サラリーマンのパチンコについて思う事
エッセイ(by将キチさん)


(2001年4月)
なぜパチンコを打つのか

 愚問かもしれませんが。サラリーマンにとって小遣いを稼ぐ為にという目的も大きいのですが、それ以上にパチンコが好きなのです。パチンコの醍醐味は大当りした時の快感でしょう。その前のリーチアクションで信頼度が高い予告があって熱くなれる瞬間と無事大当りした瞬間の快感はたまりません。一種の麻薬と同じで生理的には脳に快感を与える物質が供給されるからで、パチンコ依存症には違いありません。しかしながらパチンコに勝つ理論を学び、実践してくるとその大当りの刺激が少し薄らいできます。もちろん快感はあるのですが、負けても負けても当たりたくて現金を投資する事が無くなったせいもあり勝つパチンコを打っていると自然とそうなります。と同時に自分が勝てる立ち回り状態にいる時に当たらなくても心は平穏になり満足感が得られる様になります。高回転率の台を豊富な持玉で打っている時、既に勝ちが確定してあとは閉店まで当たるだけ儲かる場合とか大当りの刺激が弱まった分、安心して打てる喜びの様なものが出てきます。不思議とそういう時にはツキがさらに味方してくれて最後に爆発、閉店時がその日の最高出玉という事が非常に多いのです。

パチンコの勝ち方を体得するという事

 “現金機で時短連チャンが続き4箱出た。が、はまりで2箱入れてしまいギブアップしたいと思ったが周辺の人は順調に当たっているし悔しい気持ちで続行し出玉を全て打ち込んでしまった。やはり経験上出玉がピークと思われる時に(あるいは勝っている状態で)止めるべきで、そうすればプラス収支になるはず。したがってパチンコは止め時が大切だ。”と考えるのはごくごく普通の考えですね。

ところが、これが実はパチンコで最初にぶつかる大きな壁なのです。

 虎の子の持玉をのまれてしまい、”あーあ、あの時止めておけば良かった。”とほとんどの人が思った事があるでしょう。ところが逆に”あーあ、あの時止めなければ良かった。”と思うのは止めた後、他人に出された時でしょうか。”あーあハイエナされちゃった。”でもいずれの場合も後悔しているわけですね。

 私がこの壁をうち破ったのは、”あーあ、あの時止めておけば良かった。”と思うのならば、”あーあ、あの時止めなくて良かった。”となぜ思えないのか、という素朴な疑問から出発したのです。そこで実戦で持玉になって以降、もうハマリに耐えられず当たりそうもないと思った時点で一端止める事にしました。(もちろん頭の中での話です。)そこで実際は続行して閉店まで打ち切った時点で自分の立ち回りを判断するという実験をしたのです。頭の中で一端止めた時点の出玉と打ち切った時の出玉を比較するとなんと”あーあ、あの時止めなくて良かった。”方が圧倒的に多いではありませんか。それじゃ具体的にメモを取ってデータを取ってみよう、という事でデータを付け始めました。しばらく取ってみると明確に止めなかった方が良い事というより収支がプラスに転換する事が判明したのです。これは驚きでした。その後はパチンコに勝つ理論を勉強し自分の立ち回りが理屈に合っている事もわかり安心して打ち切る事ができる様になったのです。

 頭の中で止めた時点での収支は多くの場合、チャラかちょい勝ちの場合が多い、つまり負けたく無いという心理が働いているのです。でもこれでは負けたくないけど勝ちたくないという事にもなってしまいます。

 例えば4000円の少額投資で当たり時短連チャンが続き、一時は24000円分の玉があったのに(頭の中で)止めた時点では両替(換金率2.5円)して6000円分だった場合を考えてみましょう。少しは勝ちましたが、冷静に考えると過去とは関係の無い独立事象のパチンコですからより多く勝つためには現在から(両替して6000円分の持玉で)未来に向かって勝負するしか手段が無いのです。したがって過去は忘れて現在の状況を見つめ直してみると

