平成13年度法話
  ここでは当道場で観音様より賜りました
  お言葉を掲載致します。

  (H13.4/15掲載)
幸に成る道

人間は天地の法則に従って生きてゆく限り、
自然のままに何の不自然な現象も無く、安穏な生涯を送るものであります。

それは丁度春に芽生えて成長し、花を咲かせて秋には実と成り
熟して地に落ち、冬ごもりして芽生えにそなえて又次の春に地上に出て来る様に、
輪廻し転生して次第々々に昇華してゆくのが大自然の法則でありますから、
この法則に順応して邪まな心を起こさず、自然に反した事をしなければ
一切の不幸は起こらないのであります。

それが五感を通じて欲を起こす処に、さまざまの災いが起こるのであります。

故に「身とは殺、盗、淫。心とは諸の悪を念じ、六賊中に遊げして自在にしてさわりなし」
と経文にも悟されてある様に、私共の五欲煩悩は限り無く発展して、
止める所の自制心である良心を失ってしまえば、
六賊が自分の心の中を自由自在にあやつって、仏の御子であるべき自分を
悪魔と化してしまうのであります。

それでは神仏も助けては下さらないので、さまざまの悪の結果として
不幸の現象が現われて来るのであります。

処が此処に至って心の目覚めがない者は、この不幸を他人のせいにしてしまい、
他人が悪いから自分がこんなに不幸になったと恨み、憎しみ、怒り、のろう悪念が
又しても自分を不幸に落してゆくのであります。

そして、もうどうし様もない程の地獄の底に来て、初めて何とかして救って
頂き度いと一心に念ずる心が起きた時、神仏は初めて
「さぁ、すがって来なさい」と、御手をさしのべて下さいます。

それが導きの姿となって目の前に現われるのであります。
故に真心こめて手引きして下さる御方は御仏の御使いなのであります。
そして、その方の手にしっかとつかまって仏様のおそばへ連れて行って頂く事が
信仰なのであります。

正しい道を教えて頂いて初めて今迄の自分の間違いが分って来るのであります。



心を正すとはどうする事でしょう。
心を正しい方向に向けずしてどうして正しい道が見えるでしょう。
正しい道とは、即ち天地をつらぬく一筋の法則なのであります。

自分の心がこの法則にはずれていた故に悪へ悪へと進み、
遂にこの世の地獄に追いこめられていた自分を悟った時、
初めて人は人間本来の在り方を見出す事が出来るのであります。

此処は一切の不幸を知らない仏国浄土なのであります。
それ故に御仏も仰せられていられます。
即ち「衆生大火に焼かるるも、我がこの土は安穏なり」と。

それは即ち、大勢の人々は五欲貪欲の心の炎に燃やされて、
焼け苦しんで地獄を作っているが、この仏の国は常に安穏で幸であるとの意でございまして、
地獄とは我が身を燃やす火の車、己が作りて己が乗りゆくものでありまして、
地獄も極楽も皆自分の心の持ち方一つで作るものであります。

こう考えて見ますと不幸を願う人は一人もありませんのに、
不幸の素である貪欲は皆この身の身勝手な心が作ってゆくものであります。

日々に自己反省して、御神仏の御前に額づき恥かしくない一日一日を送ってゆく事が、
即ち幸と成り、不幸を消滅してゆく事でありますので、
日々の心の在り方を深く悟られる様に修行してゆく道が、
本当の信仰と申すものであります。

 合掌

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