メグレ警視の仲間たち

 

<部下>

リュカ部長刑事
誰よりも勘が鋭く、機転に富むが、すぐに警官とわかってしまう。太鼓腹で頭髪が少ない。
小柄でいつもメグレのしぐさなどを模倣している。メグレが留守の時などは、メグレの机に足を乗せ、
パイプを吸いながら報告書を読んでいたりする。時々メグレは「おまえ」と親しみを込めて呼ぶことがある。

ジャンヴィエ刑事
若い刑事で既婚。子供が1人。メグレより20歳年下。律儀な性格。
赤毛の大男なのにメグレは「ちびのジャンヴィエ」と呼ぶ。
馬が好きで6頭もの馬を飼っている。紙巻たばこしか吸わない。
ビアホール「ド・フィーヌ」のジョゼフと親戚関係にある。
メグレが親しく「おまえ」と呼ぶのは、このジャンヴィエぐらいのものである。
「メグレ夫人のいない夜」では銃で撃たれ、メグレはとても心配した。

アルベール=ラポワント刑事
若手の刑事で既婚、子供が2人。メグレより25歳ぐらい年下。
背が高く、やせている。父親と妹(ジェルメール)はムーランの銀行員をしている。
足が速く、生真面目。メグレを父親のように思っている。
「モンマルトルのメグレ」の中で、彼は娼婦アルレットと恋に落ち、なんとか更正させようとするが、
彼女は殺されてしまい、ラポワントは怒るのだった。

トランス刑事
肩幅が広く、たくましい。食欲が旺盛で、興奮しやすい性質である。
無礼なトランスと呼ばれる。彼はメグレと15年仕事したあと退職して、私立探偵となる。
シムノンの小説にはトランスの探偵ものもある。

<部下以外>

ムルス
鑑識課所属。若く、やせていて長身。笑ったことがない。瓶の底のような目がねをしている。
家族も恋人もいない。カチェ・ラタンの学生用のアパルトマンに住んでいて、スーツはいつもアイロンがかけてある。
仕事場は司法警察局と細い階段でつながった裁判所の屋根裏部屋である。
そこにはいろいろな犯罪資料や事件を再現するためのマネキンなどもおいてある。

ポール
検視医。あご髭をつけている。35年間も検視医をしている。
ヘビースモーカーで解剖の最中でもたばこは手放さない。
67歳で死亡。

ジョゼフ老人
司法警察局守衛。きれいな白髪で音を立てずに歩く。
訪問者カードに鉛筆で書きこみ、メグレに面会者を知らせる。
メグレをひと目見て、今日の機嫌がわかるという特技を持っている。

ジョゼフ
ビアホール「ド・フィーヌ」のボーイ。いつもメグレにビールとサンドイッチを届けに来る。
ジャンヴィエの義妹と結婚している。
メグレがビアホールに来ると、ほかのお客はそっちのけで、メグレの面倒だけをみる。

エルネスト=コメリオ判事
メグレが嫌っている予審判事。怒りっぽい。メグレは古猿と呼ぶ。
褐色の髪、小さな口ひげ、小柄でしょっちゅうメグレに電話してくる。
義兄が大臣をしていたことがあり、祖父は裁判所勤務、父は議員、叔父はヘルシンキ駐在のフランス大使と、
身の回りがすべて上流の人間であり、メグレには我慢がならない。20年来の宿敵とみなしている。

ロニョン刑事
街警察署勤務。通称無愛想な刑事。メグレは不運な刑事と呼んでいる。
気難しく、細心綿密。小柄でやせている。しょっちゅう風邪を引いており鼻が赤く、涙っぽい目をしている。
妻はおこりっぽく、病気で寝たきりのため、仕事から帰ると家事をして、妻の面倒をみている。
コンスタンタン・ペックール広場の6Fの彼のアパルトマンは小さく、ドアは家具に邪魔されて完全には開かない。
勤続25年の表彰状を額にいれて飾っている。優秀だが手柄をいつも横取りされている。
司法警察局勤務にあこがれているが、試験を4回も落ちている。
メグレはこのロニョンが好きで、いつも引きたてている。
ロニョンはいつも灰色のしわくちゃのスーツ、灰色のオーバーに褐色の帽子をかぶっている。

シャンキエ刑事部長
第18区街警察署勤務。ロニョンの上司。褐色のチョビ髭を生やしている。

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