日本共産党 名手宏樹 一般質問 2017年12月22日
1、大阪府国民健康保険運営方針と
国保の広域化について
@2018年度(H30年度)の保険料試算について 質問します。
12月1日、突然に大阪府のホームページに「大阪府国民健康保険運営方針を策定」としてデータがアップされました。
また「素案へのご意見、パブコメでの意見と大阪府からの回答」がしめされました。
http://www.pref.osaka.lg.jp/attach/5211/00269531/iken-kangaekata.pdf
さらに、「大阪府国保運営方針策定に係る市町村意見に対する大阪府の考え方」として、法定意見聴取で出された市
町村からの意見も自治体名入りで公表し、それに対する大阪府の考え方も公表しました。
http://www.pref.osaka.lg.jp/attach/5211/00269565/shichoson_iken.pdf
府内市町村からの意見は細かく出され、大阪府の回答が「調整会議でこれから検討する」など、まださだまっておら
ず、最終的な回答になっていないもの多いものです。
大阪府は2018年、来年4月からの国民健康保険都道府県単位化にむけて、「大阪のどこにいても同じ医療が受けられ
るのだから医療費水準を一切考慮せずに保険料も減免制度も統一する」として結論(統一)ありきで検討を進めてきま した。
しかし、2月に公表した「事業費納付金・標準保険料(粗い試算)」以降、8月末には公表するとしてきた2回目の試算は2
ヶ月も遅れ、10月24日に突然召集がかかり、25日に市町村にやっと説明されましたが、その説明は1時間、というもの でした。
しかも、本来すべき「激変緩和」の試算もされず、相変わらず「粗い試算」としたままで、10月30日には「運営方針(素
案)」に対するパブリックコメント募集を公表し、締め切りは11月29日としました。一方では、その間、大阪府は10月の 「大阪府国民健康保険運営協議会資料」も、「第2回試算資料」も全く府のホームページ上でも公表してきませんでし た。
しかし、先に述べたように12月1日、突然に大阪府のホームページに、『大阪府国民健康保険運営方針』とさらには、
「素案へのご意見」としてパブコメでの意見と大阪府からの回答がアップされ、さらに「大阪府国保運営方針策定に係る 市町村意見に対する大阪府の考え方」として、法定意見聴取で出された市町村の意見とそれに対する大阪府の考え 方を公表したのです。
2回目の試算までの遅れと、その一方での「方針・パブコメ・市町村からの意見の公表」の尋常でない早さには違和感
を感じざるを得ません。パブコメには96件に及ぶ府民からの意見が寄せられ、概ね「統一化に反対」「市町村の裁量を 認めるべき」という意見が占めています。そこで質問です。
今回だされた「運営方針」や市町村への回答は、これまでに大阪府が、市町村へ説明してき
たことと同じでしょうか?
被保険者にとっての一番の関心ごとは来年度からの保険料がどう変わるかです。箕面市で
は、第2回目のこの府の試算では、現行のH29年度の保険料とH30年度の統一化後の保険 料とではどうかわると試算されるのでしょうか?
「府において一人当たりの保険料が試算されておらず、来年1月に事業費納付金、標準保険料率が示される予定であ
るので、まだ定かではない」としながら、10月の府試算から算定条件を市の算定とそろえた場合、広域化により1883円 引き下げられるとしていますので、箕面市では、広域化で一人当たりでは下がるとうけ賜ります。保険料が下がるなら いいことですが、後の質問でも触れますがさらに所得世帯ごとの状況も細かく注目する必要があるようです。
次に
A国の追加公費の財源1300億円を保険料抑制に活用することについて 質
問します。
住民に近く、住民の状況をよく知り、国保行政運営を進めてきた自治体だからこそ出せる意見は傾聴に値するもので
す。府の国保運営方針への府内市町村からの意見は重要です。
例えば、大阪市は府の運営方針への質問で、「保険料負担の抑制について、大阪府において第2回目の平成29年度
保険料で仮試算が行われたが、平成30年度から全国で約1,700億円の追加公費が措置されるが、そのうち約400億円 のみ算入し、残りの約1,300億円については考慮されていない。その結果、法定外繰入等がある1人当たり保険料で比 較すると、府内平均で約5.5%の上昇(本市・大阪市で6.7%の上昇)となっている。市町村としては激変緩和措置を講じ るものの、新制度への円滑な施行を図る観点から、今回の試算において算入されていない追加公費の財源1,300億円 について、最大限保険料を抑制するための財源として活用し、被保険者の保険料負担を少しでも緩和していただきた い」という意見を表明されています。大阪府はこの意見への回答として「標準保険料率の算定結果を踏まえながら、被 保険者への影響を考慮の上、保険者努力支援制度(都道府県分)の活用等により、保険料をできるだけ抑えられるよ う、引き続き、「府・市町村国保広域化調整会議」で協議してまいります。」と回答しています。しかし、これまでは「保険 者努力支援制度の都道府県分も市町村分も納付金算定の時には組み入れない」と明言していました。
今回の府試算において算入していない追加公費の財源1,300億円を、保険料を抑制するため
の財源として活用し、府は被保険者の保険料負担を少しでも緩和させるのでしょうか?箕面市 としてそのことを府に求めてきたのでしょうか?
市答弁:
「激変緩和抑制のための300億円、保険者努力支援分の1000億円も、市町村の判断で活用でき、29年度との差額を
見極めたうえで、使途について検討する」ということですので保険料が上がらない、逆に下がるように活用いただきたい とお願いいたします。
次に
B低所得者減免、障害者減免について 質問します。
今回の府の運営方針に対して、多くの自治体から「低所得者」「多子世帯」に対する減免制度が求められています。し
かし、大阪府の回答は次のようなものです。
「低所得者対策としては、 ・世帯の所得が一定以下の場合には、応益分保険料(均等割・世帯割)の7割、5割又は
2割を軽減する制度(保険料軽減分)の拡充 ・倒産などで職を失った失業者に対し、保険料を軽減する制度(非自発 失業者の軽減措置)など、既に一定の配慮がなされています。」 として
「府・市町村国保広域化調整会議」において、(法第77条の減免の対象事由となる「特別の事情」は、保険料が前年
度所得に応じて賦課されるため、)所得状況が前年度より著しく低下するなどにより、保険料負担が過度となる場合に 限り、減免を実施する」という基本的な考え方を整理した上で、
6年間の激変緩和期間中は、激変緩和の計画を定めていただいた上で、その取扱いは各市町村の判断に委ねるこ
とにしています。」さらに「国保制度は、国民皆保険を支えるナショナル・ミニマムであり、本来、国において、権限・財 源・責任を一元的に担うことが基本であると考えており、府として独自の財政措置を行うことは考えていません。」と回 答しています。
箕面市は、低所得者減免、障害者減免などを府に求めてきたのでしょうか?
障害者減免でも、私たちは独自減免がなくされる懸念を訴えてきましたが、どう継続させるの
でしょうか?
11月の国保運営協議会や先の民生常任委員会でも障害者減免の継続を答弁してきました。
これまで通り保険料徴収の時点で減免されるのでしょうか?法定外繰り入れとして行うことで、 いいのでしょうか?
市答弁:
再質問:
「障害者減免は、その内容を次回の箕面市の国保運協に示す」と答弁いただきましたが、「低所得者減免は府にも求
めない」との答弁でした。
これまでも、国保料は、低所得者にとって、低所得者ほど所得に占める保険料の負担の割合
が高く、大きな負担となってきました。ここへの軽減策は、先の保険料抑制策の一環として進 められるべきです。障害者が可能で、低所得者への配慮がなされないのはなぜでしょう?
答弁:
この一般質問の発言通告12日の後の、先週12月14日に大阪府統一国保第3回試算(来年度試算)が各市町村課長に
説明されました。
http://www.osaka-syahokyo.com/16kokuken/os20171212.pdf
納付金計算には新たな公費1700億円うち400億円しか算入されていませんので、10月の第2回試算と大幅には変わ
っていません。しかし、各市町村モデルケースごと、現行保険料との比較表では、ほとんどの市町村で値上がりする試 算になっています。(@現役40歳代夫婦と未成年の子供2人の4人世帯の国保料。A65歳以上74歳以下で年金生活者 高齢者夫婦のみ世帯、 B40歳母と未成年の子ども2人のシングルママ世帯のうち、)
箕面市では、A65歳以上74歳以下で年金生活高齢者夫婦のみ世帯で、年所得100万円、200万円300万円のいずれ
の階層世帯でも1800円〜8600円程度の引き上げになるという試算となっています。
府内では、低所得者層(年所得100万円層)はほとんどの市町村で値上げです。国保加入者の多くは所得100万円未
満、箕面市でも加入者の48%、約半分が所得100万円未満ですので、高齢の多くの世帯が上がるということになりま す。一人当の平均保険料だけではなく、どの階層があがるのかを今後、細かく見てゆく必要があります。
1月には最終の標準保険料の決定が発表されます。大阪市は、「保険料は現状維持で」という方針との情報も府的な
団体に寄せられています。つまり、法定外繰入を引き続きおこなうと考えられることになります。箕面市では、来年度保 険料をどうするのかが問われています。
つぎに
C箕面市として国保の統一化についての意見について 質問します。
市町村からの府の国保運営方針への意見について岸和田市からは「この意見聴取は法定のものであり、我々市町村
が意見を表明するための重要な機会であると認識している。広域化に向けての作業がかなり遅れ気味の中で、この意 見を求めることもこの時期に、しかも、重要な機会であるにもかかわらず、短い時間で意見を提出しなければならな い。・・・大阪府としてはこの意見聴取を形式的なものという認識しかないのではないかという見方もでき、共同保険者と しての今後の信頼関係に懸念を覚える。」との表明がされています。
また、堺市からは「府内43市町村の円滑な制度移行を図るには、統一保険料率のより一層の低減が必要であるた
め、国に対して更なる公費投入の拡大を求めるとともに、大阪府においても、被保険者の急激な負担増加を抑制する ための方策や特段の財政支援措置等を講じることで、国保財政運営の責任主体としての責務を果たすことを強く求め る。上記措置等が講じられない場合は、混乱を回避し、円滑な新制度移行を図るため、統一保険料の導入の延期も含 め、然るべき判断を強く求める。」という抗議とも言える強い意見がだされるなど、府内の各自治体が大阪府の方針に 対して一枚岩で「統一賛成」「方針賛成」としているとは到底思えません。
箕面市は、どんな意見をのべてきたのでしょうか?統一に賛成でしょうか?
市答弁:
「市としての要望が運営方針に盛り込まれたから、同意した」との回答です。しかし、国保の統一保険料をめざす広域
化・統一化は全国でも、来年度は、わずか数府県ですすめられている状況にすぎません。保険料率を一本化するのは 4府県、来年度実施予定は大阪府だけ、そして、先に述べたように府内自治体からも様々な意見がでているのです。府 に改めて意見を上げることを求めます。
次にその
D大阪府にさらなる意見を上げることについて 質問します。
12月に出された国保運営方針は、大阪府のまさに[見切り発車]だと言わざるを得ません。
大阪府に対してさらに意見を出すべきと考えますがどうでしょうか?
例えば
1、来年度以降も市町村の保険料については、これまで通りの市町村裁量による賦課とすること。特に保険料額につ
いては値上げすることなく一般会計法定外繰入を行えるようにし、ペナルティ的な大阪府の繰入金減額を行わないこ と。「一般会計の法定外繰り入れについては法で禁止できない」という厚生労働省判断を充分に認識することです。
2、市町村条例による減免制度についてはこれまで通りとし、条例改正について大阪府として圧力をかけないこと。な
お、市町村への圧力は違法行為となることを充分に認識することを求めるべきです。
3、次に予定されている第3回試算後には、市町村の意見を反映する場を早急に設定し、見切り発車はしないこと。ま
た、自治体から出された多くの意見については『調整会議で検討』し、今年度中はもとより来年度も会議を設定し、引き 続きオープンな議論を行うことをすべき ことなど大阪府に求めるべきです。
市答弁:
ここでも、「府への意見を上げる予定はない、3年後の運営方針を検証見直しの検討と運営状況の注視」にとどまって
います。せめて、第3回試算の来年1月の後の、市町村からの意見を反映する場を設けるなど、広域化・統一化のオー プンな議論を求めるべきです。
また、激変緩和実施中は、「統一化で保険料はあがるどころか下がる」また、「これまで通りの減免を実施できる」との
確約を大阪府から取るべきです。
次に
E国にさらなる財源確保を求めることについて 質問します。
また、各自治体の独自減免や一般会計からの法定外繰り入れが削減され、激変緩和措置は約6年で終わると考えれ
ば、結局その後、国保の統一化で保険料の大幅な引き上げが起こるのではないでしょうか?国にさらなる財源確保を 求めることが必要になるのではないでしょうか?
