かなくら文芸1993〜1996
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「かなくら文芸」は、「かなくら山報」誌の文芸欄で、檀信徒の
方々から寄せられた短歌、俳句、川柳などを編集したものです。

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山報第27号 1993/06/03 

古寺に光る曼荼羅掌を合わす        

古寺の施餓鬼の鐘が又一つ

背広より僧衣(ころも)が似合う法印さん

K・K

里よりも里の音大に聞こゆ寺

卯の花に一息つきし寺参り 

     
 

仏前にて詠める

 

頼むより安心させてと孫の言い
  思いなおしつ手を合わす我  

     

教職を辞されて継がる住職を
  わが菩提寺は永久に明るし

K・K

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山報第28号 1993/06/30 

仏縁で主羅髪納め得度する          

水行場念ずる姿菩薩なり 

お手 お腰 亡母(はは)の影さす撫仏

K・K

花立てに蛙止まり空見上ぐ  

F・Y

吾子(あこ)の手の伸びたる先に栗の花

H・T

菩提寺を見上ぐる朝の一刻(ひととき)に
  朝日に光る銅板の屋根 

K・K

疲れたる顔にて出でし今朝の夫(つま)
  無事の帰宅を祈りてぞ待つ

A・Y

ごえいかはわが老い支うるしるべかも 
  ひたすら唱えんつたなきながら 

K・T

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山報第29号 1993/08/05 

時流れ 寺のボンチャン 大僧正       

K・K

写経会みんないきいき菩薩の童(こ)

