若葉の頃





こんな調子で始まった午後練・・・


部室では俺の事を気にかけていた桃先輩は・・・今は海堂先輩の事を気にかけている。

コートに出てきて、乾先輩が来ていない事に気付いて・・・

更にその事を気にかけている、海堂先輩に気付いて・・・

練習しながら、ずっと気にかけている。


何だってんだよ・・・ったく・・・


そして俺のイライラは増し・・・何だか体まで熱くなって・・・いつもの調子が出ない。

それをさっき副部長に指摘されたけど・・・誤魔化した。

ホントになんで俺が、調子悪くなったり誤魔化したりしなきゃなんないんだよ・・・

帽子を深く被り直して、小さく溜息をついた。

その瞬間。背中にズッシリと重みを感じて前のめりになる。



「お・チ・ビ! 何溜息ついてんのさ」

「別に・・・ついてませんよ」

「またまた!誤魔化しても無理だよん!この耳でちゃんと聞いたもんね!」



ホントに・・・こんな時に・・・この人が出てくるとは・・・

ニャハハ!と笑いながら、まだ俺の背中にくっついている。



「ちょっと重いんっスけど・・・どいてくれません?」

「おチビが、何で溜息ついたか教えてくれたら、どいてもいいぞ!」

「なんスかそれ・・・別に俺は・・・」



言いかけて途中で止めた。

この人に『溜息をついてない』って言ったって、しつこく聞かれるだけだ。

それなら適当な理由つけて、早く話を終わらせた方がいい。

話が長引けば・・・何を言い出すかわからない。

この人は、副部長とは違う意味で・・・侮れない。



「ちょっと疲れてるんスよ・・・」

「ホントに?」

「ホントっス・・・だからどいて貰えません?」

「う〜ん。まぁ今はそうゆう事にしちゃるか・・・」



!?そうゆう事にしちゃるって・・・どうゆう事だよ・・・

俺は背中から離れた、英二先輩を見上げた。

俺と目が合った英二先輩は二ィーと笑っている。

そして何か思いついた様に、『うん』と頷いて、手をポンと叩いた。



「ねぇおチビ。ちょっと水飲み場に行かない?」

「まだ休憩入ってないじゃないっスか」

「気にすんなって。だって疲れてるんだろ?」



・・・やられた・・・疲れてるって事を逆手に取られた。

英二先輩は『さぁ!さぁ!』と背中を押して、コートの外へと俺を連れ出す。

途中で副部長とすれ違って英二先輩を止めてくれるかと思ったけど、英二先輩には何も言わずスポーツタオルを渡して

俺には『無理するなよ』と爽やかな笑顔を向けて去っていった。


一体何を以心伝心してんだ・・・


結局誰に止められることも無く水飲み場まで来てしまった。

着いた水飲み場は誰も居なくて、俺と英二先輩だけ・・・

もともとこの水飲み場は、テニスコートよりにあるせいもあって殆どテニス部員専用と化してるんだけど・・・

それに、まだ休憩に入ってないっていうのもあるんだけど・・・

英二先輩は水飲み場の隅に腰掛けて、折角きたからって感じで俺に問いかけた。



「おチビ。取り敢えず頭冷やす?それとも水飲む?」



取り敢えずって何だよ!思いっきり心の中で突っ込んで、でもなるべく顔には出さず



「じゃあ頭冷やします」



そう言って、帽子を脱いで蛇口をひねって頭を突っ込んだ。

勢いよく出る水が、水しぶきをあげながら俺の頭を冷やす。