答弁:
「国にさらなる財源確保を求める予定はない。」との答弁の一方で、「広域化が原因で過度な負担が検討されるなら他
市とも連携し国に改善を要望する。」との両論併記の答弁でした。
終わりに
国保の広域化・統一化で、市の一般会計から国保会計への独自の繰り入れがなくされ、国の支援金が、高齢者人口
の増加や医療費の伸びなどが上回れば、それが保険料金の値上げ、引き上げに直接つながることは明らかです。
国保の広域化は、そもそも国が相当の財源を入れる代わりに、どこの市町村でも、独自に財源補てんしなくても全国ど
こでも所得が同じなら同じ保険料で運営しようとする制度を作ろうとする制度であったはずです。しかし、保険料は今、 現在のままでも高いままで、引き下げられるべきなのに、市町村が法定外の繰り入れをなくせば、国の支援金だけで 大幅な引き下げは見込めてはいません。市町村が法定外の一般会計からの繰り入れで、支えていた財源を国が肩代 わりするだけでは、高すぎる保険料はそのままです。低所得を中心に負担軽減ができない状況で、国保の広域化、統 一化に突き進むことは許されません。
この広域化・都道府県化あたって、かつて全国知事会は、国に1兆円の財源負担を要望され
ていました。今も国と地方の協議の場や地方6団体要望でも今後の医療費の増高を予測し、 引き続き国の財政的責任をもとめています。
低所得者に負担を増やす国保制度の広域化ではではなく、将来にわたる総額3900億円の財
源の確保と同時に更なる国庫負担の増額で被保険者の負担軽減を求めるべきであるとのべ 一般質問を終わります。
資料
箕面市: 国民健康保険制度が持続可能なものとして維持し続けるためには、医療費適正化の取 り組みは非常に重
要である。3年後の国民健康保険運営方針の見直しにあたっては、各市町村が地道に努力してい る医療費適正化の 取り組みをしっかり評価・検証されたい。加えて、大阪府がリーダーシップを発揮し、保険者努力支援制度など、保険料 率の上昇 を最大限抑制する恒常的な制度を構築されたい。
府回答
新制度においては、都道府県繰入金や保険者努力支援制度(都道府県分)を活用して、 府独自のインセンティブの
仕組みを構築し、健康づくり・医療費適正化取組に重点配分することで市町村及び被保険者の医療費適正化の取組 を推進することとしています。
今年度策定する国保運営方針の対象期間は、平成32年度までの3年間としており、新 制度における財政運営や国
保運営方針に基づく取組状況を「府・市町村国保広域化調整 会議」において検証した上で、府国保運営協議会の意 見も聴きながら、必要な見直しを行うこととしています。 その中で、新制度移行後の収納率・医療費水準の状況や、 激変緩和措置の取扱いも含めた被保険者への影響等を検証しつつ、必要に応じて国保運営方針の見直しを検討して まいります。
知事会要望 6団体 17年12月
国民健康保険制度改革の実施に当たっては、平成28 年12 月22 日社会保障制度改革推進本部決定により確約した
財政支援について、国の責任において確実に行うこと。
30年度への要望 7月
国民健康保険制度については、平成30年4月の財政運営の都道府県単位化への円滑な移行に向け、徒な混乱が生
じないよう、公費の弾力的活用、制度改革の周知・広報の徹底など万全な対応を講じるとともに、平成28年12月22日 社会保障制度改革推進本部決定により確約した財政支援の拡充については、消費税率の引上げ等の状況に関わら ず、国の責任において確実に行うこと。また、医療保険制度間の公平と今後の医療費の増嵩に耐え得る財政基盤の 確立を図るため、子どもに係る均等割保険料軽減措置の導入や国定率負担の引上げ等様々な財政支援の方策を講 じること。
29年度への要望 7月
や国定率負担の引上げ等様々な財政支援の方策を講じ、今後の医療費の増嵩に耐え得る財政基盤の安定化を図る
こと。また、消費税増税が再延期されるが、国民健康保険の財政基盤の強化のため、平成27年1月13日社会保障制 度改革推進本部決定を踏まえた国と地方の「議論のとりまとめ」に沿った財政支援の拡充等を、国の責任において確 実に行うこと。
28年度7月
国定率負担の引上げ等様々な財政支援の方策を講じ、今後の医療費の増嵩に耐え得る財政基盤の確立を図るこ
と。 一、学校法人・箕面市教育保育機構について 二、スポーツ施設マネジメント計画について
日本共産党 名手宏樹 一般質問 2017年6月23日
「医療・介護の制度改革」の実像と本当の改革について
1.「医療・介護の制度改革」の実像と本当の改革について
@ 国民健康保険の都道府県化ついて
A 大阪府の統一国民健康保険料の試算ついて
B 国保財政への法定外繰り入れと保険料について
C 国保と他の医療保険負担率や収納率について
D 来年度の制度改正について
E 地域の医療・介護基盤を守り拡充することについて
社会保障予算の「自然増削減」をかかげる安倍政権のもと2014年に「医療・介護総合法」、2015
年「医療保険改革法」など公的医療・介護制度の根幹に手を付ける法改悪を次々と強行し、これら の法の中核部分が2017年・今年、18年度・来年から本格始動が定められ、17年度は都道府県・市 町村がその実施準備に総動員される1年となっています。
その一方で格差・貧困の拡大や地域の経済・社会の疲弊が進む中、現行の国保や介護保険の「制
度疲労」というべき状況が顕在化し、制度の抜本的改革を求める声が切実となっています。
1点目に
@国民健康保険の都道府県化について 質問します。
その制度改変の第一が「国民健康保険の都道府県化」です。厚労省は、2016年度4月に「国保運
営方針ガイドライン」を策定し、2018年度から都道府県が国保の保険者となり、市町村の国保行政 を統括・監督する仕組みが導入されます。市町村ごとの「年齢調整後の医療費水準」を明示し、「納 付金」の負担額に直接反映させることで、医療費給付が増えれば保険料負担に跳ね返る「給付と負 担の関係」をいっそう明確にするのが政府の狙いと言えます。市町村は「納付金」の完納が義務づ けられ、減額は認められず、収納率が下回った場合、新設される「財政安定化基金」から貸付をうけ ることが指導されます。こうした仕組みが滞納者への差し押さえ、保険証の取り上げなど納付強化 にいっそう市町村を駆り立てることになることは明らかです。
1、すべての都道府県で、この国保の都道府県化が実施されようとしているのでしょうか?来
年から統一化、都道府県化しようとしているのは、全国都道府県でどこでしょうか?佐賀県 は、「保険料の均一」で議論をすすめていたと報道されていましたが、どうなったのでしょう か?
2、大阪府は、医療費格差が少ないから都道府県化に踏み込む理由の一つとなっています
が、医療費格差は府内1.2倍以内と言えるのでしょうか?そして、「どこに住んでも同じ保険 料」は本当に実現できるのでしょうか?
答弁:
ただいまの名手議員さんのご質問に対しまして、ご答弁いたします。
まず、「統一保険料を目指す都道府県」についてですが、現在のところ、奈良県、滋賀県、広
島県、大阪府の4府県と聞き及んでいます。なお、議員お尋ねの佐賀県については、県の資料 によりますと、保険料率格差1.47倍を平成30年度から10年間かけて、統一保険料にする方向 で検討されております。
次に、「大阪府内の一人当たりの医療費格差は1.2倍以内か」についてですが、年齢補正後
の平成24年度から平成26年度の3カ年平均は1.21倍となっています。
次に、「どこに住んでも同じ保険料」については、府内統一保険料が実施されれば、同じ所得・
同じ世帯構成であれば府内市町村同一保険料となります。
以上でございます。
次に
A大阪府の統一国民健康保険料の試算について 質問します。
大阪府では2010年10月、橋下知事のもとで「保険料の府内統一化は現行法の枠内では非常に難
しい」としながら、「国に制度改正を求め、府が保険者になった国保料の統一化する国保広域化を推 進する」として進められてきました。大阪では国保料の統一化するだけでなく減免制度や国保実務 全般の共通化などを含めて進めようというものです。そして、今年2月中旬に1回目の保険料試算、 「標準保険料率」を公表しました。この試算は、「正確な数値が反映されていない粗い試算」と言わ れていますが、府内で、6自治体を除くすべての自治体で現在の保険料より大幅に値上がりする中 味になっています。箕面市でも16年度の保険料に比べて1万8727円の大幅な値上げとなっており、 驚きと不安が広がっています。
1、この府が公表した試算をどう見るのか?お答えください。
2、大阪府が示した統一保険料率では、所得割、均等割、平等割(世帯割)で算出されており
「均等割金額が高い」ことに気づきます。均等割は一人当たりの保険料ですから、多人数世 帯、子育て世帯などには、高い保険料になる、重くなる保険料率といわれていますが、子育て 支援とは逆行ではないでしょうか?
3、値上がりするとされる保険料試算では、箕面市など多くの自治体で行われている保険料の
値上げをおさえるための「法定外繰り入れ」分も失くすよう計算されています。
箕面市での試算では実際の法定外繰り入れ分はいくらと試算されているのでしょうか?また、
箕面市は「医療費を少なくするための実績割も考慮されない試算である」と説明されてきまし たが、医療費実績割分はいくら分と考えられるのでしょうか?
4、低所得の被保険者にとって、保険料の値上げを抑える法定外繰り入れをなくし、自 治体
の健康増進、検診運動などを考慮しない保険料率などを統一するメリットはあるのでしょうか?
5、結果として国保の統一化で、箕面市では1人当たりの保険料は値上がりすると考え られ
るのでしょうか?下がるのでしょうか?
答弁:
「大阪府における広域化後の保険料試算」について、ご答弁いたします。
まず、府が公表した試算については、今後措置される予定の公費拡充分は反映していない
等の、最大の経費と最少の歳入で試算された非常に粗い、暫定的なものであると認識してい ます。
次に、均等割が高いため、多人数世帯や子育て世帯などに重くなる保険料率ではないかと
のご指摘ですが、国民健康保険法施行令において、特別の必要がない限り、所得によって変 動しない均等割や、世帯割の合計と所得割は50対50に設定することが規定されており、府試 算もそのように設定されています。
なお、本市は府内で唯一均等割と所得割の2方式賦課を行っておりますが、国保広域化後
の保険料賦課方式は、均等割と世帯割及び所得割の3方式に変わるため、
多人数・多子世帯にとって有利な設定となり、子育て支援への逆行ではなく、逆に子育て支援
の充実が図られます。
次に、値上がりするとされる保険料の内、法定外繰入分と医療費実績割分の内訳について
ですが、法定外繰入分の保険料に対する影響額は7,735円、医療費実績割の影響額は3,254 円と見込んでいます。
次に、保険料統一化のメリットについてですが、府内のどこに住んでいても保険料が同じで
あることは、医療費水準が同じであれば、医療の受診に対する自己負担率も同一、保険料負 担も統一となり、被保険者にとって公平感があり分かりやすい制度と言えます。
しかしながら、各市町村の医療費適正化努力に大きな違いがあり、その努力にインセンティ
ブが働く制度として、現行の保険財政共同安定化事業における「医療費実績割」を導入するよ う、国や府に対し要望しているところです。
次に、保険料の統一化による1人当たり保険料の増減についてで
すが、府の試算では、平成28年度の1人当たり平均保険料は135,623円、平成29年度に広域
化されたと仮定した場合が154,350円となっていることから、差引18,727円の上昇となります。
これら府試算は、今後措置される国からの支援1,700億円や過年度分保険料収入等の大きな
歳入が見込まれておらず、府は、今年の8月に2回目の試算を公表する予定としており、差額 は大きく圧縮するとものと考えています。 以上でございます。
やっぱり保険料値上がりの「法定外繰り入れ」がどうなるのかが大きな値上がりの焦点になります。
次に
B国保財政への法定外繰り入れと保険料について 質問します。
1、「国保の改革」に際して、安倍政権は2015年度から実施している「低所得者対策」の1700億円に
くわえ、「子どもの被保険者支援」「財政安定化基金の造成」「保険者努力支援金」などの名目でさら に1700億円を投入し「合計3400億円の公費支援を行う」としています。しかし、それと引き換えに市 町村の独自繰り入れ法定外繰り入れの約3000億円が解消されたのでは「国保の構造的矛盾」は何 ら改善されません。しかも、今後の公費支援金には、給付費削減の成績の良い自治体に重点配分 される「保険者努力支援制度」なども含まれるなど、低所得者など必要な医療が受けられなくするこ とにつながりかねないものが含まれています。
箕面市も含め大阪府内でも法定外繰り入れを行ってきていますが、府内の法定外繰り入れ
の状況はどうなっているでしょうか?
2、大阪府は、「繰り入れで保険料が安くなっていて統一化で値上がりする場合は激変緩和をして頂
く」とのべていますが、一方で、「運営方針を尊重していただくことを要請するが、保険料決定は市町 村の権限」としています。大阪府の国保制度統一後、市の法定外繰り入れはなくすのでしょう か?
3、H28年度11月箕面市国保運営協議会資料では、1人世帯、年総所得200万円の世帯で、年間27
万円の保険料で、4人世帯年総所得200万円の世帯では年間37万円の保険料です。この保険 料を払えば生活保護水準に落ち込むことはないでしょうか?そして払うのは国保料だけでなく、 年金保険料、医療費窓口負担、介護保険料利用料・・・を払えばどうなるでしょうか?
