八ヶ岳2010秋②

翌日は山登り。往路5時間、復路4時間の県界尾根ル-トで八ヶ岳主峰、赤岳を目指します。登山口、AM5:00。気温2℃、オリオン座に手が届きそう。予報通り強風で、怖いくらいの森のざわめきです。ヘッドライトを頼りに1時間ほど歩くと、遠くに見える赤岳。昨日まで雲に隠れて見えなかった山肌はやっぱり白く、また、風が収まりそうにないので、引き返そうと迷いながら進みました。いと、寒い。
歩くこと4時間、ようやく赤岳頂上直下着。ここまで他に登山者はなし。樹氷がきれいですが、これから難所がつづきます。ザックからカメラ出すのも危険。来てはいけない場所に来てしまったように思いましたが、さっきまでの強風はなく、雲の様子も安定しているので、進むことに。とはいえクサリにしがみつきながらのへっぴり腰。途中、岩場の横移動で下を見てしまい、なかなか出ない足。
そして、最後の難所、雪と氷が混じって怪しく光る岩場。もう少しで頂上につづくその急斜面は、同時に何百メ-トルか下へ切れ落ちている。その様を見て、たとえ登れても下る技術も耐力も覚悟もないと真に感じて、ここで、ストップ。なぜだか、今朝、見たタケの寝顔がアタマをよぎりました。下山途中、何度も振り返り見た赤岳は少しずつ雲の中へ。雪のないとき、また、来ます。

2010年11月16日