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人の為に祈ると云う事は、
自分自身を進歩向上させる事である。
人生には常に節目がある。
即ち節目とは何か新しく出発する時であって、それは丁度文章の点・丸の様なもので、
文章に点があり、丸があるから読みやすく、意味がはっきり分る様に
人生の点とはここで一句切りと申す時、又丸とは次の出発への終点を
つける時である。
例えば、正月に向かいて大晦日は丸で、一年の終わりの丸をつける時であり、
正月三箇日の終わりは点をつけて、四日からさて仕事始めと
なってゆくのである。
これと同じく人生にはその航路にたえず浮き沈みがあり、
もだえ悩むとき、友に話し慰めを得るは、
丁度船が入江に入りて大波をさける様なもので、共に祈り励ます事の出来得る友こそ、
人生航路の良き杖であり、神仏の恵みとも申すべき力である。
入江に一時休むは人生航路の点であり、慰め励まされて勇気を得るは丸であり、
これから又、新たな出発をしなおしていく事の出来得る力となって
進む事が出来るのである。

それ故に長き人生航路に人は、常に節目をつけ、一句切りすれば丸をつけて、
次の節目に向かいて雄雄しく船出して行く事が大切である。
一年如の成長しかり。結婚、出産、仕事等々、
いろいろの節目々々に常に進歩し向上してゆく事は、人生の大切な意義であり、
その為にこそ人々は共に祈り、共に慰め、共に励まし、共に助けてゆく為の
共同体である事を決して忘れてはならないのである。
それ故に人は、絶対に一人では生きてゆく事は出来ないと云う事を悟った時、
人の為に尽くす事、人の為に祈る事は、つまり自分の為にしている事となる訳であり、
ここに自他一体なる真理がはっきりとうなづかれる訳である。
人生の一句切り一句切りに、自分が人の為にどれだけ尽くしているか、
又、どれだけ祈っているかを静かに考えて見る時、
人に尽くし、人の為に祈る自分の真価がはっきりと分って来るのである。
合掌 |

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