御開祖物語
久子
 ぷろろーぐ
 開祖である乾久子(後の光照大阿闍梨)は、大正2年
 (1913年)10月12日 高知県吾川郡
のある村で
 教師をしていた両親の長女として誕生しました。
 目がパッチリとした色白で丸々太ったとても可愛らしい
 赤ちゃんでした。

 家族は両親と祖母、兄と妹の6人家族。
 久子は特に仏様のような祖母が大好きでした。
 温かい家族の愛情に包まれ、幸せに暮らしていました。
 幼い頃から自分のことよりも、まず他人、周囲の人の
 ことを考え行動し、困っている人がいればそっと手を
 差しのべるような、誰にでも優しい子供の頃から
 思いやりの心を持った女の子でした。

 久子が8才になった頃、両親の間で
考え方の違いにより、次第に溝が深まってしまいました。
 そして苦渋の決断で母はとうとう家を出て行ってしまったのです。

 それから数年後、久子のもとに新しい継母が来ました。
 久子はなかなか継母を受け入れることはできませんでしたが、弟が生まれ、子供が大好き
 だった久子はとても可愛がり、しだいに気持ちが変わっていきました。

 それから10年の月日が経った頃、やっと心が打ち解けた継母が突然病死し、翌年には
 大好きだった祖母が亡くなり、続いて翌年には頼りにしていた父までも相次いで亡くなって
 しまったのです。

 久子は深い悲しみの中、残された幼い兄弟のことを考えるといつまでも泣いてはいられず、
 自分に何ができるのか?と考えました。
 だけども若い娘には何もできず、ただただ苛立ちが増すだけでした。
 そんな折、久子は父の友人の家へ引き取られることになり、兄弟姉妹がバラバラになって
 しまいました。

 それから数年後、美しい女性に成長した久子はNHKの記者をしていた男性(後のご主人)
 と知り合い恋に落ちました。

 しかし・・・また波乱万丈の人生が始まろうとしていたのでした。

 
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