これが「身を切る改革」? 知事退職金ゼロ→4年で報酬は約350万円増える
松井一郎知事が諮問していた府知事らの退職金や給料について知事に答申があり、松井知事もこれを受け入れる方向だと言います。
身を切る改革になるのでしょうか?
松井知事は、退職金をゼロにするということで、マスコミ各紙はこれをうけて「大阪府知事退職金、全国初の『ゼロ』へ」(「産経」)、「大阪府知事の退職金廃止へ 月給に上乗せ」(「朝日」)など、あたかも、知事が自らの退職金廃止を全国に先駆けておこなうかのような報道がなされています。
ところが実際には、知事の受け取る年間総額は増える計算です。
知事は「民間と報酬のあり方について、非常に近くなってきてよかったです」などと語っていますが、実質賃金が減少し、消費抑制を強いられている市民の感覚と、離れているのは知事のようです。
維新の会の「身を切る改革」の実像が姿を表した格好です。
現行の知事給料は月額131万円で夏・冬の一時金を加えると年額2177万2200円になります。
実際には3割カットを実行しているので月額91万7千円、年額1524万0540円です。
今回の報酬審議会答申は、退職金をなくすかわりに、その分を月額の給料に上乗せして支給しようというもの。
現行の1期4年の退職金1257万6000円をなくすかわりに48カ月で割り込んだ26万2000円を現行の131万円に上積みし(若干減額)152万円にしようというものです。
退職金がなくなった分、知事への支給総額は減りそうなものですが、毎月の給料月額が上昇しているため、それをもとに算定する夏冬の一時金が増額。結局、知事が手にするお金は増えることになります。年間87万円余、4年で約350万円増えます。これが大阪維新の会が言う「身を切る改革」の実態です。
政務活動費でも、子どもの幼稚園の送迎や架空チラシ配布、高級車レクサスの購入やダイソンの掃除機購入など、不正使用が続出の大阪維新の会の議員たち。最近話題の堺市議を除名すらしませんでした。
これでも「身を切る改革」に期待しますか?事実を冷静に見つめる必要があるのではないでしょうか?
「身を切る改革」と言い税金の無駄遣いの先頭に立つ大阪維新の会
- 政務活動費不正ゾロゾロ
- 子どもの幼稚園の送迎の人件費(府議)
- 配布していない架空チラシ代支出(堺市議)
- 高級車・レクサス購入のローン代(大阪市議)
- ダイソンの掃除機購入(大阪市議)
- 配布していない架空チラシ代支出(堺市議)
- 知事の退職金ゼロを宣伝
- →4年間で手取りは約350万円アップ
- 維新分裂騒ぎで政党助成金のぶんどり合戦
- 学校警備員の補助金廃止、救命救急センターや中小 企業には補助金カットで自立しろと言い、自分たちは政党助成金という補助金頼み
現在 | 答申受けて | |
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給料月額 | 91万7000円 | 106万4000円 |
給料年額(1) | 1100万4000円 | 1276万8000円 |
夏冬一時金(2) | 423万6540円 | 491万5680円 |
(1)+(2) | 1524万0540円 | 1768万3680円 |
退職金 年額相当(3) | 157万2000円 | 0円 |
(1)+(2)+(3) | 1681万2540円 | 1768万3680円 |
※年間で87万1140円増。4年で348万4560円増 |
マイナンバー Q&Aシリーズ(3)
- Q:国民にメリットは?
- A ほとんどメリットなく危険性大きく
共通番号の導入で個人にメリットはほとんどありません。所得証明書の添付がいらないなど手続きの一部が省略できる程度です。
逆に、個人情報を国が集めて行政一般に利用するプライバシー侵害、情報漏えい、「なりすまし」被害などデメリットは重大です。
一方、国にとっては税務署など行政機関がそれぞれ持っている個人情報を共通番号でつなげて管理することができるようになり、税・社会保険料の徴収強化や社会保障給付の抑制などに使えます。
政府は、幅広い個人情報を集めるため、利用対象の拡大をねらっています。
個人番号カードも健康保険証との一体化などさまざまな機能を持たせて、保有者を増やす計画です。しかし、個人情報が集まれば集まるほど、国による管理が強まり、漏えい時の被害も甚大で不正取得の標的になる危険も高まります。利用拡大を許さないことが重要です。