平成17年度法話
  ここでは当道場で観音様より賜りました
  お言葉を掲載致します。

  (H17.4/1掲載)
生と死

人は死ぬ為に生まれて来た様なものである。
オギャーと生まれた瞬間から、早や死の門をくぐる為に
人の一生はあるものである。

長い様で短い人生の在り方とは、それぞれの人生に山河ありて、
あえぎつつ登る山には、山頂の喜びを得て人生の尊さを知り、
谷底に沈みては、人の世のあらゆる苦難に堪えぬく力を得て
再生の努力に進歩向上の在り方を悟り、

再び登り得たる時、地獄を知る者のみの
何ものにも代えがたき博愛の心を得て、
天地万物への感謝を知り得る尊き体験を得るものにありて
生くる事の真の意義、しみじみと悟りゆく時、
人生は尊く花開くものにあり。

但し己が歩みゆく人生の山河に、只ひたむきなる我欲のみありては、
如何に成功なさんとも、そは一瞬の幻にして、
死の門は歓びとはならず、苦しみと悲しみと不安と絶望の果て
無念を残して去らねばならぬ人生は、再び無限の地獄なり。

人は死しての後にこそ、その真価は現わさるるものにあり。

何故ならば、その人生、如何程に現世の為、
衆生の為に役立ち得たるか否かによる処にして、
巨万の富も、人々の喝采も、最高の名誉も、
博愛の心に依る処に非らざれば、そは神仏の顕現とはならざるが故に、
人生最後の目的たる成仏道とは成らざるものなり。

人の現世に生くる意義とは、
只死ぬ瞬間の歓びにこそありとしかと悟りて、
その歓びとは、衆生の心に灯す悟りの灯のみなりと悟り得て、
努力精進なす日々の積み重ねなり。


 合掌

法話集

TOP