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毎朝毎朝己れを捨てて無心に祈る行が、
次第次第に自我を捨てる行となっている故に、
やがてそれが己れを無我となし、空と一体となってゆくのである。
成仏とはつまり、空に帰する事であり、
空とは万物と一体となり、全てと融合する事である。
故に万物の中に己があり、己れは万物の中に解け入ってゆく事が
成仏である故に、万物は己れであり、己れは万物の一部である故に、
自他一体の真理であり、己れと人とは別々に非ず。
人は己れであり、己れは他人の中にも生きてある故に、
他人の痛みは己れの痛みであり、
他人の喜びは又己れの喜びである。
自他別々に思って人の痛みを何とも思わぬ心とは、
迷いであり無神経である。
つまり、体内の神経が麻痺しているのと同じで、
体の一部が膿み、腐っても、痛くも何とも感じないのと同じで、
遂にその体は腐り果てて死んでいくものである。
死滅する己れとも知らず、病み、腐り、肉崩れ、骨脆く
朽ち果つるも知らぬ無神経が、長く生き続けらるる筈はなし。
さながら、現在の地球の如し。
やがて滅亡は最早眼前にあるを知らずして、
人類今も尚、その神経腐り果て続けてゆくものである。
ここに奮然と立ち上がり、奮起して目覚めよと先ず己れを鞭打ち、
迷夢から一刻も早く目覚めて真の己れを悟り得ざれば
自他共に救われ難しと、必死に叱咤勉励あそばさるる裏なる神の御声、
ようよう聞こえ始めて、これでは成らずと立ち上がりたる汝らなり。
己れが只今の心境つくづくと思いめぐらさば、
何様にや、追わるる如く心急きて馳せ参ずる躊躇なく、
一心不乱に祈るは只、人の為、地球の為と己れの利害を考うる者一名も無き心境こそ、
その瞬間な皆一つなり。
自他一体を体得なす瞬間なり。
この心境を広げ広げて、ついに地球を救い、
万人を救わんとなす一心に固まりて、ようように自他一体なるを悟り、
空に帰する心境を悟り得て、遂に成仏とは如何なるものかを伺い得るなり。
人間現世に生かさるるの真意なり。
合掌 |


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