オーストラリア見聞記 2001年7月分
この見聞記は、ゼミ掲示板に掲げたものをまとめてUPしたものです。#は、後で気づいた修正文です。
オーストラリア見聞記(1)2001/07/08 (日) 23:04
オーストラリアに来て早3ヶ月が経ちました。
海外に旅行した時、また海外で生活しているととまどうことがあると思いますが、これからそのようなことを中心にUPしてみたいと思います。
いろいろありますが、今回は、銀行関係について。
ATMは操作法は違うけれど基本的な構造は同じだし、銀行の機能も同じだから、預金して引き出す行為は同じです。日本と違うのが一般的に個人が当座勘定を持っていて小切手を普通に使うという習慣があること。これが一番大きな違いです。個人が多額の現金を持ち歩くことはほとんどしないので生まれた慣習かもしれません。名宛で小切手を切るので、名宛人以外は引き出せないから、盗難になっても心配ありません。だから普通郵便で送れます。
小切手が一般的なせいで、日本とは逆に、色々な料金支払いのための銀行振り込みが一般的ではありません。(少なくとも私の街の)ATMでは銀行振り込みができず、すべて窓口からになります。
そのほか、ATMでとまどったのは、預金入金のとき、自分でいくら入金するか入力した上で、封筒に入れて機械に投函する(まるで夜間金庫にいれるみたいに)ということです。日本で硬貨までカウントするATMに慣れていると、この何とも人間的な(単に窓口受付の代わりに機械に投げ込んでいるだけの)ATMにとまどってしまいました。後で、○○ドル入れた、いや入っていなかったと問題にならないのかと心配しました。翌日、インターネットバンキングでチェックするときちんと入金されていたので安心しましたけど。
今回はこれぐらいにしておきます。疑問点などあったら、レス下さい。
# 後でわかったことですが、ATMに現金を投入するのは、オージー(オーストラリア人)もあまりやらないそうです(そりゃそうですね)。入金の場合は窓口に行くそうです。
オーストラリア見聞記(2)2001/07/08 (日) 23:04
見聞記の続きを。。
こちらで日本との違いを感じるのは、大きな規模の街の駅前に、一杯飲み屋・スナックなどが全くといっていい程ないということです。同僚と仕事帰りに一杯引っかけて帰るなどという習慣があまりなく、仕事が終わればまっすぐ家族の元へ帰る人がほとんどだから、その需要がないのでしょう。(イギリス系だからパブがもう少しあるのかと思っていたのですが、少し違うようです)。酔っぱらいも全くといっていい程見かけません。
また、私の住んでいるChatswoodという町は、三宮(東京でいってもそこそこの町だと思います)の規模ぐらいの商店群(スーパー、百貨店など)がありますが、娯楽施設(パチンコ、麻雀にあたるようなもの、ビリヤード場やボーリング場もない)もほとんどありません。ゲームセンターでさえ1軒しかありません。シドニーの街の中心部にいっても娯楽施設はほとんどありませんから、ここでは当然かもしれません。Kings-Crossという新宿のような町に行くと、歓楽街になっていて、そこそこ一人で遊べるようになっているようですが、この国はそのあたりの歓楽・娯楽に関して全く健全な国です。
逆にスポーツ施設は充実していて、プール、フィールド、テニス場、トラック、スポーツクラブなどは町の至る所にあって、安価にスポーツが楽しめるようになっています。シドニーの街の中心部から電車で4駅のところのBondaiにはきれいなビーチがあって、真冬でもサーファーがいます。
この国は全く体育会系です。娯楽施設がなく、飲み屋もなく、仕事が終わったらまっすぐ家に帰って家族との団らんを楽しみ、休日にはスポーツかピクニックを楽しむというのがこの国のライフスタイルです。
# これも後になって、私や家族はいわゆる歓楽街に全く足を踏み入れていないんだということがわかってきました。東京で言うと新宿みたいなところですね。キングスクロスというのがシドニーの歓楽街です。そこに行くと、新宿レベルの歓楽があるそうです(これはあくまでも伝聞情報)。またシティの中心部にはパブがいくつもあります。ただ酔っぱらいをあまり見かけないのは、OZが酒に強いせいなのか、ぐでんぐでんの酔っぱらうまで飲むことがないのか、その両方でしょうね。それから、若者の酔っぱらいは全くといっていいほど見ません。それから、同僚と引っかけるということが全くないわけではなく、特に金曜日の夜は会社帰りに一杯引っかける曜日になっているようです。
オーストラリア見聞記(3)2001/07/08 (日) 23:06
日本と違うなあと思ったことで、日本よりいいなあと思ったのは、公園内の空き地はすべて芝生になっているということです。また質素にというのがこの国の人々の信条なので、芝生であるということとあわせて、どのような公園であっても弁当を広げて食べていて全然違和感がありません。質素が信条の我が家としては、とけ込んで日々を過ごせて、快適です。
質素といえば、ブランド物を身につけている女性(特に若い女性)を町では全くといっていい程見かけません。少し年配で、みるからに上品そうな女性が身につけているのを町の中心部で見たことがありますが、それもごくわずかです。だから、日本からの女性観光客はすぐわかります。20代、30代でブランド物を身につけていれば、まず日本人です。中国人、韓国人はあまりブランド物を(ここシドニーでは)あまり身につけていません。日本女性は、その上にブランドショップで何十万と買い物をするのだから、日本人は金持ちというイメージがあっても当然かなという気がします。
日本人は金持ちというイメージがあるので、防犯には気を使います。比較的安全といっても、シドニーは300万の大都市ですから犯罪がないわけではなく、家を選ぶ時には安価であっても治安に不安がある地域は避けました。こちらの人が大丈夫と言っていても、日本人だとリスクがより高くなるように思います。治安にほとんど不安のない地域でも、日本人の一軒家はよく空き巣に狙われるそうです。空き巣だから、と思っていても、いつ居直り強盗に変わるかもしれないわけだから、やはりその辺は気を使います。
今住んでいるChatswoodに4年も住んでいる大学の先輩に話を聞くと、「ここで大きな事件があったことは聞かないし、真夜中までスーパーは開いていて、深夜に一人で駅前を歩いていても不安に思ったことはない」ということなので、安心はしていますが。。
# 空き地がほとんどすべて芝生になっている理由の一つは、シドニーの風の強さだと思います。芝生にしておかないと、土埃で大変なことになります。
オーストラリア見聞記(4)2001/07/09 (月) 08:18
オーストラリアそのもののことではないんだけれども、海外に行かれる方のために。。。
海外に行く時に必須なのが両替ですが、両替する場所によって、レートが違うのはよくご存じだと思います。オーストラリアは観光が重要な収入源ですから至る所に両替所がありますが、両替所での両替より有利な両替は、国際カードで引き出しができる自分の日本の銀行口座からの引き出しです。
私は三井住友の国際カードとCITIBANKのカードの2つをもっていますが、いずれもかなり両替所より有利です。
また買い物をするのであれば、最も有利なのがVISAなどのクレジットカードによるレートです。
VISA、三井住友、CITIBANKの順にレートは有利です。三井住友の国際カードは1回の引き出しに一律200円の手数料がかかりますので、金額が200豪ドルから250豪ドルより大きい場合に、CITIBANKより有利になります(CITIBANKが不利だというのは意外だと思いますが、6月初めに実際に試してみた結果は、こうでした。依拠しているレートがそれぞれ異なるので、一概には言えないとは思いますが)。
今、両替所では、1豪ドル=74円ぐらいです。三井住友やCITIBANKでは67円ぐらいです。500豪ドルを両替すると、3500円も差が出てきます。
オーストラリア見聞記(5)2001/07/09 (月) 23:32
今回は通信関係についてUPします(といっても私の利用範囲内だけれども)。
オーストラリアでは、ブロードバンドはまだ普及していません。理由の一つは市内料金が格安だからでしょう(国土が広いため回線工事も大変と言う事もあるかも)。自宅一般回線からは、通話時間に関係なく、1回20セントです。だから定額プロバイダーに入っている場合には、その月額料金+20セント×アクセスした回数ということになります。
私は、AOLとNIFTYの両方を定額料金(NIFTYの方は他会社プロバイダー回線利用料金)で契約しています。理由はAOLはオーストラリアにも回線を持っているので、定額料金以外はアクセス料かからないためです。AOLだけでメールをやりとりしても良いのですが、AOLは一般メールソフトが使えないし、ホームページ関係でNIFTYを少し使っているので、NIFTYでメールはやりとりする事にしました。
日本は今、ブロードバンドが大はやりでしょうね。私も帰国したら、ADSLにしようと思っています。
携帯電話はもちろんiモードはなくて、日本で言うショートメールだけできます(50文字まで)。1年以上使うのであれば、本体は無料みたいですが、私は1年を越えて契約する事はできなかったので、いわゆるプリペイドカード式の携帯電話を購入しました。一般回線と比べてかなり高いです。時間にもよりますが、1分50セントから80セントです。メールは文字数に関わりなく、1回24セントです。日本のiモードに慣れていたので、当初は随分不便に感じましたが、もう慣れました。日本に帰ったら、携帯はどのようなレベルになっているのでしょうか?楽しみです。
# これも私はよくわかっていなかった(というよりここ数ヶ月で急速に普及してきた)んですが、日本でいうiモード的な、インターネットメールが携帯電話からできるサービスがあります。でも入力が面倒そうで、あまり普及していないみたいですが。。
# また、後になって、AOLのメールをネットスケープから扱えるということがわかりました。10月からAOLのメールをネットスケープから扱っているので、niftyのアドレスは要らないのですが、ホームページをniftyに置いているので解約はしていません。今回のゼミ募集が一段落したら、ホームページを移して、niftyは解約しようかなとも考えています。大学のメールアドレスもネットから扱えるようになったので、niftyは益々不要になっています。
オーストラリア見聞記(6)2001/07/18 (水) 15:16
オーストラリアはどこの空き地(特に公園)も芝生になっているので、どこの公園に行っても芝生に寝転がっている人(日本の青のテント系の人ではなくて一般の人)がいたり、ランチを食べている人がいたりします。
少し大きな公園(というよりパークといったほうがイメージが湧くかもしれないけど)に行くと、家族や仲間でバーベキュー(シドニータワーの中で見たオーストラリア案内によると、代表的オーストラリア料理だそうです。これが)をしている人がいます。
だから、我が家でも、どこに行くもおにぎりと弁当を持って出かける事にしています。