答弁:
「府内での法定外繰入の状況」について、ご答弁いたします。
府の資料では、平成26年度の法定外繰入額は、府内総額で237.5億円と示されており、43
市町村中6団体が法定外の繰入をしていません。
次に、府内統一後の本市の法定外繰入についてですが、国のガイドラインでは、広域化後の
法定外繰入は解消すべき対象とされており、今後、大阪府が作成する国民健康保険運営方針 においても、法定外繰入は解消すべきとする内容が盛り込まれる予定となっておりますので、 本市もその方針を尊重する予定です。
次に、国保のモデル世帯所得と生活保護基準の比較についてですが、年間所得が200万円
のかたは、年間収入が312万円となり、月額に換算すると26万円の収入となります。一方、1 人世帯での生活保護基準は、月額で119,090円、4人世帯では月額259,040円の収入となりま すので、国保モデル世帯所得が生活保護基準収入を上回るため生活保護の対象になること はありません。
また、年金や介護保険料などを払えば可処分所得が減少するとのご指摘ですが、所得200
万円のモデルでは、収入が312万円となり、この差額の112万円が税法上、「みなし必要経費」 とされており、この額の範囲内で公租公課は概ね収まるものと認識しています。
以上でございます。
次に
C国保と他の医療保険負担率や収納率について 質問します。
1、国保は他の医療保険と比べ国保の保険料の被保険者の負担率はどう違うと認識されている
のか?お答えください。
2、箕面市では保険料の収納率はどれだけで?統一化で保険料が値上がりすれば、収納率は上
がると考えられるのでしょうか?
結果として、保険料の引き上げによる過重な負担が、中間層を疲弊させ、貧困層・境界線の
生存権ラインをも脅かしています。保険料値上抑制の繰り入れ解消は、国保の構造的矛盾を いっそう深刻化させるのではないでしょうか?
答弁:
「国保と被用者保険との保険料負担」ついて、ご答弁いたします。
国調べの平成26年度医療保険制度の財源構造表では、協会健保や組合健保、共済組合等の被
用者保険の1人当たり平均保険料は年額約20.9万円となり、被保険者の負担は、労使折半により 10.45万円となります。一方、国保の全国平均では年額約8.9万円です。
次に、保険料の収納率についてですが、本市においては平成27年度は89.8%、平成28年度は90.
7%となっています。保険料による収納率の動向については、広域化如何にかかわらず、保険料が 上がれば収納率は一時的に低下する傾向があります。
次に、法定外繰入の解消が構造的矛盾を深刻化させるとのご指摘ですが、国保広域化により被
保険者に過度の負担増とならないよう、国において平成27年度から1,700億円、さらに広域化後の 平成30年度から1,700億円の合計3,400億円の支援が予定されており、この金額は全国の市町村 の一般会計繰入額に相当する額となっていることから、法定外繰入の解消が直接的に負担増につ ながるものではありません。
また仮に、国保の広域化が原因で被保険者に過度な負担が生じる仕組みであるならば、当
然のことながら、他市とも連携し、国に対し強く要望する必要があると考えます。
以上でございます。
次に、
D介護保険改悪・地域包括ケアシステム強化法について 質問します。
2018年度始動の「医療・介護改革」と深くかかわるのが、今年5月、通常国会で強行した介護保険
改悪法・地域包括ケアシステム強化法です。すでに、今年8月から高額介護費用では利用料で一般 の方が月7200円の値上げになり、箕面市でも約200人に影響することが市議会の委員会でも明ら かになりました。
1、さらに来年度のから年収が一定額を超える人の介護サービス利用料を3割にひきあげるなど改
悪がすすめられる中味でしょうか?今後のスケジュールや改悪や負担増の中身はどうでしょう か?3割負担では、何人に影響し、負担増になるのでしょうか?
答弁:
「介護保険制度の改正」について、ご答弁いたします。
来年度の介護保険制度の改正は、平成30年4月と8月の2回に分けて実施されます。
まず、平成30年4月改正については5点改正され、1点目として、要介護認定を更新する場合の有効
期間の上限が、24ヶ月から36ヶ月に延長され、認定を受けている方の手続き負担が軽減されます。
2点目として、保険料や利用者負担を判定する際に、自己居住用の土地・建物の売却収入等を所
得と見なさない扱いとなり、大規模災害における被災や、身体の状況などによりやむを得ず家を手 放さなければならなくなった方に過度な負担がかからないようになります。
3点目として、介護報酬が改定されます。これは3年に一度定例的に行われているものです。
4点目として、高齢者の年齢分布等に応じて市町村に振り分けられる国の調整交付金の年齢区分
が、2区分から3区分に変更されます。
5点目として、介護保険が適用対象外となる適用除外施設に入所しているかたが、他市の介護保
険施設に転所した場合、現在は、適用除外施設が所在する市が保険者となりますが、改正後は、 適用除外施設に入所する前に居住していた市が保険者となります。
次に、平成30年8月改正については2点改正され、1点目として、高額医療合算介護サービス費の
見直しで、医療保険と介護保険における1年間の自己負担の合算額が高額な現役並み所得者に ついては、現役世代と同様に、所得区分を細分化した上で限度額が引き上げられます。
2点目として、介護サービスの利用者負担割合が2割のかたのうち、特に所得が高いかたの
負担割合が3割に引き上げられます。なお、国の試算では、受給者全体の約3%が3割負担 による負担増と試算されていますので、これを仮に本市に当てはめると、約150人が影響を受 けることになります。
実際の負担増については、介護サービスの利用は被保険者によってそれぞれ異なりますので、一
概にどれだけ負担増になるのかを算出することは困難です。
以上でございます。
次に
E地域の医療・介護基盤を守り拡充することについて 質問します。
1、安倍政権は、「年齢・性別による差異」を「調整」した自治体の医療・介護費を示し、「低い方に合
わせよ」と号令をかけています。しかし、「健康格差」が所得格差など経済的・社会的要因によって 生じることは世界的にも研究され、厚労省の審議会でも議論となっています。「年齢」や「性別」の違 いを補正しただけで、自治体ごとの医療費・介護費を単純に比較することは機械的なやり方です。 病院や医師の数が少なく、「医療崩壊」と言える自体が深刻化している地域が、政府のいう「医療費 の低い」自治体と数多く例示もされています。その「低いほう」に合わせ医療資源を整理・淘汰せよ というのなら乱暴きわまりないといえます。政府のいう「見える化」「地域格差解消」は地域の医 療や介護の基盤を危機に追いやるのではないでしょうか?
2、政府が「医療費削減」を叫んでも、今後の高齢化や医療費の進歩を受け、現在の年間、9万1千
円の国保の一人当たりの保険料は2025年度には11万2千円に引き上がるというのが内閣府の試 算(2015年5月国会答弁)です。高すぎる国保料を抜本的に引き下げて将来にわたって高騰を抑え てゆくには、かつての「給付の6割」の水準に回復させ拡充させることこそ国民皆保険を持続可 能にする唯一の道です。国に対して国庫負担を引き上げて国庫負担率の引き上げを求めるの か?お答えください。
3、政府は「恒常的な低所者に対する負担免除は行うべきではない」として箕面市も同様の立場を
表明してきました。しかし、こうした、恒常的な低所得者に対する減免制度がないことが、国保に加 入する貧困層・境界層を、保険証の取り上げや滞納処分に追い込んだり、預貯金を使い尽くして生 活保護受給にいたらしめたりする重大な要因となっています。フランスにもドイツにも低所得者の保 険料を公費で賄う仕組みがあります。高槻市では所得に対し16%を超える保険料の負担率を減免 する仕組みをつくっています。貧困層、境界層を対象とする保険料や窓口負担の恒常的な減免 制度をつくらないのでしょうか?
4、国保料の滞納が増えたのは「悪質滞納者」が増えたからではありません。貧困な加入者が多い
のに保険料が高いという「構造的な矛盾」と貧困層境界層への実効ある救済措置がないという制度 の不備によって引き起こされたものです。収納活動を貧困把握の入り口と位置付け、生活困窮 者の減免や福祉施策へつなげる方向へ転換させることが必要性だと考えますがどうでしょう か?
5、昨年7月、日本医療総研が、「過去の医療・介護に関わる長期推計と現状」を発表しました。
2011年と15年を比較し、入院患者の減少と在日日数の短縮で医療費が抑制され、医療費介護費 の合計額が推計を下回ったことが明らかにされています。「充実」を置き去りにし「効率化・抑制」を 先行させた可能性を指摘、家族が介護離職、保険外サービスを購入している懸念を表明していま す。「就業構造基本調査」では介護離職がこの10年間で105万人を超えるなど介護基盤の再 建、拡充は、高齢者と現役世代を含めた国民的な課題となっています。介護基盤の再建・拡 充こそ必要ではないでしょうか?
病床削減を進める一方で特養ホームの整備を抑制する、要介護者が増え続けるなかで公的介護
の給付対象を絞り込む、高齢者の貧困が進む中で介護の利用料負担を引き上げる、介護現場の人 手不足が加速する中で介護報酬を削減する・・・・など政府が行ってきた医療・介護政策と日本社会 の現実との矛盾は抜き差しならない段階に到達しています。
特養ホームの増設、介護保険での利用料・保険料の減免、サービス取り上げの中止・給付
の拡充、介護報酬の増額と介護労働者の待遇改善などの方向こそ危機の打開の突破口で す。改めてこの方向への市としての改善と政府に対して発言してゆくことを求めて質問といた します。
答弁:
「地域の医療、介護基盤」について、ご答弁いたします。
まず、国の地域医療構想が要医療者の受診抑制に繋がるとのご指摘についてですが、医療費適
正化の先駆的な市町村では、医療費と介護費用を連結したうえで分析を進めていますが、すべての 市町村でこれを実施できてはおらず、それぞれが手探りで分析するなど非効率な状態となっていま す。そこで、国では現在、別々に存在しているデータベースをリンクし、地域の実態に合った、有効 な取り組みとエビデンスを見つけやすくする、いわゆる「見える化」を検討しているものです。
これにより、財政力・マンパワー不足で分析できない市町村も、効果的な施策に素早く着手できる
きっかけとなるもので、議員が心配されている要医療者の受診抑制に繋げるものではありませ ん。
次に、国保への国庫負担率の引き上げについてですが、当然のことながら国保事業費の公費が拡
充されれば、保険料負担は減少します。過去にも国庫負担金が多かった時期があり、平成3年度と 平成28年度の決算を比較すると、給付に対する国庫負担金の割合は、平成3年度が約45.7%、平 成28年度が約32.5%となっています。
国庫負担金は減少していますが、現役世代からの前期高齢者交付金や他の公費が大幅に
投入されている現状を総合的に勘案し、過去の国庫負担割合を理由に負担率の引き上げを求 める考えはありません。
次に、貧困層とその境界層への保険料減免や窓口負担減免制度については、現行の国制度に
おいて、低所得層世帯に対しては、世帯所得と人数により保険料の均等割を7割から2割軽減する 制度があり、今年度賦課においては、国保世帯の半数に及ぶ約1万世帯に対し、保険料の軽減を 行っています。さらに、この制度の継続のもと、現在大阪府・市町村国保広域化調整会議におい て、減免制度の検討・議論がされています。本市は、その結果は尊重すべきものと考えております が、低所得者層や多子世帯等への一定の配慮については、北摂の市町の総意として、府国 保運営方針に盛り込む旨要望するよう進めています。
また、保険料の納付が滞っている方へは、納付相談で個別事情をお聞きした上で、分納や他
の福祉制度を活用できないかなど、関係窓口との連携を図っています。
次に、特別養護老人ホームの増設についてですが、待機者数が全国的に減少傾向にあり、本
市においても同様であること、サービス付き高齢者向け住宅などの、多様な高齢者向け住まいの整 備が急速に進んでいること、本市が今年1月に実施したアンケート結果において、在宅生活継続を 望んでおられるかたが多いことなどの現状を踏まえ、第7期高齢者保健福祉計画・介護保険事業 計画の策定プロセスにおいて、必要なサービス基盤の整備について分析・検討を進めます。
次に、「介護保険での利用料・保険料の減免」についてですが、低所得者の介護保険料や利用料
負担については、高齢者の所得状況等を踏まえ、大阪府市長会を通じて国に対し、介護サービ スの利用が制限されることのないよう減免措置制度を構築するとともに、その費用について は、国庫負担とするよう要望しています。
次に、総合事業はサービスの取り上げではないかとのご意見ですが、総合事業は、要支援の
かたを介護保険の対象外とするのではなく、引き続き介護保険の対象として、各市町村においてご 本人に必要なサービスを効果的・効率的に提供する仕組みであり、ご批判はあたりません。
次に、介護報酬の増額と介護労働者の待遇改善についてですが、介護人材の確保は喫緊の
課題であり、今後、国において「離職した介護人材の呼び戻し」「新規参入促進」「離職防止・定着 促進・生産性向上」の3つの視点から、様々な取り組みを総合的に進められるものです。特に、介護 報酬面では、現場で働く介護職員の安定的な処遇改善を図るための環境整備と賃金改善を目的と し、平成29年度報酬改定において、これまでの介護職員処遇改善加算に新たに上乗せ評価を 行う区分が創設されたところです。
