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一同の者よ、よくぞ此処まで参りたる、
その志唯々うれしき極みなり。
余は空海と致して、今尚現世存在の者にあり。
汝等の眼には人間空海の肉身は見えずとも、
人は死するものにあらざる事、汝等よくよく悟りくるるべし。
人は肉体に非ず、唯一念以て娑婆済度の空海が思い、
例え汝等の肉眼に見えずとも、常に、空海と呼ばわれば、
余はただちに汝等が許に走せ参じ得る無量の神力と、
無限の慈悲に生くるものなり。
汝等の志、唯々一重にうれしき極みなり。
余が現世に在りし時、巡りて残せしこの足跡を、
かくいついつまでも慕いて、
神を求め仏にあくがるる真をもって訪ね来たらんは、
その一念をもって天に通じ、地に通ずるの真と致して、
それぞれの志必ず聞き屈けんと、見守り導きゆくものにあり。
汝等常々、人は「真」の一念のみ天に通じ、
地に現われゆく幸なりと教えられ、
各々が心々に悟りて努力いたす修行に、
あやまち無きを只々ひたすらに念じつつ、陰より導き祈るものなり。
勿体なき釈迦無尼世尊、最後の秘中の秘たる密教遺され給いて、
今日の悪世に生かせ、各々が奉じつつ世を浄めよとの尊き御教え、
いささかなりとも身に体得なし、心に刻みて、
今世に生くる身の果報とは、遂に還えらん浄土にこそと、
固き信念持って行する此の世の命こそ、
永遠に尊く生くるものなるぞや。
一念発起よくぞ此処まで参りくれしぞ。
余はたとえ姿は見えずとも、常に汝等見守りて、
八十八ケ所の古寺参拝を終るまで常に共なり。
汝等一同、真の心に必ず応えん余が念願をば、
遂にそれぞれ現実として見せてやるものにあり。
ひとり一人の心に抱く悩みのあれば、一心にすがりて祈れよ。
余は常に共に巡りて聞き屈けんと、
汝等が心々の成長にひたすら祈りて期待なすものにあり。
合掌 |


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