昨日、オリンピックパークに電車で出かけました。(我が家には車がありません。日本人学校に子供を通わせている家庭で車がないのは我が家ぐらいでしょうね。)「オリンピックパークにはスタジアム、プール、アスレチックの他、すぐ横にパークが隣接していて、我が家でもよく家族でバーべーキューをしたりします。」という話を聞いて出かけたわけですが、降りてみると、人は沢山居たけれど、芝生はどこにも見あたりません。人々の流れの方へ行くと、そこはたぶんラグビーの試合をやっているスタジアムの方に出てしまいました。「話と違うじゃないか、随分場違いな所へ来てしまった」と後悔していると、時間は1時半近くになってきたし、とにかく弁当を食べれる場所を探そうと歩き回りました。案内板を見つけ、随分遠くですが、パークがある事がわかりました。それから約30分掛けてパークまで歩いて、やっと多くの家族連れが弁当をひろげていたり、バーべーキューをしている所に行き着きました。
随分歩いたおかげでお腹はペコペコだったので、ただのおにぎりと唐揚げも大変なごちそうでした。またパークは一面の芝生で、遊具も沢山あって、子供達も満足していたようでした。
駅から歩いて30分の所でも、車で移動している人にとってはすぐ近くになってしまうということを今度から気を付けないといけないなあと実感した1日でした(話をしてくれたひとはきっと駅から歩いた事はなかったんでしょうね)。
オーストラリア見聞記ではなくて、我が家の失敗記になってしまいましたが。。
オーストラリア見聞記(7)2001/07/19 (木) 11:16
今回は住所表記について
私はヨーロッパはパリしか行った事がないので、ヨーロッパのことはあまり知りませんが、イギリス、アメリカ、カナダ、そしてここオーストラリアでも番地表示は「番地、通り名」で統一されています。アジアでもこの方式の方が主流です。当初、日本とは違う表記方法にちょっととまどうんですが、慣れれば絶対にこちらの方式の方が便利です。
オーストラリアのシドニーでは(たぶん他の都市でも)、市内全域の通り名が検索できる地図帳があって、通り名と番地がわかれば、どのような小さな家にでもたどり着けるようになっています。(ただし同じ通り名がいくつもあるので、どの地域(日本の区画で言うと、区か町ぐらい)にある「通り」なのか知っておく必要はありますが)
こちらにきて、そのディレクトリ(地図帳)と同じ情報がパソコンで検索できて拡大縮小もできるCDROMを買いました。CDROMはともかく、ディレクトリは電話帳と同じぐらいで、どんな家でも最低一冊はあるようです。どちらも本当に便利です。日本でも、検索と言う事に関して、かなり発達してきましたが、表示が番地、通り名ではないので、全く初めての所に行くのに苦労する事がありますよね。こちらでは、番地は通りを挟んで偶数と奇数がそれぞれの両側に交互に並んでいるので、初めての場所へでも確実にたどり着けます。
日本では、いくつかの町が通り名表示を試みているようですが、全国、そうなると本当に便利だと思いますね。
オーストラリア見聞記(8)2001/07/25 (水) 07:48
今回はこちらの自販機事情などについて。
こちらに来ると、日本がいかに自販機大国かというのを実感します。こちらの街角には自販機が全くといっていい程ありません。アルコールなどは酒店で(しかも若そうに見えたらIDカードの提示が求められる)しか買えませんから、ビールの自販機なんてキチガイ沙汰でしょう。最近少しずつ日本でもアルコール自販機の撤去・廃止が進んでいるようですが。
自販機があるのは駅ぐらいです。切符販売機と駅ホームにジュースと菓子の自販機があります。ただ面白いのは、こちらの人(特に白人)は窓口に並んでいるのが1人か2人位だったら、切符自販機で買おうとしないで並んででも窓口で買う傾向にあるということです。慣れていないので面倒なのでしょうか。不思議です。
日本の自販機と違う所は、投入金額が出るのではなくて、最初に行き先・種類を指定した後、投入すると、後いくら入れれば良いかが表示されるということです。これは切符販売機もジュース販売機も同じです。
これは私の専門の会計学の先生方とも議論材料になったことがありました。そのとき出された一つの面白い仮説は、計算能力の違いにあるのではないかというものでした。検証されていませんが、仮説としては面白いのではないかと思います。すなわち、日本では、目的金額と投入金額の差をほとんどの人が瞬時に計算して残額を投入できるのに対して、計算能力が少し劣ると引き算は瞬時に行えず、残額表示の方が適切であるというものです。
これに似たようなことにおつりの出し方が日本と違うということがあります。最近はPOS&レジになってきているのでいきなりおつりが出てきますが、そうでない場合、おつりを買った物に加えていってこちらが出した金額にしていくという方法がとられます。例えば、1000で750のものを買った時、まず50を足して800と確認し、後100を二枚順番に足していって、900、1000になったことを確認するという方法です。私が経験した範囲では、オーストラリアの他、アメリカ(ロス)、イギリス(ロンドン)、カナダ(カルガリー)でも同じようでした。
ヨーロッパではどうなんでしょうね。
# 先日、ケアンズに行った時に、レジスターが故障していて、全く上の方式でおつりを返されました。なんかうれしくなりました(なぜうれしかったかわかりますか?)。
オーストラリア見聞記(9)2001/07/27 (金) 01:34
今回は(細かい話だけど)地図の表記の仕方について
オーストラリア全域についてははっきりした事はいえませんが、ここシドニーでは地図の位置表示は一つの方式に統一されています。これはどんな地図でも同じです。それは横に左からアルファベット、縦に数字で碁盤の目に区切って、ある目的物の表示をB3、C4などのように表すというものです。
前にUPしたことのある、こちらの人の必携のCITYディレクトリ(地図帳)の表記方法もこれになっていて、こちらの人はこの方式に慣れているということがわかります。
私の留学しているUNSWのキャンパス地図もこの方式になっていて、建物に番号を振り当てずに、学部の建物の位置なども、碁盤の目に区切られたA3とかC3とかで表されています。
すべてこのようになっているということで、最初とまどいますが、慣れると、規則がただ一つなので目標物を探すのに非常に便利です。
日本でも、地域地図とか、道路地図もこの方式になっていますが、ある建物内の店舗の表示とか、大学のキャンパス内の建物案内などは、建物そのものに番号を振って表すのが普通ですよね。その場合、探す人は店舗の番号や建物の番号を探すことになりますが、ちょっと見逃してしまって探すのに苦労するということがあります。こちらでは、ショッピングセンター内の地図などで、店舗にも番号が振ってありますが、センター全体の地図にも碁盤の目に区切られた表記がされているのが普通なので、店舗を探すのにも便利です。
# これも後になってわかってきましたが、必ずどんな地図も碁盤の目に区切ってB3とかで表されているわけではないようです。碁盤の目-方式は多数派であることは間違いありませんが。。
オーストラリア見聞記(10)2001/08/08 (水) 22:49
今回は、通訳サービスの方のお話から
オーストラリアは多民族国家なので、色々な機関での通訳を四十いくつかの言語で受けることができます。警察、公立病院などの公共機関を利用する際は、費用は政府が支払います。数年前まで私立病院などいくつかの民間機関でも無料だったそうですが、今は公共機関に限定されています。自己負担で良ければ、公共機関でない所でもサービスを受けることができます。
少し前、医療検診を現地で受ける際、通訳サービスをお願いしました。医療用語が全く弱いので、検診医からの大事な話を聞き逃してはいけないと思ってお願いしたのですが、後になってみれば、問診は「せきはするか」とかだし、説明は日常用語だったので、不要だったかなと思いました。先生の説明はわかるし、こちらも英語で言えるのに、日本語訳を聞いて日本語で答えるというのは奇妙な感じがしました。
その時にお願いした通訳サービスの方から、こちらへのホームスティの中学生の通訳で大変な苦労があったということを聞きました。
その子達はホームスティをし、学校で英語研修を受けるために、日本から来て最初の宿泊先に泊まりました。そこから数日先に泊まることになるホームスティ先への挨拶のために手配の方に電車に乗せられたそうです(スーツケースを置いて軽装で、本人達だけで)。ところが、本人達は、ホームスティ先の住所・電話番号も語学学校のそれらも持っておらず、手配の方や最初の宿泊先の連絡先も確認していなかったので、どの駅に降りるかもわからずに車掌に保護されたそうです。手配の方も、本人達は降りる駅ぐらいはわかっていると思ったのか、本人達には降りる駅はきちんと言っているのに本人達が聞き取れなかったのかわかりません。日本のご両親宅に電話しても誰も出ず、手がかりなしに結局警察に保護されたそうです。
車掌が何を言っても、この子達はずっと泣きずめで(日本人に慣れていない人の英語だとわからなかったという事があったのでしょうが)大変だったということでした。
いくら中学生だといっても、全く異国の地で連絡先ぐらい持って出るものだと思うのですが。。。たぶん、この子達は日本でずっと何事もお仕着せで過ごしてきたんでしょうね。
オーストラリアだと中学生にもなれば自分で判断できているのが普通なので、オーストラリア人から見て、その子たちが中学生だったとは信じられないでしょうね。随分ギャップがあったのだろうと思います。
オーストラリア見聞記(11)2001/08/08 (水) 22:49
オーストラリア人の体力と日本人の体力
アメリカなどの電車では居眠りしている人はおらず、彼らが日本に来ると、電車では日本人がみんな居眠りしている事に驚く、、というのはお聞きになった事があると思います。これは、大きな理由が治安の面からだと思っていたのですが、それだけではないようです。
シドニーの電車は、全く何の心配もないとは言いませんが、特に昼間など電車に乗っていても不安はなく安全です。でも電車の中で、昼夜を問わず居眠りをしている人を全くと言っていい程、見かけません。たまに居眠りをしているなぁと思ったら、例外なくアジア人で、服装や荷物から見て大抵日本人です。こちらに来て、3ヶ月になりますが、電車で居眠りをしている白人を見た事がありません。
電車の中だけではなく、会議や研究会でも居眠りをしている人がありません。日本の色々な会議では居眠りをしている人がかなりいるのが普通ですが、こちらの会議では全くといっていい程、居眠りをしている人はいません。
こちらに滞在期間が長い人に理由を尋ねてみると、一つは公の機関あるいは討議すべき会議場で居眠りをする習慣がない(居眠りしないと性根にたたき込まれている?)ということ、もう一つは睡眠時間をしっかり取っているということでした。
たしかに、夜遅くのTVにはろくなものがなく、歓楽街といってもたいしたことがないし、前にUPしたように自宅に早々に帰るオージーは、寝るのも早いだろうと思います。うちのUNIT(日本でいうマンション・アパート)でもたぶん深夜に起きているのは数軒で、11時も過ぎれば深閑として物音一つしません。
