M

Live Reviews Indexに戻る

Private Roomに戻る

表紙に戻る


松平 健

松平健デラックスショー マツケンサンバ IN 新歌舞伎座(Jan. 28/05)

「マツケンサンバ2」(笑)。それをライブで見たかったの一言に尽きる。それでなければ新歌舞伎座に行くことなんかなかっただろう。同じような人達が僕の座っていた3階席にはたくさんいた。その一方でよく見えないが1階席には松平 健の固定ファンと思われるオバサマ達もたくさん。記念グッズ売り場も殺気立ってました。あんなの普通のライブ会場では見たことないなあ。

そんな感じで素人みたいにキョロキョロしているうちにショウはスタート。マツケンはいきなり銀ラメの着流し(たぶん)で「マツケンマンボ」を歌い、スポットライトを浴びれば人間ミラーボール状態(笑)。いいですね。ただ音楽はテープで腰元ダンサーズも15人くらいだから舞台はやや寂しい。本人がMCで語っていたが、純粋なコンサートだけのショウはこれが初めてだそうで、そのMCもやや上がり気味。暴れん坊将軍の挿入歌を歌っても、純粋なファンでなければちょっと地味と言うか退屈な感じは否めない。その辺は本人もわかっているのか、「涙そうそう」をカバーしたり、宝塚みたいな衣装で(やっぱり宝塚好きなんだ(笑))踊りを披露したりと色々と工夫しているのがよくわかる。

休憩を挟んで第2部のラストはやはり「マツケンサンバ2」。会場もここぞとばかり盛り上がる。マツケンが流し目を送れば、客席のオバサマも「キャー」とか叫んでいていい感じだ。アンコールは何かなと思えば再び「マツケンサンバ2」。観客の目当てはこれだから2回やってももちろん盛り上がる。マツケンも流し目を送る方向を毎回変えて、ファンへに対する心遣いも立派だ。で、幕が下りてこれで終わりかと思えば、舞台では踊り続けているようでまた幕が上がって、観客も大騒ぎ。これが何度も繰り返しでカーテンコールみたいな感じなんだろう。

今回のショウを見てわかったのは、松平 健はプロのエンターテナーとしてファンのことをよく考えているし、日本人のテイストに合ったショウはどのようなものか真剣に考えているのだろう。それから俳優として基本がしっかりしているから着物を着た立ち姿がまず決まっているし、それでマツケンサンバをやるから面白いんである。素人がやったらただの千鳥足のオヤジになっちゃうだろうね、たぶん。一発屋の芸とは根本的に違うことはよくわかった。コンサートとしてまた見たいかと言えば「?」だが、機会があればお芝居がセットになったショウは行ってもいいかも。これから全国ツアーだそうだが、そうやって新たなファンを開拓して、それで本業のお芝居にお客を増やそうということなんだろう。いやあマツケン本当に立派だなあ。

TOP


Paul McCartney

Driving Japan Tour@大阪ドーム(Nov. 18/02)

「Paul MacCartney最後の来日公演」みたいな宣伝文句につられて行ってしまいました。半分、本当で半分、嘘だと思っているんですが(笑)。しかしそうやってファンの飢餓感をあおるのはいいとしても、「今回は自分の過去に訣別して、気持ちが吹っ切れたためかThe Beatlesをたくさん演奏している」みたいなことを言うのはやめて欲しい。だって前々回のツアーからガンガンThe Beatlesの曲を演奏していたじゃないか。とにかくそんな胡散臭い雰囲気を感じながらも今まで観たことがなかったので(大阪公演は初めて)、一度は観たいと思って行ってきました。Gerorgeのライブもそうだったけど観れるときに観ておかないと何があるかわからないから...。

さて肝心のショウなんですが、確かに半数以上がThe Beatlesの曲でそれからWings時代のヒット曲やソロの曲も。最新作からも何曲かやってました。バンドはPaulを含めて5人。比較的無名の若手が中心だったが、今回は有名ミュージシャンと組むよりはそういう人達とバンド・サウンドを作り上げることに目的があったのではと思わせる。アメリカからずっとツアーをやっていただけあって、ラフな感じも残しながら演奏はまとまっていたと思う。Paulはbassやguitarを弾いたり、pianoに向かったりと曲によって楽器が替わって大忙し。でも5人とは思えないくらいいい音を出していたと思う。

