花と展望の双六岳から笠ヶ岳縦走 


報告:薫    

2004.7/24,25の1泊2日で北アルプスの双六岳と笠ヶ岳を縦走してきました。
天気に恵まれず、槍穂高の展望は無かったけど見事なお花畑の連続で十分楽しめました。
このコースは一般的には2泊3日のプランです。下記の時間は休憩も含んだ到着時刻です。
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【山 名】北アルプス 双六岳(2860m)・笠ヶ岳(2898m)
【日 程】H16.7.23金夜発 24(土)〜25(日)
【行 程】(→)印は車、(〜)印は歩き
   7/23  自宅出発→名神→東海北陸道飛騨清見IC→R158→平湯温泉→R471→栃尾温泉→県道475→新穂高温泉(仮眠)
      21:10          24:15?                          1:30
   7/24 新穂高温泉〜笠新道登山口〜ワサビ平小屋〜小池新道登山口(橋)〜秩父沢〜鏡平山荘〜弓折岳稜線〜双六小屋(泊)
       7:15     8:07        8:20       8:43         9:20   11:13      12:15    13:10
  7/25  双六小屋〜双六岳〜小池新道分岐〜大ノマ岳〜笠新道分岐〜抜戸岩〜笠ヶ岳山荘〜笠ヶ岳〜杓子平〜笠新道登山口〜新穂高温泉
    (行き) 4:40     5:25    7:02      7:50    9:20     9:50    10:15      10:35   12:35     14:53       15:45 
  (帰り) 6:10                                12:00                10:55
【メンバー】単独
【地 図】1/50,000 上高地(1995年版)
【装 備】
     ☆:ツエルト
     ☆:GPS
      ☆:山登りの標準的装備一式
     ☆:細紐
     ☆:非常食(1食分)
          ☆:囲炉裏バンダナ(No,45)
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【出発から新穂高温泉まで】

 久しぶりに三連休がとれたので以前から憧れていた双六岳から見る槍ヶ岳を計画した。
 仕事から帰ってからGPSデータをインプットしたりパッキングなどの支度を始めたので出発は21:00を回っ
 てしまった。毎度のことながらもうちょっと早めに用意できないかな。でも一人だとこういう自由が利くのが
 便利。愛車の燃料計は半分よりちょっと上にあったのだが、念のため出発前に満タンにしておくことにした。
 これが今回の計画に大きな効果をもたらせるとはそのときには気づかなかった。

  名神高速に乗り込み、東海北陸道を使って新穂高温泉を目指したのだが、夜間、関SA以降はGSが一軒も営業
  してない状況になる。全線が開通するようになればひるがの高原SAにGSが出来るかもとの事。飛騨清見ICを
 降りてから約75kmは夜9時以降、一軒もGS開いてなく綿密な燃費計算が必要となる。新穂高温泉から一番近い
 GSは7km手前です。朝は8:00頃からの営業らしい。出発前に満タンにしていなかったらここで朝を迎えたかも。 

 1:30新穂高温泉到着。出発から4時間ちょっと。いままでで一番速い到着かな。しかし、登山者用無料駐車場は
 すでに満杯!後からやってくる仲間のためだろうか(でなければ迷惑)駐車スペースにテント張っている者もいる。
 迷惑駐車を閉め出すためか深山荘の風呂に入りにくる客のために無料駐車場を確保するためなのか分からないが、
 会社の名札もつけていない警備員らしき男が盛んに第二ロープウエイ近くの鍋平駐車場(無料)を紹介している。
 聞くと朝6時からロープウエイは動いており、\200で新穂高温泉に降りられるとのことだったのでそちらに移動。
 鍋平駐車場は、空いていて広々としており快適に仮眠できた。翌朝、5時起床。10分以上かけてロープウエイの
 乗り場にやってきたが、6時運行は翌7/25からであることを知る。騙された〜。この日の始発は、9:15であった。 
 3時間も待てないのでまた車まで戻り、新穂高温泉駅舎の裏にある村営の有料駐車場に止めた。33H駐車で\3400。

