ささやかなプライドと幸運を


2004年のフットボールシーンは皆さんにどんな印象を残しましたか?
もっとも欧州、南米、アジアとコンペティションの終わりの時期は様々ですから
04で区切ることには違和感もありますね。

欧州(04ー05)はあと半分残っています。
元気なフットボールを展開しているのはチェルシーとバルサでしょう。

そんなチェルシーのマケレレ選手が最近のインタビューで
ちょっと面白いことを言っています。
引用しますね。

「フットボールにおける成功とは、与えられるものではないんだ。
 フットボールにおける成功とは、毎日の練習。
 僕たちが収穫するのは、昔蒔いた種だよ」

スタンフォード・ブリッジでの2年目を充実したシーズンにしているマケレレ選手。
1年目とはまるで別の選手のようなコンディションの良さが印象的です。
もっともマドリー時代はそんな選手でしたね。

昨年の彼はマドリーとチェルシーの間で宙ぶらりんとなったまま
プレシーズンを無為に過ごし、
新しいチームに馴染むのにも時間がかかりました。
しかし今シーズンは完全なモチベーションで試合に臨んでいるというわけです。

現在、どんな種を、誰が、どのクラブが巻いて
成功への準備をしているのかを見る。
これはフットボールの観戦・中〜上級者編でしょう。
そんな選手やクラブの存在をみなさんは見つけましたか?

ぼくにとっての2004年は耕作の下準備という印象が強い1年でした。
休んでいた田を耕し、種を巻き、スタッフに肥(声)をかけている
途中といった感じです。

願わくば、担当するコンペティションが1年草の類いではなく
宿根、あるいはしっかりした樹木、実のなる樹木でありますように…
なんてね。

グラマラスな選手ではなくともマケレレは1流の『水運び屋』として
チームメートからも選手達からも感謝され尊敬されています。
ぼくや番組スタッフが運べる水の量は微々たるものでしょうが
いずれ花を咲かせるものがあればいいなとみんな思っているのです。

暦の上ではもう春です。
花屋に出掛ければ館山や千倉の花畑で咲いた花々を目にする機会もあるでしょう。
ゴージャスな花束の購入は気分を高揚させてくれますが
併せて、鉢植えのまだ緑の葉しかないいたいけなやつも買ってきて
ちょっと目をかけて、手間をかけて、花が咲くまで見る。とにかく見届ける。
咲いてから見始めたんじゃない、葉から見続けたのだという
ささやかな、吹けば飛ぶようなプライドもいいなあと思うのです。

2005年もささやかなプライドと幸運を
同じ試合の中で見つけ、感じられたらいいですね。

ちなみに2004年度、一番のささやかな幸運は『特捜戦隊デカレンジャー』に
はまったことでした(あはは)

それではまた。


                        倉敷 保雄

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