まあバンドのサウンドもさることながら、やはり楽曲のクオリティーがどれも高いですよね。ほとんどの曲は誰でも知っているし、歌えてしまう。それがバンドであっても弾き語りであってもライブが成立してしまうパワーはやはりこの人が世界一じゃないかな。まあ僕は感極まって涙するほどThe Beatlesのファンではないけど、Gerorgeの追悼と言って歌ったSomethingはグッと来たし、Hey Judeの最後のコーラスはやはり一度ライブでやってみたいと思っていただけに感激しました。確かにpaulがこれから新しい音楽を作って演奏できるかどうかはわからないけど、そういえばこの人、還暦を迎えていたことをすっかり忘れさせるほどエネルギッシュでした。「どうしてツアーを引退する必要があるの?」と言いたくなるくらい。

Out There Japan Tour@京セラドーム大阪(Nov. 12/13)

上でも書いてあるように、前回が最後の来日公演というのはやはり嘘だった(笑)。だから今回が最後の来日公演と言われると、半分「そうだよな」と思いつつ、半分は信じていない。Paulも最後に「See you next time!」と言っていたしね。

Paulのショウは、基本的に数々の名曲を聴きに行くことが目的だが、あまりジャムったりはしないので、演奏というよりは彼の歌がポイントだ。今回も声はよく出ていてそれを3時間弱やっていたのが凄い。11年前に観に行ったショウと印象があまり変わらなかったが、彼のパフォーマンスはもはや年齢を超越した何かがあったということだろうか。新譜「NEW」をリリースした直後だったので、このアルバムから4曲ほど演奏されていたが、そうした楽曲がセットリストから浮いていなかったということは一貫性があるということなのだろう。そしてそうしたアルバムに「NEW」というタイトルをつける所が野心的である。

今回のツアーは追加公演となった大阪初日を除くとすべて完売。というか洋楽アーティストで、しかも大阪でドームで追加公演が出ること自体、破格だ。松村雄策氏も書いていたように、11年前の来日は今回ほど盛り上がっていなかったような気がする。「最後の日本公演」という言葉にあおられただけでなく、若いファンが増えているということだろう。これもやはり凄い。

なお今回はフラッシュなしの写真撮影だけ許可された。

Out There Japan Tour@京セラドーム大阪(Apr. 21/15)

前回のツアーでよほど日本が気にいったのか異例のアンコールツアー。ただし結局、急病でツアー自体がキャンセルになったのはご存じの通り。もともとアンコールツアーでは、大阪は長居スタジアムでやる予定だったのだが、ポールを今度は野外で見てみたかったのだ。でも振替公演は京セラドームになったので、同じツアーを同じ環境で2回見ることもなかったのだが、何となく流れでこのツアーも行くことになった。

内容は前回とあまり変わりなく、でもだからといって、つまらなかったとか損したとかいうこともなく。もう観れるだけでいいんです、これくらいの人になると。

One on One Tour@KeyArena(Apr. 21/15)

日本でも「Out There Tour」に行ったばかりだけど、ツアーのタイトルも新しくなったので、セットリストも変わるんじゃないかと思って、結局、今回のショウに行くことにした。そうは言っても、基本的な構成は「Out There Tour」を踏襲している。曲によってはMCも同じで、「これ日本でも聞いたなあ」というネタもいくつかあった(笑)

しかし今回、1曲目は変わっていて「A Hard Day’s Night」。Paulがステージに出てきて、あのイントロの、ギターのコードがジャーンと鳴ってショウが始まるんだけど、1曲目からコード1発だけで客を盛り上げることができるのはPaul以外にはいないだろう。

それから今日はシアトルならではということがあった。「Let Me Roll It」を演奏した後、アウトロでJimi Hendrixの「Foxy Lady」を必ず演奏するんだけど、もちろんJimiがシアトル出身ということはPaulは知っていて、曲が終わった後、Jimiの話をして観客を喜ばせていた。