【1日目】新穂高温泉〜ワサビ平小屋〜小池新道〜秩父沢〜鏡平山荘〜双六小屋

 7:15 登山届けを出し、双六小屋に向け出発。今日も暑くなりそうな感じだ。水3L、アミノ酸飲料1Lを担ぐ。
    ランニングの経験からして固形物は体に吸収されるまでに時間がかかり、その間にバテている事も少なくない。
    汗で水分が失われると血液はドロドロ状態となって新鮮な酸素や栄養分が十分に行き渡らず腰や膝を痛めたり、
    痙攣や高山病等を起こしたりしやすい。山でも速効性のある『飲み物』で栄養補給する方が疲れにくいと思う。
    アミノ酸飲料は取りすぎると一時的に糖尿病状態になりやすいので同時に水を十分に飲まなければならない。
    今回、4〜50分に一回コップ一杯(180ml)程度の水を取ってみたところ二日間の行動中で固形物は、こぶし位の
    大きさのパン2個だけで済んだ。小屋の夕朝食でたくさん食べたのであまりお腹が空かなかった事もあるが。
  
 8:20 ワサビ平小屋。ここにくる途中、GPSのトラックデータ取得がOFFになっていることに気付き再セット。
    こんな近いところで小屋営業しても成り立つのだろうか?と疑問に思うが昼から出発した人には有難い小屋
    なのかもしれない。ブナの原生林と清流のなかにあって朝は気持ち良さそうな小屋です。近くに水場あり。
    笠新道と小池新道の中間くらいの場所にここの小屋があってどちらへも登山口まで20分ほどで行ける。
 8:43  小池新道登山口手前の橋。ここまでは平坦な道。橋は渡らず、河原方面に直進すると小池新道に入る。
    よく整備されていて楽に歩ける。勾配もそれほど急勾配には感じない。双六岳登るなら登りは小池新道が
    良いと思った瞬間である。

 9:20  秩父沢。秩父平から流れ出た水は勢いがあって気持ち良い。殆どの人がここで大休止するようである。
    私もここで頭を冷やしたり体を冷やしたりした。風も景色もgood〜。橋を渡り、鏡平山荘に向かう。
11:13  鏡平山荘。手前の鏡池で池に写る逆さ槍・穂高を撮りたかったがガスがかかっていて全く見えない。
    ここの小屋に泊まり、槍をみながらビール呑めばさぞかし旨いだろうなぁと思いつつ次回の楽しみとした。
    ここではかき氷(\500)もやっている。いちご味を注文。旨い!!火照った体にしみこんでいくのが分かる。
12:15 稜線。ここの手前に水場あり、喉を潤す。ここらから高山植物が一斉に出迎えてくれる。
    展望が良ければ最高の山登りになったことと思うとちょっと残念。しかし、花がきれいなだけでも満足。  

13:10  双六小屋到着。新穂高からここまで7時間半を見積っていたが、6時間足らずで登ることが出来た。
    持っていた地図を読み違って小屋から双六岳までは2時間半と思っていたためこの日の登頂は諦める。
    夕食までかなり時間があったので缶ビール二本を空け一眠りしていたら15:00位に雷の音で目が覚める。
    16:00からはどしゃ降りになってきたので登りに行かなくて正解だったと胸をなで下ろした。
    宿泊手続き時に明日の弁当はどうするかで迷った。通常、早朝出発したい時、小屋の朝食は取らず弁当を
    注文する。 笠ヶ岳まで登って新穂高温泉までを一泊二日で行きたいので遅い出発は出来なかった。幸い、
    到着が早かったため朝食は、一回戦目の4:30から取れるとの事だったのでそちらにした。これもまた正解!
    翌日分かったことであるが双六小屋の弁当は、全員の朝食が終わってから配ることになっている。これでは
    早朝出発が出来ず、弁当の意味が無い。ビールは、電気冷蔵庫で冷やしているからよく冷えている。珍しい。
    小屋は15:00くらいになれば到着した人々で混雑する。特に水場とトイレは、歯磨きや化粧直しの女性客で
    占領状態になってしまう。この日の夕食は、三回戦まであったらしいが団体客が多かったようだ。団体客は
    同じ部屋に詰め込まれたが、単独登山者は単独同士の部屋だったため一人で一枚の布団に寝られ快適だった。
【2日目】双六小屋〜双六岳ピストン〜弓折岳〜大ノマ岳〜抜戸岳〜笠ヶ岳ピストン〜杓子平〜笠新道〜新穂高温泉