とても気持ちが良かった。

このままずっと冷やしていたい・・・そう思うぐらい。

だけどいつまで経っても頭を上げない俺を心配したのか、英二先輩が蛇口を閉めて、俺の頭をさっき副部長から受け取ったスポーツタオルで包み、

そのままゴシゴシ拭いてくれた。



「おチビ・・・大丈夫?タオルはそのまま頭に乗せてていいからねん」


そして今度は、俺の手を引いて水飲み場の片隅にある校舎に入る階段に座らせる。 いつに無く優しい・・・

いや・・・真面目な感じの英二先輩に、俺は俯いたまま何も言わずにいた。

言わない・・・というより・・・言えない。

英二先輩が俺をここに連れてきた意図がはっきりするまでは・・・

俺がジッと構えてると、英二先輩が一歩近づいた気配がして頭上から声がした。



「大石がさ。凄く心配してたぞー。おチビがいつもと違うって」

「・・・・」



副部長がね・・・あの人はホントよく見てるよ・・・



「だからさ。暫くおチビの様子見てたんだよね〜」

「・・・・」



様子を見てた・・・?英二先輩が・・・?



「そんでね・・・気付いちゃった。おチビ・・・桃の事気にかけてるっしょ」



!?



「違う!!」



思わず反射的に顔を上げて立ち上がっていた。

英二先輩は仰け反るように驚いて『まぁまぁ』と俺を宥めて、もう一度座るように促す。



「そんなにムキになったら、気にかけてるって言ってるようなもんだぞ」

「別に・・・ムキになんてなって無いっスよ・・・」



別にムキになんて・・・

心の中で繰り返し呟きながら俺は落ちたタオルを拾って、静かに階段に座りなおした。

英二先輩はそんな俺を見て、クスクス笑っている。



「おチビって負けず嫌いというか・・・ホント頑固だよね〜」

「そおっスか?でもホントに違うっスから」



無愛想に答えると、更に笑みを浮かべている。



「まぁね。そお言う事にしてやってもいいけどさっ!先輩の話はもう少し最後まで聞くもんだぞ!」



先輩ね・・・確かに英二先輩は俺より2コ上だけどさ、あんまり年上って感じしないんだよね。

だけど目の前で立ってる人は紛れもなく先輩で・・・やっぱ先輩という言葉の重みには勝てない。



「で・・・何なんスか?」

「だからさっ桃の話。おチビが気にかけてないって言うならそれでもいいから・・・ 黙って暫く俺の言う事聞いて欲しいんだよね」

「わかりました。どうぞ・・・」



英二先輩は俺に微笑んだ後、咳払いを1つして話始めた。



「オホンッ・・・えっと・・・大石がおチビの事心配してた話はさっきしたよな。そんで俺がおチビを見てた話も。そんで桃の事に気付いて・・・

実は桃の事も見てたんだ。 そしたら海堂の事を桃が気にしてる事に気づいて・・・そうなのかなって・・・」



そうなのかって・・・何なんだよ?

思わず声に出しそうになって何とか止めた。

英二先輩は更に話を続ける。



「おチビは、桃が好きなんだろ?だから桃が海堂を気にかけてるのが気に入らないんだ。それでイライラして、いつもと様子が違う。だけどさーおチビ。

桃はやっぱりおチビだと思うぞ!」



言い終わった英二先輩は、満足げな表情をしている。

しかし・・・相変わらずこの人の話は、ぶっ飛んでるというか・・・

話が何でこういつも恋愛話に行くんだろ?

