Various Artists & Festivals

Live Reviews Indexに戻る

Private Roomに戻る

表紙に戻る


Kirin Gigs '90

Shella E., The Doobie Brothers, D. Hall & J. Oates@大阪城ホール(Jul./20/90)

まずはShella E.。「THe Glamorous Life」やっていたなという記憶しかない(笑)。

次にThe Doobie Brothers。これが結果的に今回の見物だった。緞帳みたいな幕が落ちて聴こえてきたのは「Rockin' down The Highway」。あのguitarのカッティングで始まるイントロとハイ・トーンのコーラスが格好良くって、一瞬にしてファンになってしまった。このショウがきっかけで、彼らのCDを買い集めたり、ライブに行くようになった。「Long Train Runnin'」でのtwin drums soloも過不足ない長さでgood。

最後にD. Hall & J. Oates。しかし何で彼らのライブはイマイチなんだろう。SaxにCharlie Dechantが戻ってきたのは嬉しかったけどね。

TOP


JT Super Producers '96

Nile Rodgers@大阪城ホール(Apr./12/96)

Nile RodgersといえばChicのメンバーだったわけだが、それよりも80sを聴いてきた人間にとっては当時の代表的なプロデューサーとしての印象が強い。D. Bowieの「Let's Dance」、Madonnaの「Like A Virgin」、Duran Duranの「Notorious」と数え上げればキリがない。このイベントはア−ティストよりもその音楽を作ったプロデューサーに焦点を当てて、彼に関係する色々なア−ティストが出演してライブで演奏するというもの。どちらかというと音楽マニア向けの企画のようにも思えるが、実際にはヒット作を連発したプロデューサーが選ばれるので、ショウ自体はヒット曲連発のセット・リストになる。

実際にゲストで登場するアーティストも超豪華。Duran DuranのSimon Lebon、Steve Winwood、GunsのSlashなどなど、普通では考えられない組み合わせ。自分たちのオリジナルは当然として、Steveが歌う「Stone Free」はかなり良かったし、Simonの「Let's Dance」も頑張っていた。でも誰かが歌ってた「Like A Virgin」はどうもな...。やはりMadonnnaってone & onlyなんですね。で、それとPAから出てくる音が、かなりレコードの音を再現していてこれはお見事。と言ってもライブ感がなかったわけでなく、「Le Freak」でSlashが弾くソロと登場の仕方はかなり格好良かったです。それにして「Le Freak」でSlashのギター・ソロってちょっと普通、想像できないよね。

で、その「Le Freak」も含めてだけど、Chicの再結成が嬉しかった。drumsのTony Thompsonがいなかったのは残念だけど、bassのBernard Edwardsがいたから満足。昔、ディスコではChicで踊っていたのを思い出して(笑)、盛り上がったな。だけどBernardって東京公演の後、ホテルで病死しちゃったんですよね。あれだけステージで元気よくbass弾いているように思えたのに...。ショックだったな。

TOP


THE ROCK ODYSSEY 2004

Aerosmith, The Who, Paul Weller, and more@大阪ドーム(Jul./25/04)

日本で3つ目の洋楽中心の大型ロック・フェスティバルである。ロック・フェスには興味はあったが、やはり炎天下のオール・スタンディングはつらい。そんなわけでSummer Sonicに行ったこともないし、ましてやFuji Rockともなれば苗場に行かないといけないわけで...。結局、今までロック・フェスには縁がなかったのだが、このTHE ROCK ODYSSEY 2004は座席指定で屋内だからゆっくり見れることもあり、早速、発売と同時にチケットを購入した。それに何と言ってもThe Whoである。これを見逃す手はないだろう。

ロック・フェスの場合、ショウが長時間に渡るため、最初から最後まで観るのは無茶である。そんなわけでPaul Wellerが始まったくらいから会場に入った。さてPaul Wellerであるが、よく考えてみると、この人のライブを観るのは初めてである。The Style Councilは好きだったし、ソロのCDも何枚か持っていたので、それなりに期待していたのだが...。しかし、残念ながら音が悪い。Paul Wellerの歌は、首の青筋立てて熱唱、みたいな感じだが、サウンドは結構、繊細で、音のセンスで聴かせる人だから、そもそもドームのような大会場は不向きなのだろう。そんなわけでイマイチであった。

さて、次がThe Whoである。モニターに「The Who」という予告が出るだけで会場が盛り上がる。みんなThe Whoを待っているのだ。さて実際の演奏だが、サウンドがPaul Wellerとうってかわって最高である。PeteのギターとZakのドラムが核になって、そこにRogerの歌がちゃんと乗っかっている。Rogerの歌は力強く、マイクもグルグル回す。でもってPeteも風車コード全開。それでまた会場が盛り上がる。もちろんそういう演出もいいのだが、演奏自体が非常に練られている。1曲の中でピアノとフォルテ、スローとアップを使い分けて、さらにアドリブを挟み込んで曲を劇的に盛り上げる。CDではピンと来なかったのだが、ライブではこんなに複雑な演奏をするとは思わなかった。正直言って、僕も「記念に見ておくか」というくらいのつもりで来たし、観客の多くも僕と同じか、Aerosmith目当てだと思うのだが、The Whoはそんな観客を一瞬にして圧倒したと思う。彼らは昔から最高のライブ・バンドと言われていたらしいが、結成から40年経った今も十分に素晴らしい。Stonesほどの華やかさはないけど、それにしても還暦近いベテラン・ミュージシャンはどうしてこんなにみんな元気なのだろうか。

