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Robert Palmer
Honey (TOCP-8357)
男性vocalistを1人挙げろと言われたら僕の場合、間違いなくRobert
Palmerである。その声は白人ながらR&Bに強く影響を受けたものではあるが、アルバムを出す度に様々な実験を試み、決して一つのサウンドスタイルにとどまらないのが彼の魅力である。そして様々な音楽性を1枚のアルバムに集約させたのが彼の代表作、「Riptide」である。その後、「Heavy
Nova」、「Don't Explain」と続く一連の流れの集大成が1994年に発表されたこの「Honey」である。
アフリカンビートが無理なくpopsに溶け込んだ「Honey
A」・「Honey B」、AOR的なテイストの「Know
by Now」、「You Blow Me Away」、メロウなソウルバラードの「Love
Takes Time」、ボサノバの「Honeymoon」、アンビエントな「Close
to The Edge」から一転してどう考えてもハードロックの「Closer
to The Edge」、「Girl U Want」、映画のエンディングのような「Dreams
Come True」と1枚のCDに収められるにはあまりにも多様な、しかしながらどれもいい曲がこのアルバムには収録されている。
個人的にはそれ以外にもほぼ全編でギターを弾いているNuno
Bettencourtのプレイも好きである(Nuno自身は最終的なMixにもの凄く不満だったらしいが)。残念ながらこの作品を最後にRobertはメジャーとの契約を失ってしまう。アメリカのように明確にジャンルによってマーケットが区分されているような所ではもはやこのようなCDは売るのが難しいのだろう。ここには当時なら十分通用するR&B的な曲も、また最近流行りのHeavy
Rock的な曲もある。なぜ売れないんだろう?売り手にとって(そして買い手にとっても)ジャンル分けってそんなに重要なんだろうか?
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