 3:50  起床。朝食は4:30なので4:00起きでも良かったのだが混雑しないうちに先にキジ打ちを済ませたかった。
    外に出てみると天気は良かった。ガスも今はまだ出てないが、目の前の樅沢岳の陰に隠れて槍が見えない。 
    早くも双六岳に向けて登り始めている人もいて、時々ヘッ電の明かりが見え隠れするのが幻想的だった。
    4:30朝食を頂く。昨夜の夕食も品数多く良かったが、朝食もなかなかのボリュームである。しかも美味しい。
    朝早くから起きて用意してくれる小屋スタッフの方々に感謝の意を込め、Tシャツを購入。

 4:40  双六岳に向け出発。地図の所要時間を三俣蓮華岳までの時間と読み違いをしていたため往復4時間を覚悟した。
    20分も登ったら槍や穂高の姿が現れ出す。ガスらないうちにと急いでデジカメのシャッターを何枚も押した。
    
 5:25  双六岳山頂着。すでに槍の姿はガスの中。回りもほとんど展望なし。こんな朝早くからガスが出るとは思っ
    てもいなかったのでいささかショック。誰かが神様が残した盤の石を触ったのだろうか。
    それにしても双六岳からの斜面は、山スキーには最高のロケーションのような気がする。一度滑ってみたい。
 6:10 双六小屋。水を3L補給しここから笠ヶ岳を目指す。展望もないのでひたすら歩くのみ。
    途中で雷鳥に出会う。この後、天気が荒れなければ良いと願うも空しく。。。大荒れに
    
10:15 笠ヶ岳山荘。ここで荷物をデポし、山頂へ向かう。山頂までは20分ほどです。10:35笠ヶ岳山頂着。
    山頂で笠新道を6時間かけて登ってきたという人に逢う。かなりお疲れのようだった。テン場は、小屋より
    かなり手前(下)になる。水場は、テン場から3分ほど降りたところにある。目印看板もあった。
11:00 笠ヶ岳山荘出発し下山開始。笠新道分岐手前でGPSが『150m行き過ぎています』と言う。
    おかしい。もうちょっと先のはずである。しかし、目の前には抜戸岳への登りがあったし、分岐道標を
    見逃したのかなと思い、無駄な登りはしたくなかったので信用して再び戻ったがそれらしき道標が無い。
    GPSデータは、カシミールからDOWNしたので間違いない。持っていた地図でもGPSと合致する。
    とりあえずこの登りを登ってみようと登ったらその先に分岐が見えた。後で確認したら地図もGPSも
    データが実際とはズレていた。データが古いのか笠新道分岐が移動になったのかは分からないが笠新道
    はGPS軌跡とはかなりずれています。1995年版の地図が古いのは分かるが、カシミールは最新である。

12:35 杓子平。ここから『ここは標高OOmです。槍穂高が一望できます』の看板が何度も現れるがガスで一度も
    見ることが出来なかった。杓子平直前で水場あり。

14:53 笠新道登山口到着。笠新道は岩や木の根っこを乗り越えながら歩く感じなので体力消耗が激しいです。
    特に急勾配とは感じなかったものの登りには使いたくない印象だった。笠新道下山中から雷が鳴っていたが
    降りてから降り出し、すぐにどしゃ降りとなった。、雷鳴もすぐ近くで轟いていたので一時避難し隙を見て
    駐車場まで走った。

15:45 新穂高温泉駐車場着。最初の四時間は、4百円。以後1Hごとに百円加算。一泊二日(33H)で¥3400でした。
    鍋平駐車場にむかう途中の山荘富貴で雷を聞きながら露天風呂で汗を流し、21:00前に帰宅した。
 

【GPSが描いた軌跡】

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