【南アルプス】易老渡から光岳・聖岳縦走報告

報告:あめのうおさん



南アルプスの南部の代表格である光岳と聖岳に囲炉裏のメンバー4人で登ってきました。
梅雨の時期で天気が心配でしたが、梅雨前線が大きく南に下がったので雨中の行動もほんの少しで済みました。
【日  付】 1998年7月10日〜13日
【山  域】 南アルプス南部
【山  名】 易老岳(2354m)イザルガ岳(2540m)光岳(2591m)仁田岳(2523.8m)
              茶臼岳(2604m)上河内岳(2803m) 聖岳(3013m)奥聖岳(2982m)
【行動】
  7月11日 易老渡〜易老岳〜イザルガ岳〜光小屋〜光岳〜光小屋(テント泊)
       6:00 11:20 14:25    14:45 15:00 15:30
  7月12日 光小屋〜易老岳〜仁田岳〜茶臼岳〜上河内岳〜聖平(避難小屋泊)
              5:30            9:20    10:36   13:30    14:45
  7月13日 聖平〜前聖岳〜奥聖岳〜前聖岳〜薊畑〜西沢渡〜便ヶ島−易老渡
              5:23  7:20    7:48           9:48  11:41   12:27   12:45
【メンバー】 4人(佐野 誠・HiO・薫・あめのうお)
★7月10日
JR茨木駅へ17:00時に集合、今回の山行前にHiOさんが4人用のテントを購入!「おお〜新品のテントだぁ〜」と歓声が上がる(^O^)
飯田ICを21時00分に通過し、雨が時々降る中、易老渡へ22時30分到着する。
軽い宴会の後早めに就寝。コノハズクの声がいかにも山深さを感じさせる。

★7月11日
明るくなる4時30分頃に起床、青空も見える。(^O^)各自の荷物を割り当て、6時00分易老渡出発。
この易老渡の登山口は遠山川を渡る橋にあるのだが、小さな道標が寂しげで実にいい雰囲気だ。
草木が両肩まで張りだした細い急登の登山道を囲炉裏南アルプス縦走隊司令塔の佐野さんのゲキのもと登り始める。
湿度が高いのと急登の連続で一気に汗が吹き出す。前を歩いているHiOさんのズボンを見ると鮮血がぁ・・・・・
さっそく山ビルに歓迎のキッスを受けたようでHiOさんも嬉しそう(^O^)

広葉樹の樹林帯に針葉樹の木が混じり出す頃、8時11分鬱蒼とした面平に、面平から急登はチョットはましになるのでは・・・・・・
と思っていたがあまり変わらずどんどん高度を上げる。後ろを歩いている薫さんが帽子をパタパタさせながら登っている、
薫さん曰くこれがパタパタ歩行で疲れを癒せるそうである(^_^;)

10時57分2254mピークを通過するあたりから急激に睡魔が襲ってきた。
眠い!登っていてしんどくっても眠たくてしょうがない、足音が子守歌の様に聞こえて来る。気がつくと目をつぶって歩いているではないか(^_^;)

痩せた尾根を通過し11時20分やっと南アルプス主稜線の易老岳に着いた。
ここで佐野さんからオレンジをいただいたがこれが果実の一滴一滴が体に滲みいるように旨い。
早朝私達が出発の用意をしている最中に易老渡を出発した人が光岳を折り返して帰ってきた。日帰り光岳かぁ〜なんちゅう人や!
易老岳からは幻想的な針葉樹の森をダラダラと下る。お〜い!いい加減に登り返さなければ大変だぞと思う気持ちをあざ笑うかの様にドンドン下る。

三吉平らしき所を12時55分に通過、ここから沢筋の急登に登山道は急変。行けども行けども沢筋の急斜面は続く。
三吉平へ下ってる時イヤな予感してたんだよなぁ〜(^O^)休むのに丁度良い岩のテラスがあったのでそこでゴロンと横になってると
V字の谷の向こうに聖岳のシルエットが見えた。「あ〜あんなに遠くに見える」なんてボーッと見ていたら5分程寝てしまった。
皆さんに待ってもらっていたのでは・・・・(^ ^ゞ ポリポリ

