今月の法話
鶴亀  ここでは当道場で観音様より賜りました
 お言葉を掲載致します。
 

 (2023年1月1日掲載)
運命への挑戦

正法とはつまり我が運命への挑戦である。
何故ならば、出生という出発は皆誰も同じであるが、
この点において千差万別、
皆それぞれに早や立ち向かう方向は別々である。

ある者は大勢の人々に待ち構えられて大歓迎を受け、
ある者は無きに等しき扱いを受け、
更に又、いみじくも道の端に見捨てられる者もありて、
温かく抱かれてすくすくと伸びゆく者、
冷たき環境に生くる事すら危うき日々を過す者もありて、
ようようにそれぞれ成長いたすにつれて、
序々に過去世の因が果となりて、
現るる現世の生い立ちの中に個性それぞれに発達いたし、
ある者は巨万の富にうずもれて、己れを見失う人生の落伍者となり、
ある者は貧の中より出で立ちて、
ふるい立ち、最高の地位と権力を得る者もあり、
世にひしがるる者、世に奢る者、
皆それぞれの過去を因となしたる現世の因果はたして、
この世を終わりゆく運命にありて、
いずれを幸・不幸と定め得べきや。
そはただ心一つなり。

我が本性は霊なりと達観なし得て、
その為にこそ精進努力なす人生にありてこそ、
如何なる因ありとも、必ず果は定めのままならず。
深き因縁の元に、哀れ生死もおぼつかなき出生にありとも、
又生れ出でての人生如何に悲惨なりとも、
過酷なれば過酷なる程にふるい立ちて、求むるはただ正法、
即ち天地の理に、逆らわざるを以て絶対なりと、
我れと我が心にむち打ちて、ゆがめるを正し、
やましからざる根性にこそ真実ありと、申し聞かする克己心に、
ただ一心もって仏にすがり、
源はこれ唯一なりと、一心不乱の精進なす人生に於いては、
必ず無限の威力加わりて、無量の神力現さるる事必定なる故、
如何なる非運の元に出生なさんとも、
必ず必ずその運命は修正いたされ、
最高の幸運をかち得るものなり。

人、出生に当りては、過去を背負いて、
いたし方なき環境と立場に立たさるるものなれども、
その中に一点の仏縁あらば、
必ずこの因にすがりて仏との縁深め深めゆく修行に於いては、
何人も立ち向かうあたわざる勝利を得るものにあり。
何故ならば、その人こそ正法行者といたして仏の威力につつまれ、
絶対なる御加護の中に安住いたすが故に、何人も冒すことあたわず、
何人も打ち勝ち得ざる絶対の境地にありて、
即身成仏の域に到達なし得たるが故なり。

即ち正法とは、いかなる運命をも最上となす唯一の法なり。

合掌


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