本市においても、平成28年度に、国交付金を活用し、介護職員の負担軽減を図ることを目的に介
護ロボットを導入する介護事業者への補助を行うなどの支援を行っており、今後も引き続き、介護人 材の確保策について、国・大阪府と連携し、事業者への情報提供・支援に努めてまいります。
以上でございます。
最後に
地域の医療・介護基盤を守り拡充する提案について、一つ一つ丁寧なご答弁ありがとうございま
す。「受診抑制につながらない」などすれ違いの部分も多々ありましたが、国保料について、低所 得者層や多子世帯への配慮について北摂の市町村の総意として府の国保運営方針に盛り込 むよう要望することや介護サービス利用で減免制度の構築を国に要望する、必要な基盤整備 を分析・検討するなど積極的答弁もありました。
2018年度には府の国保の統一化に加えて新しい「医療計画」も始動します。国は「第7次医療計
画」では、平均在院日数が全国平均より長い地域は短縮目標を課し、一般病床・療養病床の平均 利用率を下回る病床は廃止をせまるなど病床数の抑制をすすめるなど基準病床数の絞り込み方針 を打ち出しています。医療費の地域差を「見える化」し、病床削減や入院患者の締め出しをさら に強化します。
そして、「医療保険改革法」は、都道府県が策定する「国保運営方針」「医療費適正化計画」「地域
医療構想」「介護保険事業計画」をお互いに整合性を確保するよう明記し、これらが一斉に始動する のが2018年度です。国保の財政管理と行政指導、医療給付費の総額抑制、基準病床数の認 定と管理、病床機能の再編・淘汰、介護基盤の整備、これらすべてを都道府県に集中させ、国 の指導のもとで給付費抑制を一体的に推進させるのが、安倍政権の「医療・介護改革」の核 心で、社会保障の「自然増」を減らすために給付費を抑え込み、医療介護の公的保障を切り詰めて ゆく方策です。
2017年は、社会保障をめぐる大決戦の時期になっています。机の上の計画
だけでなく住民・市民の医療、介護の実態に、暮らしの実態に心よせた市の施 策を策定いただくよう求めて一般質問を終わります。
日本共産党 名手宏樹 一般質問 2017年3月28日
公立幼稚園・公立保育所の
新たな運営の在り方の検討について
日本共産党 名手宏樹 一般質問 2016年12月22日
日本共産党の名手宏樹でございます。大綱2項目について一般質問をいたします。
1、マイナンバー制度での住民税の事業所への通知につ
いて 質問します。
厳重な管理が法律で義務づけられているはずのマイナンバー(個人番号)が来年5月、本人の頭越しに役所から勤務
先に通知されることが、税理士事務所が行った自治体への調査で明らかになっています。しかも、マイナンバー付きの 書類を普通郵便で送る予定の自治体もあり、漏えいや紛失の危険が大きく問題になっています。
@マイナンバーの事業所への提出について 質問します。
マイナンバー法は、従業員らのマイナンバー収集と管理などを、事業者の努力義務にしています。
しかし、個人にマイナンバー提出を義務づけてはいません。そのため従業員が提出を拒み、番号なしの書類を税務
署などに提出しても問題はありません。マイナンバー制度では、従業員は、事業所へのマイナンバー提出を拒否できる か法律に則してお答えください。
答弁:事業者は法律第14条により、従業員にマイナンバーの提出を求め、従業員は、事業者に提出する必要がある。
法令では従業員が事業者へのマイナンバ―提出の諾否について記載されておりません。
マイナンバー法は、従業員らのマイナンバ―収集と管理を事業者の努力義務にしていますが、「法令では従業員が
事業者へのマイナンバ―提出の諾否について記載されていない」との今の答弁にあるように、従業員個人には、提出 を義務付けていません。従業員が提出を拒み、番号なしの書類を税務署などに提出しても問題はないことになっていま す。一部で就業規則で従業員に強制提出する動きもありますが、マイナンバーは個人情報であり法律を飛び越えた運 用は危険であり許されません。次に
A「通知書」の様式の変更について 質問します。
全国の市区町村は、毎年5月に、事業所で働く人が納める住民税の額などを記載した「通知書」を事業所に送っていま
す。総務省は、今年1月からマイナンバー制度の運用開始にあたり「通知書」の様式を変更したのでしょうか。
この「通知書」には12けたのマイナンバーを記入する欄があるでしょうか。おこたえ下さい。
答弁:H27年10月29日の地方税法施行規則等の一部改正での様式変更で12ケタのマイナンバ―を記載する欄が設
けられている。
Bマイナンバー記載について 質問します。
東京の税理士法人会計事務所が都内23特別区を対象に実施したアンケートでは、半数の区が、「通知書」にマイナン
バーを「記載する(予定を含む)」と回答しています。「記載しない」と回答した区はなく、「検討中」と答えた3区以外は総 務省の方針に従う考えを示しました。箕面市での対応はどうでしょうか。
答弁:本市においても、マイナンバーを記載します。
C本人の意思に反して事業所にマイナンバーが伝わることについて 質問します。
「箕面市も事業所への通知書へマイナンバーを記載する」ということですが
市からの「通知書」によって、事業所に提出を拒否した従業員のマイナンバーが事業所に伝わることになり問題ではな
いでしょうか?
事業主に番号の提供を拒否したのに、自治体がマイナンバーを伝えるのは、個人番号の利用範囲を超えているので
はないでしょうか。
また、番号を事業主に知らせること自体、意味があるのでしょうか?
答弁:施行規則の一部改正により、マイナンバーの記入欄が追加され法令通りに事業者に送付するものです。事業者
に知らせる意味は国から示されていません。
マイナンバ―制度では従業員は事業所からの、マイナンバーの提出を拒否することができるのに、自治体からの通知
書によって、拒否した従業員のマイナンバーが事業費に伝わることはやっぱり問題です。個人の自己情報を管理する 権利が脅かされ、本人の意思でコントロールできなくなることになります。事業所の通知する意味さえ示されていません
D情報漏えいの危険性への認識と対応について 質問します。
事業所に通知書を普通郵便での郵送を予定する区もあるということですが、郵便受けに入れるだけの無防備なやり方
では、マイナンバー、名前、住所、勤務先がセットになった書類が漏えいする危険性がさらに増大するのではないでしょ うか?
誤配達や盗難のリスクがあるうえ、マイナンバー管理者ではない職員が知らずに開封し、他人のマイナンバーを知って
しまうなど取り扱い事故も懸念されます。
マイナンバー通知カードが昨年全世帯に配達された際にも簡易書留が使われました。受取人への手渡しが原則で、不
在の場合は持ち帰りました。しかし、それでも全国で誤配達がおこりました。総務省は、配達方法は示していません、 自治体任せと聞いています。箕面市のおける対応はどうかお答えください。
答弁:「特別徴収税額決定通知書の配送方法」は記録性が高い方法の採用について検討している。
「記録性の高い方法の採用を検討」との答弁でしたが、せめて昨年通知カードが配達されたように簡易書留が使われ
るべきです。
マイナンバー制度での自治体からの「特別徴収税額決定通知書」によって本人の意思に反し頭越しに勤務先に通知さ
れることによって、従業員には本人の意思と関係なく番号が勤務先に伝わり、漏洩の危険が増大する。事業所では、 通知書を管理、取り扱い業務を増やし、経費増に、他の手続きに使うと違法になる。自治体、役所も発送の業務や費 用が増大し通知書から番号が第3者に漏れれば役所の責任にもなりトラブル発生の危険性を増大させるなど個人、事 業所、自治体にもリスクばかりがひろがります。こんな漏洩、紛失の危険性を増やすは、やり方は中止すべきだと申し 上げ1項目目の質問をおわります。
2、芦原池、魚釣り場の撤去について
芦原池、釣りの禁止と釣り場の撤去について、これまでも、委員会審議や一昨日の補正予算の討議の中でも、質疑
や議論がなされてきました。釣り桟橋の撤去のための補正予算も議決されたあとでもありますが、委員会での質疑を 踏まえて一般質問します。
芦原池の「魚つり」場は1988年昭和63年7月19日に芦原公園と同時につくられ7月19日にオープンされ公園とその
直後の11月のメイプルホール、中央生涯学習センター、中央図書館とともに多くの市民に愛され親しまれてきました。 市が、関係機関との協議や市民の要望にこたえて、芦原池に魚釣りができる場を設置されてきたことは、当時の市広 報にも掲載され、大きな反響もよび紹介されてきました。
しかし、平成28年4月から今春からいきなり釣り禁止の張り紙が張られ、釣りをする市民などから驚きの声と市に釣
り禁止の理由を明らかにすることや継続を求める声がよせられてきました。
@水利組合との協議について 質問します。
水利組合が1月22日に要望書・「申し入れ」を出され、突然とされていますが、「申し入れ」の中身は、「1、平成28年3
月末での釣り禁止、2、平成28年12月末での釣り台の撤去、3、同12月末での養魚の撤去、4、平成28年10月から 29年2月末の池さらえ、5平成29年2月末での釣り人が入れない様な柵の設置」であり、「平成28年2月28日までに 返事を求める」ひと月で返事を求める厳しいものでありました。
「30年にわたり、無償で貸与してきているのであるから、芦原池が農業用水として機能するよう処置をしていただきた
い」ともされています。こうした30年間に積もった中身が込められた要望書が市に対して、「いきなり」、「事前の話や協 議もなしに突然に」だされてきたとは、普通の市と覚書を交わしてきた地元水利組合との正常な関係では考えにくいと 思われます。
水路組合の「申し入れ」では「平成28年6月30日が更新時であるので、乙(つまり水利組合)は覚書の第6条2項を適
用する事を申入する」とされていて、覚書6条は「魚釣り施設の敷地及び芦原池の利用期間は5年間とする。期間満了 時に、甲・市、乙・水利組合、丙・財産区 で協議し異議がない場合はさらに5年間延長する」として、これまで延長され てきたものです。2項では「合意が整わない場合においては、この覚書は効力を失い、再協議のうえ新たに覚書を締結 する。」としています。
それまで、水利組合の方々とどんな協議がされ、要望書が提出されて後、どんな協議が、市と水利組合との間でなされ
てきたのでしょうか? 30年に及ぶ覚書を変更し、白紙にさせ、失効させさるような中身の要望書であると思われま す。当然、協議の議事録や記録があってしかるべきだとおもわれますが、協議の議事録はあるのでしょうか?
答弁:先立つ事前の予告や協議など一切なかった。「申し入れの内容は組合として決定したことで変更するつもりがな
い」改めて強く申し入れされ、釣りの禁止を実施し、釣り台の撤去などは調整を継続することとした。議事録は作成して いない。
再 覚書にあるような、再協議と新たな覚書が締結されるような努力はなされてこなかったのでしょうか?
答弁:水利組合としては、すでに変更の余地がない決定事項とのことだったので、市は釣り禁止を決定した。「新た
な覚書を」を締結する必要そのものがない。
答弁では、なぜ、水利組合として「変更の余地のない決定事項」となったのか、経過の調査、調整の中身についての
答弁もありませんでした。
A水質の悪化について質問します。
先の今年の1月22日に出された水利組合の「申し入れ書」には、「理由としては、長年(30年)に渡り釣りエサ、マキエ
等により池の汚泥化が進行し水質の悪化を招き、農業用水としての大幅な機能低下をきたしている。」とされていま す。どう悪化している、してきたと市として認識しているでしょうか?
釣り餌を扱う会社の説明資料では、「エサに使用している原材料はさなぎ、オカラ、オキアミ・小麦など天然、食品素材
100%で、撒かれても魚に食べられ、食べ残しもカニ、タニシ、赤虫など小動物が食べ、さらに残ったエサや死骸など 有機物は微生物、細菌などが、栄養塩に分解、それら栄養塩はプランクトンや海草の栄養となる。釣りエサは自然の 循環サイクルへ入ってゆく」と説明されています。 水質悪化の原因はつり餌といえるのでしょうか?
答弁:水利権を持つ水利組合から申し入れを受けたもので、市は水質については判断していない。
再 これまでの5年ごとの協議の中で、更新の手続きのなかで、こうした、釣り行為の禁止や水質改善等の要望を水利
組合から受けてきたのか?
答弁:5年ごとの協議において、平成5年と平成16年に芦原池の浚渫要請を受け浚渫を実施しています。
これまでの5年ごとの協議がおこなわれ、少なくともH16年までは、市と水利組合の関係ができていた、良かったのかと
思われます。なぜ、水利組合との関係が悪くなったのか、今の答弁では、全く理解できません。
次に
B池さらえについて 質問します。
先の水利組合の1月22日の「申し入れ」の理由には「約束の池さらえも一度もされていない。30年間にわたり無償で貸
与してきているのであるから・・・箕面市としては芦原池として農業用水として正常に機能するように処置をして頂きた い」とされています。
ここで言われている「池さらえ」とは何でしょうか?いま、白島の薩摩池では、池底まで、水を抜いて、天日干しするよう
な「池さらえ」が行われています。
市が行った浚渫とはどこまで水をぬき、池をさらえてきたのか?池さらえといえるのでしょうか?