信じつつ法螺の音かるく登り行く

亡き母に逢いたくなって経写す

幸太郎

楽しさをかぞえて暮らす八十路

幸太郎

車止め金蔵山が遠くなる 

幸太郎

梅雨空よ 早く去って行け 雨もって 

M・O

本堂に愛染明王座しませる
  愛むすばるる慈悲ぞあるらん 

K・K

ありし日の老師のすがたしのぶなり
  おもかげ宿る金蔵の山 

智教

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山報第30号 1993/09/15 

古寺に昔を偲ぶ絵馬ふたつ          

古寺に風土をかたるこの巨木

盆三日孫に天下を取られたり

芳郎

御開帳秘仏のお顔待っている 

湧水

敏感な舌はすかさず鐘連打

湧水

山寺の酢の物美味(うま)し水に問ふ 

K・K

遠雷に長居の客も去りにけり 

芳郎

友の墓苔も生(む)したり終戦忌 

芳郎

薄れ陽の漏れて雨なき今朝の空
  棚経待つ老い二人して

鐘つきて霊水汲みし横穴の
  明治の人は眼病癒す

K・K

朝六時写経の会に参加せり
  清き心で諸仏に合掌 

K・K

山寺のあしたの霧は参道の
  杉の林をおぼろにつつむ 

芳郎

本堂の鉦(かね)に和したり
  鈴虫の鳴く声すがし写経会の朝 

芳郎

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山報第31号 1993/12/05 

彼岸花みんなそろって寺まいり        

燃え尽きしたき火囲むか遠き人
  落書き残る今もやすみ堂 

K・K

金蔵寺開帳法会の稚児の列
  遙か住む孫を吾は重ねみつ 

芳郎

開帳の稚児の未来は博士号 

K・K

おごそかに扉開かるみ仏は
  ご光輝き荘厳極まりなき 

御開帳吾が人生に二度拝む
  薬師如来守らせ給へ 

K・K

金蔵寺開帳法会幾久し
  めぐり逢うえにし沁みておもうも

本尊の和顔けだかし薬師像
  日光月光の脇仏はべる  

芳郎

薬壷を持ちて佇ちますみ仏は
  世のため尽くせと吾に語るらむ 

芳郎

御開帳我もわれもと添護摩を

大護摩供点火は近き読経の輪
  ひときは高き修験者の声

芳郎

炎(ほむら)立つその一瞬の大護摩供
  心経の声山に谺(こだま)す 

芳郎

パチパチと音たて燃ゆる護摩壇の
  煙は垂れて人を包みぬ

芳郎

にわか雨しとどふらむ護摩の火に
  消罪願ふ人は動かず  

お薬師の幟にわが名探し当て

K・K

次期開帳想いはめぐる閉扉式

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山報第32号 1994/01/01 

幸せは今年もきける除夜の鐘         

歳重ね思い出深き除夜の鐘 

鐘をきき寒さとばして初参り

金蔵の坂で拾いし椎の実を
 伊豆路の旅に鞄へ納む 

K・K

山寺の椎の実バスで伊豆の旅

K・K

写経会終えて盛られし芋粥に
 心身暖かき菩提寺の朝  

K・K

寺の粥杯を重ねば芋笑う

K・K

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山報第33号 1994/02/05 

嵐吹く金蔵山の大晦日
  杉葉かく人多きぞ嬉しき             

正明

百八つ煩悩去りて雑煮美味

智恵

菩薩まちお経唱える寒椿

門に立ち寒さこらえて菩薩まつ

法螺の音に良き年なれと経唱う

智恵

本堂に向かいて聳ゆ大銀杏落葉の枝冬空を突く

K・K

初写経粥の接待受ける幸

K・K

寺の粥七草模様初春(はる)の夢

K・K

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山報第34号 1994/03/12 

積雪が写経中止を告げさせる        

K・K

寺詣り撞いてはならぬ帰り鐘   

K・K

ロープウエーの金蔵山往きの声はるか
 目覚めて呆然と座す

K・K

春近し寒さこらえる彼岸花

彼の岸に泳ぎつけずにういている

雪解けの里を眺めつ籠もりおり

内地米味忘れじとかみしめる

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山報第35号 1994/04/05 

彼岸護摩予言悟れず掌を合わす      

K・K

米がない巷のうわさ他所事に
  写経終われば粥の接待

K・K

つくし積みかなたの山を眺むれば
  かすみの中にかなくらの屋根

道草

春だ春やっと芽を出すふきのとう

桜より友がよんでる花見酒

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山報第36号 1994/05/01 

 

お大師さん迎えの朝

 

写経終え美声の僧は高だかと
  誕生和讃唱え給える

K・K

     

山開き峰までとどけ法螺の音        

信じつつ足いたこらえ登り行く

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山報第37号 1994/06/01 

金蔵寺稲荷明神幟立つ           

K・K

山の寺赤い幟で花祭り

K・K

花御堂甘茶の中でお釈迦様

K・K

花御堂甘茶の匂う本堂に
  写経終わりて粥いただきぬ

K・K

花の朝釈迦の童謡一節を
  謡える僧に幼日ありき

K・K

古寺の縁にすわって涼をとる

すてる神ひらう神ありさつきばれ

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山報第38号 1994/07/23 

 

灌仏会にて詠める

八重子

やわらかき青葉萌えたつ山寺に
  甘茶の接待押しいただきぬ       

 

本堂の廊下に騒げる子らの声
  僧の法話を漏らさじと聴く

 

わが痛み救ひ給へとまろやかな
  おさすり仏(ぶつ)のみ腰を撫づる

 

幼日の記憶とどめて本堂に
  艶増す仏いまだ坐します

 

石きざを下りゐる僧はふり返へり
  杖曳くわれを気遣ひ給ふ

 
     
 

梅雨の大日堂

一主婦

雨上り落ちくる露に見上ぐれば
  枝は重たきぐみの実熟れて

 

初産を控えし嫁と手を合わす
  地蔵はやさしく伏し目のままに

 

夕暮れの参道下れば大輪の
  あじさい仄かに燈を放つ

 
     
 

得度式・写経会

K・K

墨染の衣帷子夏の僧

 

帷子の衣が足袋と語り合う

 

得度を受ける菩提寺雲の上

 

写経終え僧の法話は曼陀羅の
  右から左抜けて覚えず

 

写経会机上に各自くばられし
  生八つ橋は京都の土産

 