1)最初から玉を4000円で2400個も借りる権利がある。

2)最初から2.5円等価交換で2400個まで打てる。

こんな良い条件が他にあるのだろうか。と頭を切り換えて打つ事にするわけです。

 パチンコに勝つには回転率の良い台を長時間持ち玉で打てば良いのですが、それをどう実践できるかがパチンコに勝つための一番のポイントです。私はそれを実戦から体得したのです。パチンコ生活者も経験と理論をベースに立ち回りながら実戦で勝ち方を体得したのではないでしょうか。(体得して自信ができたのでプロになったとか勝てるようになったのでそのまま生活していると言った方が正確か。)実戦でパチンコの勝ち方を体得するにはデータを付ける事が必須です。パチンコの立ち回りをアバウトに判断するのは非常に危険です。デジタル1回転の重みを無視する人は1回転に泣く事をデータが無ければ分からないからです。データを付ける事によって勝てるのでは無くて、そのデータから負ける立ち回りを知り、実戦で勝てる立ち回りを体にしみ込ませる事ができるからです。したがってツキが無い時のデータこそが意味を持ってくるわけで、大負けした時のイヤなデータをアバウトにして無視している限りデータを取る意味が無くなります。

 理論に裏付けされた実戦を体にしみ込ませデータを分析すればする程、パチンコに勝つ立ち回りが苦にならずむしろ闘争心がかき立てられます。精神的に勝てる打ち方を克服できたら次は理論に裏付けられた実戦とは何かを自分なりに組み立てなければなりません。つまり自分のルールを作るわけですね。パチンコでは店の条件、回転率、持ち時間、持玉比率などを総合して判断するノウハウを自分で持つ事が肝要です。そのルールを自分に課して自己管理ができる人が勝ち組に入れるわけです。

 サラリーマンとして制限の多い条件の中でパチンコでプラス収支を出す為にはどの様に立ち回れば良いのか。これは私の大きな課題でした。週2日の休みをフルに活用できれば良いのですが、家庭を持っていると難しいので平日の夕方からのパチンコで如何にしたら勝てるか。理論的には時間が無いのでボーダーラインは上がるし期待値的には大きく勝ちようが無いのですが、早く持玉になればボーダーラインが等価のボーダーになるので如何に持玉比率を上げられるかが重要となってきます。等価交換の店でない限り早く持玉にしなければ勝てないわけで必然的に大当たり確率が高い一般電役に目を向けました。それがマジカルランプでありショウロンポウ2でした。少しでも持玉にするにはわずかでも確率の高いショウロンポウ2で徹底的に勝負したのです。持玉がある限り必ず閉店まで。回転率が総じて高い台を見つける事ができデータも蓄積されてサラリーマンで夕方からのパチンコでも十分勝つ事が可能であると証明できたのです。通常、現金投資時の期待値はマイナス、持玉時はプラスですが、現金投資時でも期待値がわずかにプラスの台を見つけることができたのでよほどの事が無い限り持玉全滅の現金投資でも閉店まで打ち続けました。信じられないかもしれませんがショウロンポウ2だけを一年弱打って200万以上の収支が得られたのです。(2.5円無制限)これはもの凄い自信につながりました。なぜ収支が上がらないのかデータを分析し原因をつかんで次回のパチンコにつなげて行く。その繰り返しが大切です。もちろん耐え難い確率の悪戯がありましたが、それを乗り越えて行かなければ勝ちは望めない事も体得しました。

種銭を作ろう

 ギャンブルで金銭的に破綻しない為には種銭が必要です。会社で言えば運転資金の様なお金です。自分の小遣いの範囲内で楽しんでいるならば問題無いと言ってしまえばそれまでですが、パチンコに勝つ為には十分な資金(種銭)が無ければいけないのです。いったいどのくらいの資金が必要なのでしょうか。人によって異なるでしょうが、私の場合は現金で最低10,000回転分のデジタルが回せる程度の資金を考えています。現金機だったら平均25回/k以上の台を打つ前提で40万円、CR機だったらその倍の80万円です。あまり高額なので驚かれるかもしれませんが、この程度は破綻しない為には必要なのです。現在の私の種銭は平均25回/k以上の現金機を打つ前提で50万円です。サラリーマンなので収支がチャラでも良いわけですが、それでも50万円は種銭として持っています。期待値がプラスのゲームに投資するのですから試行(回転数)を増やせば期待値を中心に浮き沈みをしながら着実にプラスになって行きます。この期待値を中心に浮き沈みをする幅の最低金額と考えて設定するのが種銭です。つまり私の場合、期待値欠損50万円で終了(パンク)というゲームをやっているわけです。

