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人間の体を小宇宙と考えてみます時、
例えば小指の先に針程の怪我をしても、
全身の神経をそこに集中して何とか治そうと努力する様に、
神や仏は全ての物を御自身の御体の一部とお思い下さり、
万物への大慈大悲は、
例え一人の人間の悪業でも御自身のお傷みと感じられて、
何とかして善人にかえしてやりたいと一心に思し召されて、
お怒りになられたり、なだめられたり、
あやされたりして、あれこれ方便をお使いになって、
その人間の悪を悟らさしめらるるものであります。
つまり、人間及び万物は、
全て神仏のお体の一部であるわけでありまして、
私共は、例えば癌病にかかればその悪い部分を切取って、
健康を快復するように、
御神仏もどうにもならない悪人は、遂にこの世から消し去って、
肉体を離れた魂だけの世界に置かれ、
そこで地獄といういろいろの苦しみの中で、
悪い事をすればこの様な苦しい結果となる故、
これは自分が間違っていたのだという事を悟らせた上で、
再びこの世に出してその悪業を懺悔して、お詫びの証をして、
初めて許して頂け、仏様のお体の一部として、
立派にお役に立てるようにさせて頂くのであります。
これが成仏と申す事でありまして、
この世は皆が成仏出来るように、
懺悔の修行してゆく道場である事を分った時、
初めて現世は浄土の様に暮らし良く、楽しく、
人々は皆仲良く助け合う幸せの世になるのであります。
それ故、人は皆先ず「自分達は今までの悪業をお詫びして、
自分を浄める為にこの世に出されて、
今その努力をする時期がこの人生である」と、
悟らなければ本当の幸せは来ないのであります。
自分一人身勝手に暮らせるところではないとよくよく知った時、
人は初めて人類は皆兄弟姉妹であると悟られ、
人の傷みは自分の傷みであると感じられる様になった時、
自分自身が知らず知らずに仏と成っているのであります。
合掌 |


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