2004.12.9

結婚生活 その1 料理



結婚する前に、何が心配って、

それは、「料理」だった。



20歳くらいの時に、同僚に誘われて、
料理学校に通ったこともあるくらいだから
「料理の仕方」は、一応知っている。

でも

「独り暮らし」があまりにも長く、
いい加減なものばっかり食べていたせいで、
さて、「何を作ろうか?」と思うと、
何も浮かばなくなってしまっていた。


独りの時は、
「おでん」を作ったら3日くらい「おでんで」も平気だったし、
「3食入り」の焼きそばを買ってきたら、
これまた3日続けて「焼きそば」だった。


だいたい、
夏は「焼きそば」、冬は「おでん」か「お鍋」と決まっていた。
その他は、スーパーで出来合いのお総菜を買ってくるのが常であった。

今から考えるとなんという食生活だったのだろう。



結婚を前にして、彼に打ち明けた。

「あのね。料理を作るのはイヤじゃないけど、
メニューを考えるのがすごい負担やねん。」


すると、料理の好きな彼は、
「一緒に作ってもいいし、できなければ作ってあげるよ。」
と言ってくれた。


それで、一応は安心したのだけれど、
でも実際に結婚してみると、
彼は仕事に行くし、私は一日中家にいるわけだから、
「料理くらい作ろう」と思い、
とりあえず、本屋さんへ行って料理の本を買うことにした。

ところが、

料理の本は家にもたくさんあるけれど、
ただ「おいしそうな写真」と「作り方」が載っているだけでは、ダメなのだ。


まず、
「メインの料理を決める。」

そして、
「サブメニュー」を考えるのが、これまた大変。


「何にしよう。」「何にしよう。」

って、何時間も考えて、結局決まらない。


で、


「主菜」と「副菜」がセットで載っている本を買ってきた。


が、

これもまたダメだ。


そのメニューの材料を買ってきたら、
次の日に使い回しができずに、どんどん残って腐ってしまう。


で、また本屋さん。



そして、

とうとう いいものを見つけた!


それは、「一週間3000円でできる節約献立」
というシリーズの本だ。

「4人家族で一週間3000円で晩ごはんが出来ちゃう!」
という優れものだ。

一週間分の献立が全部決まっていて、
切り取って買い物に持っていける「買い物リスト」が付いている。


これなら私にもできそうだ。


そして、私はその「買い物リスト」を丁寧に切り取って、
財布に入れて、一週間ごとに大量の買い物に出かけた。


最初のうちは、そのリスト通りに忠実に材料を揃えた。
中には季節外れの物もあって、
ずいぶん高価な物も仕方なく買っていた。


もちろん
「一週間分3000円」でなんて、出来るわけがない。

4000円。4500円の買い物をして、
パンや牛乳なんかを買っていたらすぐに予算オーバー。


二人で月に2万円とか2万5千円とかの食費で済んでいる家庭って、
一体どんな生活しているのだろう。


彼は、私の2〜3倍くらいの量を楽々と平らげる。

「まずは、1ヶ月4万円以内でなんとか納めよう。」

そう思って、やり始めた。



そのうち、私も賢くなってきて、
「どこのスーパーは野菜が安い」「肉を買うならここのスーパー」
というのがわかるようになってきた。


買い物は1店で済まさずに、必ず2店回る。


そして、買い物リストに書いてあっても
「高い物は別の物で間に合わせる。」
ということができるようになってきた。


すごい進化だ。

たまに、1店目で買ったのに、
2店目に行ったスーパーの方が安くて
悔しい思いをすることはあるが。


でも未だに両方の店で値段を比べて、
「先に行ったお店にもう一度行く」という業は出来ないでいる。



昨日買い物に行ったら、
高騰していた野菜が急に安くなっていて、
「買い物リスト」を片手にリストとは全然違う野菜を適当に
どんどんカゴに放り込んでいた自分に気が付いてびっくりした。

これでもなんとかなると思っているところがすごい。



「一週間3000円」の本は、もう5冊目くらいになっている。


今はまだ無理だけれど、

いつの日か、私のレパートリーがどんどん増えて、
材料を見ただけで、頭の中にパッパッと、献立が浮かぶようになればいいな。