 種銭は神聖なお金です。普通の金とは思ってはいけません。まして生活費・小遣いと混同してはいけないお金なのです。パチンコというゲームをする為のゲーム代であり、ある意味では自分の金でも無いのです。お金に色が付いていてパチンコだけに使える、パチンコだけにしか使えないお金なのです。私は財布を二つに分けてパチンコをする為のお金と生活費・小遣いとをキッチリ分けています。パチンコだけにしか使えないお金ですから価値観は全く無く、現金投資の500円玉はゲームセンターのコインとか10円玉の感覚ですね。それを現実の金と混同するから悲劇が生まれるわけです。

 パチンコでひたすら回転数を効率良くかせいで、それに見合った収益を得てくると種銭が50万円を超えてきます。その越えた分こそやっとパチンコで勝った分のお金になり現実のものとなるわけです。日常生活では無駄をはぶき、切りつめた普通の生活をすべきで、パチンコで勝った金だから無駄遣いをしたのでは元も子もありません。パチンコで大勝ちをした夜に祝杯をあげるのはかまわないのですが、それは小遣いから出すべきでパチンコにしか使えない種銭から出してはいけないのです。種銭を越えた分についてはその人の金ですからどう使おうが勝手ですが、確率現象からくるバラツキの範囲をカバーする為の種銭に手を付け始めたら破綻の始まりと言えるでしょう。それ程神聖なお金なのです。これだけ自分をきびしく律しなければパチンコに勝ち続ける事はあきらめた方が良いでしょう。パチンコに勝ち続けるとは厳しい修行の様なもので、いわゆるクローンパチンカーではいずれパンクするでしょう。サラリーマンで最初から50万円も100万円も種銭を準備できる人なんか居ませんよね。元々、小遣いを増やしたいから、運が良かったら儲かるかもしれないパチンコと思って打っていたわけですから十分な種銭が無いのは当然で、私もそうでした。私は小遣いを少しずつ貯めた5万円からスタートしました。マジカルランプでしたが、種銭と小遣いは別だと割り切って記録を付け始めそのデータを自分の立ち回りの反省材料として数ヶ月がんばってみたら、計算上種銭が40万円を超えていたのです。実はこの期間に何度か遊興費に種銭を流用した為、実際に種銭40万円を作るのに半年以上かかってしまったのです。この様に自分を律することができればサラリーマンでもパチンコをしながら種銭を貯める事はできます。ただ普通の人はパチンコ以外でその種銭をあぶく銭として浪費してしまうのです。ツキで勝った金はいつか必ずツキで失います。ツキで勝った金は自分のものでは無いと考え直し、今まであぶく銭だったものを本当の自分自身のお金にするためにも種銭という概念は必要です。パチンコで勝ちたかったら種銭を貯めましょう。

回転ムラの対処は?

