2007年12月・第4回定例会討論December 2007

討論

 議長の許可を得ましたので私は日本共産党東大阪市会議員団を代表して今議会に上程されております議案に対する討論を行います。同時に市長選挙を受けての所信表明が行われておりますのであわせて討論しておきたいと思います。

所信表明について

 まず所信表明でありますが、所信表明には市民が最も関心を持っている具体的に何をするのかという点についてはこれといった目新しいことはありませんでした。実際市長は所信表明で施策に基づく個々の事業及び実施時期などについては、今後市政運営方針などで明らかにしてまいると述べ、議会での質疑応答でも同様のスタンスをとりました。こういう議会での論戦でしたが、それでも審議を通じて2つのことが明らかになりました。

 1つは野田市政は長尾前市長が始めた旧同和施策の見直しと終結の流れを中断させかねない市政だという点です。野田市長は我が党の同和施策の見直し、終結の流れを中断させるべきでない、その必要があると考えているのか、ないと考えているのかとの質問に、言を左右に結局旧同和施策の見直しと終結については明言しないという態度をとりました。しかも荒本地区の産業用仮設駐車場の建設を長尾前市長が中止した件では、中止を見直し検討していくとの態度をとったほか、共同浴場の今後のあり方などを検討した上で発注するようにとしていた3600万円もの改修工事についても、まともな検討もしないまま発注を強行するなど、せっかく長尾前市長がストップをかけていた旧同和施策を復活させ推進する姿勢をとり続けたのであります。

 2つ目に明らかになったことはむだ遣いの箱物行政を進める市政だということです。我が党は市長は選挙で上下水道庁舎を建設すると言っていたが、長尾前市長の中止を柱にした見直し方針は市民のむだ遣いをやめてほしいという願いにこたえたものであったこと、また総合庁舎に水道局の職員が入る計画も実現可能な計画だったことから復活はすべきでないとただしましたが、市長はこれを拒否しました。市民の願いを踏みにじるもので到底容認できません。我が党は引き続き上下水道庁舎建設をやめさせるため頑張る決意を表明するものです。

 ところで市長は所信表明で市民福祉の増進が私に課せられた使命とも述べています。市長の言う市民福祉の増進を図る市政にすることは大事なことですし、我が党は市長がこの言葉に責任を持って実行するよう求めるものですが、実際にそれを実行するには先ほど指摘した旧同和施策の見直しと終結、そしてむだ遣いをしないという行政姿勢を持つことが必要であります。例えば24億円もするむだな上下水道庁舎を建設するとか、旧同和施策関係職員の人件費が26億円にもなっているのにそれを放置するようではとても市民福祉の増進の予算を生み出すことはできません。この点からも野田市政の2つの問題点を指摘し、改めるよう求めておきます。

子供の医療費助成について

 次に先ほどの議会運営委員会で市長が表明された子供の医療費を通院、入院とも小学校に入るまで助成することを来年4月から行うための条例改正案とそれに伴う補正予算案について述べておきます。

 我が党は子育て支援の一つとして多くの市民の願いにこたえたものとしてこの提案に賛成であります。ところで今回の議案は議会のすべての各派による市長への申し入れを受けて行われたものでありますが、我が党は今回の議会各派の取り組みを高く評価するものです。市会議員選挙の後議会がなかなか開かれなかったとき、あるマスコミが議会の機能を疑われ、政治不信を加速させていると報道しましたが、本当に議会のありようが問われる状況にありました。こうしたときだけに今回立場の違いを超え市民の願いの実現に向けた協働が行われ、それが実際に実ったことの意義ははかり知れないものがあります。尽力された各会派の皆さんに敬意を表するとともに、我が党は今後とも市民の利益第一で各党と協力していく決意を表明するものであります。

指定管理者の指定について

 次に指定管理者の指定の件についてであります。

 我が党は指定管理者制度については、公の施設管理を株式会社など民間に任せる制度で、施設に対する住民の権利が狭まるおそれや公の施設を民間企業の営利追求の場にさせてしまう問題、住民の声が施設運営に生かされにくくなるなどの問題点を指摘してきました。今議会に提案された公募による指定管理者の指定にかかわる議論ですが、公募による指定管理が行われたことから外郭団体の存続が危ぶまれる事態を招き、今回外郭団体のあり方の検討を行った上で指定管理すべきとの意見が多く出ました。この点の解明と対応は必要なことです。また文教委員会での議論でも、住民が施設の維持管理運営に対して問題があると判断し、何らかの反対運動や訴訟を行った場合その直接的な責任は指定管理者にあり、市は責任を負わない仕組みになっていることも我が党の質問により明らかになりました。公の施設の管理運営として大問題であります。

 こうした指定管理者制度そのものの持つ根本問題が噴出しているだけに、住民の福祉を増進するという地方自治体の使命の発揮を指定管理者制度が妨げているという根本的な問題点に関する議論もさらに深めることが必要です。したがって指定管理者の指定の議案第110号から115号の6案件については審議を継続すべきだと考えます。そして新年度からの施設運営上市民に影響が出ないよう一定の時期に判断をするよう主張するものです。

その他の議案について

 またその他の議案については賛成ですが、1点だけ意見を述べておきます。環境保全公社運営資金貸し付けの件ですが、いわば税務当局が税金に対して税金をかけるという課税判断をしていますが、市と環境保全公社は明確に争う立場を貫くべきであります。市長は当面異議申し立てと不服審査をすると言っていますが、私は市の主張が認められない場合には裁判をしてでも市民の利益を守るという態度を貫くよう求めておきます。

 以上で討論といたします。御清聴ありがとうございました。

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