|
全てこの世の縁と申すもの、
過去にまつわる縁の糸の流れきたりし因果なり。
重ね重ねし煩悩業苦の、いかにしても解きやらんとの
仏の慈悲の現われなりと深く悟りて、
只、今世の縁潔く解きて、諸法空と為さんが為の修業にあれば、
身を焦がす相手に会いて、己が身の深き業をば悟る時、
地獄の様は現世に生くる懺悔なり。
しかして、只現世一瞬の間の夢うつつなりと、
達観いたし得る時いかに深き縁なりとも、
今世一瞬の身に受けて、悟り得る痛みなりと思わば、
それは火傷の如く、身を焦がして消滅なさば、
あとは只傷口に思い出の残るのみにて、
来世に持ち行く縁に非ず。
ひたすら成仏為さんが為の、今世の生命頂きて、
甲斐あらしめし証拠なり。
傷つけられし相手こそ、仏の使いとおし頂きて、
己が業苦の解脱為す時、悪縁さらりと解きてみれば、
現世は全て夢幻の如くなり。
合掌 |
|
|