このライブは、「Running in The Family」を出してLevel 42が商業的に一番、成功していた時期のツアーである。Level 42というとジャンルで分類すると元々はフュージョンで、特にMark Kingの超絶的なbassが売りであった。初期はインストが中心でそこに何曲かMarkのvocal曲が挟みこまれるといった感じであった。ところでちょっとやってみればわかることだが、bassを弾きながら歌を歌うのは難しい。guitarを弾きながら歌う人は結構いるけど、bassというとパッと思い浮かぶのはStingくらいである。しかしMarkはあのチョッパーを弾きまくりながら歌うのである。その凄さはTVやCDで既にわかっていただけにライブに期待したのはその点である。
ところで実は日本ツアーの直前にguitarとdrumsのメンバー交替があってライブが延期になっている。そこでメンバー交替の影響が不安の種であったが、実際の演奏はそのような問題を感じさせないものだった。特に「Running in The Family」の頃はインスト中心からvocal曲中心になってヒット曲も連発していた時期であるから、バンドにも勢いがあって盛り上がったライブであった。Markのbass soloは予想以上に凄まじかった。それにしても最近、こういう上質のポップ・ロックが聴けないのが残念である。
いつ観たのかも、会場も思い出せないんだけど、とにかく観たのは確か。この時はNick1人の、弾き語りライブだった。guitarだけじゃなくてbassも弾いていた。この人のライブでは、ステージから降りた後、アンコールの拍手を受けてまたステージに上がってプレイするというパターンを繰り返すのがお約束らしい。この人、あんまりメジャーじゃないけど、憂いを含んだいい声してますね。