その代わり、オージーの朝は早いです。コンビニではなくて、大きなスーパーも7時から開いていますし、どのような商店も9時までにはしっかり開いています。色々なサービス提供店も8時半ぐらいから始まる所もあります。
早寝早起き、健康的な生活が、オージーの居眠りしない秘訣のようです。
# この間、初めて、電車の中で居眠りをしている白人を見ました。よっぽど疲れていたんでしょうね。
アトランタ見聞記(1)2001/08/11 (土) 13:04
アメリカ会計学会に出席のため、今、アトランタのホテルからUPしています。10日(金)夜の10時40分です。空港には4時間程前に着きました。
見聞記といっても、たぶん、ホテルから出ることもほとんどないので書くこともあまりないと思いますが、少しはUPしていこうと思います。
今は時差ぼけと季節が逆転したことの両方で、結構ばて気味です。確かにシドニーに比べれば暑いです。でも日が落ちているせいか、耐えられない程ではありません。明日が不安です。
アトランタ見聞記というか、こちらへ来る時の飛行機で気づいたことを一つ。
普通、日本のどこかとアメリカを結んでいる路線でアメリカにくれば、どんな飛行機であってもある程度の日本人が乗っているし、入国管理局のところでも日本語の対応がありますが、シドニーからロサンジェルス(ロサンジェルス経由でアトランタにトランジットしました)への路線では乗客にほとんどアジア人を見かけないし、日本人はたぶんいなかったと思います。アメリカ国内路線で日本人がほとんどいないというのはよく経験することですが、国際線では初めてだったので少しとまどいました。
アトランタ見聞記(2)2001/08/11 (土) 13:05
これはまだアトランタに着く前、飛行機の中の話です。
英語がネーティブ並みにいかない私にとっては、映画のせりふを聞き取るのはなかなか大変なのですが、今回飛行機の中で上映されていた映画の中で、「クロコダイル・ダンディ・イン・ロサンジェルス」はなかなか楽しめました。
これまでの同シリーズも見ているのですが、今回は、英語圏で4ヶ月も生活していてヒヤリングがましになっていたのと、中でも映画の中で使われているオーストラリア英語とその文化がよくわかったので、これまでのシリーズより一層楽しめました。この映画、主役のせりふやその他の場面で、随所にオーストラリア英語が出てきます。それに対応するアメリカ人の対応も一つの見所なのですが、日本語に訳してしまうとそのニュアンスが消えてしまうのだろうと思います。(今回乗ったのはユナイティッド航空なので、日本語訳はありませんでした。だからどのような訳なのかわからずに言っていますが)
Hello Mate! ハロー、メートではなく、マイトと発音します。
No worries. It's OK あるいは No problem の意味です。yesの意味で使われることも多いです。
などのオーストラリア英語は独特の言い回しで、アメリカ英語と違います。主人公がこれを使って、ロスの人々に接すると、接した人はすぐに相手がオージーとわかるわけで、その辺りの呼吸がなかなか面白いと思います。
アトランタ見聞記ではなかったですが、行程の途中で気づいたことということで。。。
アトランタ見聞記(3)2001/08/13 (月) 03:42
学会でこちらにきているので、どこといって観光する時間もないのですが、ホテルから少し歩いてのところにある、undergroundというモールとコカコーラ博物館に行って来ました。
歴史の浅い国であるアメリカ合衆国は、何百年という歴史的遺物がありません。(アメリカでは、博物館がかなり整っていますが、歴史的遺物の現物がないことの裏返しかもしれませんね)そんな事情からか、わずか70年程度の歴史のコカコーラについて、展示されているコカコーラ博物館も歴史的な観点でアレンジされているようです。古いコマーシャルや、1920年代のバーガーショップでコカコーラがどのように販売されていたかの展示あるいは実演などはなかなか面白いのですが、$6もするのに入場に行列ができているのはちょっとどうかとは思います。 世界各地で売られているコカコーラバリエーションの試飲というのがあるのですが、日本で売られていることになっているのは、私は一度も見たことがなかったので、他の世界各地のものも、「?」と思ってしまいました。
undergroundはアトランタの観光ガイドに必ず載っているモールで、オリンピック開催までは単なる倉庫群だったそうです。通常の都市内にある(あるいは日本でもよくある)モールとは違って、南部の雰囲気が醸し出されたなかなか面白いモールです。
昼食は、全世界どこにでもあって、日本人が食べるにはまあまあ良しといえる中国料理(といってもファストフード)でしたが、焼きめし、照り焼きチキン、野菜炒めとなかなか美味しくて、$5は安かったと思います。
アトランタ見聞記(4)2001/08/14 (火) 23:50
今回は少し専門的な話になります。まあ、関学の会計ゼミの諸君ですから、雰囲気だけでもわかってもらえるとうれしいのですが。。(全く何のこっちゃわからんという人は今回の見聞記は読み飛ばしてください)
アメリカ会計学会は、もちろんアメリカ式の学術的アプローチで、日本の会計学会のように基準について規範的に扱う報告はほとんどなく(というよりそのようなタイプの報告は学術報告としては認められません。学会期間中、基準そのものについてのセッションがありますが、それは基準設定者による解説です)、日本式の基準研究をしている人が得られる示唆というのは直接的には少ないようです(日本でもアメリカ式の実証研究をしている人が増えては来ましたが)。ただ、アメリカの会計学者の研究は米国会計基準(監査基準)や会計実務(監査実務)を間接的に支えている一つの大きな勢力であり、実際に実証的な研究成果が会計(監査)基準設定に大きな影響を与えてきますので、アメリカの諸研究の最先端を見聞するのは非常にエキサイティングです。
米国での諸研究では、日本の学会とは異なり、監査法人からの援助もあって監査に関する実証研究も多いようです。財務会計についての実証研究は、一時のように証券市場の効率性を前提にした研究が少し少なくなり、会計情報の評価そのものに焦点を合わせて、証券市場へのインパクトを考慮する実証研究が増えてきました。管理会計は、もう少し実務よりかもしれません(今年の学会賞は「レレバンス・ロスト」の著者のカプランでした)。
でもなにしろ報告数が非常に多く、1報告35分ぐらいで3つが1つの会場での報告単位、それが朝2つ、昼から2つで、同時に10会場開かれています。それが3日間(初日は少しその報告形式は少ないですが)あるわけですから、全体で300以上の報告はあります。顔出しするだけでも、到底、全会場を回れません。ある時間帯には、財務会計だけでも同時に3会場で開かれていたりします。
16日にはこちらを立ち、18日にシドニーに着きます。
アトランタ見聞記(5)2001/08/16 (木) 21:31
結局、最初の日に行ったコカコーラ博物館とUndergroud以外は、観光に全く出ず、ホテルに缶詰という状態でした。まあまじめに学会に出ていたっていうことですね。。。
今日午後(16日18時頃:日本時間17日9時頃)、デンバー、ロス経由でシドニーに帰ります。帰りは二つの乗り継ぎなので、行き(16時間)よりもう少し時間が掛かる見込みです。ユナイティッド航空は良く遅れるので、もしロス発シドニー行きに乗れないと、ロスで1泊することになるとオーストラリアとアメリカを良く行き来しているオーストラリアの先生に脅されています。
もし乗り遅れたら、その顛末をロスのホテルからでも発信します(そうならないことを祈っていますが)。。。
アトランタ見聞記(6)2001/08/18 (土) 22:29
アトランタからの帰りは2カ所経由だったのですが、デンバーは45分、ロスは1時間とあまり余裕のない乗換時間でした。
案の定、アトランタからの出発が30分遅れ、デンバーの乗換は15分しかありません。デンバーに飛行機が着いた後もゲートの空き待ちとかで、すぐに降りられません。その上、ロス行き便のゲートへは、モノレールで移動しなければなりませんでした。降りてから歩く歩道を走ってモノレールに飛び乗って、また走ってゲートに着いた時には、係員が一人居るだけで、ゲートは閉まっていました。「げっ、間に合わなかったか!」と思いましたが、係員にこれに乗る旨を話しすると、ゲートを開けてくれ、座席に着いたのは出発時刻の4分前とギリギリセーフでした。
まあ、こんなにギリギリに飛行機に乗ったのは初めての経験でした。デンバー発は定刻通りだったので、ロスアンジェルスの乗換は比較的余裕がありましたけど。ロスでの出国手続きは、出国窓口ではなくて、飛行機のゲート横の航空会社のブースで、パスポート番号をコンピュータで照会してもらって、搭乗券にVISAOKのスタンプを押してもらうだけです。出国カードはゲートに入る時に提出します。あまりに簡単なので、出国するというイメージではありませんね。やはり出国手続きは、出国係官が検査場に座っていて、一人一人白線の後ろで待っていて、呼ばれたら提出物を提出して、というのでないと。。。(考えてみれば、今はパスポートも皆コンピュータ管理なので、誰がどこで記録照会しようが一緒なんですけど)
後、飛行機の中で気が付いたことを一つだけ。
国際線ぐらいだと、音楽のチャネルは10以上ぐらいあって、色々楽しめるわけですが、ロス発→シドニーのこの飛行機では、なんと中国の曲と日本の曲が同じチャネルです。ということはそのチャネルに合わせた時、中国の曲がかかることも日本の曲がかかることもあるわけです。日本とどこかを結ぶ線ではそういうことにはなっていないでしょうけど。中国と日本はやはり英米圏から見ると同じようなものなのですねぇ。
この文章自体は、赤道を越えた辺りの10000m上空の飛行機の中で打っています。シドニーの我が家に帰ってゆっくりしたらUPします。(今自宅です。豪時間で18日午後7時過ぎです)
# 出国手続きは、例のニューヨークのテロ事件以降は随分厳しくなり、検査もかなり念入りになされるようになったということを聞きました。これまでが簡単すぎたんですよね。
オーストラリア見聞記(12)2001/08/22 (水) 12:37
今回は、私自身の接続環境について説明します。
私は、日本から東芝ダイナブックのA4ノート(モデム内蔵、LANコネクタ付)を持ってきました。LANコネクタの付いていないダイナブックも、もう1台持ってきています。
シドニーの自宅では通常の電話回線のモデム接続です。プロバイダーはAOLを定額契約(1980円)で使っていて、そのシドニーの接続ポイントでは56Kのスピードで接続しています。AOLのメールはアウトルックが使えないのと、ホームページをNIFTYで作成してきたので、他回線利用の定額(1200円)でNIFTYも使っています。自宅で使っているのはLANコネクタのないダイナブックです。
