あの瞬間・・・。

あの瞬間、あの物音を聞いた瞬間、感じたことのない恐怖が就寝中の私たちを、叩き起こしました。6月4日、深夜2時、板が倒れる音・・・。その板は人為的以外倒れるはずのないもの。恐る恐る階段をおりると、半開きのドア。そして、そのドアからもれてくる、湿った夜の空気。とにかく、武器になりそうなものを掴み、中へ。今、こう書くだけで、強烈な鳥肌がたつ室内の光景を、絶対に、忘れることができません。割れた窓ガラス、荒らされた室内、靴跡・・・。つまり、ドロボウなのですが、そんな生易しい名称ではなく、得体の知れない生物、人間の皮をかぶった暗闇、腐臭を放つ影が、我が家を汚しました。仕事用カメラ一式を奪った犯人への、やりきれない憤りはありますが、家族が無事であったことに、このうえなく大きく安堵しています。もし、板が倒れなかったら、もっと寝室に近づいてきたかもしれない・・・。
私は風と光を大切に設計をしてきました。それを変えることはありませんが、このことを忘れることなく、家づくりにむき合っていきます。

2008年06月08日