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汝等一同の者よ。心しずめてよっく承るべし。
汝等が肉眼に映らず、肉耳に聞こえず、肉体に触れずして、
己が魂に感得なさんこと、いとも難きことなり。
されど、知るも知らざるも、
皆等しく宇宙万有の威力に守られて生かさるるなり。
何ゆえなるべし。そはただ一つ、 一大原理すなわち、
宇宙全体を統一なさしめらるる、
神とも仏ともなりくる真理によりて、
ここに汝等一人ひとりが歪める心、誤まてる考え、
分別なせざる知能において、無知蒙味なる言動に、
ますますこの一筋なる真理より遠ざかりゆくその姿こそ、
いとも哀れに、また愚かしきがゆえ、なにとぞして統一なさしめ、
融合いたさんとあそばさるるところの、大原動力たる、
密教で申せば大日如来と申し上ぐるところの、無味無臭、
始めなく終わりなき絶対なる真理に統一なさしめんがためなり。
くだきて申さば、汝等一人ひとりの魂とは、
肉体をもって眺め見るとき、みな別々のごとくに思えども、
さにあらず。融合いたし、合体なさしめて、元は一つなり。
大宇宙に充満いたす真理に、二つなき真実をもって、
森羅万象と顕現いたさしめらるる中に、
汝等は人間といたしての姿、形を整えられて、
すなわち一切万物おしなべて、
かくの如くあらねばならぬとの見本のごとき、
真理の現われとも申すべき姿なり。
しかるをなんぞや。それぞれの肉体と申す物質に包まれて、
真理なる魂を忘れ、肉体を己が物なりと、
その肉体の物欲を真実なりと思い違えて、
我意我欲、身勝手なる言動に、
神も仏も忘れ果て、己が真実を見失いたるただ今の姿なり。
さればそれらの集合が形作りたるこの娑婆世界の有り様、
まさに修羅場にして、地獄とも、餓鬼とも、畜生とも比べようなき、
浅ましき様さらけ出だしてなお恥じざるは、
およそ神仏よりはるかにはるかに、
かけ離れたる存在となれるものなり。
汝等よ、真実の己れとは、神や仏と同じうして、
天地自然ありのままなる一実の真理をもって、
身に現わさんことこそ本来の真理なるぞや。
恥ずかしの己れとも思わず、浅ましの姿とも顧みず、
罪科を知らざる無知蒙味が、愚行を重ねて罪障となし、
重き足かせ、手かせに縛られ、身動きならざる娑婆世界なり。
汝等よ、目覚めよ、目覚めよ。己が真我にしかと目覚めて、
悟り得る修行にこそ、神と共なる己れを見いだし、仏に守られ、
浄土となさねば相ならぬ使命役目を、しかと自覚なし得るまで、
勇猛精進、自らに鞭打ちて、現世を正せよ。
未来の栄光ただ一にこの点にのみありと、日夜照覧まします御仏、
一人ひとりを一体と感じ給いて、
一人の過ちは全体の過ちなりと思し召さるること、
現世の実態をもってしかと悟るべし。
汝等一つひとつの魂は、みな一大真理に統一なさしめらるる、
ただ一つなる大威力なるぞや。例えて申さば、大海の水、
一つひとつの器に入れて、これみな同じく元に返えせば
海となるがごときものなり。他人の過ちは己が身の罪科と思い、
他人の喜びは我が身の喜びとなし、苦しみも悲しみも、
貧しきも富めるも、みな一様に元は一つなりと、しかと悟らば、
人間一人ひとりの差別はなし。
さればこそ我が身の一部たる隣人、友人、知人、
みな己が身を思うが如く思いやる心をもって、
一心同体の大愛に目覚めゆく修行にこそ、仏となるべき大道あり。
汝等よ、自他一体なる真理を悟りて、衆生と共に浄土顕現の大役、
今こそ一心不乱に努力なすべし。
合掌 |


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