠蔽的擬態
体の色や形を背景や環境に似せて目立たなくする。
・標識的擬態
捕食者を警戒させるのが目的で、周囲から目立つ様にする。
擬態をめぐる自然界のしくみのおもしろさと、戦略に脱帽である。