西穂高岳と上高地②

翌朝は、日の出前に起床。帝国ホテルから大正池までヘッドランプを点けて散歩。日中は賑わう上高地。その朝の限りない静寂は、観客を待つ劇場のよう。大正池に着くころ、白み始めた東の空。湖面に映る穂高連峰を撮影しようと、もう30人くらいの方が三脚をセットしておられる。水面にもっとも近いポ-ルポジションを陣取った人は何時に来たのか気になりますが、今朝は曇天。輝く稜線は現れてくれませんでした。ホテルに戻ると、まだ寝ているタケを起こし、朝食へ。散歩後のとても美味しいコ-ヒ-。夕食も含めると、とても贅沢な時間。とくにタケとふたりでカウンタ-に座したバ-「ホルン」。彼が最近夢中になっている”ゴ-カイジャ-”の話しをサカナに呑むシングルモルトは美味しとき。趣きのある建築空間は設計する上でも貴重な体験となりました。上高地の紅葉はまだ始まったばかり。真っ赤に染まるナナカマドや白い幹に黄色が映える白樺の葉先は茶色に変色している樹が多かったけれど、この後につづくカラマツの彩りが楽しみです。11月中旬には閉山される上高地。4月中旬の開山直後に、訪れて眺めたい、銀嶺の穂高です。

2011年10月17日