 サラリーマンの場合打てる時間が短いので理論的には勝ちにくいのですが、回転率の高い台を打つ以外では唯一持ち玉比率を限りなく上げる事により大幅な収支改善ができます。持ち玉になればボーダーラインは等価の場合と同一になります。等価ボーダーライン以下の回転率の台を打っている場合は除き(これは論外です、即打つのをやめるべきです。)打っている限りはプラスの期待値を持っている状況ですから時間の限り打ち切ることです。理論的には持ち玉全滅を恐れてあるいは勝ちを守って止める事は一番駄目なのです。と、非常に簡単な事なのですが、実は持玉を打ち切るという事は非常に難しいのです。たとえ精神的にハマリに耐える事ができるようになったとしても難しいのです。その原因は回転ムラです。下ムラの時、どうしても衝動的に止めたくなります。上ムラの時は楽勝の気持ちで打っていますが下ムラになった時は最悪です。これはプロでもそうだと思います。下ムラの時はこのまま回らずに打ち込んでしまうのでは、という恐怖感が常にあります。ところがパチンコ台は生きているのです。つまりいろいろな原因が重なって回転ムラが起きるのですが経験上回転ムラは釘に見合って必ず収束します。よくこの釘だったら30/kはあるはずと判断するプロがいる様に平均回転率は釘の状態でおおよそ推測がつきます。この様にパチンコを打つ時にパチンカーは常に大当りの確率の波と回転率の波の中にさらされているのです。これらの波はなかなか読むことはできません。しかしそれらの波を渡る船の基本性能はやはり釘なのです。基本性能が良い船は長い航海を考えれば必ず性能の劣る船には先着するのです。プロは生活がかかっているから許容される性能以上の船にしか乗りません。が、サラリーマンの場合は多少性能が悪い船でも馬力アップできる(持ち玉)状態の時は目一杯走る(打つ)事によってなんとかなります。多少回転率が落ちても釘を信じて持ち玉だったら打ち切る精神力こそ勝利には一番大切なことだと思います。一方、回転率を上げるストロークをさがす努力を怠ってはいけません。ハンドルは強弱の調整だけでは無く、仮に固定されたハンドルでも引っ張ったり押しつけたりする事で入賞率が上がる事が多々あります。なぜそうなるかは別にしていろいろ試して回す努力を惜しんではいけないのです。30/kの釘の台も打つ人の打ち方で平均の回転率は変わってくると思います。性能の良い台を打っているのに回す努力も怠りオヤジ打ちで回らない、当たらないと言って台をドツク人を見ると無性に腹が立ちます。

 回転ムラの対処法はありません。釘(台の性能)を信じて持玉を打ち切る事が唯一の対処法と言えるでしょう。


(2001年5月)
時短機について思う事

 平日は夕方からしか打てない、パチンコ(持ち玉)をうち切れる時間が短いサラリーマンにとって一番大切な事は立ち回りです。現金投資時に早い当たりを引け食らいついて持ち玉で閉店までうち切れればなんの問題もありません。が、逆の場合とか持ち玉をのまれてしまった場合とか回転率が自分の許容できる範囲を下回ってしまった場合とかいろいろなケースが出てきます。その状況に応じての立ち回り方こそがその人のパチンコスタイルそのものであり収支に直結する大切な事なのです。仮に結果として負けても正しい、意味のある立ち回り方を続けている限り収益は必ず出るのです。これは長期間実践してはじめて理解(体得)でき自信を持って自分なりのルールを持つことにもつながります。終日勝負できる環境にある人もそれなりの立ち回りが大切で持ち玉をのまれた後で意地になって回転率の低い台を当たるまで現金投資し続ける(この事は“状態”と言われています)等、収益を圧迫する立ち回りも良くある事です。前回のエッセイで将キチの立ち回りを少し書きましたが、数年前までは持ち玉をのまれた時点で残り時間と現在の回転率から閉店まで打った時の期待値を休憩しながら計算してプラスだったら続行、マイナスだったら他台の偵察・試し打ちという理由をこじつけて打っていました。最近は潔く引く事が多くなりました。明日からパチンコ屋が無くなるわけでもないしもっと言えば1分1秒を惜しんでデジタルを回すどん欲さが無くなりつつあります。良く言えばパチンコを達観してきた、普通に言えばもう年か(爆)というところでしょうか。データについても平均回転率から確率通りに当たった場合の収支と仕事量くらいしか計算しなくなりました。(これで充分とは思っていますが。)
 