答弁:池さらえはため池の水を抜いて行う。方法は水利組合と協議し、過去に行った際も池の全て水を抜く作業は
行っていない。
全ての水を抜く作業は行ってこなかったとのことですが、
再質問 この間、この池と長く共に親しんできた市民の方々数人から、「水中にある水門が操作の手違いで壊れたた
め、水が抜けなくなった」とお聞きましたが、すべて水を抜く、いわゆる「池さらえ」ができなくなったのはなぜでしょうか? 把握できているのでしょうか?
再 水利組合はこうした、過去2回、H5年、16年の浚渫で同意されてきたのでしょうか?
仮に同意され、協議が更新されてきたのなら、今回の、申し入れの理由にどうして「池さらえも一度もされていない」
とされているのか?水利組合の「申し入れ」は事実誤認、事実を誤った中身となるではないかでしょう?誤った中身で、 協議がなされ、一方的に協議を打ち切りならば、覚書10条「協議する必要が生じたときは、そのつど誠意をもって協議 し解決するもとする」との趣旨にも反するのではないか?
答弁:全ての水を抜くか否かは、水利組合が判断する。「十条は」覚書に定めがない事項の協議で、指摘は当たらな
い。
定めがないものについてまで「10条」で「誠実に協議する」とされているものです。定めがある、釣り場や池の維持管
理について ならば、なおさら「誠実に協議すべき」ではないでしょうか?
水中の水門の件も答弁なし、「一度も池さらえがなされていない」ことについても事実誤認、確認ができない、水質の悪
化も確認していない・・・。となれば、市は一体、何を水利組合の方々とこれまで関係をつくりやり取りしてきたのか。全く 説明になっていません。
C釣りをする市民との協議について 質問します。
釣りをする市民の方々は、魚釣り存続の要望を続けられ、7月末から8月に市の公園緑地室に要望をされ、8月16日に
は「釣りを楽しむ会」から「芦原公園での「釣り池」存続を求める要望書」や約300人の要望署名を提出されてきました。 その時の市の担当職員は「水利組合と協議中であり、9月10月にも協議の機会がある。水質が汚れたと言われてい る」などと説明し、「釣りの愛好家で池の清掃や管理ができるどうかの検討など」旨の中身を発言していました。8月か らの釣り市民への対応はどうだったのでしょうか?
その後、釣りを楽しむ市民らは、「芦原池釣り同好会」をつくって趣旨書などを市に提出するなど存続に向けた動きをす
すめられました。活動内容として「釣り場の美化、環境保全活動。魚釣りを通じての親睦、人間関係の向上、子どもへ の命の大切さの教え、釣りの楽しさの体験を掲げ、マナーを守って、池の安全や見守りにも配慮する」などとされていま す。
しかし、9月以降、釣り愛好の市民らにはなんら連絡もないまま11月に、同好会側から市に問い合わせると、市は、水
利組合の「意向」で、「釣り池は存続ができない」と繰り返すばかりの状況になりした。そして、12月議会には、釣り場の 撤去の工事費まで予算に計上することまですすめ、市民活動や同好会の提案も全くなかったかのような市の対応に釣 りをする市民の方々は驚いています。この間の、釣り市民への対応はどうだったのでしょうか?
同様に、水利組合に対しても市は「池さらえ」、「水質を守る」、約束を果たしてこなかったのではないでしょうか?
答弁:8月の要望書には、4月からの釣り行為の禁止を説明した。一貫して禁止への理解をもとめ、理解を示されつ
つあると認識している。池さらえなどの約束は覚書に基づきH5年16年に浚渫を行っている。
この間の4月に釣り禁止を張り出した市の対応に、釣りをする市民の方々は、理解など示されてはいません。水利組
合との関係もH16年の浚渫後の今年1月までの対応こそ、どうだったのかが問われているのではないでしょうか?
再質問 覚書の第7条には管理事故責任(事故が起きた時の責任)があり、「日常的な管理は甲・市が行い、管理上
生じた人身事故については、甲・市が責任を負うものとする」とあります。覚書が6月30日で失効されたとするなら、こう した責任も市にはなくなるということでしょうか?
答弁:平成28年6月30日に覚書は失効しており、内容の効力も消滅している。
再質問 水利組合の申し入れについても、「釣りエサが水質悪化の原因」「池さらえを一度もしていない」の二つの理
由が事実に基づかない理由であるなら、誤った理由と認識で、30年近く市民に親しまれてきた芦原池の活用の在り方 が、大きく変更されることには納得ができるものではありません。問題はもっと他にあるのではないでしょうか?水利組 合として市に対して「けったくそ悪いことがある」。こうした言葉がこの間、この問題で端々で聞かれました。それが、何 なのかは明らかにされていません。そのために、長年、市と市民と水利組合でつくってきた近隣に類のない市民が育ん できた公園づくりから市は手を引こうとしていることになります。 誠意ある協議をしっかりやりなおすべきではないでし ょうか?
答弁:権利者の水利組合から釣り行為の禁止の申し入れを受けて釣り禁止を決定した。
再協議を行う予定はない。
答弁は、権利者の水利組合からの申し出で、釣りを禁止しることになったと繰り返すだけで、水質の悪化と池さらえの
二つの理由も、疑わしいのに水利組合との協議の中身も、調査、調整の中身も一切説明されることがありませんでし た。そのうえで、水質が悪化したなどと釣りをする市民に責任を押し付けることは許されません。
補正予算の修正提案での討論でも述べましたが、1988年、S63年7月19日に釣りも楽しめる公園として芦原公園がオ
ープンし、同年の11月3日、文化の日には、メイプルホール、中央図書館、中央生涯学習センターの誕生で「箕面の新 しい文化を創造しコミュニケーションをひろげる場として価値あるものとして育てていってください」と当時の「もみじだよ り」で呼びかけてきました。それから30年間、市と市民と権利者である水利組合の共同で文化ホール、図書館、公園、 そして釣りができる池が一体になって芦原公園をつくってきたのです。どこでどうすれ違ってきたのでしょうか?
箕面市は、特にH16年の浚渫以後、水利組合はもとより、釣り池を守り、釣りをする市民などとともに、芦原池の維持
管理と釣り池を守ることやこの公園での社会教育の発展にいかに努力してきたのでしょうか?
仮に水利組合から、今回の釣りの禁止の申し入れがなかったとして、本当に釣り池を存続させようとする気があったの
でしょうか?そんなことまで思もわせる答弁です。
改めて箕面市として社会教育と文化の発展、スポーツ、健康増進などの立場でこの芦原公園を育てる立場に立つのか
どうかが問われていると考えます。その立場にあるなら、今後、釣りをする市民への協議や納得のゆく説明を続けてお こなうべきです。
そして、引き続き、釣り再開に努力すべきであると改めて述べて私の一般質問を終わります。
日本共産党 名手宏樹 一般質問 2106年10月27日
1、市長所信表明について
日本共産党の名手宏樹でございます。9月15日におこなわれた市長の所信表明について6点質問します。
@子どもの医療費助成や医療費助成制度について 質問します。
箕面市では、今議会で可決され、子どもの医療費助成制度を高校卒業までにあたる、18歳の3月31日まで引き上
げられ大阪府内でも最も進んだ一つである子ども医療費助成制度が実現しました。私ども日本共産党も、一昨年の代 表質問に続き、今年の代表質問でも繰り返しその実現を求めてきましたが、子どもが病気になっても、安心して利用で きる制度として高く評価するものです。
しかし、大阪府は、子ども医療費助成制度の対象年齢を15年度に就学前6歳まで引き上げましたが、14年に約36
億円だった市町村への補助金を15年度は40億と試算していたものを、所得制限を厳しくしたことで約3割が府の補助 対象から外れ、約34億円にとどまりました。箕面市としての府の補助額はどう変わったのでしょうか?府に対して、対 象年齢の引き上げや、所得制限の撤廃など要望してきたのでしょうか?さらに。国に対して、制度の創設をもとめるべ きです。
いま大阪府は、子ども、ひとり親家庭、障害者、高齢者の経済的負担を軽減する福祉医療助成制度の対象者を精神
障害者や難病患者に拡充する一方で、患者負担額の引き上げを検討しています。現在は入院通院ともに1日500円 で薬代の負担はなく同じ医療機関であれば月1000円が上限です。これを府は薬局でも500円を負担し、月の上限を 撤廃しようとしています。さらに複数の医療機関にかかった場合の月の負担上限2500円も4500円程度に引き上げ られるとみられます。
こうした大阪府の改悪を許せば、箕面市の「安心して医療にかかれる」進んだ医療費助成制度が、ないがしろになる
ものです。府に対して、医療制度の改悪の中止を要望してきたでしょうか?
さらに、子どもだけでなくこれまでのひとり親、障害者、高齢者の医療制度を改悪することは、多くの市民に負担を強い
るものです。府は「対象者の拡充に伴う増額分は受益者負担で」としていますが、病院に通う必要のある方が通うほど 負担が増える制度であり、受診抑制が必ずおきることになり、重症になれば、かえって医療費の増額になりかねませ ん。子ども医療費だけでなくひとり親、障害者、高齢者の医療費の府の制度改悪に対して市としても声を上げるべきで す。以上答弁をもとめます。
答弁:
子ども医療費の拡大については府にも国にも要望しているとの答弁でしたが、大阪府の今検討されている「子ども、
障害者、ひとり親、老人」いわゆる4医療費の制度の見直し、改悪については「改悪とは認識していない」「検討可能性 を排除すべきでない」「具体案を踏まえて対応方針を検討」との答弁でした。
これまで同じ病院、診療所なら何度受診しても月千円以内でしたが、大阪府の今回の見直し案では月3千円、4千円か
かることになります。患者、市民にとっては改悪です。これでは健康が守れません。精神障害・難病者への対象拡大に 必要な費用は、府全体で20億円程度 府の一般会計、年3兆円のほんの一部のやりくりで可能です。大阪府の予算 を家計にたとえれば月コーヒー一杯分程度です。市としても府に改悪をするなと声を上げるべきです。
次に
Aスポーツ施設の再生や室内温水プールの新設について
@現存のスポーツ施設の改善改修について、質問します。
私も幾度となくこれまでも議会で取り上げてきました。体育館の床改修、雨漏り、トイレの様式化、壁の塗装の剥離、
空調設備の故障など「スポーツ施設の再生と変化の実感について」現状の認識と現状の施設をどう改修するかお答え ください?「再生」とは?どうされようとしているのでしょうか?
答弁:
再質問:「スポーツ施設の現状は改修要望の多い施設との認識」との答弁でした。しかし現状の施設をどう改修するか
の質問には答弁がありませんでした。体育館の床改修、雨漏り、トイレの洋式化などすでに今年度に予算化し計画して いると説明のあったものも含まれていると考えられますが、改めて具体的な中身について答弁を求めるものです。
答弁:
各スポーツ施設の課題となっていた改修がこれから行われようとしています。前の質問の答弁であった「利用者にも一
定の負担を得ながら長期スパンでの計画的改修をしてゆく考え」については、計画的改修は当然ですが、「利用者の負 担」については、あくまで利用者への説明と理解と同意が欠かせません。簡単に口にすべきではなく、慎重に丁寧に対 応すべきです。
次に
A健康増進と体力づくりの屋内温水プールの新設について
これまで幾度となく、温水プール建設の要望があり、ライフプラザ計画際や稲の旧清掃工場跡地への計画などこれま
でも幾度かの計画がありました。さらに、民間の温水プールの一部を市が借り上げ、市民利用の補助を行う施策もお こなわれては廃止されてきました。今回の市長の新設の表明では、室内温水プールをどこにどう計画するのでしょう か?
B自転車走行レーンの設置について
「自転車走行レーン」と安心して歩き、自転車で走れる環境について 質問します。
2015年6月、危険行為で2回摘発された自転車運転者に講習を義務づける改正道路交通法が施行され、「自転車のル
ール」にいま、注目が集まっています。自転車は「軽車両」であるため、車道と歩道の区別がある場所では原則として、 車道の進行方向左側を走らねばなりません。守らないと、「通行区分違反」の危険行為として摘発される可能性があり ます。また「自転車専用通行帯(自転車レーン)」がある場合、自転車は原則としてそこを走らねばなりません。
しかし、箕面市の自転車レーン実験区間では、青いマーク自転車レーンの上をたくさんの車が通る状況です。せめ
て、自転車レーンと車のレーンを分けるラインを設けるべきではないでしょうか?
今年度予算で新たに自転車走行レーンが設置される計画ですが、箕面駅から牧落駅への自転車道の設置での状況
はどうでしょうか?