自分がそうだからって、俺も一緒にしないで欲しいんだよね・・・

だからこの人と二人っきりになるの嫌だったんだよ・・・


って思いながらも、俺の鼓動はドキドキし始めていた。

だからそれを悟られない様に、なるべく平静を装って話をする。



「意味、わかんないんだけど・・・何でそこで俺が桃先輩が好きって事になって、桃先輩は俺ってなるんスか?」

「見てたらわかるじゃん!」



即答で返ってきて、目を丸くして驚いてしまう。

何処からくるんだろ?その自信・・・



「俺は英二先輩とは違うっスよ」

「そうかにゃ〜 同じだと思うけど・・・それに・・・悪い事だとも思わない」



悪い事だとも思わない・・・そう言い切った英二先輩の笑顔が綺麗で、何も言い返せずにただ・・・見とれてしまった。

確かに好きになってしまったら、相手が男だろうとそんなの関係無くなるのかもしれない。

だけど・・・だからといって俺が桃先輩の事を好きって事に繋がるのかはわからない。

それに・・・桃先輩が好きなのは海堂先輩じゃん・・・

そう思ってハッとした。

やっぱ俺・・・拘ってるな・・・


俺は英二先輩から視線を外して、地面を見つめた。

認めたくないけど・・・英二先輩に指摘された『桃が海堂を気にかけてるのが気に入らない』と言うのは正解らしい。

小さく溜息をつくと、また英二先輩が話始めた。



「まぁさ。色々納得いかない事もあるかもしんないけど・・・頭で考えるんじゃなくて心で感じた事の方が大事なんだぞ。

おチビもさホントはわかってるんじゃないの?」



そう言って頭をポンポン叩いてくる。



「んじゃ俺は先にコートに戻るけど、おチビは暫く休んでていいぞ。なんせ大石のお墨付きだかんな『体調不良の越前は暫く休憩』ってね。

だから素直に甘えとけよ。んじゃ俺先行くわ!後でなおチビ」



英二先輩が立ち去る気配がしてすぐに顔を上げたけど、英二先輩はもう校舎の角を曲がろうとしているところだった。

なんて速い足なんだ・・・

少し驚きながら後姿を見てて、俺は英二先輩に礼の1つも言ってない事に気付いた。

あの人にはいつも振り回されるけど・・・

一応ここまで連れて来て貰って、休憩までさせてもらってるんだから・・・

お礼は言った方が良かったよな・・・・

それにしても・・・心で感じた事の方が大事ねぇ・・・

まさか英二先輩にこんな風に諭されるなんて・・・

俺は、暫く英二先輩が消えた校舎の角を見つめていた。















ここはホントに静かだな・・・

英二先輩がコートに戻って、俺は言い付け通りに、そのまま連れて来て貰った水飲み場の片隅にある校舎に入る階段に座っていた。

それに、よく風が通る・・・

これからはここも昼寝ポイントの一つに加えようか・・・

ぼんやりと空を仰いでいると、大きな影が俺の視界を遮った。

突然の事に目を細めると、覗き込んで来た人物と目が合った。



「みつけた・・・」



そう言って優しく微笑んだのは、桃先輩だった。

桃先輩・・・・?

なんで・・・なんでアンタがここに来るんだよ・・・?

俺は桃先輩から目線を外して、脱いでいた帽子を急いで深く被った。



「探したぜ・・・気付いたらいなくなってるからよ・・・お前、調子悪いんだってな・・・ 探してる最中に英二先輩とすれ違って・・・

お前がここにいる事聞いたんだよ・・って おいっ!聞いてんのか?越前」



聞くも・・聞かないも・・・一体何しに来たんだよ。

勝手にぺらぺら話し出した桃先輩を無視して俯いていると、不意に帽子を取り上げられた。



「ちょっ!何するんっスか!」



顔を上げて講義すると、桃先輩の手が俺の後頭部を掴んで固定する。

次の瞬間もう目の前に桃先輩の顔があった。



「うん。熱は無いみたいだな」



どうやら、おでことおでこをつけて熱を測ったみたいだけど・・・

何でおでこをつけるんだよ!!熱を測るんなら他にも色々方法があるだろ!



「桃先輩!もういいっスから!!」



俺は自分の顔が赤くなっていく事に気付いて、急いで桃先輩を押しながら取り上げられた帽子を取り返して、また目深に被り直す。



「何だよ。つれね〜なぁ。つれね〜よぉ。人が心配してるってゆうのによぉ」



情けない声が頭の上から聞こえてくる。

だけど俺は何も答えず、その言葉も無視した。


何だよ・・・急に現れんなよ・・・まだ頭の中、整理出来てないっていうのに・・・

頭の中・・・それじゃ駄目なのか・・・英二先輩は心で感じた事を大事にしろって言った。

心で・・・今の俺はどうなんだ?

桃先輩が現れて、俺はどうなった?

