ESPER−400s





 レッドバロンを作り、ゆったり飛行を楽しんでいると今度は機動力のある機体を 飛ばしたくなってきました。それもエンジンではなく、やはり電動で試してみたいと思っていると レッドバロンと同じメーカーのQRPにちょうど良さそうな機体がありました。それがESPERー400s です。IMの機体とどちらにしようか迷ったのですが、バルサキットを作ってみたかったのとレッドバロン が作りやすかったので同じメーカーのこの機体を選びました。

製作は基本的にはレッドバロンと構造が似ているところが多いのでスムーズに進みましたが、 主翼のねじり下げを正しくつけて製作する部分が難しく感じました。結局右側付け根の部分で すこ〜し後縁が沈んだ状態になってしまいました。多分これが原因で少しだけ エルロン方向に癖がついたようです。

○3セル11.1VLiPoの搭載

この機体でLiPoを使ってパワフル&長時間飛行をするために3セル11.1V2100mAhの Lipoを買ってきました。 この機体の推奨バッテリーは10セル500mAhニッカドですが、7セル500mAh ニッカドも付属部品でスぺーサーを製作することで使用できるようになっています。 写真1,2を見て頂くと わかるように3セル2100mAhLipoは7セルニッカドとほぼ同じ大きさです。 そのためこの機体に3セル2100mAhのLiPoを使用するためには 7セルニッカドのようにスぺーサーを用意するか、専用で使用するならバッテリーを 固定できるように改造、変更する必要があります。今回は10セルニッカドとLiPoの比較を したかったので スペーサーを用意することにしました。機体付属部品で作るスぺーサーは7セルニッカド のお尻にある横向きになっているバッテリーセルの幅に合わせてあり、LiPoでは幅が広すぎて このままではこのスペーサーに収まりません(写真3)。そこでスペーサーの横のバルサを カットしました。(写真4)


写真1 左から8.4V500mAhニッカド、11.1V2100mAh LiPo、12V500mAhニッカド
重さは左から134g、132g、g。(コネクター含む)


写真2 厚みの比較。写真ではわかりにくいがLiPoの厚みが少し厚い。



写真3 ニッカドは収まるが、LiPoはスペーサーに収まらない。

 機体に収められるようにスペーサーの横のバルサを現物あわせでカットします。カットしたままでは 強度的に不安があったので余っていた1,5mmバルサをもう一枚接着しておきました(写真5)。 ついでにスペーサーを取り出しやすいようにこのバルサとスペーサーの間にイージーヒンジ を挟み、瞬間で接着しておきました。


写真4 スペーサーの横のバルサをカットした。


写真5 補強のためもう一枚1,5mmバルサを接着。


○LiPoとニッカドの比較

 機体の調整をし、それぞれのバッテリーにて飛行させてみました。使用プロペラはQRP推奨の 8.5×5のプロペラです。8.5×5といっても8×4と並べてみるとダイはほとんど変わりません。 8×5と言ってもよい位ではないでしょうか?モーター、ギアダウンはキット付属の400モーター と40Tギアを使用し、2.5:1の減速に設定しました。まずはメーカー推奨の組み合わせで 試してみようと思います。

まずは10セル12V500mAhニッカドです。10セルだけあってパワフルに飛びます。 ループは垂直上昇に限界があるので特大の物は無理ですが、思ったより大きな円を描けます。 小さめのループなら 何回でも出来そうです。スピードも結構出ます。この日は風が強かったのですが、 機体が軽いのにもかかわらず、相当な風の中でも飛んでいます。だた、着陸だけは風が強いと あおられて難しくなります。機体、バッテリーの性能としては私の腕では不満のない飛びです。 あえて書くならば飛行時間が 短いくらいでしょうか?また、バッテリー電圧が高くてなかなかオートカットに入らないため、 下表の飛行時間はパワーダウンで上昇が困難になるまでとしました。

次に3セル11.1V2100mAh Lipoをつないでみました。こちらも負けずパワフルに 飛びます。電流値はバッテリーの許容値内に収まっています。飛行後のバッテリーの温度も ほんのり暖かいくらいです。むしろモーターの方が熱くて心配になりました。 モーターはニッカドの時もそうでしたがかなり熱くなります。時々スロットルを落として クールダウンさせる方が良いかもしれません。
飛び自体ですが、飛行直後は10セルニッカドに比べると少しおとなしい感じですが、 ニッカドの方は30秒位全開で飛ばすと少しパワーダウンしてきます。それに対し LiPoはパワーダウンはするのですが、ニッカドほど大きくダウンせず、 パワーダウンしたニッカドとLiPoではあまりパワー的には変わらなく感じました。
こちらもバッテリー電圧が高く、オートカットまで放電させるとバッテリーを破損させるおそれがあるため 適当な時間(6分)を飛行後充電器で充電をし、その充電容量からバッテリー容量を使い切った 時の時間を計算しました。

 ニッカド、LiPoのそれぞれを飛ばしてみたのですが、特筆したいのはニッカドは 充電直後は確かに一番パワフルなのですが、しばらくすると少しおとなしくなりLiPo とほとんど変わらないくらいのパワーに感じます。これはおそらく充電直後の電圧と 定格電圧の差による物だと思います。ニッカドは充電直後は15V以上ありますが、 しばらく飛行すると定格の12V程度まで下がって落ち着きます。これに対しLiPoの充電直後 の電圧は12.6V位なのに対し、定格電圧は11.1Vとニッカドに比べて差が小さく なっています。そのため、飛行直後のパワーの変化はLiPoの方が少なく感じます。 GP機を普段飛ばしている人ならLiPoの方が違和感が少ないかもしれません。 電圧が落ち着いてからの回転数を見ても、どちらも9000rpm弱でほとんど差がありません。 どちらが良いかは操縦者の感性による物だと思うので甲乙はつけられませんが、 電圧が落ち着いてからのパワー感はニッカドもLiPoも大きな差が無いので、飛行時間で 勝るLiPoの方が私は好感が持てました。

バッテリー別電流値および回転数、飛行時間の比較
バッテリー電流回転数rpm飛行時間
12.0V ニッカド 500mAh11.89600約 4分
11.1V Lipo 2100mAh11.29100約15分
飛行時間は全速を多用し、ループ・ロール等軽スタントをしながらの飛行で測定。
ニッカドはパワーが無く、上昇が困難になるまで。LiPoは適当時間飛行後、充電容量から計算。
平成16年4月計測。気温20度以上。


○テールスキッドの強化

 この機体は今のところ不満はないのですが、1つだけ困ったことがありました。 それがテールのスキッドです。説明書の取り付け方では先だけを丸めた金属棒を まっすぐ差し込んで接着するだけになっているのですが、これでは私たちのクラブの 飛行場のように小石がむき出しの荒れた地面ではすぐにバルサの穴が大きくなってしまい駄目に なりました。そこでもっと強力に固定するための工夫をしてみました。

 3mmベニヤを適当な大きさに切り、図1のように穴をあけて金属棒を接着します。 出来たパーツを機体の側面内側に接着します(写真3)。その上を1,5mmバルサで ふたをし、フィルムを張ります。


図1 スキッドパーツ


写真3



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