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義は根本にありて、行うに愛を以て表す処、
これ神仏の道なり。
されば、義を根本となさざる愛は即ち煩悩にして、
遂に業火と化するものなり。
故に義第一にして、諸法空なるを以て根本義となす処、
第一義より百千万の義を生じ、
百千万より又百千万の義を生ずるが故に無量義となし、
千差万別の分別すべてこれ義第一なるを置きてより外になし。
さればこそ色即是空にして、万有は無に通じ、
色即是空なり。
此処に人といたして、親たる身の第一の義とは
何かを申しきかすべし。
現在のこの悪世に、友達にいじめられた位で自殺する様な
子供に育てては、親としての何の価値もないものである。
戦乱に家を焼かれ、両親を殺され、身なし子となりて尚、
銃口におびやかされ、食するに一物も無き現実の中、
生きぬかねばと必死で生きぬく子供達の何十万とある中を、
又、一滴も出ぬ乳房にしがみつき、必死で生きんとする赤ん坊、
その赤子を抱きて一物も口に入れる事の出来ない母の哀れさ、
それでも尚餓死しても生きんと願う生への執着、
それが行きとし生くるものの本来の姿である。
仲たがいし、友達にいじめられた位で、
安々と死を選ぶ子の不甲斐無さは如何なるを、親たる者、
しっかと現実を見つめて反省なさねば、相成らぬ只今なり。
己れも我子も命の尊さをもっともっとしっかり心に刻みつけ、
いかなる事あらんとも命ほど尊いものはないと申す事、
この際よくよく悟らねば相成らぬなり。
取りかえすすべなき命を失いて尚、
人を恨んでみた処で再び返らぬ悔となり。
悔千歳に残さん為にも、命は絶対なるものにして、
殺されても死なぬ位の信念を持ち、必死に守りぬく事こそ、
生まれしものの唯一の義なりと、親自身がよくよく肝に刻みて、
我子には幼き時より、命こそ絶対のものなりと教え、
守りゆく信念をたたきこむ養育にこそ、必死に取り組まねば相成らぬ事なり。
又これぞ空しく死したる者共をして、
犬死に終わらせぬ唯一の供養なり。
合掌 |


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