サントリー山崎蒸溜所

短時間の移動やインターネットによって、時間や距離が縮まる一方で、その逆への羨望も高まるよう思います。天王山と淀川に挟まれたサントリー山崎蒸溜所は、周辺の街並みから地形、地域を大切にした創業者とそれを維持する企業まで含めて、そんな気持ちを十二分に満足させてくれる場所でした。
2pfbtchp 見学時間は約50分、独特な香り包まれながら、仕込み、発酵、蒸溜、樽詰と歩いて、ひんやり薄暗い貯蔵庫に至るころには心身清清しく、無心の参拝者のごとし。となれば、コンパニオンの方は巫女さんとなる。その巫女さんは言う。「ウイスキーも人も同じです。最初から花開くもの、時間をかけて美味
Bqbjepzc しくなるもの、それぞれです」と。見学者一同、静かに唸る。その後、クライマックスの”試飲”へ。これは美味かった。山崎12年と響12年を頂いたのですが、水、氷、温度(そして、無料!)のせいか、本当に美味しかったです。飲み足りない方には、テイスティングカウンターというちょっとしたバーがあるのでそちらへどうぞ。もちろん、ワタシもそちらへ。年代ものウイスキーや原酒が安価で楽しめます。ほろ酔いで、外に出るとイルミネーションが点灯しており、見学者以外にも、たくさんの親子が思い思いに過ごしていました。蒸溜所内に通っている町道には、帰宅途中の子供たち、犬を散歩する人が通り抜ける。紅葉した樹木が美しい。街に開かれた気持ち良く美味しいこの場所は、時間の蒸溜所でもありました。余談ですが、以前に読んだ、サントリー広告に深く関係されていた作家、開口健の著書「食卓は笑う」を拾い読みしていたら、こんな記述に目がとまったので抜粋させて下さい。”顔で笑っても、心では笑わぬ者は遠ざけよ”

2006年12月17日