第二十五話

     師匠と弟子の会話

 
師匠と弟子の会話  その1
先行した師匠が疲れきって大クヌギ下で一服中、弟子が追い着き声をかける
 弟子:あの白い筒は何です?
 師匠:クヌギ、ナラなどのブナを植林しているのだ 筒はカモシカより葉を守る事と
     積雪対策なのだ
 弟子:この木はクヌギですよねえ
 師匠:偉そうに上を指さし葉っぱを良く見てみろ 遡行と言うのはなぁ、川面を見ている
     .だけでは駄目
     いつも言っているように岩を木を花を山を空を生物を観察しながら釣り登らなくちゃ!
 弟子:見上げながらすっとんきょうな声で「あれは!・・・確か大スズメバチの巣ですよね!」
 師匠:あわてて見上げながらウンウン 確かに大スズメバチの巣だ!これは大変だ
     撤退、撤退と叫びながらディバッグを慌てふためき取り上げて、後ずさりして
     その場を離れる
     およそ50m程離れたところで危なかったな! なんか様子がおかしいと思った
     のだがなぁ・・・
     あれれーー 眼鏡を木の下に忘れてきたぞ! ○○君、これから眼鏡奪取作戦を
     命じるぞ!
 弟子:困惑した顔をしながら頭にシ゜ャンパーのフードを被り戻りはじめる。
     フードで顔が見えなく..声も聞えないので師匠のことををぼろくそに言いながら作戦を
     敢行していても師匠には一向分からない。
 師匠:スマン!スマン! 

 
弟子:終始無言 「俺は寡黙な男さ!」
    師匠と弟子の会話 その2

※好ポイトと思われる砂ぼうダム下での会話 弟子がまず約23cmのあまごを釣り上げる。
  弟子:師匠交代しますまだまだいますよ。
  師匠:ウン ・・・  (負けて成るものか!)
※さすが師匠 簡単に約18cmのあまごを釣り上げる。
  弟子:少し私のものより小さいですね
  師匠:ウン ・・・  (負けたなーぁ) 交代だ!
※さすが私の弟子、簡単に約13cmのあまごを釣り上げる。
  弟子:だんだん小さくなりますね!放流しますよ。
  師匠:俺に任せろ 大きなのを釣り上げるから
※さすが師匠 いとも簡単に約4cmのあぶらハヤを釣り上げる。
  師匠:もうここには居ないなー 上流に移動しよう。
..※弟子困惑した顔をしながら聞こえない振りをしてしつこく竿を出し 約20cmのあまごを釣り上げる。

 
師匠:終始無言 「俺も寡黙な男さ!」

 夜空に満点の星を仰ぎながら
仕事の関係で遅れた別
の弟子と合流し、
茶屋の渓にテントを張り
二十世紀最後の釣りを無事終えた事にカンパ
イする。

あすなろつぶやき                      あまごと岩魚と翌檜