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 四つも目のある不思議なへび物語


                          滋賀県愛知川支流茶屋川にて

 釣り終えて荒れた林道を戻る途中で、林道いっぱいに拡がった大きな水溜りがあり、しかたなく草の生えた路肩に足を入れた途端に地面にあった灰色の枯れ枝がズーズーと動いた。思わず身構え腰砕けの状態でその枯れ枝を見たところへびだということが分かるが今まで見たことも無いへびである。
体長約1メートル灰褐色だが目が四つもあるではないか?また胴体がコブラのように平たい。なななー???・・・だ! このへびはと思うが体が硬直状態でどうにも成らない。

           

その後少し落ち着きを取り戻してから頭部を良く見ると眼と見間違ったのはどうやら角のようである。
しかしながら角の生えたへびは今まで見たことも聞いたことも無い。家に帰り図鑑等を調べたが載っていない。
茶屋川は渓流釣りによく行くが岩石が緑灰岩であり暗くじめじめした谷であり陰湿、したがってヒルが非常に多く釣り人を悩ます。となりの白い変成岩が多く明るく開けた神埼川や人の生活臭が漂う御池川と大きく趣が違い謎深い谷である。

このへびが非常に気になったので専門家の人に失礼を省みずEメールにて問い合わせをしました。

             石川県林試の矢田さんより ご返事を頂きました。 どうも有難うございました。

 おそらくヤマカガシではないかと思います。
ヤマカガシはかなり色彩変異があります。
また、胴体(特に上部)を平たくするのは、ヤマカガシの威嚇姿勢です。
ただ、『頭の後ろに目のようなこぶが二つある』というのは、私は確認していません。 もしかしたら、威嚇姿勢の一部で、毒腺を『誇示』しているのかも知れません。
自宅の文献で再度確認し、付け加えることがあればまたご連絡します。

 文献を確認しましたが、やはり目の後ろのコブについての記述は見あたりませんでした。最大級の「防御/威嚇」体勢だったのかも知れませんね。
ヤマカガシは、口の奥に毒牙を持っているほか、頸部の両側に毒腺を持っているそうです。 それで胴体を押さえられたりしたときには頸の「打ち付け行動」を行い、毒が敵の目にはいると強烈な刺激を感じるとのことです。
また、低温であまり動けない時等に、体を平たくする威嚇体勢を取ることが多いようです。

        JAPAN SNAKE INSTITATEさん からもご返事を頂きました。 どうも有難うございました

 これは大きめのかなり黒っぽい(完全な黒化型ではないが)ヤマカガシが、興奮して頚部を広げ頭をもちあげているところです。
首を曲げて、胴体を平たくしているのであごの骨が出っ張っているのでこぶのように見えたのでしょう。

ヤマカガシは、平地では90cmくらいまでですが、山に近いところでは1mをこえる大きな個体が見られ、時には1.4mくらいになります。かなり太く、コブラなみのヤマカガシがいます。このような大きな個体はほとんど全てメスで、尾が短く、首を広げると赤い斑紋が目立ち、横にジャンプするようにすばやく動きます。
このようなヤマカガシがしばしばツチノコと間違われます。
もちろん毒ヘビですので、特にこのような大きなヤマカガシに噛まれると非常に危険です。

 ヤマカガシ? 同じ種類のものとは思えない

          

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