大学では、LAN接続で、無料で繋ぎ放題です。この状態の時はメールも立ち上げっぱなしなので、即答で返事を返せます。モデムよりずっと高速です。LANで繋いでいる状態で、メールなどはNIFTYを使っています。大学で使っているのはLANコネクタ付きのダイナブックです。
ですから、どの環境でも全く日本と同じように日本語が使えます。
大学では、もう1台、UNSWから貸与されているパソコンがあります。これもLAN接続されています。これは当然英語OS(WinNT)ですが、日本語フォントを入れてもらったので、日本語のホームページを閲覧することができます(日本語を入力することもできるらしいのですが、方法がわからないのでそのままにしています)。
アトランタのホテルではモデム接続していました。アトランタの接続ポイントに繋いだので、ホテルからの市内電話料金だけで利用できました。アメリカもオーストラリアと同様、市内は時間制限はないので良いのですが、ホテルからの電話接続料金は高く1回1米ドルでした。
アトランタのホテルは、さすがアメリカでLANコネクタ接続もUSB接続も用意されていました。それぞれ1日中使い放題で9.5米ドルでした。それらの接続はスピードが早いので大容量のダウンロードがある場合など便利ですが、私はモデムスピードで十分だったので利用しませんでした。
日本から大変な重い思いをして(A4ノートはそれぞれ、3.2kgと2.7kg)ノートを2台持ってきましたが、それだけの価値はありました。アトランタに出張した時には、いつもは大学に置いてあるノートを自宅に持ち帰り、市内電話料金を使って家内とはメールでずっと連絡を取っていました。
オーストラリア見聞記(13)2001/08/31 (金) 10:53
今週、こちらの大学で、国際会計の1コマとして「日本の会計」についての講義を依頼され、大学院向けと学部向けの2コース(中身は同じ)でそれぞれ講義してきました。
全く言葉が出てこなくなった時のセーフティのために、大量の資料(書物の1章分40頁+学位論文50頁+配布レジュメ6頁+学生自身が持っているテキストの該当部分30頁)を用意しました。
大学院と学部のそれぞれのコースだったのですが、大学院の方は(たぶん科目のせいもあって)留学生が多く70%位でした。ベトナムからの留学生も1人おりました。学部の方はそれとは違って、アジア系もいましたが、こちらで生まれ育ったアジア系で、留学生はほとんどいませんでした。そのため、大学院よりも学部の方が少し緊張しました。留学生にとっても英語は外国語で、私のつたない英語もお互い様という感じがありましたが、学部の方は法律コースとのダブルメジャーの学生も多く、非常に優秀な学生が来ていました。こちらの偏差値のようなものが載っているニューサウスウェールズ州の全大学入学案内を見ると、この大学の法律と会計のダブルメジャーは、最も高い得点でないと受講できません(東大法学部並かそれ以上)。
日本の会計を講義するに当たって、それに関する英文献を探したのですが、最新データ(特に1999年以降)について英語になっているものは、ほとんどないので、この辺を英語に訳すのに苦労しました。
自分の大学の講義でもそうなのですが、興味深い所になると脱線するのが常なので、こちらで日本の会計を講義していても脱線して、用意した資料の10分の1も消化できていませんでした。私の講義の後で、学生向けに担当教授がアナウンスしているのを聞いてみると、どうも私の講義も試験範囲に入るようで、学生に迷惑を掛けてしまったかなと反省することしきりです。
オーストラリア見聞記(14)2001/09/05 (水) 14:50
今回は街路を裸足で歩く人々についてです。
昨日、シティ(私の住んでいる街ではなく、シドニータワーを中心にした市内の中心部をこちらではそう言います)で、外の歩道を裸足で歩く若い女性を見ました。こちらでは裸足で歩く人を見ることは珍しくないですが、今まで見たのは男性ばかりでした。大学のキャンパスでも見かけるようなごく普通の綺麗な20歳前後の女性だったので、ちょっとびっくりしました。
確かに、公園で子供を遊ばせる時でも、裸足で歩かせている親をよく見ます。日が照っているとはいえ、気温が18度ぐらいで、我々はトレーナーを着ていても少し肌寒い時に、上半身裸で親も子供も平気です。
そういう環境で育てば、町中を裸足で歩くのは平気になるのでしょうか。とはいえ、裸足はさすがにごくごく例外で、王立植物園のような一面芝生の所ならともかく、シティではあまり見かけることはありませんので、オージーが皆、裸足であるわけではありません。
町中を歩くには、裸足はやはり危ないものね。
夏になると、シティからすぐの所にあるボンダイビーチやマンリービーチでは、トップレスが出るそうです(裸足とトップレスはあんまり関係ないかもしれない)。
# 白色人種は黄色人種に比べて体温が少し高いのだそうです。それで寒さに強いとか。そういえば、(体温が高いせいか)子供は風の子ってよく言いますね。うちの子も、親の私達が4枚重ねの時に、2枚ぐらいでも平気です。
オーストラリア見聞記(15)2001/09/05 (水) 23:39
今回は交通事情について
シドニーでは、ミニバイク(いわゆる原付)を全くと言っていいほど見かけません。バイクは、ツーリング用の大型しか見ません。これはたぶん、大きな道路の1車線の幅が英米圏の割には狭く、バイクが交通事情として危険だからという点と、シティに車で出る時には窓を絶対に開けてはいけないと言うぐらいなのでひったくりなどの防犯の点からの2つの理由だと思います。
道路は本当に狭いです。家々の間を通る街路は、日本のようには狭くないのですが、幹線道路の1車線分は非常に狭いです。たぶん、国道2号線より狭いです。これは本当に不思議です。それが80キロ制限なので、結構事故もあるみたいです。
オーストラリアは車社会ですが、シドニー市内近郊では、我が家もそうであるように、自家用車なしでも十分に過ごせます。電車・バス・フェリーの交通網がかなり発達しているためです。統計によると、出かける時に車を使う人々の割合は70%だそうで多数派ですが。。。
歩行者向け信号機は、日本とは赤青の上下が逆で、赤が上、青が下です。歩行者向け信号機はほとんど全部押しボタン式で、進む方向が同じ自動車向け信号機が青になる前に押すと、自動車向けが青になった時に歩行者向けも同時に青になります。これが最初慣れなくて戸惑いました(ということは、一端赤になっている歩行者向け信号は、同じ進行方向の自動車用の信号機が青でも、青に変わらないということです。次の青まで待たなければなりません)。
車社会だけに、ショッピングセンターにはかなり大きな駐車場が付いていて、それに車が順番待ちで並んでいるのをあまり見たことがありません。ただし、シティで駐車するのは難しいようで、こちらの人もシティに用事がある場合には公共機関を利用する人も結構いるようです。
この次はマレーシア訪問記かな 2001/09/06 (木) 23:51
9月16日から22日まで学会のためマレーシアに出張します。
学会はペナン島で開かれ、19日までの会期の後、クアラルンプールに飛んで、マレーシア会計審議会の委員の先生に会う予定です。
マレーシアへもパソコンを持っていく予定ですので、9月16日からはマレーシア訪問記をUPします。
オーストラリア見聞記(16)2001/09/08 (土) 22:17
ごく近所で起きたTVのニュースにもなった事件について
それは、昨日(9月7日金曜日)、午後1時半頃に、私達がいつも買い物に行っているショッピングセンターで起きました。一人の男がそのセンターの入り口近くにある靴店でガソリンを店中にまき散らし、ライターを持って、自殺しようとしました。この男は、この店の商店主でした。
商店主は、ビルの管理会社に賃貸料を8ヶ月も支払わなかったため、事件の起きた金曜日に立ち退くことになっていました。「管理会社のために、倒産させられた」とこの日、店にペイントしていたそうです。
やけを起こした商店主が起こした事件だったようです。約8時間掛かって、夜の10時過ぎ、警察に逮捕されて解決しました。
事件のあったほんの数日前に、家内と「この店、商品は箱積みになっているけど、ここしばらくずっと閉まったままだねぇ。」と話していた所でした。事件が起きた時間にはこちらの大学の先生を昼食に招いていた所だったので現場におりませんでしたが、子供の下校時間でバス停に4時過ぎに迎えに行く時、そのセンターの前が通れず、警官がたくさん出ていて騒然としていたので、何事だろうと思っていました。
日本でもありそうな事件ですが、オーストラリアに来ている時にごく身近に遭遇して、ちょっとびっくりしたのでUPしました。
事件そのものでなく、それに関連してちょっと面白いと思ったことを一つ。この事件に遭遇する直前の4時過ぎ、私自身は大学の先生を見送った後、スーパーで買い物をしていたのですが、そこのスーパーから2人の警官が買い物カートにミネラルウォーターとスナック菓子を20個ぐらい一杯にいれて、店から出ていく所でした。事件に遭遇して遠回りして家に帰る時に、警官達を見ると皆ミネラルウォーターを持ったり飲んだり、またある警官はスナック菓子を食べていたりしました。警備中の警官達です。通行人の質問にもスナックの菓子袋を持ったまま答えていました。日本では考えられないですよね。これだから、オージーには太った人が多いんだとある意味では感心しました。カロリーのとりすぎです。
# この商店跡は今では借り主募集になっていますが、10月24日の時点でも借り手がなく空いたままです。いくら物事すべて It's OK のオージーでもこの商店を借りようとする人はいないようです。
オーストラリア見聞記(17)2001/09/09 (日) 16:59
公共交通機関関係のお話です。
今日、電車に乗っていて、自分の家近くの駅ホームで降りる時、最後尾を見ると最後尾車両の後ろのほうのドアがホームからはみ出して開かれていました。このドアから降りようとする人は電車から一端地面に降りてホームに上らないといけない状態でした。息子が、電車に乗る時、「この電車、(降りる駅の)ホームより長いよ」と言っていました。「そんな電車、運行するはずがない」と一言のもとに否定していたのですが、本当でした(息子は電車好きでよく観察しているようです)。日本だと、ホームより長い電車を運行する場合だったら、はみ出すドアは開きませんよね(まずだいたいそんな列車を運行しませんが)。
電車に劣らず、バスなども結構いい加減で(というかおおらかというか)、自分のラジカセを運転席で鳴らしている運転手がいるかと思えば(これはまだたいしたことありません)、なんと運転中(信号待ちの時とはいえ)に本を読んでいる運転手もいます。こちらはヒヤヒヤです。
電車の運転手の様子は運転席が見えないようになっているので、全くわかりません。息子は是非一度見てみたいと言っているのですが、わからない方が精神衛生上、良いのかもしれません(笑)。
我が家には自家用車がない分、公共交通機関をずっと利用しているので、普通の日本人駐在員が経験する以上のことを経験しているのかもしれません。
マレーシア見聞記(1)2001/09/17 (月) 18:22