一昨年に行われた自転車レーンを設置するために箕面駅北から西口に向けての歩道の撤去工事では、撤去に反対
する市民の署名が周辺住民からだされました。箕面市は、自転車レーンを設置し、これまでの歩道柵を閉鎖して通行 人が通ることができないようにしましたが、閉鎖した歩道柵の道路側を通行人が歩行し続けました。また歩道を撤去し たため、道路幅が広がり駐車する車が増えるなど、かえって危険になった近隣市民から指摘されてきました。その後、 市は、歩道の柵を一部開けて残った歩道の一部を通行できるようにしましたが、自転車レーンの設置や歩道の撤去 は、自転車走行者にとって、歩行者にとって、安全になったでしょうか?また、この工事について、全体の道路整備計 画ができたのちに、歩道の撤去に反対した市民や近隣市民に説明をすると表明してきましたが、説明はいつどのよう な形で行われるのでしょうか?
答弁:
「十分な幅員が確保される場合はラインがひかれるが、幅員が確保できない場合はや羽根型路面標示で自転車の走
行空間を視覚的に誘導する整備手法をとりいれると」の答弁でしたが、それなら幅員が狭い道に車と自転車が交錯す ることになりまねません。これでは、自転車走行に危険が増すことになりかねません。
また、箕面駅北側の歩道撤去と自転車道の設置について21日に説明会がおこなわれたとのことですが、「一方通行
の道路を逆走して車が入ってきて月に3回も注意することにでくわした、これまで問題のなかった道路で問題を起こした のは行政の方だ」と地元の住民の厳しい声が寄せられています。今回の説明会が単なる一回だけのセレモニーにされ るのではなく、地元住民が出された意見要望をしっかり受け止め、今後の安全対策に反映させるよう要望するもので す。
次に
C道路ネットワークの再構築について
"ミッシングリンク"の抜本的解消をめざした道路ネットワークの再構築について
そもそもミッシングリンクとはなんで、具体的にどこの道路をさすのでしょうか?道路のネットワークの再構築とはどこ
にどう道路を建設してどこに繋ぐネットワークを再構築されようとするのでしょうか?
答弁:
都計審の審議をへて100年たっても安心の道路ネットワークの再構築の検討とのことですが、100年後は人口の減少
していることは否めません。過大な街づくりと道路ネットワークはその必要性が問われます。しっかりとした交通量予測 をもとに検討を要望するものです。次に
D船場地区への学校新設と校区調整の検討について
船場地区へのどこに学校を新設するお考えでしょうか?また、校区の調整は、北小、萱野北小、萱野小、中小、萱野
東小学校や5中、2中、4中など広範囲に影響を及ぼすと考えますが、校区の調整をどのような考え方で、どう検討を 行なおうとするのでしょうか?答弁をもとめます。
答弁
設置場所も校区調整の手法も未定ということです。ただ、様々な情報を耳にします。学校建設や校区の変更は市民
生活や教育に大きな影響を与えます。言葉だけの先行ではなく、正確な情報の発信と公開の場での議論としっかりとし た検討を求めます。
最後に
E北大阪急行線延伸の本体工事のスタートについて
4回の工事説明会が、10月15日までにおこなわれました。今回の説明会は、府の工事認可が出て行なわれたのも
のでしょうか?認可が出ていないなら、工事認可後、詳細な資料をもとに改めての説明会を行うのでしょうか?
工事に伴い、車線が2車線、1車線になる場合があると聞いていますが、そうなれば工事による渋滞がひどくなることが
予想されます。朝夕は通勤車両に加え、通勤バスも頻繁に通行し、かなりの渋滞になることも懸念されます。渋滞対策 は、どうでしょうか?
また、通常の昼間の工事だけでなく、夜間、深夜、朝まで及ぶ工事も行われることも説明されました。建設のための
ヤードが沿線に数ヶ所設置され、ヤードからの物品の運び出しもおこなわれることも明らかになりました。周辺住民へ の影響はどうでしょうか?
また、延伸の事業費は、650億円、箕面市の負担は185億円とされてきました。延伸の工事費はいくらかかるので
しょうか?さらに、14年のアウトラインから見直しされた、16年4月の事業費の変化により、鉄道延伸以外の船場、箕 面を中心に街づくりに市が負担する事業費はいくらと計画されているのでしょうか?
答弁:
工事説明会は、「都市計画法に基づいた事業認可」に基づき、法定の説明会を開催された」ということでした。市民向
け説明は、法に基づいき事業認可がおりたことにもとづき行っていると理解しますが、「北大阪急行株式会社は、施工 認可を、国に申請中である」とも聞いています。その内容は専門的な内容となるとのことのようですが、工事は周辺住 民の方々には大きな影響を及ぼすものと考えられます。今回の工事説明にとどまらず周辺市民を中心に今後も説明 会などおこなうことを求めます。
また、車線が1から2車線に減少するのに「大きな渋滞や混乱はない」との答弁はとても理解できるものではありませ
ん。
再質問については
再質問:
北急延伸そのもの事業費、大阪大学外国学部移転に伴う跡地の購入計画の債務負担行為と新船場駅周辺の街づく
り、新箕面駅周辺の街づくり、の合計で事業費はいくらになるのでしょうか?この点ついて改めて答弁を求めます。
答弁:
北大阪急行延伸にともなう鉄道事業と新船場、新箕面の街づくりにかかわる「市負担合計額は、最大で約500億円の
見込み」と答弁でした。2014年4月の「船場地区におけるまちづくりの事業費と事業効果」によるとアウトライン時の市負 担65億7千万円から最新の市負担では185億6千万円へ119億9千万円の増額となっています。
北大阪急行線の延伸では、平成22年から平成25年まで市民に説明されてきた事業費が420億円だったのに平
成26年初めには600億円に、車両費を含めて650億円に膨れ上がりました。
平成25年までの市民への説明とは、説明なしに大きく変わりました。国、府、市の負担は240億円から520億円に、
車両費を含めると570億円にもなりました。箕面市の負担が185億円となりました。
一方、北大阪急行鉄道の負担は179億円だったのが80億円へ、半分以下に減額になりました。鉄軌道整備事業
者の負担では、たとえば京阪中之島線では37%、阪神なんば線では38%です。今回の北大阪急行延伸では12%し か鉄道事業者は負担していません。市の負担を抜本的に減らして、北大阪急行会社の負担を求めるべきです。そし て、コミュ二ティバスなど身近なバス交通の拡充を進めるべきです。
また、答弁では、鉄道事業者の負担増による市負担額の縮減、箕面船場、新箕面駅の二つの駅の市負担額の縮
減、97億8千万円の大阪大学箕面キャンパスの土地等の取得にかかわり施設整備については市負担額の縮減を進め る」としましたが、
大阪大学箕面キャンパスの船場移転計画では、大学図書館を箕面市がつくるという計画まで出されてきました。先
の「船場地区における街づくりの事業費」では、阪大箕面キヤンパス移転に合わせた新規事業は64億2千万円とされ、 阪大箕面キヤンパスの土地取得費と合わせると162億円にもなります。これら関連事業は白紙にもどし、事業のさらな るコンパクト化をおこない、市民の暮らし、福祉、医療、介護、教育、そして防災対策の拡充の財源へと使うことを求 め、質問をおわります。
日本共産党 名手宏樹 一般質問 2106年6月27日
日本共産党の名手宏樹でございます。地域の市民の方々からの安全対策に関する要望について大綱4項目 質問い
たします。
1、百楽荘から桜井へぬける都市計画道路 桜井石橋線
阪急踏切の歩道の改善について
@都市計画道路の目的と道路の空地について 質問します。
2015年、昨年7月から都市計画道路、桜井石橋線が整備、供用され、車、自転車、歩行者の通行がはじまっていま
す。
新たな百楽荘側に都市計画道路ができて、都市計画道路に車を誘導するために、それまでの道路敷きが、道路とは
区別されたバリカーや柵などで囲まれた空地があちこちにできました。従来からの道路形状が大きく変わったこともあ りますが、「通行するのに危ない」との声があります。この、道路の目的と空地の目的についてお答えください。
市答弁:平成27年7月にまっすぐ行動171号に接続する最終の線形で整備を終え供用開始した。空地すなわち歩道ス
ペースを広く設け、ドライバーの視認性確保や歩行者の安全性、利便性の向上を図った。横断柵やラバーポールで車 が歩道内に乗り入れないよう安全対策に万全を期している。
ドライバーからの「視認性確保」とは車からの見通しがよくなったということです。確かに見通しはよくなりましたが、道
路の形状の大きな変化や横断防止柵やラバーポールは、車から通行の歩行者を守るためですが、人や自転車などぶ つかる恐れがあり、通行に危険との声があります。引き続き状況の把握をお願いします。
A踏切内の構造について
この都市計画道路と阪急箕面線が交差するこの牧落踏切の踏切内の構造は箕面線が大きくカーブし、2つの線路が
あることで、2か所で大きな凹凸ができています。通行の車は車体を大きく揺らしながら通行しています。自転車や歩行 者もこの凹凸をこえての通行です。歩行者や自転車との接触事故も懸念されています。この点でも、危険な踏み切で す。カーブで電車の車両の傾き、この凹凸が車両のバランスを保つために必要だとは認識していますが。この踏切内 の構造上の形状の改善はできないのでしょうか?
市答弁:「カント」による凹凸が生じている。電車が曲線を走行する上で必要なもので、改善できない。
電車の運行の安全運行のために必要ということですので、このカーブの形状からもカントによる凸凹ができることは十
分理解ができます。同時に車や歩行者の安全対策も図られるようにしていただきたいのです。
B歩道の設置など安全対策について
都市計画道路の整備にともない、百楽荘側には広い空地とともに広い歩道が確保することができました、ところが、こ
の歩道をゆくと踏切の線路内を囲む黄色の囲いにぶつかり、「歩道がなくなる」状況になっています。そのため、北側の 歩道を歩いてきた歩行者や側道を走行してきた自転車は、桜井訪問へ通過するためには、危険な踏み入りの真ん中 を、車や人の通行を避けながら通行する状況が多々みられます。朝夕の通勤、通学の時間帯は頻繁に人、自転車、 車がこの危険な踏切を通過するのです。
こうした状況を改善させるためには将来的には踏切の拡幅が必要ではないでしょうか?市の見解をお聞かせください。
また、ふみ切り内の両サイドに白線を引くなどの歩道の設置が必要ではないでしょうか?
他の踏切には歩道が設置されているでしょう?
また、道路北側から桜井方面への通行が特に危険なため、百楽荘側には事前に道路南側に渡る横断歩道の設置も
必要ではないでしょうか?
市答弁:限られた幅員の中で、両側に黄色の線を明示し、歩行者が線路内らないよう対策している。踏切の拡幅は、
将来的な事業実施の必要性を見極める。踏切西側について、変則三差路について警察と協議し改良工事を実施しよ り安全な交差点形状とした。
踏切内の黄色の線は、歩行者が線路に入らないよう注意を促すための線です。この牧落踏切内には、歩行者や自転
車が安全に通れる白線はありません。また、「より安全な交差点形状」との答弁ですが、踏切西側の桜井方面の踏切 の直近には、白線はあっても歩行者用の歩道と呼べる幅は確保されていません。また、牧落駅方面へは、歩道もなく、 牧落公園線をそのまま道路を横切らざるを得ない形状です。
6月24日、先週の金曜に踏切東側の171号線方面へ数十メートル下った途中に横断歩道が設置されました。地元の要
望が実ったもので改善の一つとして、箕面警察にも粘り強く働きかけていただき設置されたことには喜ばしいことであり 感謝もいたします。
しかし、百楽荘方面から桜井方面へ向かう朝夕をはじめとする通学、通行者にとってはその南側の横断歩道にまで回
り込むことはないでしょう。この踏切と交差点を通過する交通量の多い朝夕は、もともと危険な踏切内がまるでスクラン ブル交差点状況になっています。交差点も踏切もこれまであったものであり、時計道路整備で、百楽荘側の歩道が広 がったために顕在化した問題点かもしれません。しかし、その百楽荘側からの歩道が踏切内でなくなることや、踏切を 渡った先には歩道が整備されていない状況は「歩行者のための道路になっていない」の声がでて当然です。踏切の拡 幅を含め、桜井駅、牧落駅方面への歩道の設置などこの踏切と交差点でのさらなる安全対策を要望するものです。
2、紅葉ケ丘橋の低い欄干に転落防止の防護フェンスにつ
いて
@安全対策について質問します。
新稲3丁目1−1付近の市道で箕面川の西からの支流にかかる「紅葉ケ丘橋」という小さな橋があります。この橋の欄
干の高さが低く、「欄干に歩行者、自転車などが接触したりして、橋の下に転落でもすれば、死亡事故になりかねない」 との指摘をいただきました。現地に行ってみると、橋の幅も狭く、確かに欄干は大人の膝くらいしかなく、橋の下を覗い てみるとかなり高く、岩がむき出しです。橋は幅も狭く車を避けて、子どもや高齢者などなどバランスを崩し、転落でもす れば大事故になりかねません。すぐ近所の、マンションへつながる橋には、低い欄干の上にしっかりフェンスも設置され ています。早急な対応が必要ではないでしょうか?