各地より集い来たりし同法の
  祝賀の宴にこもり堂狭し

 

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山報第39号 1994/09/01 

暑いけど施餓鬼の鐘がつづいてる    

施餓鬼して心のうさが消えていく

月一度一番鶏の写経会

K・K

真夏日に衣四重ね僧の護摩

K・K

本堂に真向かい茂る沙羅の木も
  いつか花咲く沙羅の金蔵

K・K

御詠歌を教え給える若き僧
  鈍さ咎めず常に笑まるる

K・K

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山報第40号 1994/10/01 

集いたる蒲団奉仕の籠もり堂
  昔話に花ぞ咲きたり

K・K

猛暑越しコスモスの花咲きにけり     

彼岸花咲いて私も寺参り

経木を書いて御供え彼岸花

外陣の絵馬に見とれて古都偲ぶ

さわやかに晴れたる朝の秋彼岸
 護摩の煙に我を忘れり

K・K

彼岸護摩煩悩燃やせ僧の説

K・K

煩悩を燃やせし善人山下る

K・K

月夜かな刈り田のあぜに彼岸花

ぼけ防止早起きできる写経会

K・K

落葉かく野仏ここにおはします

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山報第41号 1994/12/15 

撫で仏さんまた来たよとご挨拶      

敏子

姑と同じ精霊棚
  里芋たらぬと畑に出る

敏子

たくさんおあがりと庭木の水遣り
  御詠歌唱えつつ

敏子

カラオケ歌えれば詠歌も同じと
  僧は説く

敏子

子等ははしゃぐ地蔵盆
  やさしき姿守り給う

敏子

台風が詠歌大会吹き飛ばす

K・K

満タンの瑠璃光帖賞貰う

K・K

瑠璃光帖写経一巻印一つ

K・K

早朝に登る足なき写経会
  便乗給う人の慈悲あり

K・K

     
 

金蔵山参道

一主婦

朝焼けに魅せられしまま空白の
  時の流れにたじろぎもせず

 

参道の急な登りも山野草
  いそしみ行けば楽しかりけり

 

山中で吾に怯えて飛び立つは
  雉の羽ばたき風のごとくに

 

谷川に落ち葉は厚く伏流は
  音色やさしく在りかを知らす

 

金蔵のきつい参道登り終え
  小さき吾は無為となりけり

 

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山報第42号 1995/01/01 

 

正月

初登り互いに幸を祈りあふ         

 

門松を立てて祝える古稀近し

 

年重ね又読み直す普門品

 
     
 

写経会

K・K

本堂は寒いと庫裡で写経会

 

寺目指す車のライト拝む朝

 

芋粥に女人菩薩の影しのぶ

 

接待の芋粥さへも弥陀浄土

 
     
 

近畿連盟奉詠舞大会

K・K

広島へ世界の平和祈念する
  真言宗派近畿の集い

 

六百余一服毎を折り鶴に
  被爆の少女祈りつ息絶ゆ

 

われ媼袖引かれたる覚えなし
  宮島の鹿袖を引きたり

 

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山報第43号 1995/03/03 

 

一・二月写経会にて詠める

K・K

気も漫ろ女人菩薩の影ささず         

 

早朝の山寺寒い春よ来い

 

いろはから物の始まる僧の説

 

殿御より女性の多い写経会

 

休む人始める人のある写経

 

芋粥の湯気に酔いつつ寺あとに

 

写経する無無の文字脳去らず

 

姿なき老僧とへば茨木に
  護摩の名僧大僧正

 
     
 

寒行・阪神大震災

一主婦

母子草寒の行者を見守れり

 

震災の瓦礫に添い咲く水仙の花

 
     
 

布施の心

南無

できる時できうることをできるだけ

 

ありがたく感謝を込めて野菜出す

 

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山報第44号 1995/04/01 

 

春彼岸

K・K

晴天を日和男と誰か言う          

 

山の寺杉の花粉に悩まされ

 

賄いや段取りよくて味がよい

 