15日の深夜0時30分に、学会が開かれるペナンのホテルに着きました。
ペナンで学会なんてあるのかと思われるかもしれませんが、本当です。私も最初ペナンで本当に開くのかと思っていましたが。。。
他の経路もあると思うのですが、帰りにクアラルンプールに寄ってマレーシア大学の先生にお会いするので、行きも同じ経路になりました。シドニー発14時20分のマレーシア航空に乗って、クアラルンプールに着いたのが21時前(時差が2時間あるので、約8時間40分)でした。そして、クアラルンプールで22時20分発(なぜかかなり出発が遅れて実際に出たのは22時50分位)の国内線に乗り換えてペナンに着いたのが23時30分でした。日本からペナンへの直行便だと、たぶん7時間ぐらいです。
空港からタクシーに乗って30分ぐらいで、学会開催場所でもあるシャングリラホテルに着きました(リムジンタクシーで35RM)でした。空港の両替商のレートだと約1100円ぐらいです。タクシーはどこの国に行っても、リムジンでさえ日本より安いので助かります。
学会の案内では1泊120USドルから200USドルとなっていたのですが、インターネットで直接申し込むと同じサービス条件で、82USドルで部屋が取れました。たぶん部屋の眺望などは違うと思いますが、どのみち学会開催中は眺望なんてほとんど関係がないので、安い方が良いです(ハネムーンなんかだと眺望が重要かもしれませんね)。シャングリラホテルはサービスが良いので、好きなホテルの一つです。
会期は今日16日夕刻のレセプションから19日までです。16日午前中は近くを散策し、その夜にはレセプションに出てきました。今日は朝からずっとプレゼンテーションが行われていて、今部屋からUPしているところです。もうすぐ学会のディナーが始まります。
マレーシア見聞記(2)2001/09/17 (月) 18:23
America Under Attack事件後のシドニー空港の状況
シドニー空港での警戒が厳しくなっているということでしたが、マレーシアに行く便は全く平時と同じ状況でした。ただ、アメリカ行きはかなり検査が厳しいようで、搭乗口前で乗客一人一人の手荷物をテーブルに開けて調べているようで、アメリカ行き便の搭乗口前は長蛇の列になっていました。
アメリカの事件とは直接関係がないのですが、オーストラリアの航空会社の一つであるアンセット航空が倒産しました(私も家族もリターンオープンチケットでアンセット航空を買っていたので大損害です)。
アメリカの事件と、その倒産の影響で、空港は閑散としていました。いつもは空港で割と日本人を見かけるのですが、いくら夏休みが終わったとはいえ、ほとんど日本人を見ませんでした。かなり日本からの海外旅行がキャンセルになって減っているそうで、今後もその傾向は続きそうです。
オーストラリア見聞記(19)2001/10/24 (水) 21:46
しばらく見聞記をお休みしていました。今回は、この1ヶ月の状況をUPします。
9月中旬から10月始めまでは、マレーシアの資料整理に忙しい日々を送っていました。10月始めにケアンズに行きました。10月中旬から下旬にかけて家内の両親がこちらに来て、市内観光などのお世話などばたばたして過ごしていました。またそれと平行して、10月始めから22日までの間、来年度のゼミ募集があり、ほぼ毎日メールのやりとりをしていました。(ですから、10月上旬に連絡を取ってきたゼミ応募者とはケアンズのホテルからメールをやりとりしていました)
ケアンズは研究会の出席のために行ったのですが、グレートバリアリーフにも行きました。今まで見たこともないような真っ青な海で、世界有数のスキューバのメッカだということに納得しました。
家内の両親は6日間の予定で来ていましたが、2日ほどホテルに泊まり、後4日間を拙宅で過ごしていただきました。今まで世界旅行を色々されてこられていたんですが、ずっとツアーばかりで、英語を全く使う必要のない旅行ばかりをしてきたということでした。私達が考えた市内観光は、通常の電車とバスに乗ってシティに出かけ、湾内クルーズ、水族館、王立植物園、ハーバーサイドなどを回り、お昼はオペラハウス前の王立植物園の芝生で、おにぎりとお弁当を広げて食べるというものでしたので、大変新鮮で良かったと喜んでいただけました。通常のツアーでは、バスで駆け足で回り、到底芝生の上で、おにぎりというわけにはいきませんものね。
ゼミの募集は幸い定員以上の応募がありました。当初予定では最低定員の15名に絞るつもりでしたが、他の会計コースのゼミでは定員一杯取っているらしいこと、応募者が多いのに15名に絞るのは良くないと思えたことから、最大定員の20名にすることにしました。22日に登録があり、20名の登録が終わりました。
来年度のゼミ生は3期生になります。Emailによる志望書を中心に、面接を全くせずに決定したので、この3期は他の期とは全く雰囲気の違ったゼミになるだろうと思います。色々な点が未知数なので、不安である(新ゼミ生諸君もそうだと思うのですが)とともに、期待もしています。
オーストラリア見聞記(20)2001/10/28 (日) 19:57
今回は、夏時間の適用について
日本では幾度も検討されてきたにも関わらず、まだ導入されていない夏時間ですが、シドニーがあるニューサウスウェールズ州では、夏時間を使っています。
同じような経度にあって同じ時間帯のクリーンズランド州(ケアンズ・ブリスベン・ゴールドコーストなどがある州)では、夏時間を使ってません。クイーンズランド州の特に北の方では、南回帰線を越え、夏と冬の日照時間の差があまりないため、夏時間を適用してもあまり意味がないからです。
冬はシドニーとケアンズは同じ時間ですが、夏はシドニーの時計は1時間進むことになります。そのため、夏には、シドニーは日本から2時間時計が進むことになります。
夏時間は10月27日(日)夜中の2時から適用され、その時刻が3時になります。いつどのように時計を変えるのかについて興味があったのですが、公報では「土曜日夜寝る時に、時計を1時間進めておきましょう(ということは土曜日とはいえ夜中の2時を過ぎて起きている人はあまりいない(!?))」という案内がありました。
我が家では、土曜日だと夜中の2時過ぎぐらいには起きていますので、リアルタイムで家中の時計を1時間進ませました(といっても数個しかないのですが)。パソコンの時計はさすが先進的で、「シドニー:夏時間の適用」の設定にしておくと、自動的に(「時計を夏時間にします」の表示が出て)夏時間に変更されました。
今日は(当然ですが)、夜7時過ぎでもまだまだ明るかったと思います。夏時間を適用すると活動時間帯の日照時間が長くなり、光熱費の節約になるということがよくいわれますが、経験してみるとそれは本当にそうだと実感できます。
オーストラリア見聞記(21)2001/10/31 (水) 17:21
今の時期の気候について
今の時期は、日本でいうと春の終わりです。これまでは日差しがきついといっても、空気はそれほど暖かくなかったのですが、先週ぐらいからかなり暑くなってきました。でも下着の上に長袖シャツを着ていても「暑いー!」という風でもないので、本格的な夏はまだまだこれからです。
今日の最高気温は29度、たぶん最低気温は15度ぐらいです。
強い風が吹くので、部屋で窓をおけておけば、暑いということは全くありません。ただ、暖かくなってくると、ここでは(オーストラリア全部でもそうらしいですが)ハエが多いので困ります。
顔の前で手を振るのがオージーの日常の挨拶だという冗談があるぐらいハエが多いです。ここのハエは道を歩いていても、顔の方に飛んでくるのでやっかいです。
もっと暑くなれば、量は減るとはきいているのですが。。。
雨はほとんど降らなくなりました。この時期はいつもそうのようです。湿気があまり高くないので、これから少し気温が上がってもまだ大丈夫かなとは思っています。
ただ、夏場の最高気温は35度以上になることがあると聞いています。今年は暑い夏になるそうなので、心配しています。日本の今年の夏に比べれば過ごしやすいでしょうけど。
オーストラリア見聞記(22)2001/11/07 (水)
12:08
オーストラリアの酒事情
オーストラリアといっても、シドニーしか知らないし、自分の周りの所しか知らないので、それに限定して。。
こちらで、よく飲まれているのはビールとワインです。酒屋に行っても、最も多いのがワインで、次にビールです。
パブもありますが、そこはイギリス風でビール主体のようです。
外食店は、酒が全く飲めない店、BYO店、色々な酒を提供する店の3種類に分かれます。BYOは、Bring your own、の略で「酒は各自ご持参ください」ということです。酒の持込料を特に取られないので、自分の飲みたい種類の酒を酒屋で買って持ち込めます。BYO店の方が食事中、安く酒は飲めるので、良い制度ですね。BYO店には、全く酒を置いていない店もあれば、ビールは置いているがそれ以外は持ち込みという店もあります。
こちらの人と食事をすると、まずビールで、という人が多いですね。食事中、ワインを飲む人もありますが、皆で形式張らない食事の時は、ビールの方が多いようです。形式張ったディナーの時は逆にワインの方が多いようです。
夕食にどこかの家に招かれて行く場合には、まずワイン持参です。そういう時は、そのワインを飲むのが普通です。
ウィスキーは輸入物がほとんどなので、高く、皆あまり飲まないようです。そのあたりが日本とかなり違う所です。
私自身はビールがだめだったのですが、酒と言えばビールなので、こちらにきてから少し飲むようになりました。
日本酒はほとんど直輸入物なので、かなり高く、ほとんどの店には置いていません。酒屋にも置いていないことが多いです。オーストラリアの酒造メーカー(豪酒という商標です)が1社あって、ここの日本酒は輸入物に比べれば安いです。親会社は日本の酒造メーカーですが、日本酒の原料費のほとんどは米なので安いオーストラリア米を使ってコストダウンを図っているようです。
日本食店などでは、梅酒のソーダー割から、チューハイ、ウィスキーの水割りと、日本の居酒屋で飲めるお酒がほとんど飲めます。これはいいですね。
オーストラリア見聞記(23)2001/11/07 (水) 12:27
日本とオーストラリアの国語教育の違い
こちらでは、どの教科でも、小学校の段階から(もしかしたら幼稚園かもしれません)、自分の意見を言うということをかなり重視し、先生方もそのように指導しているようです。また、こちらの大学生に聞くと、そのことに加えて、特に中学・高校の国語教育では、作文術(それも感想文ではなくて論理的な文章を書くということ)について丁寧な指導を受け、ディベートについてかなり訓練を受けるということでした。
日本の国語教育では、皆さんよくおわかりと思いますが、作文術は感想文中心で、国語の中心は読解です。すなわち教材は、小説かエッセイで、「ここで、作者(または主人公)はどう感じたか」という問いが主流を占めます。それは高校の始めまで続き、わずかに大学受験に備えて論述文の書き方を付け焼き刃で習うというのが日本の国語教育の現状ではないでしょうか?