それからアンコールの「Helter Skelter」ではNirvanaのベーシスト、Krist Novoselicがゲストで共演。僕の両隣の客が「Kristって誰?」みたいな反応をしていたのが、驚きだった。シアトルの英雄の1人だから、音楽好きならみんな知ってるのかと思っていたんだけど。

でもなんと言っても1番いいのは、Paulはショウの最後でいつでも必ず「See you next time!」と言うことなんだよなあ。

TOP


Metafive

Japan Tour@なんばハッチ(Dec. 01/16)

「いつまでもあると思うなMetafive」とメンバーが言うので、Metafiveのライブを観に行ってきました。幸宏さんの生ドラムを体験するのはLive Earth以来だから9年振りか。僕が求めるグルーブの原点に幸宏さんのドラムがあることを再確認しました。やはりDon't Moveが一番盛り上がったかな。1時間半とはいえ、オールスタンディングはアラフィフにはちょいとキツイ。

TOP


Misia

The Tour of Misia 2005 The Singer Show@神戸ワールド記念ホール(Feb. 25/05)

Misiaのライブは女性客が多いかと思ったら、男性客も少なくなかったのが意外な発見。それはともかく、バンドのミュージシャンは一流の人たちが揃っているので演奏は安定していて、なおかつMisiaの歌も期待通りに上手い。にも関わらず、アリーナクラスのショウとしてはまだ改善の余地があるような気がした。

第1に時々、ステージにB-Boy風のダンサーが出てきて踊るのだが、あまり意味が感じられなかった。ステージは(当たり前だが)Misiaがどこからでもよく見えるように設計されていて、バンドは完全に奥に引っ込んでいる。そんなわけでアクセントをつけるためにダンサーを置いたのだと思う。しかし(今回のショウで聴く限り)Misiaの歌には官能的な要素が基本的にない。R&B系の歌手の場合、歌に少なからず官能的な要素があるから、異性のダンサーと組み合わせることにより雰囲気が出るのだと思う。しかしMisiaの場合、男性が出てきてもMisia本人と全く別の存在になっている。これなら女性のダンサーの方が遥かにマシだろう。

それからできれば女性のコーラスとの掛け合いも欲しい。いいバンドでシンガーが1人だけ目立つ構造であれば、間違いなくMisiaの独壇場だ。そんな環境で歌えるのなら、シンガーはさぞかし気分いいだろう。しかしそれはどこか予定調和的でライブ特有のスリルには欠ける。舞台の上でコーラスを数人従えて、Misiaとコーラスが掛け合いをやって、それでもやはりMisiaが一番だなあと思わせるようになれば、ライブ感も増すような気がする。

とはいえ、MisiaのファンにとってはMisiaが主役で、予定調和的だろうが好きな歌を歌ってくれるのが一番なんだそうである。まあ、それはそうなんだろうな(笑)。ちなみに個人的には日本人のDNAを感じさせる、「冬のエトランジェ」のパフォーマンスが一番良かった。

TOP


Muse

Drones World Tour@KeyArena(Dec. 12/15)

日本では数え切れないほどライブに行っていますが、実は日本以外でライブに行くのは今回が初めて。Museのファンとは到底言えないけど、生活も落ちついてきてそろそろ何か観たいなと思っていたところでMuseがシアトルにやってくるので、ライブに行ってみることにしました。

こっちにきたらライブ見放題だと思っていたのはちょっと勘違いで、やはりシアトルはアメリカの西北端だし、人口規模からいっても大物ミュージシャンが次から次へと来るわけではないんですよ。ひょっとしたら大阪の方がライブ多いんじゃないか、くらいの感じ。

そんなわけで人口規模を反映してか、今回の会場KeyArenaもアリーナとはいうけれど、大阪城ホールと比べたらずっと小っちゃい。今回のショウは客席がステージを取り囲むラウンド型なので、どこからでもよく観えそうだし、僕の席からだとほとんどフェスティバルホールで観てるようでした。

Museの曲はあまり知らなかったけど、過剰な曲調に過剰な演出がよく合っていて、退屈はしなかったです。もともとスタジアム級の会場でショウをやるグループだから、今回はこの規模の会場で観れてラッキーかも。やはりUprisingが1番盛り上がりました。

TOP