 最近は一般電役の良い台があまり無くなったので時短機を打つことが多くなっています。特にF.ラッキーマジックを中心にめちゃイケナースSV、オークス2等を打ち回っています。将キチがかよっている店は閉店時間が23:00で18:00から打つとすると5時間という制限があります。(が、LN制のオークス2が18:00から無制限になるので満足。)時短機を打っていると時々現金投資時にはまり、やっと持ち玉になってから時短連ちゃんが続き(不思議とそうなります)閉店時に時短消化できず、といった事が多々ありました。特にF.ラッキーマジックは時短性能が抜群で前半にはまると閉店まで時短消化で終了という事が多いです。前半の現金投資での大負けを後半に時短連ちゃんで回復するという状況は収支的には問題無いのですが良く考えると仕事量や期待値的には貢献しないのです。それは遊技時間が短いところから来るやむを得ない事で時短連チャンが終了後に持ち玉で回して初めて仕事量に結びつきます。つまり時短時の回転数は表回転ではないので仕事量にも持ち玉比率にもカウントしていないのです。将キチは仕事量やその時の平均回転率で5時間打った時の期待値を実質的な収益と考えていますので、仕事量がかせげない展開はあまりうれしくないのです。

 
例えば4月2日(月)に打ったF.ラッキーマジックの展開ですが、(少し遅刻(笑))
回目  投資  回転数  当り

1  20k  488   7(200回時短4回+140回時短3回)
2       101   1(200回時短1回)
3         5   −
 
 という具合で初回に確率逆数の2倍ちょっと回して後は時短連チャンが続き持玉での表回転がたったの106回転という展開です。回収は36kで収支は16kのプラスですが、仕事量はほとんどチャラなのです。
 トータル確率:1/127.15、換金率:2.5円ですから
仕事量=16000−(8−594/127.15)*1900*2.5=190円しか意味(価値)のあるパチンコを打てなかったという事になるわけです。これにはかなりのストレスを感じています。逆の状況なら(少ない現金投資の時短連チャンで充分な持玉を確保し488回転して当たらず終了)持玉比率も高いのでまだしも打つ時間が短いパチンコでこういう展開は致命的です。打つ時間が短ければ短い程、持玉比率を上げなければいけない(勝てない)のに時短機というのはこういう展開になりがちです。収益が出ていれば良いではないかと思われるかもしれませんが、それでは単に運が良いから勝てたというギャンブルになってしまいます。勝つ為のパチンコはギャンブルであってはいけないのです。その為に自分なりの勝つ為の立ち回り(ルール)を身に付ける必要があるのです。
  以上の観点から言うと打つ時間が充分無いパチンコに一番適している機種は(回る)一般電役という気がしてなりません。

<注> 仕事量について
 Kenさんの日記のページにも載っている仕事量はパチマガの和泉さんが
 仕事量=収支−(誤差×平均出玉×換金率)(ここで、誤差=総大当たり数−(総回転数÷トータル確率))
 
と定義した数値で正確な期待金額では無いのですが、どれだけ意味のあるパチンコを打ったかの目安になる金額ですね。デジタル回転数を増やして仕事量を増やせば(誤差が小さくなり)それに見合った収支に近づくというわけです。



(2002年8月)
一般電役機について思う事

“打つ時間が短い時には時短機より一般電役機の方が適している”と結論じみたことを前回のエッセイで書きました。確かに今でもそういう気がしています。実際時短機を打っていると時短連チャンが無い時は期待値を着実に積み上げているという点で不満は感じません。しかし期待値を着実に積み上げてはいるものの日々の収支が出ない状態で満足していられるサラリーマンがどのくらいいるのか疑問です。最初のエッセイでも書きましたが確率の範囲でのバラツキに耐えうる種銭を持って積み上げた期待値(あるいは仕事量)で自分のパチンコを評価しながら打つことが大切であることは言うまでもありません。が、あまりに当たらず本当に仕事量に見合った収支が得られるのか不安になった時どう対処するか、どう考えるべきかという問題があります。今日はついていなかったと諦めるだけなのでしょうか。

