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人に上下の差別無し。
有るは唯、心の在り方のみなり。
其はただ、節度と礼儀あるのみにして、
神仏より眺め見る時、己れを知らず、
節度も礼儀も弁えざる者こそ、最も低きものなり。
地位も名誉も財産も、人の価値には非ず。
ただ天より与えられたる、特有の役目にのみありて、
其の人間の価値にあらざる事を悟り得ざるが故に、
心奢りて、我、人の上位に在りなどど、思い違い致すなり。
その思い違いが、身を滅ぼす元なりと悟らざるが故に、
様々なる悲劇引き起こすなり。
人の価値とは、その魂の中にこそ有りて、
自然に表に現るる姿形は、まず、身を慎みて、
礼節を弁える処にこそあり。
神仏の遥かに高き次元より、
常に見下らされている我らなりと、
露知らざるが故の増上慢なり。
神仏より眺め見る時、これ程の見苦しき姿は有らず。
増上慢と申す魔は、高く高く持ち上げて、
奈落の底に突き落とすなり。
突き落とされて、立ち上がらざれば、
無限の地獄なり。
まず、己れ、今日あるは、我の力に有らざるをしかと悟りて、
日々をただ「御心のままに、生かせ給え」と、
祈り奉る処の謙虚さこそ、神に愛でられ、
仏に守らるる、第一の功徳なり。
信仰の価値とは、ここにこそあり。
人間とは、神の鎖に繋がれた生き物である。
手綱を握る神の命のままに、従順に従えば、
やがて神の御心のままに生き、神と一体となる時、
鎖は有りて無きが如く、自由自在にして、
何の抵抗も無きものとなるなり。
悠久の大儀に生きて、無限の命、自由自在なり。
一切の災い無く、唯々広大無辺なる愛の輝きに包まれて、
身は寂光の光なり。
生無く死無く、心に係る曇り無し。
合掌 |


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