この教育方針は、これまでは、日本社会ではうまく機能してきたのだろうと思います。すなわち日本社会では、協調性のファクターが最も重視され、そのためには相手がどう思い、どう感じているかを理解する能力の養成が必要とされてきたのだろうと思います。
オーストラリアは、自分の利益は自分で守り、自分の権益にかかわることは自分で主張する、という国です。何も言わなければ、要望していないと見なされる国です。逆に、ルール上、便益を受けることができない場合でも、交渉次第で受けることができるということもありえます。
もちろん、日本では読解の教育だけで、オーストラリアでは論述・ディベートの教育であるというわけではありません。あくまでもウェイトの違いで、どちらが重視されているのかということです(担当教員や学校によっては、日本でもかなり論述文作成やディベートに力を入れている所があるだろうと思います)。
国際的に見れば、日本的慣習が通用しない国が多い現状では、日本の国語教育をもう少し改善する必要があるように思います。すなわち、読解力偏重から論述文作成術やディベートの教育についてもう少し考慮する必要があります。自分の意見を筋道立ててきちんと主張することができなければ、これからの国際社会で生きてはいけないだろうと思います。
オーストラリア見聞記(24)2001/11/15 (木) 21:09
今回は英語と日本語の違いについて
言語学的にきちんと考察しているわけではなく、これから書くことはかなり直観に基づくので割り引いて読んで下さい。
英語圏で生活していると、英語の表記ってつくづく表音文字なんだなぁと思います。たとえば、駅のホームにある広告でMploymentというタイトルの広告がありました。何の広告か分からなかったのですが、添えてある文章を読むとどうやら雇用に関わるらしいので、これはemploymentと読ませるのだなと分かりました(さきのはEが抜けているわけではなく、Mが赤字で大きな文字になっています)。
英語を母国語とする人や英語に堪能な人は、この広告は一瞬にして分かるんでしょうね。
私は、かなり長い間英語を読み書きしてきましたが、たぶんそれは音としてはっきり読むのではなく、記号として見てきたんだなと実感しました。
これは英語が外国語だからではなく、日本語の読み書きの特徴で英語を読んでいるということだと思います。
日本語の読み書きの特徴とは、日本語には漢字とひらがなが交じっていて、漢字の方ははっきり音に出さなくても記号として意味がわかるということです。漢字は元々中国語という外国語の文字でかなり違った概念と読み方だったのに、最も近い日本語に当てはめそれを訓読みとし、中国語の読み方は日本語の音に直して音読みとして使うようになりました。
また、中国語では区別されていた漢字の読みが、日本語に変換したために同音異句がやたら多くなったこともあって、耳慣れない漢語については音として聞くよりも、見た方がわかりやすいということもあります。
我々は日常、漢語と和語を区別していませんが、よくよく日常会話を注意して聞いてみると、ごく簡単な概念は別にしてできるだけ漢語は避け、ほとんど和語で話しているということに気づきます。
(続く)
オーストラリア見聞記(25)2001/11/15 (木) 21:44
英語と日本語との違いについて(続き)
さらに漢字の造語能力は驚異的です。たとえば、(電・列・汽)車または(自動)車、船、と乗、下を組み合わせれば、乗車、下車、乗船、下船、となり、自動車や電車などを乗り降りすること、船の乗り降りすることの意味になります。そしてこれらの造語は比較的簡単に理解することができます。全く初めて見た場合でも理解可能です。
ただ、これらの造語も、漢字を外国語として取り入れた日本語では、初めて接した場合はやはり聞いただけでは理解できず、記号として見ないと理解しにくいだろうと思います。
英語圏の映画やドラマなどで、大人同士が集まっていて、暖炉を囲んで本を声に出して朗読するというシーンをよく見ます。もちろん、日本でも絵本の読み聞かせや専門家による朗読ということはあるわけですが、大人同士の集まりで本を読むということは一般にはあまり行われません。本を読むという行為は、特に大人の場合、かなり個人的な行為です。
英語では、本を目で追っても、読み聞かされても、アルファベットの表音性のために印象としてあまり差がないということがあります。
それに対して、始めから声に出して読む方が良いように作られている本は別にして、日本語の本の多くは、漢字の表意性のために自分で目で追うのと読み聞かされるのとでは、全く異なった印象になってしまいます。
これは概念の多くを日常あまり使わない漢字で多用している専門書の場合、顕著です。
(続く)
オーストラリア見聞記(26)2001/11/15 (木) 22:13
英語と日本語の違いについて(続きの続き)
専門書で用いられる言葉自体のありようも、かなり英語と日本語では異なっているのではないかと思います。
英語では専門用語の基本的な概念のいくつかは日常用語でも用いられる単語が用いられ、それに専門分野での意味内容が定義されます。
日本では、明治期に、近代学問の基礎を英語圏の専門書から多くを学びましたが、当時、英語の諸概念はまだ日本語にはなかったものでした。そこで、当時、漢語の素養があった知識人達は漢語の造語能力を利用して、数多くの概念を作り出しました。この時に作り出された漢語の中には、今、日常用語でも使われているものもたくさんあります。
ただ、漢語を主体として新たに創造された概念は、抽象度が高くなればなるほど、日常用語から離れたものとなり、理解しづらいものとなっています。
学問の慢性輸入超過状態にある日本では、明治期から始まった専門用語の英語を日本語に直す作業は今でもずっと続いていて、この翻訳作業は色々な問題を生みだしています。
一つは上に掲げた専門用語の日常生活からの乖離です。
残るいくつかの問題の内の一つは、英語では一つの概念なのに、日本の方で専門分野が近い、しかし専門家が異なる分野それぞれで全く異なった日本語訳があてられているということです。
専門書を読みこなすというのは、この日常生活であまり使われない漢語主体の諸概念に慣れるということなのかもしれません。
オーストラリア見聞記(27)2001/11/17 (土) 22:29
AIB学会に出席してきました。
シドニーで開かれている Academy of International Business 年次大会に出席してきました。今年が43回目だそうです。この学会のことは、お世話になっている国際経営学科長のグレイ先生に教えていただきました。主催校はUNSWのビジネススクールですが、大会自体のコーディネーターは主催校とは別で学会の副会長がなさるようです。会期は、報告自体が16日から19日までの4日間とかなり長丁場です(観光ツアーは学会には含まれていません)。
学会のメインテーマは「Looking Towards the Future」で何が報告されても良いような題ですが、会計がらみの報告はいっさいなく、色々な報告が新鮮でした。
全体で300名ぐらいの参加者で、日本からの参加者も十数名いらっしゃいましたが、ご専門はすべて会計分野以外でした。国際経営、多国籍企業研究、国際マーケティングの先生方が多いようでした。昨年はアメリカで開かれたようで、700名ぐらいの参加者があったということです。今年は大幅に減ったといのは、アメリカからオーストラリアは遠いということと、やはりテロ事件の影響があるのでしょうか。
聞いた話では、西海岸のある州立大学では、大学教員の年俸が20%カット、研究費の削減は分野によって異なるようですが、観光学の研究者などは研究費が半分以下に減らされたそうです。観光がらみで税収がなりたっているような州では予算がかなり厳しいようです。ハワイ大学の先生もおいででしたが、ハワイも大変だという話でした。オーストラリアは今の所、比較的良いようですが、観光客、特に日本からの観光客が大幅に減っていることが大きな打撃のようで、これから益々不景気になると思います。
国際学会の会場から自宅に帰るというのは初めての経験です。昨年、関学主催で国際学会が開かれましたが、準備の方で追われ、また泊まり込みでしたから、自宅に帰ってほっとするということもありませんでした。今回、国際会議で英語の報告漬け(大学で、講義に出たり、研究会の報告を聞くと言うことはありますが、1日中ずっと報告を聞くと言うことはありません)になった後、家に帰ってお茶漬けを食べて家内と子供の話をしている、というのは何か不思議な気がします。
オーストラリア見聞記(28)2001/11/18 (日) 21:40
大会参加2日目です。
たぶん大会参加者のほとんどが出席したであろう学会賞表彰などが行われる昼食会がありました。ほとんどが出席したのがどうしてわかるかというと、用意されている席がほとんど満席だったからです(大会参加者の人数分、昼食会の席は用意されるため)。
昼食会では、となりの席はスペインからの研究者とニュージーランドからの研究者でした。席に座れば、すぐ握手して自己紹介するのが礼儀なのでそうするようにしていますが、その後分野が全く違う(二人とも国際経営)ので話題をどこに持っていったらいいのか迷います。
まあ、皆、大学教員なので、授業は何語で行うのかとか、講義で何を教えているのか、1週間に何時間講義を持っているか、とかが定番の話題です。専門の話に入ってくると、理解はできますが、ポイントをついた受け答えができないので戸惑ってしまいます。
今回、この学会に参加して痛感しましたが、会計の世界(基準も研究アプローチも)はかなり皆アングロサクソン指向ですが、国際経営や国際マーケティングの世界はそうでもないらしいということがよくわかりました。
また、私は文化や教育の違いが会計実践や会計に対する理解の違いをもたらすということについて実証研究をやろうとおもっていますが、それに役立ちそうな文化差異に焦点を合わせた研究も、メジャーではないにしろ、この学会では結構取られているということがわかりました。
そういう意味では、直接、研究に結びつく研究は見あたりませんでしたが、色々示唆を得られる研究があって大変有益な学会でした。
オーストラリア見聞記(29)2001/11/21 (水) 18:07
AIB年次大会の最終日の夜、ディナーが開かれました。
ディナー会場は、タウンホール。シティの建物の中でも、QVB、セントメリーズ大聖堂と並んで歴史ある建物です。これまで中に入ったことがなかったので、楽しみでした。
写真は、ディナー会場手前のFoyerです。ここで飲み物を選び、40分ぐらい歓談の後、会場に入りました。
ディナー会場は、タウンホールの大ホールで、正面に大きなパイプオルガンがあり、三十いくつかのテーブルが並び、なかなか壮観でした。
食事自体はあまりたいしたことはなかったのですが、会場が壮麗なのと、パイプオルガンの演奏とで非常によいディナーでした。
ではまた。
オーストラリア見聞記(30)2001/11/22 (木) 20:42
これ何だかわかりますか?