今までの様子とは大きく異なる高原状の場所へ飛び出し一気に開放感を感じる。この高原状にある水場は残念ながら涸れていたが、
ある場所で水が地面から湧き出してる所を佐野さんが発見(^_^)これには助かりました。

14時15分イザルガ岳分岐に荷物をデポしイザルガ岳へピストンする。曇りながらも展望はまずまず、大無間山・小無間山など深南部の山々が
一望できるのに感激!薫さんも富士山がみれて嬉しそうだ(^O^)

自然が作り出した庭園センジガ原のチョイ先にある光小屋へ14時45分到着。
さっそくテントを設営し光岳のピストンへ、新設中の光小屋を越え、寸又狭13時間と記された恐ろしい道を左に見、緩やかに樹林帯を登ると
光岳山頂が目の前にポンと出る。森の中のピークだが直ぐ近くには展望の開ける場所がある。さっそくHiOさんがカシミールで作成した展望図を
拡げる、なるほど尾根の曲がり方までうまくシュミレーションした図だ!記念撮影後テン場に戻り、さぁ〜ビールで乾杯「あ〜最高!」

★7月12日
明るくなりだす4時過ぎ起床、寒い!
朝食に薫さんと合体味噌ラーメンを作ったがこれがなかなかの旨さであった(^O^)

光小屋を5時30分に出発、目がくらむ朝日に向かってセンジヶ原を進む。
昨日苦しんだ登りを一気に下り6時24分三吉平へ、昨日も思ったがこの辺りはコマドリが生息しているようだ、ヒンカラカラと心地よい声が響きわたる。
なだらか尾根の北側をゆっくり高度を上げながら7時20分易老岳へ到着。歩き出して直ぐに易老岳の三角点を発見!分岐が山頂ではなかった(^_^;)

ガスに覆われながら、平坦な樹林帯の道を進む。この途中で黒戸尾根から歩いて来たという男性に会う、「今日下山するんです」と嬉しそうな顔が
印象的だった。樹林帯の中にある喜望峰へ9時4分到着、荷物をデポし仁田岳へ、ここが頂上だと思ったら一旦下った向こうにピークがあった(^_^;) 
9時20分仁田岳の山頂はガスの中・・・・・・

主稜線に戻りしばらく下るとテン場があった小屋が潰れて屋根だけになっている。このテン場の向かいに有名な仁田池がある!池の水は濁ってる。
今までずぅ〜っと樹林帯の道であったが、ここからはガレた急斜面に変わる。遙か上に見える山頂付近を目指してキツイ登りを一歩一歩登って行く。

10時36分茶臼岳に到着する。山頂は岩がゴツゴツしていて腰掛けて休むのに丁度良いあんばいだ。
さっそく記念撮影、これで今回5つ目のピークをゲット!

この茶臼岳から登山道の様子が一変、いかにもアルプスらしい森林限界を越えた見通しの効く尾根へ。ガスが流される度に目の前に美しい稜線が
フワァ〜っと現れてくる。気持ちの良い道だ(^_^)
尾根の西側を巻きだすと二重山稜で臼状になった草原が拡がる。ここが天然記念物の亀甲浄土、ボコボコした地形になってるのが珍しいのだそうだ!

「飯田営林署お花畑」と書いた立て看板を12時44分に通過、ウサギギクなどがチラホラとあるだけで花はあんまり無い。期待したのにナァ〜(^_^;)
ガレた斜面を登っていると雷鳥の雛が一気に散らばっていく。そぉ〜っと通り過ぎると足下の草むらから一羽の雛が逃げ出すように飛び出た!
その瞬間親鳥がこっちへ走って来るではないか・・・・・暖かい気持ちにさせてくれる。

