流においては、林道を歩き山道を辿り渓に降り立つところから遡行が始まるが、そこからは渓通しですんなりと歩けることは殆ど無く、すぐに滝や淵のゴルジュ帯に遭遇することになる。 その場合に辿道と云われている殆ど踏み跡が消えかかった猟師道を利用して回避したり、高巻いたりすることが多い。 これらの辿道は、殆ど猟期である冬期に僅かな猟師さんが使用されているのみなので、殆ど消えかかっていても不思議はない。 踏み跡を見つけ、それを辿って10m-20m程度は何とか前進できるが、大概その道が何となく二つに分かれていることが多い。 一方は辿道で他方は所謂獣道であるが、殆ど釣り人には区別がつかないため行ったり来たりとさまよう事になる。 その原因は何のことはない、猟師さんは獣道の一つを利用して辿道を作っているからなのだ。

そのような場合に陥った時には、木の枝や幹を凝視して先人が残してくれたテープや猟師のナタ目を一所懸命に探すのであるが迷ってしまってからは殆ど見つからないものである。 時々目にするのは上や右の写真に有るような獣の爪あとである。 最初に目にした時は熊の爪跡と思いドッキとしたものである。知り合いの猟師さんは鈴鹿には熊は居ない。しかし湯ノ山温泉の近くにある熊牧場から月ノ輪熊が逃げたとも聞いているとも云われ、ほんとかいな?・・・と思いつつ 思わず熊よけ笛を吹いている 臆病な釣り人である。. . .. しかしこの爪跡はいったいどの獣が付けたのだろう・・・?  ご存知の方はご一報下さい。

右写真は鹿又はカモシカによる樹幹の傷跡と思われる

上の写真と明らかに異なる

そろばん玉を貼り付けたような樹幹もあるがこれはこの木の特徴であって傷ではない。

2004.9.3 茶屋川にて


2004.9.3 茶屋川にて

猟師さんのナタ目

2004.7..30

神埼川にて

そろばん玉のような傷があるのは山鳴らし(杜又はハコヤナギ)である。 この樹に出会うと一瞬ドキットするほど異様な樹幹であり何となく避けて通る事が多かった。 特長を調べるとなかなか面白い樹である。

あまごと岩魚と翌檜

 追加記入 2004.11.9                              滋賀県のホームページには 主なるツキノワグマの生息域は湖北地域、湖西地域、鈴鹿山系と明記されています。 そこで問い合わせてみました。どうも有難うございました。

 鈴鹿山系にもツキノワグマの生息が確認されています。
今年度は日野町のほか永源寺町、蒲生町、米原町で目撃情報があります。御在所岳付近にも生息している可能性はありますが、鈴鹿山系のツキノワグマの生息数はあまり多くはなく、山中で出会う可能性は無いとはいえませんが、確率的には低いと思われます。 ただ、お出かけになる時は、クマよけの鈴を持参するなど、十分注意をされることをお勧めします。 
              滋賀県自然環境保全課

二十二話山鳴らし