平成19年度法話
   ここでは当道場で観音様より賜りました
   お言葉を掲載致します。

   (H19.5/1掲載)
人生の価値

人は心で生くるなり。
心のままに現わるる体相、面相、
全てこれ己が運命にかかわるものなり。

因縁によりてあやつらるる己れとは、
因果の法則に縛られて、身動きならざる姿なり。

悲運に泣きて因縁をかこつ前に、
この運命に負けざる己れとなり得べく、
ここに正法しかとつかみて、必死にすがる大慈大悲の
在しますを悟り得てこそ、始めて人は救わるるなり。

人間たるの姿、形とは、即ち仏たるべく約束いたされし者なれば、
人生とは即ち成仏道なり。

只ひたすらに、成仏なすべく歩みゆく日々の言動にこそ、
己が運命の起動正さるるをしかと悟り得て、
真の人と成りゆく処にこそ、人は現世に生れたる甲斐ありと申すものなり。

例え如何なる不幸ありとも、全てこれ己れを正させ給わる
御仏の御慈悲なりと、感謝なし得るまでに磨きゆかざれば、
因縁消滅とはなり得ざるなり。

己が悲運
をかこつ前に、己が不幸を恨む前に、
先ず因縁因果の法則を思うべし。

全てこれ、己が作りて、己が乗りゆく火の車なり。
消火もなく、とび降りんともいたさず、
只もだえ苦しむ愚かさよ。

ここにこそ、必死の努力なすべき処なり。
祈れよ、すがれよ。
必ず救わせ給わる御仏の大慈大悲あり。
これ正法なり。

先ずは縁結ばれて、み側に招き寄せられたるを
心から感謝なすべし。
この感謝こそ、消火なり。
逃るるすべなり。


火の車より降りて来れよと招かれて今、
此処に在る己れの安堵を思うべし。

さながら幼な児
の母にふところに抱かるるが如き、
安けき思いに一時は苦しみも悲しみも
全てゆだねてすがり奉るべし。

何故なれば、これぞ慈母観世音なればなり。

尊く高くいと深き大愛に抱かれて、己が過去全て見通し給わりて、
因果の戒めほどき給わる、勿体なき正道にと手引き下さるる御方なりと、
固く信じて導かれるままに仰せ下さるるまま、
素直に行じてゆく処に、己が運命の見えざる糸、
次々にほどかれて、自業自縛の固き戒め、いつの程にか消え去りゆくなり。

寂光の光に照らされて、道明けらけく浄土に通じゆくを
悟り得る歓びと感謝に満ち満ちて、
生くる日々のありがたさにひたり得る己れとなり得たる時、
人生は大きく廻る舞台の如く、悲運に泣かさるる事もなく、
不幸の災いに苦しめらるる恐れも無き、安楽浄土と成るものにあり。

これぞ、まことに即身成仏の姿なり。

現世安楽浄土と成さんが為の己が使命、役目を自覚なし、
只一心に邁進なすのみなりと、固く誓いて精進努力なす処にこそ、
常に観世音と共なる己れ在りと、確信いたしての人生の真の価値なり。

 合掌


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