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The Eagles

Japan Tour@甲子園球場(Nov.//95)

70年代が青春だった人にとってThe Eaglesは時代を象徴するバンドだろう。この再結成ツアーはほぼ1年前に日本で実現するはずだったのだが、メンバーの病気で延期に。そのおかげで当初は予定になかった大阪でもライブが実現することになった。とにかく思い入れのある人にとっては待ちに待った再結成ツアーだっただろう。

その点、一音楽ファンである僕は単に彼らを見に行ったという感じなのだが、オープニングがいきなり「Hotel California」だから会場も盛り上がり、僕もつられて盛り上がる。セット・リストはGreatest Hits+メンバーのソロ。「One of These Nights」も「Desperade」も「I Can't Tell You Why」も僕が知っている曲は全部演ったのではないか?途中のunpluggedではカントリー系の曲を演奏。これは彼らのルーツを考えれば当然だが、この種の音楽になじみが薄い僕にとってはちょっとつらかった。最後は「Take It Easy」。この時、40歳近い人が球場の金網にしがみついて叫んでいたが、やはりライブで彼らを見ると、この世代の人はそんな気持ちになるんだろう。

印象的だったのがアンコールの時に、多くの観客がライターの火をつけてメンバーを待っていたこと。海外のライブではballadを演奏する時なんかにもよくやるのだが、日本では消防法のため屋内のライブでは禁止されている。しかしここは屋外なので当然、OK。球場一面が灯の海になってとても美しかった。やってる観客自身も滅多にできないので大喜び。そういう事情を知ってか知らずか、G. Freyもライターの火をつけてステージに登場した。しかし11月の夜の甲子園球場は寒すぎる。

Farewell T@大阪ドーム(Nov./03/04)

"Farewell"というタイトルがついているが、ライブ開始早々、Glenn Freyが「これはFarewell Tourだけど、まあ1回目だからね。6回くらいはやるよ」とか言っていたので、「解散」というのはネタっぽい。同じことは確かDon Henleyも言っていたのだが、ライブの宣伝では「これが最後」とか言っていた。チケットを売るために妙な飢餓感を煽るのはやめて欲しい。

しかし9年ぶりの来日公演といっても、新曲なんて1曲くらいしか出てないし、バンドはDon Felderがクビになったくらいでほとんど変わりないだろうし、今更という気もしなくはないがチケットが買えてしまったので観に行った。Set listは、前の来日と比べると、各自のソロの曲が増えていたが、やはりEaglesと言えば、アンコールでやった"Hotel California"、"Take it Easy"、"Desperado"だろう。"Desperado"はスタンダードとも言えなくもないが、まあどれも70年代の曲であって、それをどう演奏したところで現代的なニュアンスは欠けらもない。まあ言わば完全な懐メロバンドである。

とはいえ、ここまで70年代のアメリカン・ロックの象徴ともなれば、まさに懐メロバンドとして堂々と演奏すると言うのが筋と言うものだろう。"Hotel California"のイントロは感動的だし、最後のギター・ソロもいつ聞いても構成が素晴らしい。"Take it Easy"の爽快さなど今のアメリカにあるわけがない。これは音楽の歴史博物館そのもである。年齢層は高めとはいえ、30歳代や20歳代も少なくない。既に僕ですらEaglesを現役で記憶していないのだから、僕より年下の観客だって絶対にEaglesは懐メロどころか「歴史」である。しかし我々が歴史博物館に足を運ぶように、比較的若い人も「歴史を体験しよう」とライブに来て、会場が満員になるのだから、Eaglesは偉大である。新曲なんか必要なわけがない。

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Earth, Wind & Fire

Japan Tour@大阪城ホール(Apr.//95)

このショウは大阪城ホールで行われたライブの中で一番、いい席で観れたのではないかな。ど真ん中の前から3列目くらい。そういうこともあり踊れる、踊れる。「September」、「Getaway」、「Let's Groove」...。

ところでこのツアーを最後にリーダーのMaurice Whiteが体調不良のためライブ活動を引退するって話があって、実際、オープニングに彼は登場しなかった。その代わりvocalはもう1人のlead vocalist、Philip BaileyとguitarのSheldon Reynolsが分け合うことになる。それにしてもPhilipはいいとして、本来、Mauriceが歌う歌を他の人が歌ってももう一つ様にならない。目の前にいるのは本物のE.W.F.なのに、なぜかE.W.F.のコピーバンドを見ているようである。で、途中からMaurice登場。何かフラフラ歩いていて、本当に体調悪そう。にもかかわらず、彼が歌うと「Everything in Its Right Place(by Radiohead)」って感じで、急にショウが締まってくるから不思議だ。残念ながらMauriceは2、3曲歌って引っ込んじゃったけど。

Japan Tour 2006@大阪フェスティバルホール(Jan./14/06)

それにしても先行予約って何だ?先行予約でチケット取ったら、2階の一番後ろの席だったぞ。まあ、フェスティバルホールくらいの規模ならどこからだってステージは一応、見えるけど。

さて、ずっと噂ばかりではあったが、本当にリーダーのMaurice Whiteがライブ活動を引退してしまったので、新編成のE.W.F.がどんなものか興味があった。これまではMauriceがちょっとだけステージに出る代わりに、それまではギターのSheldon Reynolsが代役で歌っていたのだが、上のレヴューでも書いてあるとおり、もう一つしっくりこなかった。しかし今回はもう一人、フロントマンを増やしたものの、もうMauriceはいないと開き直ったことがいい結果につながったような気がする。新しいフロントマンは若そうだが、何となくhiphop世代のような気がして、新しい風が吹いているように思えたのだ。またMaurice不在ということもあってか、これまで以上にinstrumentalのパートも増えて、そちらも聴き応えがあった。ただその一方で、Philip Baileyがカリンバを演奏するなど伝統もちゃんと受け継がれている。Mauriceがいるに越したことはないが、前回ほどMaurice不在を感じなかったのもまた事実。Japan Tour初日ということもあってbandのまとまりはイマイチだったが、今後の展開に期待が持てる。

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