さて、最後はAerosmithである。Aerosmithは日本でも数少ないドームツアーができるメジャー・アーティストだし、今回のショウを最後に無限期間活動停止という噂も聴いていたので、気合の入った演奏が楽しめることを期待していた。だが、残念ながら音が悪い。音が悪いだけでなく必要以上にデカイ。音が悪くてデカければただの騒音である。騒音ではノレるわけがない。僕は席に座り込んでしまった。考えてみて欲しい。Aerosmithのサウンドの魅力は何か?おそらくそれはStevenのパーカッシブなヴォーカルと、Joe & Bradのギター・リフではないか。しかしギターの音は完全に潰れてしまって、Joe & Bradの区別がつかない。おまけにエフェクターのかかり過ぎでStevenは怒鳴っているようにしか聴こえない。で、平面的なサウンドが必要以上の音量で流されるだけなら、これが騒音と一体どこが違うのだろう?初めての経験だが、僕はアンコールを前に会場を後にした。後で確認すると、set listはレア曲も多く、演奏もやはり日本ツアー最後ということで気合が入っていたのかもしれない。しかしそんなこともわからないようなサウンドが、これほどまでのメジャー・アーティストのショウでどうして流されたのが理解できない。僕はそれなりの数、ライブを観ているし、大阪ドームにも何度も足を運んでいるから確信を持って言うが、こんなに酷いPAは初めてだった。

TOP


Live Earth

RIP SLYME, UA, BONNIE PINK, Michael Nyman, and Yellow Magic Orchestra@東寺(Jul./07/07)

何といってもYMOである。「再生」以来、14年ぶりにYMOとしてのパフォーマンスとのことだが、「再生」のときは騙されて再結成したみたいで、おまけにYMOに「X(バツ)」までついていたくらいだから、本当の意味の再結成としてはそれこそ「散開」以来になるのではないか。僕は「散開」のときはライブを見に行けなかったし、「再生」ものときも東京まで行く気にはなれなかった。だからこれが初めての生YMOなのだ。僕のような人もいれば、先日の横浜でのHASとしてのショウを観た人達、昔からずっとYMOを追いかけている人達、とにかく観客のほとんどはYMO目当てであったことは間違いない(若い人達はRIPのファンだろう)。

この日の京都は予報では雨が降りそうだったが、当日はそこそこの天気。むしろ時々、風が吹いてきて7月の京都の夜とは思えないほど爽やかだ。また東寺の金堂の前でのライブということもあって、会場は幻想的な雰囲気さえあった。こういった状況では会場を「盛り上げる」パフォーマンスは難しい。最初のRIP SLYMEにしてみれば、彼らのショウのスタイルも、客層も、会場も、何もかもアゲインストだ。トップバッターとしてはよく頑張っていたと思う。立たない客が多かったが、単に盛り上がらないと言うことではなく、そういった会場の雰囲気に合わせてゆったりと音楽を聴こうという気分だったのではないか。そういうこともあってUA、BONNIE PINK、Michael Nymanは、敢えてこの状況に合ったアレンジで演奏をしていたように思う。特にUAの歌は素晴らしかった。

しかしそうなると不安も出てくるわけで、つまり最後のYMOもlaptopを使った、ある意味地味なパフォーマンスになってしまうのではないかという心配があった。しかしそんな心配はすぐに払拭される。金堂の前に3人それぞれの機材を積んだカーゴのようなブースが突然、3つ登場したのだ。幸宏さんのドラム・キットもある。今までの静けさが嘘のように、これだけで会場は大盛り上がり。拍手で彼らの登場を待つ。

さていよいよ3人が登場。横浜と同じく「以心電信」でスタート。そして「Rescue」、「War & Peace」と続く。最近のエレクトロニカ風のアレンジなので、ものすごく盛り上がるというわけではないが、やはり3人が一緒に演奏していること自体が大きい。特に「War & Peace」で幸宏さんが生ドラムを叩くとこれは本当にYMOだ。そして最後は「Rydeen 79/07」。既にCMでおなじみのバージョンが基本だが、今回は横浜とも違って、幸宏さんが8ビートを叩いたので途中で演奏が「07」ではなく「79」になった瞬間があった。これで一瞬、昔のYMOに戻ったわけでちょっと泣いてしまった。ともかくこの「Rydeen 79/07」の演奏は本当によかったと思う。

会場は大いに盛り上がったが、この4曲を演奏してMCもなく、3人は退場。しかしアンコールを求める拍手はいつまでも止まらない。場内アナウンスが退場を即しても止まらないのだ。こういのは久しぶりに見たけど、本当に彼らのパフォーマンスがよかったので、皆もうちょっと聴きたかったのだろう。まあ会場や時間の制約があるからしかたないか。それにこういうのがいかにもYMOらしい。


TOP