申込み百人様の大世帯

 

おでん煮もプロの味出す八日会

 

その昔母の後つき薬師講
  山寺の彼岸に戸店並んだ日

 
     

宅急便開けばあさりころころと
  山の厨に潮風わたる

T・T

存分に湯水使えるこの暮らし
  あなありがたきと今更に思う

T・T

ほの暗き部屋にピンクのシクラメン
  やさしき人の心伝い来

T・T

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山報第45号 1995/05/01 

狭いのにそんなに急いでどこへ行く

狭くても互いに我慢しておくれ

野原にも一輪咲いて人目呼ぶ       

野原から一輪とって床にさす

菩提寺の諸仏貧女を守(も)り給う

K・K

寒風もいつか薫風変わる寺

K・K

大僧正午後の日ざしに護摩木割り

K・K

菩提寺の次の日約し山下る

K・K

朽ちながらこの年もなお花の咲く
 桜御衣黄(ぎょいこう)新緑の中

T・T

いち早く花の開くもひそやかに
 五本樒庭隅に立つ

T・T

陽の光ひと葉ひと葉に遍きて
 幸せみなぎる若葉のそよぎ

T・T

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山報第46号 1995/06/01 

 

五月写経会                  

K・K

住職の姿拝めず心揺れ

 

代行の指示に従ふ写経会

 

袈裟掛けて作務衣姿の菩薩様

 

眼裏に天岩戸が過ぎる朝

 

誘われて誘って詣る高野山

 

大僧正見事な自筆軸賜う

 

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山報第47号 1995/07/01 

霧深き朝の参道を自転車に
 相乗りてわが写経に向かふ       

すみ枝

水無月の青葉の薫る本堂へ
 朝の写経音ひとつせず

すみ枝

本堂の野の花白妙へて
 梅雨空の朝霊気を覚ゆ

すみ枝

写経会夜明けの早い絶好季

K・K

菩提寺の沙羅はいつ咲く花便り

K・K

写経会本堂もよし庫裡もよし

K・K

水無月の誕生和讃僧唱え

K・K

奉詠も中町終わり次ぎ姫路

K・K

奉詠も学芸会を思い出す

K・K

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山報第48号 1995/08/01 

雄大な高野の山に初参り         

正枝

おつとめの心しずまる朝の堂

正枝

精進の味もたのしむ年かさね

正枝

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山報第49号 1995/09/01 

 

棚経・写経会

K・K

棚経も写経も朝の六時から

 

住職の代行なりと大僧正         

 

棚経の僧を瞼に写経する

 

代行の大僧正の法話聞く
 くるりと笑いの輪にはめ給う

 

早朝に自筆の色紙各々に
 大僧正はユーモア添えて 

 

酷暑なり素肌に汗のふき出でる
 棚経の僧威儀衣の下着

 

一四日お礼に上がる本堂に
 お茶の接待寺の御姉妹     

 

菩提寺は高峯に在りて名も高き
 走り詣でし恋しき昔

 

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山報第50号 1995/11/07 

ウインドにうつるねこ背に背をのばす  

あさ子

店頭にならぶ松茸お国とい

あさ子

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山報第51号 1995/12/10 

銀杏の散りしく庭に降り立ちて
 朝日の拝める写経会の朝

智慧

霧の海抜きでる峰に紅葉映ゆ

智慧

瑠璃光のお堂を覆う白雪は
 高野の山を思わするなり        

智慧

庭を掃き堂清めたる老男女
 まことを捧ぐ仏道を行く

智慧

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山報第52号 1996/01/01 

 

参与会研修会参加のつれづれ

K・K

便乗に 井戸の蛙は感謝せり
 麓橋本 社用の次長           

 

我が心みつめる教え賜りし
 参与研修高野山にて

 

初雪をながめし朝の高野山
 忘ることなき参与研修

 

素手ならば研修の旅如何ならん
 荷物の重さ堪えし細腕

 

先輩の後に続いてよたよたと
 大阪の駅山猿笑う

 

