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Daryl Hall and John Oates

Japan Tour 88@大阪城ホール(Oct./20/88)

80年代にヒット曲を連発して活動を休止した後、「Ooh Yeah!」をリリースした時のツアーがこれ。T-Boneのような昔からのメンバーもいれば、guitarやsaxは新しいメンバーが加わってのライブである。僕はライブにおける彼らの存在が重要だと思っていたからちょっと残念であった。そのせいかどうかはわからないが、Hall & OatesってCDと比べるとライブはなぜかもう一つという印象がぬぐえない。ビデオで観てると結構いいような気がするんだけど...。これは僕のライブに関する大きな謎の一つ。まあでも80sが好きな人は「Private Eyes」で両手を挙げて拍手というおなじみのアレは一度は経験しておくべきかも。

Japan Tour 2005@大阪厚生年金会館(Mar./14/05)

久しぶりのHall and Oates。今まで足が遠ざかっていたのはこれまで観たショウの印象が良くなかったから。でも新譜のOur Kind of Soulがとても良かったので今回のツアーは観に行くことにした。結果としてはこれまで一番良かったショウだという印象を持った。

今回はシアター級のライブなわけだが、たぶんこれはアメリカでも同じで、そういう意味ではアメリカでの勢いがそのまま持ち込まれた感じがする。そもそも彼らのライブは特別な演出があるわけではないので、このくらいの規模の会場が一番いいのだろう。

Darylの声の調子はパーフェクトとは言えない。というか正直言って、高声が出ないのは年齢による衰えの可能性が高い。にもかかわらずDarylの機嫌は極めて良さそうで、ピックをバラ撒きしていたし、観客の掛け声に応じて即興で予定外の歌を歌ったりもした(「How Sweet It Is」という歌だそう)。追加公演が出るくらいだから会場も満員で、観客の熱気がポジティヴに働いたということだろう。

僕が一番好きな曲は「I Can't Go for That」だけど、これはできればもっとCharlie DeChant が激しくsaxをブロウするのが聴きたかったが、やや迫力不足。これも年齢か...。とはいえ、随所で印象的なソロを決めていたし、やはりHall and Oatesのライブに彼は不可欠である。それからT-Boneも。Set listは以下の通り。

Maneater/ Let Love Take Control/ Do It for Love/ I'll Be Around/ Say It Isn't So/ Soul Violins/ (How Sweet It is)/ I Can Dream About You/ Can't Stop Dreaming/ She's Gone/ You Are Everything/ Wait for Me/Sara Smile/ I Can't Go for That/ You've Lost That Lovin' Feeling/ Kiss on My List/ Private Eyes/ Out of Touch/ Can't Get Enough of Your Love

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George Harrison with Eric Clapton

Japan Tour 91@大阪城ホール(Dec./02/91)

いやあ、改めて考えてみると本当に貴重なライブだった。なにしろGeorgeはもうこの世にはいないし、おまけにECが共演という豪華さ。そもそもGeorgeがツアーをすること自体、当時もうなかったし、しかもこのツアーが実現したのは日本だけであった。

どのような経緯でこのツアーが実現したか、本当のところは知る由もないが、Georgeを第一線に復帰させるためのECのアイデアと言う説がある。一方で、愛息Connorを事故で失ったECを励ますためにGeorgeが持ちかけたという説もある。今更、説明するまでもないこの二人の深い関係からすれば、どちらが正しいというわけでもないだろう。

ライブでバックを務めていたのはECと彼のバンドであるから演奏には問題ない。確かに「Something」も「Here Comes The Sun」も、そして「Set on You」も良かったです。ところがライブの途中でGeorgeが休憩し、ECが自分の曲を演奏するパートでその印象はひっくり返った。彼のバンドだから当然と言えば当然だが、ECのパートになった途端、演奏が急にタイトになった。ECもguitar弾きまくり。Georgeの現役復帰をサポートするツアーと言いながら、これじゃ結局、「本物の現役は俺だ」と言ってるようなものではないか。これがジョークなら相当に辛らつなジョークである。そう言えば「ライブではLaylaもやるよ」と言っていたはずだが、実際には演奏されなかった。あれも二人ならではのジョークだったのだろう。

まあそうは言いつつも、おそらくその場にいた(特にBeatlesの)ファンは実際にGeorgeが観れただけで十分だったはずだし、僕もそれで目的は達していた。クオリティー云々より、実現しただけで価値のあるライブというのも滅多にあるものではない。

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