2008年12月・第3回定例会討論December 2008

討論

 おはようございます。議長の許可をいただきましたので、私は日本共産党東大阪市会議員団を代表して議案第65号一般会計補正予算第5回、議案第73号病院事業会計補正予算第2回の2案件に反対、その他議案第69号介護保険事業特別会計補正予算第2回、議案第71号後期高齢者医療特別会計補正予算第2回、議案第116号国民健康保険条例の一部を改正する条例案の3案件に賛成の立場から討論します。

 反対の理由の第1は、本補正予算案は12月末までに急いで議会としての結論を出すべきとして先議案件とされたものでありながら、今リストラや倒産などによる雇用不安、あすの暮らしや営業に見通しが持てず苦しんでいる市民に対する施策が全く入っていないからであります。

 一昨日政府が発表した12月の月例経済報告が、6年10カ月ぶりに悪化とするほどひどい景気後退のもと、中小企業の町東大阪は悲鳴を上げています。先日は中小企業庁の元気な物づくり中小企業300社にも選ばれた本市の優良企業が、民事再生法の適用申請を行ったと報道されました。私はこうしたときだからこそ東大阪市が持てる力をすべて発揮して、暮らしと営業を守る施策を具体化、実践すべきだと考えます。この立場から我が党は本議会が12月2日に採択した中小零細企業と市民生活を守る対策を求める決議に基づき、市長が緊急経済対策本部を設置するよう文書で申し入れました。そして中小企業と雇用を守るため、公的融資制度の信用保証料を全額補助することや、利子補給を行うこと、市の労働相談の拡充や市職員の採用など雇用の確保に力を尽くすことを具体的に求めました。また市民福祉の向上のため、高齢者施設や障害者児施設の送迎用自動車の燃油高騰によるこれまでの負担増分への補助制度をつくることなどを申し入れました。さらに補正予算案を審議するための各常任委員会でも、解雇された労働者の住居を確保するための市営住宅の活用などの施策を具体的に要求してきました。

 ところが市長が本会議に提案した補正予算にはこうした内容が盛り込まれていません。そればかりか市長は各常任委員会で我が党が求めた市民と中小企業を守る対策を求められても拒否する態度をとり続けたのであります。環境経済委員会では我が党議員が緊急経済対策本部を設置するよう求めましたが、市長は市にできることには限りがあるなどと言い放ったのであります。こうした態度は断じて容認できないのであります。

 緊急経済対策本部について言えば、浜松市、中津川市、川崎市など多くの市が市長を本部長とした対策本部を設置しています。それらの市では各部局が総力を挙げてどう対策を打つかを真剣に議論し、方針を打ち出しています。そして緊急の対策、12月議会への補正予算の提案、3月予算議会に向けた本格予算の検討など、ステップを踏んだ取り組みなどが行われているのであります。解雇された労働者に市営住宅の特別入居を認める制度について言えば、山口県防府市では市営住宅を敷金なしで優先的に貸し出すなどの対策を行っていますし、国土交通省も雇用等により住居の退去を余儀なくされる者の公営住宅への入居についてとの通知を出し、解雇等により住宅を失う労働者やネットカフェなど住居以外の場で生活をしている人などに入居を認める特別措置を行うよう求めているのであります。

 こうした動きから見ても、また市民の生活実態と要求から見ても、市長が今とっている態度は余りにもお粗末としか言いようがありません。市民福祉を増進させるという本来の役割を投げ捨てたもので、市長の資格なしと言わざるを得ないのであります。

 反対理由の第2は、市民に新たな負担増を強いるものとなっているからであります。具体的には総合病院の分娩料の値上げであります。病院会計の補正予算案によると、来年1月1日から分娩料を現行の5万円から9万円に、新生児介補料を1日当たり1万3000円から2万円に値上げし、これまで入院基本料に含まれていた食事料を1食当たり640円新たに徴収するということになっています。この値上げが実施されると分娩費用の総額は、6日間の入院で現行の30万9600円から40万3120円になり、本日追加上程された産科医療補償制度に伴う出産一時金の増額と差し引きしても約6万円が新たに負担増となるのであります。

 景気が悪化し、雇いどめ、首切りなど、働く貧困層が急増し、また産婦人科の減少など子供を産み育てる環境が悪化する中で、負担が軽くお産ができる総合病院の役割はますます重要になっているもとで、こうした値上げは認められません。しかも今回の値上げは産科医療補償制度の創設への便乗値上げになっていることや、来年1月からの値上げで実施まで1週間しかないこと、値上げ額算定の根拠も不明確で、到底市民の理解を得られるものではありません。撤回するよう求めておくものであります。

 反対理由の第3は、本来終わりにすべき旧同和施策の見直し方針も示さないまま、旧同和施設である長瀬青少年センターに多額の予算を投入しているからであります。我が党は特別対策としての旧同和施策を早急に終結すべきと繰り返し主張してきました。それは同和地区の実態が大幅に改善され、実態の劣悪性が差別的な偏見を生むという一般的な状況はなくなったもとで、漫然とこれまでの同和行政という特別対策を続けることは、かえって新たな差別要因を生み出し、同和問題の解決の妨げになるからであります。この点は2002年の地域改善対策特別措置法廃止に当たっての政府見解でも、特別対策をなお続けていくことは差別解消に必ずしも有効でないと述べていることからも明らかであります。

 ところが市長は本補正予算で長瀬青少年センターの空調設備を4000万円かけて整備するというのです。青少年センターについて言えば過剰な職員が配置され、子供会活動にも多額の税金が支出され、旅行などのセンターの活動など他の地域にはない特別扱いが行われており、直ちに見直しを行うべきものであります。既に大阪市では青少年会館を廃止しています。こうした見直しを行わず長瀬青少年センターに予算を計上することは認められません。

 なおこの他の療育センターのエアコン改修など障害者児施設のための予算には異論ないものです。

 以上、補正予算案に対する討論とするものですが、最後にこの間、野田市長がとってきた定例会を開かないという態度について一言述べておきます。第2回定例会の後、我が党は3回にわたり速やかに議会を開き、市民の暮らしと営業を守る対策を提出するよう申し入れてきました。ところが市長は12月16日にやっと定例会を招集するという態度でした。しかもこの間約5カ月間、市長は専決に次ぐ専決を行ってきました。しかし専決処分は市長が議会を招集するいとまがないと認めるときとか、議会において議決すべき事件を議決しないときなどに認められているもので、野田市長のように定例会も招集せずに専決を連発するのは許されません。さらに内容も問題であります。学校給食の民営化など本来市民と議会で議論をした上で決定すべきことを専決処分するというのは大変問題であります。

 このほかにも市長は金岡保育所の廃園など公立保育所の廃止、縮小を市長決裁で決めていますが、こうした市民にとって重要な方針を市民や議会での議論抜きに強行するというやり方は認められません。こうした民主主義破壊の暴挙は今後は行わないという態度に改めるよう求めて討論といたします。御清聴ありがとうございました。

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