バイク

■YAMAHA FZ8 FAZER

販社ページ(PREST)
容量779cc/DOHC/4バルブ
 水冷並列四気筒/最大106.2ps
全長2140mm/装備重量215kg

■FZ8シリーズのこと

FZ8は2011年に、(一年空きますが)FZ6と入れ替わるような形でデビューしました。
  『これまでの排気量区分による概念を一旦捨て去り、排気量枠にとらわれない次世代ロードスポーツの姿を原点に立ち返って検討。高い実用性とスポーツ性それぞれの課題にきちんと向き合うことで「Best active middle sports」をキーワードとして779ccという新たな排気量を導き出し、ロングツーリングからワインディングロードでのスポーツ走行まで対応し、走りのエキサイトメントを具現化したストリートマシン』
 プレストのページより引用した紹介文です。1000ccでは大きいが600ccではちょっと、という層に向けて作られているということが透けて見えます。
 FZ8シリーズにはストリートファイター系のFZ8とハーフカウルのFZ8 FAZERがあり、更にABSのあり/なしがあります。それと2013年から少しですがマイナーチェンジしています。マイナーチェンジの内容はシート表皮の材質変更、マフラー形状変更、前後サスペンションの調整機構の追加、ウインカーのクリアレンズ化となっているようです。

 FZ8 FAZERを買うに至った動機ですが、SV650Sに7年8万キロ乗ったので、消費税が上がる前に買い換えようかと漠然と思ったことが始まりでした。正直SV650Sの乗り味はあまり好みで無かったこともあります。
 乗り換えるに当たって考えたのは、同じ600クラスよりは少し排気量を上げたい、でした。通勤に使っているのと、以前に1300に乗っていたので、1000より重いのは避けたいとも思っていました。
 実際調べるとなかなか好みのオートバイがありません。最終的に候補に残ったのはTDM900とFZ8 FAZERでした。ただ、TDM900になると少し大柄で重くなって、1000クラスと変わらなくなってしまうので、最終的にはFZ8 FAZERに決定しました。スズキ党な私はGSR750にハーフカウルバージョンがあったら間違いなくそっちに転んでいたと思います。
 2013年11月にはバイク屋に伝えてあり、2014年モデルが12月上旬入荷とプレストのホームページにあったので、それ待ちかと思っていたのですが、まだ2012年モデルも2013年モデルもプレストに残っていたようで、マイナーチェンジ後の2013年モデルにしました。アイルランド仕様のFZ8 FAZER カラーはブルーイッシュホワイトカクテル1です。ABSモデルだと5kg重くなるので、軽さを求めて800にしているわけで5kgはちょっと頂けないなと思いABS無しのモデルです。なお本体価格は88万円でした。


■FZ8 FAZER・ファーストインプレッション

 買ってから100km未満でのインプレッションを書いていきます。

 最初に、どうしてもSV650Sとの比較になることを断っておきます。まずはスタイルから。第一印象は「大きい」でした。まずタンクが大きいです。前部がダミータンク状になっているせいでもありますが、同じSV650Sと同じ17Lタンクとは思えません。フロントカウルも大きいですし、この辺りは隼と比べても大きい感じがします。FZ1とどの程度共通化しているのだろうかと思います。そして重いです。SV650Sと16-19kg差くらいですが、この差は結構重いです。あと慣れかも知れませんがハンドル位置の高いのが押し歩きしにくい感じです。
全体の造形としては好みではあるのですが、尖ったところも無く普通、といった感じです。まあヘッドライトはもう少し尖った形状でない方が好みですが。
 細部を見ると、エンジン周辺のボルトが銀色にメッキされたものを使っていて、高級感があって良いです。この辺、スズキ車には無いよさです。
 一見したところ、ハンドル幅が大きく、ミラーが随分張り出しているように見えます。そして思ったよりはハンドルが低いかと思ったのですが。握ってみるとハンドル幅はこんなものだし、ミラーは腕の映り込みを考えるとこれでちょうど良い位置です。逆にハンドルは思ったよりは高くて、セパハンが多かった私は少し下げたいくらいですが、これまた干渉するので下げられそうにありません。
 シートは高いです。「おっとっと」という感じです。幅が広いのも足つきの悪さの一因です。シートが余分に横に張り出している感じで、シート側面を少し削ると足つきが良くなりそうな感じはします。
 慣らし中ではありますが、走り出すと意外にブブブブといった感じの微振動が多いです。モーターのようなエンジンではありません。ただし慣らし後には変わるかも知れません。ちなみにこの微振動は嫌いではありません。というかSV650Sにこそツインらしい振動を求めていたんですが。低速トルクは今のところ十分ありそうで満足です。
 旋回性はまだまだわからないのでまたそのうち。今のところ、SV650Sの時の様に乗って失望はしていません。なかなか楽しいです。