市答弁:H27年3月に市民から同様のご要望をお聞きした。すでに対策に動き出している。優先順位基準に基づき年度
内を目途に防護策を設置する予定。
すでに、市民要望もあり、検討がすすめられ年度内に防護柵が設置されるということですので、よろしくお願いいたし
ます。ただ答弁で気になったのは、1年以上前に市民要望を受けながら、設置が今年度内ということですので、優先順 位の基準があるということですが、年度いっぱいなら結局2年もかかることになります。安全対策上優先度が低いという 判断でしょうか?早急な対策にはなっていないと感じます。危険なところはここだけではないということでしょうが、早急 な安全対策をもとめて次の質問を進めます。
3、公園に設置されている防災倉庫について
箕面市が管理する備蓄倉庫は、防災活動全般に関わる資機材等を備蓄する、市役所倉庫である牧落倉庫、応急
的に市民へ供給する生活物資を保存する百楽荘のNTT倉庫、
そして、避難所で使用する資機材を中心に備蓄する、市内13校の市立小学校の地域備蓄倉庫があります。こうした備
蓄倉庫は、毎年の防災訓練の際には訓練に参加される市民にも公開されて点検されていると思います。
それ以外にも、比較的大きな公園には大災害時に自治会で使用する防災資器材が入っているベンチ型の防災倉庫
が設置されています。表示では消火器、救助用ロープ、ジャッキなどが収められているとされています。発災時には、ま ず、最も身近なこうした防災倉庫が活用されなければならないのでは考えます。
@目的について
まず、このベンチ型の防災倉庫の設置の目的についてお答えください。
市答弁:
地域における大地震発生直後の一時的な集合場所であり安否情報の集約や救助活動の活動拠点の位置づけである
なら、なおさら、災害発生直後のこの地域防災ステーションの緊急の活用が重要となります。
A鍵の対策について
この、防災倉庫は、番号式の鍵がかかっていて、いざというときの活用のために、鍵のナンバーを知り、鍵を開けるこ
とのできる体制はどうなっていますか?
また、鍵の掛かっている位置が、膝下くらいの位置にあり、雨風や暴風が激しい時に、大規模地震を想定されているよ
うですが、夜中などあたりが暗いとき、地震や火事など緊急を要するとき、例えば高齢の役員が懐中電灯などをもって 鍵を開くことなどを想像すれば、活用が迅速にできるのか不安になるとことです。さらに、鍵が固く固定されているもの もあり、ナンバーを見やすく引き上げることすら困難な錠前のとこともありました。
市答弁:
ベンチ型なので、鍵が低い位置にあることは致し方ないかと思いますが、鍵前の可動性はなく、固く、ナンバーを合わ
せるのが困難な構造になっているステーションもあるとのことですので、確認して改善をお願いします。
B管理と運用について
いざというときに活用できるように、鍵を開け、防災倉庫の中身を確認したり、活用の仕方を確認するなどの、日頃
からの管理と運用のされ方や市の方針などはあるでしょうか?
市答弁:
答弁にありましたように自治会役員は毎年のように交代します。ステーションの使用方法、資器材の点検などの説明
会などをおこない、いざという時の有効活用ができるように管理と運用をお願いいたします。
4、防災放送装置の現状と改善について
防災放送装置、行政防災無線について質問します。
@設置場所について
ホームページでは市内44箇所に防災スピーカーの設置が公表されています。以前から、この防災スピーカーは、44か
所設置されていたのもでしょうか?ここ近年は、防災訓練の際や防災情報などをおしらせするために頻繁に活用され ています。この間、増設されたものがあるのでしょうか?設置場所が変更になったものはあるのでしょうか?設置場所 の経緯についてお答えください。
市答弁:
A音の改善について 質問します。
市のHPでも「防災スピーカーからの放送やサイレンが聞こえない」「音は聞こえるが何を言っているかわからない」と
いうご意見を多くいただいています。現在、改善作業をおこなっていますので、今しばらくお待ちください。」とあります。 改善はなされたのでしょうか?FM放送で確認をすることは大事ですが、雨風の音でスピーカーの音が聞こえないので は、防災スピーカーの役割が十分果たせているとは言えないのではないでしょうか?
市答弁:
「防災スピーカーは、あくまで風水害時に家の中まできこえるつくりでなく、屋外の方に危険を知らせるものである」と
いうことですので、その役割が限定的にならざるを得ません。まして、スピーカーの周りやスピーカーからの音の広がり の先に障害物があっては本来の聞こえる範囲にも届きません。
B日常の管理について質問します。
唐池公園の北西側に設置されている防災スピーカーは、「スピーカーの周り、特に南に、樹木が繁り、音の広がりが
ふさがっているのでは」と、近隣住民や自治会の方からの指摘があります。日常的な状態の管理についてお答えくださ い。
市答弁
質問でのべた、唐池公園の防災スピーカーは、先にも述べたように公園の北側にあり、スピーカーの南側には樹木
が繁り、ちょっとした森になっています。この木々が揺れ公園南側の住民にはほとんどうまく音が聞こえない状況なので す。機器による音の不具合はもちろんですが、木々の繁る状況でスピーカーの音がとどかないがあることが指摘されて います。現地調査の上、対応いただきたいと申し上げます。
以上、踏切交差点の改善、低い欄干からの転落防止、防災ステーションや防災スピーカーの改善はどれも、市民の
安全を守る提案です。ぜひとも今後早急に対応いただきますよう申し上げ、私の一般質問を終わります。
日本共産党 名手宏樹 一般質問 2016年3月28日
1、地域経済の振興について
アベノミクスの「成長戦略」は産業の国際競争力の強化のためとする、国家戦略特区をはじめ大胆な規制緩和で
「格差と貧困」の拡大をもたらしています。さらに、「地方創生、まち・ひと・しごと創生総合戦略」は、「世界で一番ビジネ スのしやすい環境」づくりを地方を舞台にすすめることに主眼があることも明になっています。
また、2015年6月に閣議決定された「まち・ひと・しごと創生基本方針2015」では「稼ぐ力をひきだす」ことを重視し「生産
性を向上させ、今後の中小企業・小規模事業者政策の在り方について」の意見をまとめるよう中小企業政策審議会に 諮問しました。その問題意識はGDPが目標通り伸びないのは「中小企業の生産性が低いから」とする内容でした。
しかし、国内事業者の圧倒的多数を占める中小企業の売り上げが伸び悩んでいるのは、個人消費が弱いためで、
消費税の8%への増税の影響から抜け出せないばかりか、「社会保障と税の一体改革」のもと、介護・医療の負担増 など社会保障制度の改悪が続いていることもあげられます。消費が低迷するなか、厳しい価格競争を強いられ、利益 もあがらないため、設備投資など進まないのは当然です。
代表質問でものべたように、全事業所の99.7%が中小企業、全就労者の約70%が中小企業に就業しています。
このうち常時雇用する従業員5人以下(製造業、建設業、運送業等では20人以下)の小規模事業者は全事業所の8 6.5%を占め、従業員数の25.8%を占める大きな存在です。
中小企業は少ない売り上げやもうけで、多くの雇用を生み出し、地域経済を支えているのです。その、中小、小規模
事業所に光をあて支援することが地方自治体の役割です。
@市内業者の実態と経済影響調査について
先の日本共産党の代表質問への市の答弁では、「箕面市内の従業者数4人以下の事業所数は、平成24年度2,38
1、平成26年度2,483と、2年問で102事業所の増で、実態や要望の把握につきましては、融資制度の紹介や斡旋 業務のなかで聞き取りに努める」というものでした。
先の国の「創生基本方針2105、中小企業・小規模事業者政策の在り方について」では、09年〜12年で中小企業・小規
模事業者は35万人減少し、70歳以上の経営者が75万人を数え、黒字企業は、目標の140万社に対して80万社、大企 業は利益を拡大しているが中小企業の売り上げはのび悩み、非製造業の生産が停滞し、要因は設備の老朽化にある などとしています。2014年に制定された小規模企業振興基本法は第11条で「政府に実態を明らかにする調査を行い公 表すること」を求めています。第9条では、「国、地方公共団体は相互に連携・協力する」としています。箕面市での、把 握されている消費増税など経済状況の市内事業者の実態をお答えいただくとともに、十分把握されていなければ、影 響調査をおこない市内事業者の実態を把握すべきです。
答弁:
箕面市では実態調査を行う予定はないとのことでしたが、政府が出している「小規模企業白書」2015年4月も、独自の
調査ではなく、これまでの資料を流用し第1回目の白書を作成したものです。それでも実態に迫る貴重なよりどころとな っています。国は、毎年、中小企業白書、H27年度からは小規模企業白書を発表しています。箕面市としても国の経済 センサス調査の資料で明らかとなった市の実態を毎回公表すべきです。また、自治体独自に実態調査をおこなった市 ではこれまでの政策を動かすターニングポイントとなっています。引き続き、独自の実態調査を行うことをもとめます。 次に
A地域産業振興条例について 質問します。
2014年6月の「小規模企業振興基本法」の制定により小規模企業支援が自治体の責務と位置付けられ振興条例の
制定がすすんでいます。これまで施策の対象として光が当たらなかった従業員5人以下の事業所に焦点があたりまし た。基本法7条では自治体の責務が明記されています。全国商工団体連合会の調査では、2015年現在、中小企業・小 規模企業振興条例は、39道府県145市町村で制定されています。これまでよりより具体的な施策についてのべた条例 になっているのが特徴です。
大阪府での条例の特徴や、府内市町村の条例制定の動きなどの状況についてお答えください。箕面市での条例制定
の検討を求めるものです。(府内においては、13市で中小企業の振興に関する条例が制定されています。)
答弁
小規模基本法は、小規模企業支援の「基本計画」の策定を自治体の「責務」としています。これまでの理念的な中小
企業振興のみならす、「小規模」5人以下の観点から小規模企業振興条例の制定やそれに至らなくても、支援の「基本 計画」の策定を求めます。次に、
B住宅リフォーム助成制度、商店リフォーム助成制度などについて 質問しま
す。
「仕事の確保」「事業の継続への支援」「後継者問題」の3つを解決する特効薬は仕事があることです。その特効薬と
して経済効果も実証されているのが「住宅リフォーム助成」やその商店版「店舗・商店リフォーム助成」です。「直接の経 済効果だけでも15倍」秋田県など紹介されていますが、安倍内閣が3.5兆円の経済対策盛り込んだ2014年度の補正予 算で3200億円の「地域住民生活等緊急支援のための交付金」のなかでも全国で「地域消費喚起・生活支援型」としてリ フォーム助成として活用されました。プレミアム商品券事業が、「限定的、一過的、一時的」だったと消極的評価が多か ったのと比較すると「店舗リニューアル助成」では、店を元気にし、お客さんに喜ばれ、地域に仕事が回ると「三方よし」 の制度だと、地域経済活動が活発になり、税収も増え、自治体にとってメリットがある制度です。
2013年度全国商工団体連合会・全商連の調査では全国で、県段階で5県、市町村では、1741の内、36%、623市町村
で実施、大阪府内ではまだ極端に少ないものの、藤井寺、貝塚市、熊取町で実施しています。箕面市でも改めて導入 の検討を行うべきです。
また、箕面市では、豊中市、池田市、吹田市、茨木市、豊能町、能勢町にあるような耐震化、バリアフリー、省エネルギ
ー、環境対策、防災対策などに関する支援制度、たとえば、住宅改造助成事業、民間建築物耐震診断補助事業など 独自の支援制度があるでしょうか?地方公共団体における住宅リフォームに関する支援検索サイトでの検索には出て きません。
答弁:
耐震については、箕面市にも、耐震診断と改修の補助制度があることが理解しました。府のHPでは「府内の市町村と
共同で、木造住宅の耐震診断・設計・改修工事にかかる費用の補助を行っています。(市町村を通じて、国費、府費を 含めて助成をさせていただいております。)」とあるように、府の制度をバックボーンとした制度だと考えられます。住宅・ 店舗リフォーム助成は、依然として設ける考えはないとしていますが、学校大規模改修が一段落し、仕事が少なくなっ たとの声もお聞きします。地域の小規模業者に仕事が回る、雇用も税収も増える施策として検討すべきです。次に、
C市独自の緊急融資制度、府経営対策資金融資の保証料・利息など補助に
ついて 質問します。
中小業者は、長引く景気の低迷で資金繰りも苦しい状態が続いています。行政として、府保証協会の保証だけでな
く、箕面市にもかつては、緊急融資制度がありました。改めて箕面市独自の緊急融資制度を創設することを求めます。 また、府の市町村連携型融資として、府保証協会と連携した600万円の融資制度として、箕面市中小企業事業資金融 資があります。この融資制度の活用の状況はどうでしょうか?この融資制度の保証料や利息を市が補助をおこなうよ うすべきと思いますがどうでしょうか?
