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人それぞれの徳に応ぜし只今の環境にあり、
不平不満あらばその心を徳にかえるべし。
先ず己れの不徳とは何故なりや。
それ我が根性より作りしものと悟るべし。
徳多きもの心円満なり、
円満ならずして徳ありげに見ゆるは物質面のみなり。
物質は幻の如く何時何どき崩れ落ち、
無に帰すやも計られぬものなり。
人間の浅慮は物質多きを徳ありと思い違いなし、
物質乏しきを不徳なりと計るが故に、
物欲にとらわれて真の徳を知らず知らずに失うものなり。
真の徳とは物質に囚われる事なき円満具足の心なり。
足るを知る心にこそ豊かなる徳具はるものなり。

限り無き物欲に囚われて我執の鬼と化すが故に、
人間の浅慮は自ら業火を燃やして自ら焼かるるの地獄を作るものなり。
極楽にありては心のままに物現われ、
必要なるままに己が自由となるものにあり、
必要以上のものを欲するが故に、
我欲の妄執に縛られて身動きならざる有様となり、
やがて肉体までもしばりて不自由そのものの現実となるものにあり。
いかなるものも無上の甘味と味わえ、
いかなるものも無上の歓喜と頂きうる心にこそ極楽は実現なすものにあり。
これぞ真の有徳と申すものなり。
合掌 |

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