一瞬ガスが晴れ目の前に上河内岳が覆い被さるように見えた。
13時30分上河内岳への分岐で荷物をデポ、ジグザグに斜面を登り2803mの山頂に立つ!山頂からの下りはガスに混じって雨が降ってきた。
聖平へ向かう途中の崖で見事なお花畑があったので写真を撮る。まだ7月なのにもうトリカブトが咲いている。また雨が激しくなりだし雷が
鳴ったので、これは・・・とは思ったがその一回だけだった。丁度雨が上がる頃、開放的な聖平の少し下にある聖平小屋へ14時45分到着!
聖平小屋はまだ営業していないテント設営も考えたが佐野さんの避難小屋が開いてるので泊まろうという案に決定!
これが大正解、夜になってから大雨になった(^O^)

7月13日
朝4時に目を覚ます。ラジオから昨日の衆議院選挙で自民党が大敗、橋本首相が辞めるというニュースにビックリ、下界はさぞ騒がしだろうが、
ココは全く静かだ(^O^) パッキングは荷物を広げれる避難小屋なので凄く楽である。

聖平小屋を5時23分に出発、朝一発目の登りはさすがに辛い!
薊畑分岐に5時45分到着 ここで佐野さんは標高差2000m以上の下りは痛めているヒザには良くないし、もう聖岳は何度も登ってるのでそのまま下山。

ここから聖岳山頂までHiOさんが先頭を歩く事に、HiOさんの顔になんか笑みが・・・・不吉な予感が・・・あっ的中!
6時00分に歩き出した途端ピッチが上がる。ダケカンバの樹林帯の急斜面を小聖岳へ一気に上がる。この小聖岳から見る聖岳は見える視界80%も独占する
凄い迫力だ!西側が切れ落ちた道を注意しながら通過し、岩場から染み出る水場で一息入れる。ここの水の旨いこと!

さぁ〜いよいよ山頂直下のザレた急斜面に取り付く、いくら登っても山頂に届かない。意識もモウロウとする頃、ようやく7時20分聖岳山頂へ。
赤石岳・塩見岳・仙丈ヶ岳と南アルプスの巨人が重なりあう素晴らしい景観が目に飛び込んでくるとそれまでしんどかった事もスゥ〜ット忘れてしまう\(^o^)/

記念撮影後に奥聖岳へ。
岩稜を抜け平坦な尾根を歩いていると、後ろから大きな飛行機の音が・・・と思ったら上空をF-15戦闘機がドピュ〜ンと飛んでいくではないか!
パイロットには私達が見えていたはずだ(^O^)

7時48分奥聖岳 標高は前聖岳の方が高いのだが三角点があるのは奥聖岳である。
今回の山行計画で最後のピークをゲット!岩にもたれて景色を眺めていると、このままここでボォ〜ッとしていたい衝動に駆られる。
といっても帰らなきゃ!後ろ髪を惹かれる思いで来た道を引き返す。苦労して登ったザレ場も下りはアッと言う間。いかにも夏山らしいガスが
沸き立つ稜線を下り薊畑分岐へ9時48分到着。

デポしていた荷物を再び担ぎ、長ぁ〜い下りへ。深い樹林帯の登山道なので木の根が張り巡らされている。
その根が昨日の雨で濡れているものだからツルツル滑る。あっ!と思った瞬間ドスン・・・手を見たら血がタラタラ・・・
シマッタ。でも傷は浅く直ぐに止まってくれた。うんざりするのを通り越してモウイヤッ!という頃、西沢渡へ11時41分やっと下りる。
川で頭から水をかぶってると、上流に素っ裸の薫さんがザブ〜ンと川に浸かっているではないかぁ〜(^O^)  
うっ!水を飲んだかもしれない・・・・・・・・(^_^;)

横断用のリフトでワァ〜ワァ〜言いながら川を渡る、乗ってみると結構高度感がある。

遠山川の右岸に付けられた森林軌道跡の道を歩く、
所々崩れた斜面をトラバースし、トンネルを抜けると、便ヶ島の広場が下の方に見えている。
あ〜終わった(^O^)

12時27分便ヶ島へ到着。 先に下った佐野さんが車を止めて待っていてくれてるではないか! 嬉しい〜\(^o^)/

※長文におつき合いありがとうございましたm(__)m


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