答弁:
保証料負担に、1万円を上限に助成していただき、負担軽減をはかっていただいているとのことですが、HPなどにも案
内がありません。600万円上限で、保証料の助成が1万円が、妥当か?利息への助成はできないのか?他市にはどん な状況か?今後も調査いただきたいと考えます? 次に
D公契約条例について 質問します。
中小零細の建設業などでは、元請け企業の代金不払いなどにより廃業や経営悪化になる場合が増えています。特に、
公共事業の発注においては、元請け業者から、下位の下請け業者への代金の支払いが、すべて適切におこなわれて いるかどうか、市として調査をすべきです。
2009年「公共サービス基本法」が制定され、不公正な取引関係を改善するとともに、公正な労働基準の確保や労働関
係法の順守、社会保険や労災保険の全面運用を徹底させること、男女共同参画社会の構築や障害者雇用の促進な ど、積極的に施策を講じることを通じ、行政が民間企業の模範となることがうたわれています。そのためには公契約法 や公契約条例の制定は不可欠です。公共工事だけでなく、公務公共サービスに従事する労働者の労働条件を公契約 法によって専門性を担保できる賃金下限設定をしておこないと、TPP参加推進などで低賃金労働者が参入し、サービ スの質が低下し、地元の事業者が打撃をこうむることになります。国に公契約法の制定をもとめ、市として公契約条例 を制定することをもとめるものです。
答弁:
「最低制限価格と契約書における法令尊重を義務付けているので、条例は予定しない」との答弁です。これでは、「最
低賃金さえ確保されていればよい」という立場です。
2009年に大阪市営交通が発注した、地下鉄清掃の委託労働者が、生活保護を申請して賃金と生活保護基準との差額
分について認められました。「市は『最低賃金は守られており、入札方法を見直す考えはない』としていました。(2009年 6月24日読売新聞)」
参考:官製ワーキングプアについては、「『公契約条例」の現状と課題を考える一公契率条例のさらなる前進に向けて」
(北海道自治研究・勝島20U年4月)を参照下さい。
ILOは、入札にあたっては、「地域の標準的な賃金を上回らなければならない」、「賃金や労働条件を競争の条件として
はならない」とILO94号条約の意義を説明しています。さらに、ILOは近年では「ディーセント`ワーク(人間らしい仕事)」と いう原則をおいています。労働者がより人間らしく働くことができるような、包括的な取り組みが必要です。
現行の最低賃金では、最も高い東京の最賃でも、年間2000時間働いても年収170万円にしかなりません。自治体は、
契約の相手側に「法令遵守」にとどまらず、貧困をなくし、よりより地域社会をつくることが自治体の目的です。事業を 発注者する自治体として、最賃以上を実現することは当然の責務です。また、企業も地域社会を構成するパートナーと して税金で行う仕事に関しては、積極的な協力が期待されます。自治体の発注する仕事でワーキングプアをつくらない ためにも地域経済の活性化につなげるために公契約条例の制定をもとめます。
(2015年現在、公契約に関する条例を制定した全国の自治体は24に上ります。うち賃金規定を持つのは千葉県野田
市をはじめ16自治体。残り8自治体は、賃金規定はなく、理念、目的などを明記した条例です。
野田市では、条例の効果を点検・確認しながら、適用範囲を拡大するなどの条例強化を実施。地域経済への波及効
果については、多摩市が13年、12年度の公契約対象となった42受注者に対しアンケートを実施したところ、「地域経済 の活性化につながった」が15%、「今後地域経済の活性化につながると考える」が44%で、約60%が前向きに評価して います。)
2 、箕面駅周辺の整備について
@駅前の時計台やベンチについて 質問します。
箕面駅周辺整備は、2016年・平成18年度より箕面駅周辺整備方針検討調査事業を実施し、2017年・平成19年7月に
「箕面駅周辺整備のあり方について「箕面駅周辺整備計画」を策定、市民、地元関係者の意向を反映するため、箕面 駅周辺整備方針検討懇話会、箕面駅周辺整備方針検討ワークショップを開催した他、アンケート調査や、計画の素案 に対するパブリックコメントも実施され、計画を策定され2010年・平成22年から2012年・H24年まで工事が実施されまし た。全体として、バリアフリー化やトイレの改修などすすめられ街並みがすっきりとした駅前に生まれ変わりました。
しかし、市民から聞こえてくる数点質問します。一つは、ロータリー中央の噴水がなくなり時計台もなくなり、移動されま
した。代わりに、モニュメントが時を音楽で知らせてくれるしくみになっていますが、市民の方からは駅前からは、時計 がなくなり時間が確認しにくくなったという声が聞かれます。また、移動された時計台は歩道の真ん中に設置され歩行 者の歩行の妨げになっています。ロータリー中央の広場は、どんな活用がされていますか?時計台は駅から見やすい 場所へ移動できないのでしょうか?
駅前の数か所に、歩き疲れた方や、箕面に来られた方が休憩できるベンチが設置されていますが、どれも、屋根の
ない場所に設置され、雨の日は使えません。改札口を出て正面の大型のベンチも、待ち合わせでよく活用されていま すが、屋根らしきものがあっても、格子状になっていて雨は防げません。なぜ、こんな構造のベンチになっているのでし ょうか?覆いを架けるなど改善ができないのでしょうか?
答弁:
時計台の高さは高くなったが、駅前からは、遠く小さくしか見えず、時間が確認しにくい、歩道の真ん中にあって、端に
寄せられないのかと、いうのが寄せられている声です。「コンコース内のベンチを使用」と答えられていますが、改札口 を出たところには屋根のある部分にはベンチはなく、「改札口を入り直せ」ということでしょうか?パーゴラというならツル など植物の絡まる仕組みのなっているのでしょうか?このベンチには日よけのような仕様でなく、少しの雨でも避けられ る覆いが必要ではないのでしょうか?次に
A周辺歩道と自転車走行レーン整備と安全対策について 質問します。
第一駐車場の駐輪場を建設するために、昨年5月から仮設駐輪場が、箕面駅前北西に隣接してつくられました。これ
に対して直近の周辺の住民の方々は、計画が進んでいた2014年10月に、説明や周辺の環境悪化対策を市にもとめて こられましたが、市は「仮設駐輪場は住民と民間事業者との問題」として住民らによると「市として、『関係がない』」と説 明会を避けてきました。住民らが「代替地」を求めていたのに、市は、事業者の手伝いをして、周辺を戸別訪問し、意見 を聞いてまわりました。説明会での概要や運営方法など説明なしに個別に意見を聞いても、正確な意見がきけるので しょうか?
昨年H27年・2015年1月23日にやっと、市、事業者、住民の3者による説明会が開かれ、「交通量調査を実施すること」
などが約束とされましたが、交通量調査は午前の数時間で住民の納得できるものではありませんでした。また、2月25 日の2度目の説明会は、市の一方的な打ち切りで、それも2日後のもみじだよりで仮設駐輪場を当該「候補地」に設置 と掲載するなど説明会でも協議の場でもなく、「結果ありきのセレモニーでしかなかった」と住民の不信感を募らせまし た。そして、4月に入り仮設駐輪場の工事が始まりましたが、これにも近隣住民には説明会はなく、住民側から働きか けやっと4月10日に工事についての説明会が工事事務所で行われました。4月3日の「駐輪場の設置についての住民へ の回答文書」では、「駐輪場の運営開始後の状況や市民の皆様からのご意見を伺いながら、事業者に安全対策の指 導を行います」としながら、駐輪場の運営開始後も一度も住民への聞き取りはありませんでした。
そして、さらに昨年5月の仮設駐輪場の運営開始を前にした、4月末から「阪急セブン」の北側の歩道の撤去を行ない
ました。この計画も、周辺住民には事前の説明もなく、4月21日のチラシで突然25日からの歩道の撤去の工事がはじま ることが知らされました。即座に「歩道撤去による道路拡幅に反対する署名」活動が地域の住民などで取り組まれ、24 日から26日までのわずか2日半で、374名もあつまり、市に提出されています。署名はその後も寄せられ400名をこえた といわれています。その結果4月25日と27日の工事は、住民の反対の声が大きく中止になりました。
4月28日、朝8時から12時にかけて、歩道撤去工事に反対する住民と工事事業者が「工事をさせない」「指示に従い工
事をさせてもらう」「指示を出した市の職員を呼べ」と激しくぶつかり、警察までで出動して3時間にわたって駅前北側で 大騒ぎになりました。
最終的に、「工事は行うが歩道の撤去に反対し、署名した方々に説明会を開催すること、歩道の撤去工事の後、必
要なら歩道の復元を行うこと」などを約束して、歩道撤去の工事は行われました。しかし、新たな駅前駐輪場が完成し、 仮設駐輪場が閉鎖した3月現在まで、説明会は行われてはいません。
周辺住民や「歩道を残してほしい」と署名された市民の方々への説明会はいつ持たれるのでしょうか?
仮の駐輪場閉鎖後は、歩道の復元をおこなうか、歩道を残して欲しいと要望された市民への安全対策など説明をお
こなうと約束されました。歩道の復旧への考え方をお示しください。
歩行者が、どんな経路で道路や歩道のあった場所、つまり自転車レーンに指定された場所を通っているか、車の通
行や駐停車の状況がどうだったのか、市が市民を通行させないように歩道の一部に囲いを設置した周りを、歩行者市 民がいかに通行しているか?など現地の状況を確認されたのでしょうか?駅前周辺の住民は、日々、危険な状況を目 撃し、市民の合意なしに歩道を撤去した市の責任ある説明と対策をもとめています。市は危険な状況をいかに認識さ れているのでしょうか?
答弁:
終わりの発言 要求
答弁は抽象的な言葉をならべ、具体の中身には何一つ答えていません。「歩道改良も含めた自転車レーンの整備を
H28年度に予定し、沿道の皆さんに説明するよう予定」との答弁でしたが、これは、歩道の撤去に反対した住民の方々 への説明会を行うということでしょうか?個別の説明ではなく、昨年の4月28日、工事を強行した時に約束した説明会し っかり質疑に応答もして行うべきだと要求します。
周辺住民の方々は「歩道の復旧」を求めています。仮設駐輪場のために一時的に周辺道路の整備を行ったのなら仮
設駐輪場が、第一駐車場に移ったのだから元の歩道を復旧すべきです。昨年4月28日の歩道の撤去と5月の仮設駐 輪場の設置後、周辺住民へは何一つ市は説明してきませんでした。そして、仮設駐輪場が、撤去された今年3月以後 の今も、歩道の復旧、安全対策について説明してきませんでした。
昨年の4月28日、歩道の撤去の以前は、周辺住民や平和台方面、北側から降りてくる住民はこれまで通り安全に歩道
を通っていました。結局、歩道を撤去して、道幅が広がったことにより、●車や自転車のスピードは上がるし、●車の駐 車は増えるし、前よりいっそう危険になっています。結果的に、歩行者の大半は、●道路を南北に渡り、横切り、●つく られた自転車道を歩く人々が多数であり、●道路が広くなったことで車駐車車が常態化する、一方通行を南側から侵 入するなどこれまでになかったこともたびたび起こってきました。周辺住民は、常にみてきました。周辺住民が「歩道を 撤去すれば危なくなる」と指摘してきた通りになっているではありませんか?さらに、市が残った歩道の南側に柵をつく ったため●通行人がさらに道にはみ出して通行する危険な状況まで拡大してきました。「この10カ月、事故がなかった ことが奇跡」と地域住民の間では話されています。
「北側歩道は1.5メートルと狭く」との答弁でしたが、改良工事を行って安全になる根拠はあるのでしょうか?根拠があ
るなら、図面にして、周辺住民へ説明すべきです。雨水を流し込む暗渠も移動させないといけないでしょう、電柱は移動 するのでしょうか?計画を図面で示し、安全になる根拠を示すべきです。いま、危険な根拠は、先にも示したとおりいく らでもあります。
これまでの市の姿勢は、住民が声を上げているにも関わらず、道路の建設に周辺住民の合意もつくらず、安全も安
心も与えていません。歩道の撤去を強行した後の説明もしていません。そして、歩道の復旧の説明もありませんでし た。めんどうなこと、煩雑な行為をすべて避けようとしています。その説明や調整しようとする行為、作業の中にこそ公 正(公平で正しいこと)検証があるのではないでしょうか。PFIで民間委託で事業を進めるからそうなるのでしょうか?そ れなら、今後の、北急延伸の周辺街づくりの計画や整備にもおおきな不安があることになります。
サイクリングロードの設置だと言ってかっこい街づくりをいくら進めても、肝心の安心、安全が保障されなければ元も
子もない街づくりになるのではないでしょうか?とりあえず、箕面駅西口のサイクリングロード計画から駅前周辺の西側 のこの部分を外すことを周辺住民は要求しています。
市は、この歩道の撤去された道路の状況を本当にきちんと把握してきたのでしょうか?まず、市として、この道路の
状況を1年間なり調査し状況を把握することを求めます。そもそも市は、昨年、住民に指摘されるまで交通量調査もして いなかったではありませんか。そして、指摘されて調査したのも数時間でした。道路の交通量や状況把握は、委託の駐 輪場建設事業者や駅前駐車場事業者の仕事ではありません。市の責任で行われるべき調査のはずです。歩道撤去 の現状の道路の状況の調査結果の資料をもって、周辺住民はもちろん、利用者の多い、平和台から降りてくる市民の 方々、そして周辺自治会に説明会をおこなって今後の安全対策をすすめ、安心、安全の駅前つくりをすすめることを要 求して質問をおわります。
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