■FZ8 FAZER・セカンドインプレッション

 通勤使用で、190kmくらいのところで燃料計の最後の目盛が一度点滅したのでガソリンを入れました。12l入って、計算したところ燃費は16km/lちょうどくらいでした。特別悪くは無いけど、良くはないですね。どちらかというとタンク容量からして距離が伸びない方がつらいですね。
 エンジンは信号変わってスタートの時のトルクが弱い感じがします。動いてしまうとトルクは十分あるのですが。


■FZ8 FAZER・サードインプレッション

 慣らしも終わり、通勤燃費が17km/lになりました。ツーリング時の燃費は21km/lくらい。ツーリングではそれほど伸びない印象ですね。タンク容量がそれほど大きくないので距離が伸びないのが残念です。
 エンジンのパワーの出方ですが、スタートの時は2速発進しているかのようなもたつきがあります。もたつきは一瞬だけですぐにどかっとパワーが出るのですが、このもたつきは結構気になります。いきなりどかんとパワーが出て転倒しないようにという出力特性なのかも知れませんがちょっとやり過ぎな感じです。誰も2速発進のような気の使い方をしたいわけでは無かろうと思います。
 振動は意外にあります。もっとも振動のないのより楽しいとも思います。ただまあ、クラッチの感触といい、ホンダに続く2強のヤマハというのはスズキよりは品質が良いのかと思っていましたがそんなことはありませんね。
 エンジンを回してどうかというのは、400以降はレッドまで回して乗るということが無くなったので分かりません。

 ハンドリング。とりあえずフロントのプリロードを最弱にしました。少しフロントが大回りする感じで、もう少しフロントからすっと曲がって欲しいと思ったので、フロントを下げるべくいじったわけです。突き出し増やしてもいいでしょうがツーリング中にできるのはこの辺ということで。リアに関してはいじっていませんが、減衰伸び側を弱く、圧側を強くすると好みに仕上がりそうな感触がします。圧側の調整は付いてないですけど。

 車体周り。バックで駐車場から出す時に、ミラーを柱に当てました。このミラー、前後に曲がらないんですね(上下方向に回る)。なのでぶつけたせいでぐらぐらしています。転倒したら折れるかカウルから逝くんじゃね? なお長さといい太さといい、カニの目みたいでデザイン的にも前述の機能的にも好みではありません。
 このバイク、かなり熱いです。間違いなくハヤブサより熱い。リッターならこんなもんという意見もありますが、これは明らかに熱が人間に向かわないように考えてないだけだと思います。何にせよ熱対策は必要ですね。
 シートは意外にお尻が痛くなるのが早いです。これはSV650Sの方が良かったです。ヤマハのシートはヤマハの開発したワイラックスを使っているのですが期待外れでした。

 総評。品質的な意味での出来はヤマハというブランドイメージよりは良くないという感じです。ただまあ些細な点が多いのも事実。やはり乗って楽しいかというのが大事で、この点に関して言えばSV650Sよりは遙かに楽しく、ハヤブサには負ける、でしょうか。RF400よりは楽しいと思うが、RF400+エイボンアザーロの独特のハンドリングはあれはあれで捨てがたい。そんな感じ。点数を付けるなら70点だろうか。


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