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山報第55号 1996/04/01 

 

彼岸によせて

K・K

遙かなり昭和一桁物語る

 

十五銭財布を首にかけた紐

 

金柑とニッキと雨と十二銭

 

樟脳の香る着物で寺まいり

 

中日を心待ちしたおさげ髪

 

ニッキ水飲んだ中日青い舌      

 

谺する鐘つく音の絶え間なし

 

童等がつづく坂道彼岸晴れ        

 

中日は出店が並ぶ寺の庭  

 

菩提寺の掃く坂道は変わらねど
 世代代わりて掃く人若し

 

春雨をカッパで受けて早朝の
 清掃の群功徳なる人

 

休み堂男女の声に混じわりて
 雨の谷間に谺するなり

 

電気なくローソクともる籠もり堂
 母ら雑魚寝の薬師講衆

 

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山報第56号 1996/05/03 

花籠も元気で参加写経会

K・K

手作りの籠は穏和な人の顔

K・K

紅椿人の目を引く蔦の籠

K・K

訪れる人眺めては庫裡の籠

K・K

雪も消え早朝(あさ)の写経の好季節

K・K

休んだわ又行きますの写経会      

K・K

脚どりの忍者を偲ぶ菩薩様
 庫裡の裏山椿手折らる

K・K

菩提寺の里から仰ぎ眼裏に
 老僧夫婦如何におわする

K・K

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山報第57号 1996/06/15 

たんぽぽの咲き競い合う田んぼ道
 お大師迎えの行列続く

一主婦

お茶摘みて灰汁付きし手を気にしつつ
 詠歌稽古へ足は弾みて

一主婦

追弔和讃聞けば涙する老母を
 気遣いながら また茶摘みさす

一主婦

雪解けて山のお寺は花祭り       

K・K

教わりて花で御堂の屋根を葺く

K・K

路辺咲くたんぽぽ栄える釈迦御堂

K・K

名も告げず花届けらる釈迦の声

K・K

見事なる花の御堂のお釈迦様

K・K

花祭り忘れて咲かぬ蓮華草

K・K

連休が花初めなばその昔
 勤め持つ身に苦労なきしに

K・K

花初め光明寺にと詣でしは
 何の曰くか陋習失せる

K・K

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山報第61号 1996/10/01 

 

インド音楽・彼岸会

K・K

山報がふれて廻ったコンサート

 

ステージに早変わりする寺の庫裏

 

美しい女(ひと)の司会に山晴れる

 

深遠な雰囲気僧をひき立てる

 

目を見張る楽器独特音流れ

 

「チャイ」というインドのお茶をふるまわれ

 

その昔浄瑠璃を聞いた庫裏思う

 

シタールとかタブラとか変な楽器奏でる人

 

台風が去って山寺彼岸晴れ

 

八日会意気投合で盛り上がる

 

ありがたやこの菩提寺に生を受け

 

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山報第62号 1996/11/01 

久々に高野山(やま)をたずねて
 平成の朱に衣替えした大伽藍

あさ子

緑の木立の中にそびえたつ姿の
 美しきことに呆然と           

あさ子

     
 

 言葉なくうなるのみ、老体にむちうちて、
おつれにしていただいたことをあの世の
主人に土産話ができたと感謝しておりま
す。合掌

 

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山報第63号 1996/12/01 

 

大師信仰の集いに思う

K・K

早朝の坂で日の出を拝みつつ
 今日の集いに空を仰ぎ見        

 

御詠歌の流れる寺の広き庭
 歩調もかるく鈴ふる如く

 

御詠歌も大正琴も生きる世に
 大師は常にみちびき給う

 

老僧の柴燈壇護摩を拝みつつ
 紙の御幣に火がつかぬ術

 

熱き茶を注げば大師御姿の
 浮きいでまする湯飲み賜る

 

鍬持つ手に舞扇持ち替えて
 姿艶やか大師の声す

 

集い来て唄に踊りに浪曲に
 本職どちら大師は問わる

 

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