顔が熱くなって・・・息苦しくて・・・心臓もドキドキして鳴り止まない・・・


俺は確かめるように、もう一度桃先輩の顔を見た。



「なぁ越前。お前体調が悪いから機嫌が悪いのか?それともやっぱ俺が知らないうちにお前の事何か怒らせたのか?

兎に角、俺のせいなら謝るからよぉ・・・機嫌直してくれよぉ」

目があった桃先輩は、相変わらず情けない声で訴えてくる。


やっぱり・・・そうなのか・・・俺はこの人を・・・だからあんなにイライラしたのか・・・



青学に入って一番初めに親しくなったのが、桃先輩だった。

朝の弱い俺をいつも迎えに来てくれて、帰りもよく一緒に帰って・・・

いつのまにかずっと一緒で・・・

それが当たり前のようになってて・・・近すぎて気付かなかった。

俺は桃先輩が・・・・好きだったんだ。

英二先輩・・・あんた凄いよ。

だけど、1つだけ間違ってる桃先輩は俺が好きなんじゃない。

海堂先輩が好きなんだよ・・・



「なぁ越前・・・」



何だよ・・・そんな目で俺を見て・・・名前呼ぶなよ。

あんたは、海堂先輩がいいんだろ?

そう思った瞬間に無意識に海堂先輩の名を口にしてしまった。



「・・・海堂先輩・・・」

「えっ?何だって?」

「だから・・・海堂先輩はどうしたんっスか?」



意地になってるって事は自分でもわかってる。

醜い嫉妬心だって事も・・・

だけど気付いた想いは、もう止められない。



「ハァ?何でここでマムシがでるんだよ?」

「気にかけてたじゃないっスか・・・」



だから、俺よりあっちの方が気になるんだろ?

昼間見た光景が、頭をよぎる。



「バッ・・何で俺がマムシを気にすんだよ!ありえねぇ〜なぁ。ありえね〜よ」

「・・・・・」

「何だよ!ホントだぜ」

「・・・嘘はいいっスよ」



だって俺は知ってるんっスよ・・・

全部見て、聞いてたんっスよ・・・



「だから何を根拠に嘘って言うんだよ!俺はだな・・・ホントにマムシの事なんて・・・」

「俺・・・屋上にいたんっスよね」

「えっ?」

「昼休みに屋上で昼寝してたんっスよね。誰かさん達が、屋上に現れるまで・・」

「お前・・・居たのか?」

「そう言ったつもりっスけど・・・」

「・・・・・・」

「まぁそおゆう事なんで、俺なんかより向こうの心配した方がいいんじゃないっスか?」



言葉を無くしてる桃先輩を見ながら、意地悪な事を言ってると思う。

たぶんこの話は、桃先輩にしたら誰にも知られたくない話だった筈だ。

それを俺は・・・自分の嫉妬心から話してしまった。

本当は一番に自分の事を気にかけて欲しい・・・そう思ってるのに。

好きだと気付いた桃先輩への想い。

だけど桃先輩が海堂先輩を想っていたとゆう事実が俺の心に影を落とす。



「まぁ・・・なんだ・・・聞いてたのなら仕方ねぇけどよ・・・アレはマムシが柄に無く落ち込んでたから、ハッパかけただけだからな・・・」



頭をかきながら、バツの悪そうに話す桃先輩。



「ハッパねぇ〜 どう見ても告白でしたけど」



それなのに、とうとう確信にまで触れてしまった。

ここまで来ると、ホントに可愛げがない・・・・



「・・・・お前ねぇ・・・そう実も蓋もない事いうなよなぁ。大体それが事実だとしても 口にするか?それに見てたんならどうなったかも知ってんだろ?」

「フラレてましたよね」



そして追い討ちをかけながら、あの時の事を思い出す。

そうなんだ・・・この人はあの時、海堂先輩にふられてたんだ。

俺は桃先輩が海堂先輩の事を想ってる事ばかり気にしていたけど・・・

桃先輩自身は傷心なんだよな・・・



「だから・・・お前には優しさはないのかよ!そのフラレたとかだな・・・」

「優しくして欲しいんっスか?」



改めて考えると、急に心配になってきた。

この人は本当は今傷ついているんじゃないか?

