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如何なる場合も、我欲の為に人に求むる事非れ。
人をしてハッと息を飲む思いさせられる迄の清浄心とは、
一切の我欲なき己となる事なり。
谷底にありてひっそりと咲く花、
いかに美しくとも、人に誇らんとなす心は非ず。
求めんとなす心は非ず。
美は自然なり。
自ら作りしものには非ず。
人に知られずとも意にかいせず。
静かに咲きて実を結び、
次代につたえゆく自然のわざそのままなるを、
我欲充満の人、ハッと胸をつかれて、
思わず我欲を忘れしむるなり。
しかし、次の瞬間には我がものとなさん欲の起こりて
摘み取る己が浅ましさ、悟り得ざるはいと哀れなり。
この人知れず咲く花の心こそ、
清浄心を求むる者の師といたさねば相ならぬ事なり。
何故ならば、これ神のわざなればなり。
人の為、国の為なりと大声に呼ばわりて我欲の為に、
歓心を求むる選挙に、いかばかり無欲の人のあるべきや。
さればこそ、選挙の度に失望させらるる人選はむべなり。
合掌 |


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