Draght Stopper(米つづりだとDraft)といいます。要は、ドアの所に置いて、すきま風を防ぐ用具です。冬場には、スーパーなどで一つ5ドル(約300円)ぐらいで売っていました。
こちらに来た時、季節は秋から冬にかけてだったので、あちこちで随分見かけました。ただ、どの売り場でも商品名を書いていなかったので、最初何をするものかはわかりませんでした。聞くほどのこともなかったので、そのままだったのですが、ある売り場で Draght Stopper と表示されていたので、すきま風防止用具だとわかりました。
暖かくなったせいか、最近どの売り場でも見なかったのですが、先日、安売り店の店先に置かれているのを見つけ、写真にとりました。季節はずれのせいか、(値札が見えると思いますが)2ドル(約130円)で売られていました。
ドアの所に置くすきま風防止用具があるように、一軒家ではかなりすきま風が来るようです。ユニットではそのようなことはあまりないのですが。。
季節はもうすきま風というより、汗ばむようになってきました。ここ1週間ほどは涼しい気温でしたが、これから夏にかけて随分気温があがるそうです。
オーストラリア見聞記(31)2001/11/22 (木) 23:14
Justice and Police Museum
何とも言いようのない看板です。正面にある車の看板の他に、壁に泥棒がとりついているのも見えますか? 裁判所・警察博物館と訳すのでしょうか。この博物館は、サーキューラーキーのベイ近くにあります。正面からの写真は写真集の方に掲げてあります。あちらの方では窓から囚人が顔を覗かせています。
まあ、日本の同種の博物館ではお目にかかれないような、ユーモアがあるといえばあるんですが、その割には何ともチャッチイ看板類です(でもそれに釣られて入ったんですが)。
建物自体は、元々、簡易裁判所と警察に実際に使われていたもので、展示もそれを利用したものです。イギリス系ですから裁判にかぶるカツラもあったり、制服などとともに古い裁判所風景が再現されていたり、囚人室(留置所)がそのまま残されていたりして、その方面に興味がある人はそこそこ楽しめます。
でも、サーキューラーキーという最も人気の観光スポットの横にある割には、あまり客の入りがよくない博物館ではあります。
オーストラリア見聞記(32)2001/11/25 (日) 17:23
近所の改装工事
写真を見てください。うちの近所で行われている改築工事です。よくよく見ると改築と言っていいのかどうか迷うほど、いいかげんな工事です。煉瓦構造がむき出しになっているのまでは良いとして、その外壁工事はなんとパネルを付けるだけです。いわば壁の塗り替えの代わりですね。
改装後の写真(予定)が建物の正面にありますが、超近代的な建物のようで、中身は単なる煉瓦の積み重ねの建物です。屋根の部分はとたんのようなもののままです。人ごとながら雨漏りなどは大丈夫かなと思ってしまいます。
オーストラリア・シドニーでは大きな地震がないそうなので、煉瓦を積んだだけの建物が結構多いようです。3匹の子豚の世界では、煉瓦造りの家は最も堅牢なわけですけれども、大きなビルが煉瓦造りだと言われると、大丈夫なのかなと思ってしまうのは私だけでしょうか。
オーストラリア見聞記(33)2001/11/25 (日) 17:30.
写真は、シドニー郊外、ロフタスという駅にある、トラムウェイ博物館内のトイレの表示です。
写真集でも紹介していますが、この博物館は超マイナーな博物館で、在豪期間の長い日本人でも知っている人が少なく、日本語の観光案内にはもちろん載っていないような博物館です。そこで、なぜトイレの表示に男(otoko)なのでしょうか?
日本人観光客のたくさん来るシドニー市内の色々な観光名所・建物内のトイレでも日本語表示は見たことがありません。
この博物館で、以前に、誰か日本人が男子トイレと女子トイレを間違えたのでしょうか?
謎です。
オーストラリア見聞記(34)2001/11/27 (火) 19:21
写真は、以前、見聞記で書いたアジア製の日本菓子のひとつです。
コアラのマーチが、楽天小熊餅と表記されています。朱古力夾心は、チョコレートビスケットの意味のようです。
香港総代理として香港の会社名が、シンガポール総代理としてシンガポールの会社名(それに合わせてagentにマレーシア・ブルネイという国名が併記)が記されています。製造会社名は Lotte Stone Foods Co.,Ltd. と記されていますが、これらを見ただけでは、どこの国製なのかわかりません。
結局、バーコードが691で始まることから、中華人民共和国製であることがわかりました。製品名の横に日本監督とは記されているのですが、製造会社の国名である中華人民共和国をなぜ記さないのかよくわかりません。
箱には、中国語・日本語の他英語も表記されています。キャッチコピーを並べてみると面白いです。
サクッとかるーくおいしいヨ!
更香脆!更美味!
MORE CRUNCHY! MORE DELICIOUS!