実はその通りで今日のツキがマイナスであることは本人の努力ではいかんともしがたいので諦めるべき(諦めるとは本人の力だけではどうしようもなくそのどうしようもないという事実を明らかに極め運命に従うという意味)です。とは言っても諦め切れない人が大多数でしょう。“あの時、止めておけば最小限のマイナス収支で抑えられたのに。”と思う気持ちになるでしょうがそこには大きな矛盾があります。“れば、たら”で自分の不幸を嘆くのは確率の波を読めないと分かっているのに読めたらと言っているわけですから矛盾です。逆の場合は絶対に嘆きませんよね。もちろん確率の波を予測できる人は別です。そういう人はもともと確率変動を可能にしているわけですから全く別の次元の話です。この点については別にエッセイを書きたいと思っています。

では、(確率の波を予測することも含めて)諦めた将キチの場合はどう考えるか。まず、日々の収支は確率のバラツキによって自分の力で制御できるものではないということを悟る事が肝要です。一般電役で早い当たりが続くと確率分回すだけでもはまった気がします。さらに周辺の人が爆発している時にも自分がはまっている様な錯覚を覚えるものです。この様に人間の感覚は非常にあいまいで相対的なものです。したがってデータを取り客観的数値を知る必要があるのです。打っているとき1000回はまって2〜3時間当たらずの不幸を嘆いてもデータを付け整理すると1000回という数字でしかなく、以外と冷静に自分のパチンコを評価できます。もっと進歩するとデータを取る目的で1000回はまる楽しみが出てきます(半分ウソ)。パチンコというものは回る台であれば終日打ち切って何回転を何発の玉で回せたかで仕事量が決ります。一分間に100発を10時間(リーチ、止め打ちの時間を考慮)打てば必要な玉は6万発必要です。したがって6万発×4円=24万円ですから平均10時間の終日勝負は毎回25万円投資して何発回収で収支がいくらという勝負なのです。10%の誤差でも2.5万円の差が出るわけですから一日2〜3万円程度の期待値欠損をいちいち気にしていたらパチンコ勝負なんかできないのです。プロだったらもっと気持ちを大きく持っていて25万/日×20日/月の稼動、すなわち月500万円(年6,000万円)の勝負をして月50万(年600万)儲ける(20%の利益)と考えているのでしょう。20%の利益とはボーダーラインの20%増しの台を無制限で打つということでプロにとってはどうということは無いのでしょう。しかしながら金額的にこんな恐ろしい勝負をしているわけですから打てる時間が十分とれない将キチにとっては確率の波の荒くない良く回る一般電役しか手が出せないという事になります。確率の波の荒くないという意味は同じはまりでも一般電約とCR機では回転数が異なるということです。具体的に比較してみましょう。

1)一般電約:マジカルランプ(1/190.3)

2)CR機(1/315.5)

一回転目に当たる確率(説明省略)はそれぞれ

1)1-(189.3/190.3)=5.25E-3(0.5%)

2)1-(314.5/315.5)=3.17E-3 (0.3%)

となります。同じ確率ではまる回転数はどうなるでしょうか。つまり一回転目に当たる幸福と同一の確率ではまる不幸はどの程度が計算してみましょう。(説明省略)

1)LOG(5.25E-3)/LOG(189.3/190.3)=996

2)LOG(3.17E-3)/LOG(314.5/315.5)=1813

一回転目に当たった人はたくさんいると思います。ところが同一の確率で逆にはまる場合もあるのです。比較すると明確でCR機の場合はマジカルランプに比較して確率的には2倍近くも回すことになるのです。1000回転くらいのはまりでしたら3時間弱で解決しますが1800回転を超えるとなると打てる時間の無い将キチには無理です。

 マジカルランプ、ショウロンポウ2、ナナシー、オークス2等を打ち始めてから長い年月が経ちました。今やこれらの一般電約機を設置してある店が少なくなってCR機ばかりが全盛です。一人のパチンコファンとして本当に残念でなりません。定年後は年金とパチンコで十分食べて行けると思っていましたが、このままでは難しい気がします。打ちたい機種が無くなりつつあり今後もハードな労働(パチンコを打つこと)に耐えられるかどうか。この点、年配のパチンコ勝組の人はどう考えているのでしょう。やっぱり老後のパチンコは楽をして確率に一喜一憂して楽しく適度に負けるのが精神的には良いのでしょう。パチンコでお金を稼ぐには楽はできませんから。