俺はその傷口を自分の嫉妬心で広げてるんじゃないか?



「別に普通でいいけどよ。だけどこの話はその・・・他の奴にすんなよ」



態度の変わった俺を、桃先輩は戸惑うように見ている。

だからフォローじゃないけど・・・

もしまだ未練があるなら、桃先輩の背中を押してやるつもりで聞いてみた。



「まぁいいっスけどね・・・で海堂先輩の事はホントにいいんっスか?」



だけど桃先輩は、以外にもあっさりした顔で答える。



「・・・・アイツはもういいんだよ。アイツはもう大丈夫だからな」

「へ〜 そんな簡単に引き下がるんだ」

「引き下がるんじゃねぇよ。答えが最初から決まってるような試合俺が本気でする訳ねぇだろ?」

「ふ〜〜ん」



そうゆうものなのだろうか・・?

いつもと変わらない桃先輩の様子に、だんだんわからなくなってきた。



「何だよその目!本人がそう言ってんだから、確かだろうが」

「まぁ別にどうでもいいっスけどね・・・」

「お前ねぇ・・・それは無いだろ?ここまで話して・・・兎に角だ。海堂は乾先輩がいれば大丈夫。俺はアイツにハッパかけただけ。

これが正解だからな。それと、今心配なのは越前お前だ!機嫌が悪いのが体調のせいなら、そう言えよ。心配するだろーが」

そう言いながら帽子のつばを上げて、俺の顔を覗きこむ桃先輩。

俺はその眼差しを瞬きせづに見つめていた。



「心配ね・・・それはどうも。じゃあ海堂先輩の事もそうゆう事にしておいてあげますよ」



心臓が止まるかと思った・・・最後の最後に俺が心配だなんて・・・よく言うよ。



「・・・・まぁ言い方は気になるけどよ・・・わかったんならいいよ」



桃先輩は俯いて、やっぱりまだ腑に落ちないのかブツブツ言っている。

だけど・・・俺は、改めて桃先輩の存在の大きさを思い知らされた。

たった一言がこんなに嬉しいだなんて・・・



俺は桃先輩を見ながら、今日半日の出来事を振り返る。

屋上で桃先輩と海堂先輩のやりとりを見て、何かイライラして調子崩して・・・

英二先輩に指摘されて・・・桃先輩と話して・・・

自分の気持ちに気付いて・・・だけど俺、自分から告白なんて絶対にしませんよ。


俺の中で芽生えた想いは、俺の中の決意へと繋がる。



「桃先輩。だいぶ休憩できたんで、コートに戻って試合しません?」

「おっ!そうか。でも本当に大丈夫なんだろうな?」



いつもの調子を戻して、桃先輩を誘う。

桃先輩は少し心配そうに俺を見たけど、俺の言葉に乗ってきた。



「大丈夫っスよ。そうゆう心配は、俺に勝ってからにして下さい」

「そうか。なら本気で行くぜ」

「いいっスよ。後、今日の帰りのハンバーガー、桃先輩のおごりならついて行ってもいいっスよ」

「えっ?お前用事があるって言ってなかったか?」

「用事を優先してもいいんっスか?」

「いや行く!おごる!だから一緒に行こうぜ!」



そう言って手を差し出す桃先輩の手を握って、俺は精一杯の不敵な笑顔を桃先輩に見せて立ち上がる。



「了解っス。今の言葉忘れないで下さいよ」



そして二人でコートに向けて歩き始めた。

俺は横に並んで歩く桃先輩に心の中で決意を告げる。



桃先輩、覚悟しといて下さいよ。

俺を本気にさせた責任は必ずとって貰うっス。



まず手始めに、告白は・・・あんたからしても貰いますからね。

 



 


                   


                                                                          END




最後まで読んで頂きありがとうございます。


取り敢えず リョ→桃 って感じで書きました。

もちろんこの話も続きます☆

ボチボチ頑張るので、ついて来て頂けると嬉です。

2007.9.25