英語と中国語は逐語で対応しているようですが、日本語とはそうではないようです。訳順は日→中→英か、日→英→中のどちらかでしょうね。日→中、日→英を同時に行ったのではないようです。
後で、Lotte Stone Foods Co.,Ltd.をサーチエンジンで調べてみました。どうやら北京にある会社のようです。
オーストラリア見聞記(35)2001/11/27 (火) 19:57
毎日新聞「書店万引き防止:タグ組み込みゲートで探知 業界挙げ導入検討」11月27日のニュースを見ました。
(毎日新聞の[過去2年間のニュース]で、タグ をキーワードにして検索してください)
こちらでは、販売書店レベルでこれを導入している所が結構あります。ただ書物の表示裏にべたーっと金属片が貼られているので、あまり美しくはありません。合理的ではありますが。。
剥がそうとしましたが、うまく剥がれませんでした。(そりゃそうですね。簡単に剥がれるものなら、感知用タグの意味がありませんものね)
上のニュースでは、「製本段階から」ということなので、美しいタグの導入を期待したい所です。
オーストラリア見聞記(36)2001/11/30 (金)
5:50
シドニーで開かれていた、NSW州の大学やTAFEの会計教育者のためのフォーラムに参加してきました。TAFEというのは、オーストラリアのコミュニティカレッジのようなもので、要は社会人のための高等教育機関です。
フォーラムのホームページはこちら
AAA(アメリカ会計学会)でも、会計教育の報告会場は財務会計や国際会計の報告会場と雰囲気が違うと思っていましたが、NSW州中心のこれはもっとでした。
出席者は全部で60名ほどのこじんまりしたフォーラムです。
オーストラリアの大学の商・経営系だと、アジア系の大学教員はそこそこいますが、このフォーラムに参加していたアジア系の大学教員は見渡した所一人もおらず、私だけでした。一人だけアジア人がいたのですが、尋ねてみると香港から留学してきているシドニー大学の学生で、主催のCPAセンターに研修にきていたので出席していただけでした。
出席者は、教育そのものに専念しているか、研究対象も教育問題かの大学教員とTAFE教員ですので、報告者の視点はオーストラリアからのものばかりです。このようなフォーラムに出席していると、如何にオーストラリア人はアメリカやイギリス(特にアメリカ)とは自分たちは違うと思っているかというのがよくわかります。
ビジティングスカラーだったのか、アメリカの大学教員が一人いましたが(私を除くとたぶん唯一の海外からの研究者:ただしNZはオーストラリアと学会が同じなので海外には含めず)、グロバールスタンダードとしてのアメリカ基準(会計に限らず)とか、アメリカ文化が直接に流れてきていることなどの話題が出る度に、からかいの対象になっていました。日本はオーストラリアとの最大貿易国ですが、ジョークの対象にするほど文化的に理解されていないのか、幸い話題がくることは一切ありませんでした。
結構、日本での簿記学会の報告のようなものも散見されます。「初等会計教育で、概念的枠組み(資産負債観)を導入するべきかいなか」とか、「ビジネスゲームを利用した管理会計教育」とかです。
報告後、懇親会で出されたワイン(懇親会ではなく、ワインテースティングと題されているぐらいでしたので、12種類のオーストラリア産ワインが出されました。)は結構いけました。
オーストラリア見聞記(37)2001/12/05 (水) 21:55
写真は、以前、見聞記にもUPしたことのある「大空への広告」です。年間降水量も比較的少なく、空が青くて広いシドニーでは、この形式で広告がよくなされています。広告を出す会社は色々です。クリントン前大統領がシドニーを訪問した際には、welcomeの文字が描き出されました。
この形式の広告が使えるのは、文字がアルファベットだからということもあるでしょうね。日本語だと漢字を描くのは無理なので、ひらがなかカタカナかローマ字ということになりますが、なかなかインパクトのある広告にはなりそうもありません。日本では、空に描き出すよりは、大型の電光掲示板の方が良さそうです。
町中の電光掲示板の広告よりは、オペラハウス前の芝生の上で弁当を広げながら、青空に描き出された広告を見る方が、精神衛生上も良いのは確かですね。そんな所にも、シドニーの余裕を感じます。
オーストラリア見聞記(38)2001/12/05 (水) 22:03
写真は、シティの近くにあるチャイナタウンの風景です。いったいここはどこだという位、看板に漢字があふれていて、道行く人もアジア系(中国系がほとんどだとおもいますが)が多いようです。写真を見ていると、ちょっと見は日本の街角のような雰囲気ですね。
街角の写真の左上に、セブンイレブンの看板を貼り付けています(こんな巨大な看板が実際にビル一面にあるわけではありません)。漢字で、通宵営業の文字が見えますが、何を意味しているか一目瞭然で、「ああ我々日本人は漢字文化圏の民族なんだなぁ」ということを実感します。意味がわからないという人のために、併記されていた英文を書くと 24hours Open です。日本式に書けば、24時間営業ですね。日本式の訳語よりも、中国語の方がなんか風情があるような気もします。
セブンイレブンだけではなく、チャイナタウンに掲げてある色々な看板は英文表記を見なくても、だいたい何を扱っている店かわかります。漢字の表現力ってすごいですね。
オーストラリア見聞記(39)2001/12/05 (水) 22:13
写真は、私達が住んでいる町の駅ビルにある交番の写真です。クリスマスのデコレーションがかわいくなされています。この写真ではわかりにくいですが、奥においてある制帽にもトナカイの角が付けてあったり、しっかりお茶目なお巡りさん達です。
以前、(焼身自殺騒ぎの)大事件の時のお巡りさん達の対応についてこの見聞記にも掲げましたが、基地となったのはこの交番でした。この交番は3階にあり、騒ぎのあった店は1階の玄関口にありました。
それで思い出しましたが、騒ぎのあった店はずーっと貸店舗の看板が掲げられているのですが、さすがに借り手がなく、向かいと斜め向かいの店の商品陳列場所となっています。しっかりした店の借り手がない状態では、商品の陳列場所としてでも貸した方が良いという判断でしょうね。その内、事件が忘れられた頃には借り手も現れるでしょうし。。
オーストラリア見聞記(40)2001/12/08 (土) 8:32
写真は、これまで見聞記にも少し書いたことのある、サーフィンするサンタクロースのクリスマスカードです。こちらにくるまでは、オーストラリアではこのタイプのカードがたくさんあるように思っていましたが、売り場にはほとんどありません。
クリスマスカードに占めるサンタクロースの絵柄の割合も、日本に比べると少ないようです。そもそも、キリスト教圏の国では、クリスマス自体、キリストの生誕を祝う日であって、サンタクロースは子供のための付随的なものと見なされているせいかもしれません。
日本に少なくて、こちらでそこそこ見る絵柄は、生誕時の三賢者の絵柄です(関学生の方でこの意味が分からない人は、キリスト教学を再受講する必要があるかもしれませんね)。
クリスマスに向けて、デパートでは、リースやツリーなどが飾られるようになりましたが、あくまでも控えめです。また日本のデパートのようにクリスマスソングが鳴っている(そもそもデパートやモールであまり音楽がかかっていませんが)ということもありません。クリスマスシーズンのデコレーションは、日本の方が派手かもしれません。
その意味のことをこちらに来ている日本人留学生に話したら、「こちらでもっとも美しいデコレーションは、満天の星、特にミルキーウェイですよ」との返事でした。たしかに、シドニーは大都市なのに、夜空の星は大変きれいに見えます。
オーストラリア見聞記(41)2001/12/09 (日) 22:39
写真は、ファイヤー博物館に展示されている手押しポンプ式の消防車です。車体に松任市消防團の文字が見えますが、展示横の説明では、松任市(まっとうし)からの1990年の寄贈であると書かれています。
どのようないきさつで、はるばるオーストラリアのこの博物館に寄贈されたのかは、説明に書いていなかったので謎です。
いずれにせよ、ただでさえ日本の顔の見えないオーストラリアの人にとって、ポンプ式消防車といえども、博物館に日本からの寄贈物が展示されているというのは良いことだと思います。
日本にいればたぶん石川県松任市ははるかに遠い所のように思いますが、こちらから見れば日本の自宅と松任市は非常に近い所のように思えるのが不思議です。
ところで、入館者が少ない(というより私達以外にはゼロ)というのは自由に見て回れる反面、何か寂しい気がします。(実際に、日本に帰って見れば、押し合いへし合いしながら、博物館や科学館などに行くのには閉口するんでしょうけれども)
オーストラリア見聞記(42)2001/12/09 (日) 23:17
写真は、(41)と同じく、ファイヤー博物館に展示されている日本から寄贈の消防車です。説明によると、姉妹都市である藤枝市からの寄贈で、1976年まで現役で働いていた消防車であること、藤枝市は紳士的にシドニーまでの運送費を負担してくれたこと、1990年に行われた到着を祝うセレモニーでは他の姉妹都市のメンバーと共に盛大に祝われたこと、この消防車は当該博物館に国際的な1ページを付け加えることになるであろうことなどが記されていました。
また、展示消防車の前には(左の写真でも少し見えていますが)、現役時代の消防署での風景、消防士さんの写真や(たぶん藤枝市の)街角など、日本の風情も伺える写真が展示されています。
(41)と同様、日本からの寄贈物が展示されていることは同じなのですが、やはり上のような説明などがある方がより良いですね。オーストラリア人からの印象も随分違うと思います。
オーストラリアで、もっと日本からのこのようなタイプの貢献(寄贈に限らず、何か日本の顔が見えること)が増えてくれば良いのに、と思います。
オーストラリア見聞記(43)2001/12/15 (土) 23:49
写真は、オーストラリア博物館の売店で売られているのを見つけた、日本の教育用磁石です。そこそこ広い売店ですが、販売されている日本製品はこれ(少し型番が古いと思いますが)だけです。
MCA(現代美術館)の売店では、結構日本製の物を売っていましたが、それは日本のアートという意味で販売されていることに意義がありました。
ここではそのような意味もなく、おもちゃ関係の所に置いてある所から特に日本製であることに意義があるようにも思えません。
この日本製の磁石に特別の需要があったのか、それとも売店経営者の何かの伝手で安く仕入れることができたのか、あるいはこのタイプの磁石はオーストラリアでは日本製の物しか入手できないのか、等々色々想像してみましたが、確たる理由がわかりません。
売り場で非常に違和感があったので、掲げてみました。
オーストラリア見聞記(44)2001/12/19 (水) 21:11
写真は、サーキューラーキーのロックス・センターの一角にある、(日本でいう)「金太郎」飴屋さんです。写真の左の方には、「HAPPY 30 ARLEN」の飴が見えます。写真右の職人さんが飴を作っている所です。受注数より多めにできてしまったためか、それとも宣伝のために予め多めになるように作っていたのかわかりませんが、この特注飴は工程を周りで見ていた人に配られました。
これまで、顔とか、この店の他の商品のように果物を切った形などというのは見たことがありますが、これだけの細かい文字を手作りで金太郎にしたものは見たことがありませんでした。
飴の味と良い、職人の手つきといい、以前見たことがある金太郎飴職人の技と非常によく似ていたので、何だかなつかしい気もしました。金太郎飴を手作りで作るんだから、技はよく似ていて当たり前なんですけど。。。
この特注飴10kgで210豪ドルだそうです。果物味の飴(これも金太郎になっています)の225g入りが、店先では5ドルで売られていましたから、特注といっても高いわけではないんですね。
オーストラリア見聞記(45)2001/12/27 (木) 10:47
ジェットスキーに乗ってくるサンタ
写真は、ダーリングハーバーのキャロルでジェットスキーに乗ってやってきたサンタです。シドニーならではですね。ダーリングハーバーは観光客も多いので、このキャロルの参加者もかなりな数でした。サンタがやってきたのはキャロルの最後の方でした。服装は海水パンツではなく、普通のサンタの服装でした。
オーストラリア見聞記(46)2001/12/29 (土) 22:25
私の住んでいるチャッツウッドの図書館は、住人に中国人、日本人が多いせいか、年末年始の休館日・時間などの掲示が、中国語と日本語でされていました。この掲示は、中国語の本と日本語の本の書棚の横に貼ってありました。(二つの書棚は隣り合っている上に、外国語のわからないオージーの図書館員が、よく中国語の漫画を日本語の書棚に置いています。)
中国語の方はすべての文字がきちんとワープロプリント打ちされているのに、(写真の右下に拡大して掲げているように)、日本語の方は館、週間、延長といった文字が手書きになっています。なぜだかよくわかりません。